FRBが、突然公定歩合を25bp引き上げ、0.75パーセントとすることを発表した。FF金利ではなく、公定歩合の方から手を付けるということは前から予測されていたが、まさかこのタイミングとは驚いた。出口戦略の発動だ。ドルインデクスが跳ね上がり、ユーロ安・ポンド安・円安となっているが、金価格が意外に落ちていないことに注目される。この後の世界各国の株価の動きがどうなるかが興味あるところだ。
2月のマネタリーベースが最高値になっていることが示す、膨大な流動性を供給しながらの利上げは相反した動きであるが、おそらく財政的な限界からのやむを得ざる利上げなのではないだろうか。表面上は米国(FRB)と欧州(ECB)との格差がさらに広がったというところだろう。しかし、米国もけっしてその内情はよくないことは書いてきている通りだ。かならずいつかこの強引な出口戦略のつけが回ってくることになるに違いない。ただ、当面の自分の為替取引の方針としてはドル高目線がいいと思う。米国のほころびが表面化するにはまだ時間がかかりそうだ。
トレードとしては89円台からのドル円ロングを92円でさらにちょっと利食いした。このドル円の買いは偶然とは言えうまくいった。このあと株価下落、金価格上昇で、株金レシオが下降すればもくろみどおりなのであるが、どうか。
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いつも参考にさせていただいております。
このタイミングでの米公定歩合の引き上げ、本当に
びっくりしました。ヤフーのトップで見たとき、
目をうたがいました。
それで、ご意見拝見しにこちらに来たのですが、
財政的な限界からのやむを得ざる利上げという
ご意見がよくわかりませんでした。
財政との絡みならば、金利底ばい、物価↑を狙って
金利を上げないほうがいいろうな気がするのですが。
また、ご意見うかがえましたら、幸いです。
こんにちは。朝あわただしく書いて意を尽くしませんでした。「財政的」ではなく、「金融面」と書くべきでした。
出口戦略はいろいろな方法があります。利上げ、債券の買い入れ停止、その他で、全体としてFRBの金融緩和姿勢を徐々に引き締めてゆくわけです。今回の利上げはその端緒ですが、それによって膨大にふくれあがった流動性をなんとかする方に優先度を置いたものでしょう。あと、今後の国債消化懸念もあったものと思われます。FRBの買い入れが停止されたので外国頼りですから。
ですからおっしゃるように、利上げは経済活動を冷やし財政赤字にはむしろ短期的にはマイナスに働くわけですが、FRBとしては総合的に見て、ここでの出口戦略発動が有効と見たのだと思います。どうもご注意ありがとうございます。今後ともよろしく御願いいたします。
日本の国債もこれからしばらく売られるのでしょうか。
短期国債というのはどのような場合売られやすいのでしょうか
細かい質問にもかかわらず、ご丁寧なお答えありがとうございました。国債の消化懸念などを念頭におかれていたのですね。
それにしても、このちょっと早すぎるとも思えるような一手がどんな影響を及ぼすのか興味深いです。
いつもブログを拝見し、株や金の価格をレシオで見ていく考え方など、今までは自分は考えたこともなかったので非常に参考になります。また、いろいろとご教示ください。
やっぱり小手先の戦術(利上げ)でドルの価値を維持しようとしても無駄ですね。それだけドルの実力というか通貨としての価値はなくなりつつあるんでしょうね。
賞味期限の切れたアイドルですよ。ドルは!整形しても裸になって写真集を出しても駄目なアイドルと同じですねドルは。
ドルも今年後半までには長期金利が急上昇してドルの切り下げなんて有り得るかなと思ってます。そのときは米国債を沢山持っている日本もムッソリーニの愛人クララペタッチと同じ運命を歩むでしょう。その前に中国が米国債を売り崩すか。その点にも注目しています。
当面日本国債への影響はないと思いますが、株が下がって買われることはある可能性はないではないです。
koさん、
まだ実質的にどういう影響が出てくるかは読みにくいですね。慎重に見ていきたいです。
Steinさん、
なかなか米国はしぶといです。いろいろと手を替え品を替えでやってきますので、ここはじっくりと待ちたいと思います。