FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



先日、GOLD/CRBレシオのチャートを示して、これが、金価格から商品価格としての性質を抜いた部分(貨幣の性質)を意味しているということを述べた。今回は、そのことをより明確に可視化した対照チャートを作成したのでごらんいただきたい。
 
この上下対照チャートの上段は米国のマネタリーベースの推移である。既に何度か示したように2008年後半から2009年初頭にかけて、それまでとは比べものにならない量のドル供給(約2倍)が行われたことは周知の通りである。ここでチャートは階段状に跳ね上がっている。

そこで下段は、GOLD/CRBレシオであるが、上段とまったく同じように2008年後半から2009年初頭にかけて値にギャップがあるかのように上昇していることがわかるだろう。このギャップ(上と同様に、約2倍)こそが、上段でわかる膨大なドルの供給に対応するものであると考えられる。
 
その理屈はこうだ。つまり、ドルの膨大な供給が行われたため本来なら、ドル安が進むはずだったが、他の通貨も同様あるいはそれ以上に価値がさがったためドル安は進まなかった(むしろドルインデクスはこの時期急上昇した)。諸物価も需要の減退でデフレとなった(CRB指数の下降)。しかし、金のマネーとしての価値は不動であるため、通貨の希薄化によってGOLD/CRBレシオが上昇した、と考えていいのではないか。
 
だから、今後も各国が金融緩和をすすめればすすめるほど、通貨の価値が下がり、金の価値が相対的に上昇することになると予測できる(本当は上に書いたように、金が不動で、通貨が希薄化するだけなのだろうが)。GOLD/CRBレシオは、間違いなく、その通貨の希薄化の指標として重要な値であると考えられる。




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