白内障手術の後、「2-3ヶ月は温泉・プールは控えるように」と術後のケアに書かれてあった。
1週間の禁酒はなんとか耐えられたが、3ヶ月の禁湯は辛すぎる。
術後の状態を診てもらっている近所の眼科医に、術後1ヶ月の先日、
「温泉は行けるでしょうか」と恐る恐る訊いてみた。
すると、「大丈夫ですよ」との答え。
回復がすこぶる順調なおかげだ。
私の眼のナマの状態を診てもらっている医者からのお墨付きを得た。
解禁記念の温泉はそれなりの所に連休明けに予約をしたが、
いつでも温泉に入れると分っているので、それまで待てない。
なので、大学の用事のあい間のウイークディの今日、
名古屋の棲み家から一番近い温泉、小牧にある「キャッスルイン小牧」に投宿した
(日帰りでなく、あえて宿泊するのは温泉に幾度も入りたいから)。
温泉解禁の宿は別にあるため、今回の正式の名目としては、”論文提出の慰労”。
このホテルは当ブログで幾度も紹介しており、
ビジネスホテルながら真の天然温泉が併設されているのが特徴。
つまり、ビジネスホテルの宿泊費で温泉が入り放題なわけ
(大浴場付きのビジネスホテルには、入浴時間が制限される所が多い)。
しかも2階が居酒屋なので、ホテルの室内着で飲み食いできるのがいい。
難を言えば、客室内のカーペットが古く、ちょっと臭いがする。
今回宛てがわれた個室の臭いがあまりに強いので、フロントに文句を言ったら、
きれいで広いダブルルームに替えてくれた(言ってみるもんだ)。
さて、温泉だが、
源泉名は「コロナの湯」という(オーナーの法人名から)。
泉温は31.7℃なので温度レベルで「温泉」合格。
ただし浴槽へはもちろん加温している(加水、循環、塩素も)。
溶存物質は8033mg/kgもあり、1000mg未満の”単純泉”ではなく、「塩化物泉」。
濃度的に「等張性」で、長湯しなくても成分が細胞に染み渡る。
すなわち、そこらの温泉よりずっと濃い温泉なのだ。
成分は陽イオンではナトリウムが71.5%と陽イオンで最も多く、
ついでカルシウムが27.8%。
陰イオンでは塩素ほとんどで99.3%。
なので泉名は「ナトリウム・カリウム塩化物泉」
ナトリウムは筋弛緩効果がある。
カルシウムは神経の鎮静効果、塩素は皮膚の被膜形成効果。
先日の大山登山で、膝を痛めた身にはナトリウムがありがたい。
あと、メタホウ酸が60mgもあり(これだけで温泉合格)、皮膚の殺菌作用がある。
以上が源泉のデータ。
私独自の計測として、浴槽の湯口からとった湯の残留塩素は0.2gm/lで水道水並、
pHは6.5と中性だが、分析表では「弱アルカリ性」となっている。
加熱している分、pHが下ってしまったのか。
Mアルカリ度は40mg/l、
電気伝導度は501μS/cm(36.6℃)と他の温泉と比べてかなり低い
(たとえばわが定宿・中津川温泉の1/7)。
これは、源泉がかなり薄まっているということか。
客室の水道水を測ると227μSなので、
浴室の湯の”濃度”は水道水の2倍程度ということになる。
そういえば、分析表には他なら載っている「湧出量」が記載されていない。
ということは、上の濃い源泉は実際には記載に値するほどの湧出量がなく、
実際に入る大浴場はかなり加水しているということになる。
なるほど、”電気伝導度”で温泉と称する湯の加水度合いが分るわけだ。
追記:2016年、コロナの湯は温泉をやめた。