今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

8月の気象特徴:極値統計より

2010年08月30日 | お天気
2010年8月の気象の特徴を、私が観測している3つの観測値の月間極値から探ってみる。

今年の8月の特徴の第一は、最低気温が高かったこと。
東京ひぐらし(荒川区)は8月の最低気温が23.9℃。
ほとんど毎日熱帯夜だったことがわかる(気象庁では今年の東京の熱帯夜は47日)。
昨年までの5年平均は、20.3℃なので、今年は3.6℃も高かった。
なるほど暑いわけだ。
日進(愛知県日進市)と星が丘(名古屋市千種区)も23℃前後に達し、
いずれもここ数年で一番高い。

最高気温も、ひぐらしで39.2℃に達し、2007年の39.1℃を越えて記録更新。
ただ愛知では2008年の方が高かったし、今年の最高気温は7月に記録した。

有害紫外線量の指数であるUVindexは、日進で14.5に達した。
UVindexが14を越えたのは、2007年12月からの観測以来初めてで、これも3ヶ所合わせての最高記録。
この値の高さは、外出禁止レベル。
ただし年々高くなる傾向を示しているわけではない。
天気の影響もあったのだろう。
基本的に、愛知は緯度の関係で東京より高く、さらに日進は名古屋より空気が澄んだぶん高めになる。

一方、雨量は3ヶ所いずれも例年の同月よりかなり少なかった。
夏に月間気温が例年より高いのは、太平洋高気圧が強いことの現れだから、その分雨量は少なくなる。
特に東京ひぐらしは27.7ミリと1月なみに少なかった。
夕立がまったくなかったため、夜になっても気温が下らず、それが一日の最低気温を高めた。

雨は少ないが、湿度が高めなのが日本の夏の特徴。
最低湿度は、ひぐらしで32%。
この値は12ヶ月で一番高い。
ただし東京は乾燥化がすすんでおり、
星が丘の47%・日進の43%よりも10%以上低い。
言い換えれば、気温は東京の方が高いが、体感気温(蒸し暑さ)は東京より愛知の方がずっと高い。

愛知は、日中の気温の上昇と共に湿度も上るという、従来の蒸し暑くなるパターンだが、
東京は、逆に日中の気温の上昇に反比例して湿度が下るという、逆パターンを示す。
これは、相対湿度の算出の元となる大気中の水蒸気量が減少しているためで
(観測値としては露点温度が日中に減少)、東京固有の現象らしい。
名古屋は伊勢湾からの湿った海風が入るが、
東京は湾岸のビルのせいで東京湾からの海風が入らなくなっているのも原因の1つかもしれない。
なので、東京は、日中は昔より蒸し暑さは減っていることになる(亜熱帯というより、砂漠的気候ともいえる)。
東京の湿度の低さは年間を通して一貫している。

ちなみに、台風が来ないかぎり、夏は一年で一番風が弱い
(太平洋高気圧が陣取ることで、等圧線がゆるやかになるため)。
だから、暑さが一層身にしみるのだ。
東京だと8月より6月の方が最大風速が小さい傾向はあるが。

つまり東京と愛知の今年の夏は、気温、特に夜間の気温が高めで、雨が少なかった。
なので、これらの地域では、突発性強雨(”ゲリラ豪雨”なる下品は表現は使わない)の被害はなかったが、熱中症で倒れる人が多かった。
うちの実家も、自動で警報がなる熱中症アラームを買った。

以上の数値を確認したい人は、私が観測している3ヶ所の観測値を1画面で表示している「携帯用3画面」(←クリック)をご覧下さい。