今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

焼山と八幡平

2010年08月27日 | 山歩き

下の玉川温泉の記事の続き。
夏休みの温泉旅では、一応元山岳部員としては、山にも登りたい。
行き先が東北地方なので、当然登る山もその近辺。
東北の山は、緯度が高いせいで標高の割に高山的気分が味わえるのがいい。
それに火山が多いので、独得な風景が味わえる。

今回の温泉地・玉川温泉の頭上には、その温泉と熱い岩盤の供給源たる活火山、
その名も焼山(1366m)がそびえている。
焼山には前回玉川温泉に訪れた時に登ろうと思ったが、
運動靴の底のゴムが、温泉の強酸にやられたのか、
温泉場を歩いている最中にベロリと剥がれてしまった。
それに天気も悪かったので断念(初回なので、温泉自体を堪能したかったし)。

今回は靴以外もちゃんとした装備を持参し、やる気満々。
コースも、玉川温泉からの往復ではなく、
東の後生掛(ごしょがけ) 温泉から登って、西の玉川温泉に降りる横断ルート。
ただ、後生掛温泉に行くバスが10:44と遅いのが欠点だが、他に選択肢がないので、
例の高濃度の場所(下の記事参照)でラドン浴をして時間をつぶしてゆっくり出発となる。

今は、北海道に大雨被害をもたらした前線が、
丁度秋田付近に停滞しているため、中層雲が多いが、
雲間から陽光も差して雨にはならない。

案内板に従って後生掛温泉場内の廊下を土足で横断し、裏手から登山道に入る。
男根の木像が奉納してある祠を通過し、
最近熊が出たとの貼り紙があるので、熊除けに口笛をふきながら、樹林帯の中を登る。
傾斜は緩いが、沢床のように石伝いに足を運ぶので歩きにくい。
稜線直下までずっとこのような道が続く。

稜線上の毛せん峠からは、周囲が開けて山上の気分がいい道。
行く手の焼山火口群が異様な雰囲気(写真)。
その中央の鬼ケ城を越えて、生物を拒絶した青白い火口湖を見下ろしながら、
噴火口の縁にあたる名残峠に到着(写真中央奥の鞍部)。
火山に登ると、地球の主役は生物なんぞではなく、
我等地殻活動であるという厳しい主張を感じる。
ここから最高点の焼山山頂(写真左の山。三角点標石があるだけで展望なし)を往復。
あとは玉川温泉をめざしてどんどん下る。

標準タイム5時間のところを3時間で歩いた。
脚力いまだ衰えていないのを確認できて安心した。

帰宅日の翌日は、チェックアウト後に同じ便のバスに乗って、
バス終点の「八幡平頂上」まで行く。
八幡平(はちまんたい)は、東北地方の背骨として縦断する奥羽山脈の
秋田と岩手の県境に位置するなだらかなアスピーテ火山。
ここは雲の中で、最高点(1613m)の展望台に立っても何もみえない。
だが、ガマ沼まで下ったら、周囲だけ雲が晴れて、
八幡沼をはじめとする大きな湿原だけはなんとか展望できた(写真)。

山上の平原をぐるっとまわって90分後、田沢湖駅行きのバスに乗ったら、にわかに強雨。間一髪。
バスは、蒸ノ湯・玉川温泉・田沢湖に寄り道して秋田新幹線の田沢湖駅まで135分の長駆(途中トイレ休憩あり)。
周囲の山にも行ったことだし、次回は、玉川温泉中心ではなく、後生掛温泉や蒸ノ湯を堪能したい。