今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

越谷竜巻

2013年09月03日 | お天気
2日に埼玉県の越谷で発生した竜巻はフジタスケール(Fスケール)でF2だという。
ちなみに、フジタスケールは、竜巻研究の第一人者である故藤田哲也氏によるもので、
日本が世界に誇る功績の1つ
(現在のアメリカではフジタスケールの改良版EFスケールが使用されている)。

巨大なスーパーセル(1個の巨大積乱雲)が東京から観察されたというが、
14時の衛星画像では、まだかわいい大きさで、
30分ごとの衛星画像を追うと、竜巻が消えた後の15時に、雲は丁度千葉を抜けて茨城南西部に達し、
昨年の筑波竜巻のスーパーセル並みに成長する。

衛星画像だけから推測すると、竜巻はスーパーセルの最盛期ではなく、成長期の段階で発生したかもしれない。
住民の映像によると雲底がかなり低かった事から、積乱雲の下層だけでミクロな擾乱が発生したのだろうか。
発生時である14時の地上の風向をアメダスで確認すると、
埼玉と東京の境あたりで北風と南風が、すなわち寒気と暖気が激しくぶつかり合っている。
そこでは地上で強い上昇流が発生し、それが栓を抜いた浴槽の湯のように回転運動化したのかもしれない。

木造の剣道場が土台を残して吹っ飛んだように、物的被害は大きかったが、死者がなかったのは幸い。
これは昨年の筑波よりスケールが小さく、飛ばされた人も距離が小さかったためでもある。
F2レベルなら、家の中(1階の中央かトイレ・浴室)での避難で間に合う。

ただし、筑波のF3さらにアメリカのトルネード(F4クラス)だと、日本の木造家屋では完全に破壊される
(筑波の死者は家の中にいた)。
その場合は鉄筋ビルの地階に避難するしかない。

ということは、竜巻の発生と進路について、リアルタイムな情報が必要となる
(今回証明されたように、気象庁の竜巻注意報は精度も確度も役に立たない)。
日本にもいよいよトルネード・ハンター(トルネード・チェイサー:竜巻の追っかけ)の登場が待たれるか。
私は定年退職後に命を懸けた道楽としてやりたい(重装備の車が必要)。

竜巻に関心をもった人は、ぜひ竜巻映画の金字塔「ツイスター」を観てほしい。
F2からF5までの竜巻の挙動とそれを追いかけるトルネード・ハンターたちがリアルに描かれている。