今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

休暇村鹿沢高原の温泉チェック

2013年09月17日 | 温泉
今夏(もう九月半ばだが)一日遅れ・一泊だけの温泉旅。
温泉解禁記念として、「休暇村鹿沢高原」に行った。

ここは遥か昔、小学生の時に家族で泊まった記憶がある。
もちろん建物は新しくなり、当時の面影はない。
山中の宿なので、2泊してハイキングでも楽しみたかったのだが、
初日予定日が台風18号に阻止された件(くだり)は前の記事に記した。
宿に向う公共交通機関がないので、最寄り駅は万座・鹿沢口なのだが、
はるばる山を越えた信州の長野新幹線の上田駅からの送迎バスを予約するしかないことも記した。

さて、台風一過の今日、24時間遅れて長野新幹線に乗った。
平日の昼間なので混まないだろうと楽観して自由席にし、そのかわり発車30分前にホームに行った。
かろうじて行列の先頭になれたが、乗車するときにはいつのまにか長い列となり、車内は始発駅で満席になった。
さらに上野、大宮から乗ってくるので車内にあふれるが、高崎で空席ができるくらいには空く。

信州も台風一過なので、上田に達すると、車窓から北アルプスの槍~穂高という日本一ハイグレードな稜線がはっきり見えた。
東京からだと北アルプスははるか彼方で、甲府盆地の西にある南アルプスの方が近いが、
千曲川沿いの北信だとむしろ北アルプスが正面になるんだな。

送迎のバンに揺られて宿に着いた。
客室の窓からは、草津白根から四阿までの上信国境の2000m級の広いすそ野をひいた山並みが正面に見わたせる(上写真)。
これは日本アルプス中心の長野とは違う群馬の眺め。
宿の前は白樺の疎林で、右手には浅間連峰の寄生火山である村上山(1746m)が目の前に大きな瘤として盛り上がっている。
この山は宿から往復2時間の軽いルートで、予定にはなかったが、せっかくなので明日、空身で登りたい。

さて、肝心の温泉。
浴槽は、源泉が流れる小さめの浴槽とそれに隣接して真水がまじる大きな浴槽、
それに源泉が流れる露天(小さめの浴槽と同じ大きさ)の3つある。
すなわち、休暇村という大衆的な宿なので、少ない湧出量で大量の客をさばく工夫がしてある。

ちなみに昔、湯の丸山・烏帽子岳に登る目的で、ここから更に山に入った鹿沢温泉の「紅葉館」に泊まったことがある。
そこは源泉架け流しの素朴な温泉宿で、紅葉の時期だったが男客は私一人しかいなかった。
当時は路線バスがあってこの状態だった。バスのない今でも続いているのに安心した。

肝心の湯については、まず分析書(平成19年)の解読から。
温泉地は「鹿沢温泉」、源泉名は「雲井の湯」。
休暇村は鹿沢温泉と新鹿沢温泉の中間にあるが、温泉地としては鹿沢に属するようだ。
「自然湧出」であるが、量は「測定せず」とあるから、測るに値しない少量といえる。
泉温は47.5℃なので、温度だけで”温泉”に合格。

溶存物質の総量は1380mg/kgなので、単純泉よりは濃い。
成分は、陽イオンでは、マグネシウム(41ミリバル%)、ナトリウム(39ミリバル%)。
陰イオンでは炭酸水素がほとんどで93ミリバル%。
なので泉質名は、「マグネシウム・ナトリウム・炭酸水素塩温泉」となり、”療養泉”に合格。
効能(適応症)としては、炭酸水素で切り傷・皮膚病に良く、マグネシウムは高血圧、ナトリウムは筋弛緩に良い。
炭酸水素とナトリウムで美肌効果もある。
ちなみに、分析書とは別の宿の表示(昭和61年分析)には
「ヒステリー及び神経衰弱」も適応症に入っている。
温泉で精神症状が改善されるのだろうか。
またメタケイ素が238mgもあり(これだけでも療養泉合格)、
飲泉すれば胃や腎臓にいいのだが、残念ながら飲泉は不可とされている。
濃度は単純泉に近いので、本来なら長湯に向いているのだが、浴槽での泉温も高いので、長湯できないのが残念。

分析書によれば、源泉ではpHは6.8,電気伝導率は145mS/mとあるが、
季節により加水しているという浴槽の湯口での私の計測では、pHは確かに6.5-7.0の間だが、
電気伝導度は1220μS/m(ただし42℃)だった。
この100倍の差が気になる。
源泉に対する加水率がおおざっぱに100倍ということか。
そうだとしても、浴槽での温泉の濃さは、わが定宿・中津川温泉(ここも加水)の1/3だが、
先日行った小牧のコロナの湯の2倍以上ある。
Mアルカリ度は180mg/lあり、中津川温泉と同じ。
ちなみに客室の水道水では電気伝導率は48μS/m(ただし20℃)、Mアルカリ度は40mg/lと、水道水として普通。

湯以外の楽しみである食事はどうか。
夕食は”バイキング”ということで、ワクワク感があるが、
同じ嬬恋にある「グリーンプラザ軽井沢」のそれと比べると、質・量ともに見劣りがする。
同じ休暇村のバイキングでは、愛知の「伊良湖」だと
名物の大あさりとマスクメロンを食べ放題できたのが嬉しかったが(ただし温泉でない)、
地元名物だからといって”高原キャベツ”の葉を生のまま剝いて出されても…(朝食ではキャベツの温野菜だった)。
そう、野菜の産地らしく、惣じて品はサラダ系が多かった。まぁ健康にはいいだろうけど。
地元野菜の天ぷらと水沢うどんはおいしかった。