博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『赤壁』前編

2008年08月30日 | 映画
26日にコメント欄で3日後、すなわち26日に自室でネットがつながると書きましたが、30日現在まだネットルームで書き込んでおります(^^;) 3日後というのはあくまでプロバイダーでの手続きが終了する日で、自室の回線工事は別途申し込まなければいけなかったようです。その申し込み受付も週明けにならないと受け付けられないとのこと……

で、『赤壁』の前編を鑑賞。

何というか、細かな筋立ては演義にも正史にもほとんど沿っていないので、『三国志』マニアどころかファンのレベルにも期待の添えない作品になっています(^^;) アクションも最大の見所の水戦が後編に回されているので、その面でもいまいちです。

では今回の見所は何かというと、豪華キャストと諸々のツッコミ所ということになりましょうか。

配役は金城武の孔明以外はおおむねハマッてますが、曹操役の張豊毅は以前に『大清風雲』でことあるごとに皇帝の地位に即こうとしてそのたびに孝荘皇太后にしてやられるドルゴンという非情に情けない役を好演しており、後編でもこの曹操が呉軍やら関羽に追い詰められて泣きべそをかくのかと思うと、今からワクワクしてきます。

以下、ツッコミ所を列挙。

○習字に紙を使用……一応映画の中に竹簡を使用するシーンもあるのですが、この時代は紙を字の練習のために使うことはなかったんじゃないかと。

○曹操がサッカーを観戦……現在ではもうサッカーの起源が古代中国というのはデフォルトになっているのでしょうか……

○孫権の妹に点穴される劉備……これでこの作品の雰囲気を察してください(^^;)

追伸……将進酒さんへ。自室に電子辞書を忘れてしまったので、レスは明日以降ということに……
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5日目

2008年08月28日 | 留学
長春に来て5日目ですが、まだ留学というより旅行に来ているような感じです(^^;) 実はこちらの生活に慣れるために新学期が始まる1週間前に中国入りしたのですが、実のところ生活用品などの買出し以外にやることがありません。まあ、来週に入れば講義や諸々の手続きがあるので(病院で身体検査を受けたり、銀行に口座を作りに行ったりしないといけないらしい)

書店やDVDショップなんかもチェックしてますが、まずこちらでは学術書を豊富に置いてある店がほとんどありません。北京に買出しに行くか、ネットで通販するしかないとのことです。とりあえず近辺の書店で『説文解字注』の標点本と『万暦十五年』を購入。ぼちぼちと『万暦十五年』を読んでます。

DVDの方は量販店やらデパートのDVD売り場でそこそこの数が売られていますが、ほとんどペラペラの袋に入った経済版です。1枚のDVDに8話前後収録されているようなやつですね。

『地球の歩き方』によると紅旗地下商城という所に長春最大のDVD売り場があるというので行ってみましたが、確かに品数はたくさんあるのですが、ドラマはすべて全40話前後のものを2~3枚のDVDに詰め込んだ超圧縮版で、画質のことを考えるとうっかり買えません。

取り敢えず通常の経済版の『新上海灘』と新版『射雕』、そして『赤壁』(こちらもリージョン3や6のものしか無いところを、何とかリージョンオールのものを入手しました)を購入。ぼちぼちと見ています。
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到着しました

2008年08月25日 | 留学
昨日無事に到着しました。
現在留学生寮のパソコンルームから打ち込んでます。

このブログにも問題なくアクセスできたので、コメント欄の事前承認モードを解除しました。登録すれば自分の部屋からもネットに接続できるとのことですが、もう少し落ち着いてからにしたいと思います。

横浜での幇会も盛況だったのでしょうか?
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告知

2008年08月23日 | 雑記
いよいよ出発が明日に迫ってきました。明日は朝早く、寝るまでにまた荷物の整理をしたりしないといけないので、今のうちに最後の更新をしておきます。

このブログですが、現地で更新や管理などが出来るかどうか心許ないので、取り敢えずコメント投稿を事前承認モードにしておき、現地で更新が出来るようなら解除するということにしたいと思います。(トラックバックについては以前より事前承認モードにしています)

足の方は歩くと痛いことは痛いのですが、まあ何とかなるでしょう(^^;) 

それでは、しばしの間再見!
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『包青天之九 鍘包勉』

2008年08月22日 | 中国古典小説ドラマ
毎回地方の有力者であろうが皇室関係者(!)であろうが関係なく悪人どもを処刑しまくっている包拯ですが、身内が関わっている場合は果たしてどういう反応を見せるのでしょうか?この疑問に答えたのがこの『鍘包勉』(全9話)です。

莱陽県では包拯の甥の包勉が県令を務めていますが、この包勉の師爺(顧問・相談役)の文若愚が花蝴蝶と呼ばれる悪人と組んで県内の妊婦を殺して胎盤を奪い取り、紫河車という漢方薬の原料として売買していたことが発覚。文若愚らはどうせ死罪になるなら道連れをということで、包勉を事件の黒幕として告発。また同じ頃に包勉がこれまた文若愚の入れ知恵で裁判の当事者から賄賂を受け取っていたことが明るみに出ます。

包勉はこの2つの事件の容疑者として開封府で取り調べられることになります。ところがこの包勉、賄賂の件は素直に認めたものの、胎盤強奪の件は頑として容疑を認めません。包拯も彼がこの件には関与していないと信じつつも、その証拠となる証言や物証が得られず……

この包勉の母親の李氏は包拯の母親がわりとなった人物で(包拯は両親が年を取ってから生まれた三男坊なのです。詳細は『三侠五義』の冒頭を参照のこと)、包拯は彼女に頭が上がりません。また前々回に取り上げた『鍘龐』の話で息子を処刑された龐太師は身内に対する包拯の動きに目を光らせています。

包拯は李氏からは「包勉はお前とは兄弟も同然だというのに死刑だなんて…… お前には肉親の情ってものが無いのかい!」と突き上げられ、龐太師からは「わしは息子を処刑された事を恨んでいるわけではない。ちゃんと筋を通してほしいだけだ。で、お主まさか包勉を処刑しないつもりかYo!」とツッコまれるわけであります(^^;) 

包勉を救う手立てが得られず苦悩する包拯に、ある意外な人物が助けの手を差し伸べることとなり…… 

包拯と同じ環境で育ったというわりには(外見的にも性格的にも)似ても似つかない木っ端役人となった包勉と、彼の成長ぶりに注目の一編です。

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『絶代双驕』第5巻

2008年08月21日 | 小説
古龍著・川合章子訳『マーベラス・ツインズ契 第2巻 めぐり逢い』(コーエーGAMECITY文庫、2008年8月)

出発まで間が無いにも関わらず、足の指を打って痛めてしまいました(^^;) 医者に行ったら歩く時に痛むだけで日常生活に支障は無いということですが……

で、『マーベラス』ですが、今巻では遂に小魚児が十大悪人や燕南天と再会。そして花無欠との関係にも変化が……

十大悪人のうち、小魚児の育ての親となる5人はドラマ『プライド』の悪人と見せかけて全く悪人じゃないというキャラと、ショウブラ映画版のサイテー悪人の中間のキャラになっているみたいですね。今巻も古龍節全開で、安心して読めます(^^;) 

このシリーズも総計5巻まで出たんですが、まだまだ話の落ち着き先が見えてきませんね。第2ヒロインの蘇桜もまだ出て来てませんし。
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『ハムナプトラ3』&『カンフー・ダンク!』

2008年08月20日 | 映画
出発までまだ時間があるので、少し前から気になっていた『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘法』と『カンフー・ダンク!』を見に行ってきました。

まずは『ハムナプトラ3』。実はこのシリーズ、今まで全く見たことがないのですが、何かハリウッド版『テラコッタ・ウォリア』(『テラコッタ・ウォリア』とは1989年香港・中国合作のB級大作。主演は今何かと物議を醸している張芸謀です)に仕上がっているらしいというのに惹かれて鑑賞。陵墓から掘り出された銅馬車から皇帝が復活して兵馬俑を本物の兵馬として甦らせ、主役の考古学者一家や、これまた万里の長城の人身御供となっていたところから復活した役徒たちと戦うという、まさに豪華版『テラコッタ・ウォリア』としか言いようがない作品でした。

李連杰演じる皇帝は始皇帝に項羽を足して二で割ったような感じのキャラクターですね。仮に項羽だとすると、あそこまで残虐なのも、皇帝自身がやたら強いのも、おまけにキングギドラに変身するのもすべて納得出来ます。お墓も西安近辺ではなく寧夏とか変な所になってましたしね。

このあたりは実際の兵馬俑坑を舞台にしてしまうと年代的にまずいという配慮からでしょうか。(ちなみに『テラコッタ・ウォリア』はこの映画と同じく解放前の中国での物語ですが、マジモンの始皇帝陵が舞台になってました……)

『カンフー・ダンク』は、冒頭に出て来る乾坤大挪移の秘笈がすべてを象徴してましたね。「乾坤大挪移」の五文字を目にした時は「お前、ええ加減にしとけよ!」と叫んでしまいそうになりました(^^;) (蛇足と知りつつ一応念のために説明しておくと、乾坤大挪移というのは金庸の『倚天屠龍記』という武侠小説に出て来る奥義です……)

こういう前ふりがあったので、途中で青春コメディっぽい展開になっても、このままで終わるはずがないと安心して見てられました。まあ、ラストはやっぱり武侠な展開になったんですけどね。全体的に『少林サッカー』の二番煎じという印象が強いのが残念。主役の周傑倫が曽志偉と、有名になるためにサッカーをやるかそれともバスケをやるかと相談しているシーンがあったりするので、作っている方も当然意識はしているんでしょうけど……

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『人民解放軍は何を考えているのか ―軍事ドラマで分析する中国』

2008年08月19日 | 中国学書籍
本田善彦『人民解放軍は何を考えているのか ―軍事ドラマで分析する中国』(光文社新書、2008年8月)

私がこの本で惹かれたのはメインタイトルではなく副題の「軍事ドラマで分析する中国」。「な、なんだってーーーー!!中国ドラマを題材にして新書本が出来るなんて…… や、やられたぜっ!」という感じで本書を手に取ったのですが、実際の中身は軍事ドラマを資料として現在の中国の軍事状況を分析するというよりも、軍事ドラマを話の取っかかりにして現在の中国の軍事状況について述べると言った方がやや近いような気がします。

その軍事ドラマというのも抗日戦争を題材にしたものではなく、現代中国の軍隊生活物というか軍事演習物を中心に取り上げています。私もよく知らなかったのですが、抗日物とは別にこういうジャンルがあるんですねえ。

もっとも、ここ2、30年ほど中国は他国と戦争をしていないわけで(1979年の中越戦争が最後の戦争ということになるようです)、現代を舞台にするとそういう題材にならざるを得ないわけですが、そればっかりではいまいちインパクトが無いだろうと思っていたら、案の定ウイグル族独立派テロリストとの戦いを描いたものとか、チベットを舞台にしたものなんかもあるとのこと……

最後の章では2006年に放映されて話題となったドキュメンタリー『大国崛起』が取り上げられています。明治維新以後の日本の近代化や、オランダ・イギリス・アメリカなどの資本主義の発展を肯定的に扱っているということで、日本の新聞なんかでも取り上げられた作品ですが、やっぱり「学校で習った歴史観とあまりにも違うので驚いた」という反応が相次いだようですね。

中国のドラマが政府当局のプロパガンダによる産物であるとすれば、そこから当局のメッセージや当局の認識する問題点が読み取れないかという観点から、著者が1年にわたって十数タイトルのドラマDVDを鑑賞して完成したのが本書であるとのこと。

ペース的には1ヶ月前後で1作品、1日あたり1~2話を鑑賞といったところでしょうが、その程度の数で本が1冊書けるということは、私も留学中に歴史ドラマを見まくれば



が完成するということなんでしょうか(^^;) 
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『包青天之九 探陰山』

2008年08月17日 | 中国古典小説ドラマ
『包青天』シリーズのうち、今回は「探陰山」(全4話)を鑑賞。前回と同じく『三侠五義』にも採られているエピソードですが、「探陰山」というタイトルは同様の筋の京劇の題目から採られています。

書生の顔査散は亡父の友人の娘である柳金嬋と許嫁の仲ですが、彼女の父親は貧乏な顔査散を疎んじ、娘を地元の有力者である馮君衡と結婚させようと目論んでいます。ある日顔査散が柳家の屋敷で柳金嬋と密会している時に、見張り役をつとめていた侍女の秀紅がふとした拍子に馮君衡に殺害され、顔査散がその容疑者として検挙されてしまいます。しかし顔査散は柳金嬋の貞節のために密会の事実を隠し通し、秀紅を殺した罪を頑として否認せず……

この話、『三侠五義』では白玉堂が顔査散と義兄弟になって彼を助けたりと大活躍するので、ドラマの方でもそういう展開を期待していたところ、結局彼は登場せずじまいでした。このドラマの白玉堂って、出て来たら出て来たらでもの凄くウザいんですが、出なきゃ出ないで何か物足りないという非常に難儀なキャラです(^^;)

見所は馮君衡が冥府の判官となった亡き母方の叔父の力を借りて事を有利に進めようとするのに対し、包拯が文曲星の化身として判官の悪事を断罪する場面。この人、冥府の裁判でも「該当何罪!」とか「大胆!」といったいつもの包青天語(注)を発するんですね(^^;) あまりの変わらなさっぷりに笑ってしまいました。

(注)包青天語:包拯が裁判の場面で発する口癖。他に「豈有此理!」や「好大的胆子!」などがある。

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チンギス・ハーンとモンゴルの至宝展

2008年08月16日 | 旅行・オフ会・展覧会
一昨日宣和堂さん迎撃オフで、大丸梅田展開催の「チンギス・ハーンとモンゴルの至宝展」を見に行って来ました。

何となくモンゴル主催の展覧会だと思ってましたが、実は中国主催で、内蒙古自治区出土文物展みたいな感じになってました。扱う時代も周代から清代まで及んでおり、最初に内蒙古出土の周代の青銅器を目にした時はどうしようかと思いましたよ(^^;)

で、その青銅器の「許季姜簋」ですが、フリップには「戦国期」とあるものの器形や銘文の字体は西周~春秋期っぽい感じで、西周青銅器みたいな戦国の器もあるもんだなあと思いながら見てましたが、帰ってから調べてみるときっちり「西周晩期の器」とありましたよorz

他にもネストリウス派の十字架飾りとか、五毒の玉の飾り(なぜかサソリや蛙などに混じって猿が入ってたりするんですけどね)など局地的に面白い文物が展示されていました。目玉は一応、伝チンギス・ハン陵出土の伝チンギス・ハンの鞍ということになるんでしょうか(^^;) 見てる方からしたら、もうそんな胡散臭いもんをいちいち展示せんでええやんという感じなんですが……

ただ、印璽を展示しておきながら印影を展示しないなど、展示の仕方にやや問題があったのが残念。あと、モンゴル帝国皇室系図は「憲宗 蒙哥」が「憲法 宗蒙哥」となっていたり、(それで「モンケ」とルビをふってる……) ルビの「ア」の字がすべて「マ」の字に化けていたりと、凄まじい誤記が溢れていて思わず失笑。図録に収録されている系図では大体直ってましたが、「憲法 宗蒙哥」はそのままでしたねえ……
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