博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『大漢風』第29~30話

2007年04月29日 | ドラマ『大漢風』
虞姫と項羽との仲は相変わらずギクシャクしたまま。思い余った項羽はよりによって呂雉に虞姫との仲を取り持ってもらうことにしますが、結局虞姫との溝は埋まらず、項羽は斉へと出征します。

項羽がどうでもいい痴話喧嘩で悩んでいる間に、劉邦は韓信を大将に任じ、漢中脱出を果たします。しかし韓信、身なりの良い衣服や甲冑がまるで似合いません。下っ端の頃のボロ服の方がよほど似合ってるような気がします(^^;) 

劉邦は更に王陵らに命じて項羽の人質になっている父親や呂雉、子供達を救出させようとしますが……
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『興亡の世界史14 ロシア・ロマノフ朝の大地』

2007年04月28日 | 世界史書籍
先々週あたりにひいた風邪がようやく治ってきたなあと油断していましたら、しばらく前から風邪がぶり返してきました(-_-;) やっぱり喉が痛いです……

土肥恒之『興亡の世界史14 ロシア・ロマノフ朝の大地』(講談社、2007年3月)

「ヨーロッパとアシアの狭間としてのロシア」を強調していたので、モンゴル統治時代の話に期待していたら、その関係の記述は思ったよりも少なかったですね。しかもモンゴル人が都市を破壊しまくったので、ロシアでは以後、西欧のような都市文化の発達が見られなかったとか、モンゴルの統治をネガティブに評価してます……

個人的に面白かったのは、不利な状況に置かれると自分達に都合のいい噂を流すロシアの民衆の姿です。例えばロシアでは外国人との接触を嫌うロシア正教の聖職者のはたらきかけで、ロシア在住の外国人をモスクワ郊外の外国人村に隔離していたのですが、ピョートル大帝は幼い頃からこの外国人村に入り浸り、その後、西欧諸国の制度や技術、風習などを取り入れて改革(本書ではこれを革命と呼んでいます)を推し進めていきます。このピョートルの革命に不満を持つ民衆は、実はピョートル大帝は偽物のツァーリ(皇帝)で、幼い頃に外国人村で本物のツァーリとすり替えられたのだという噂を流したそうです(^^;)

また19世紀のクリミア戦争の際には、農奴解放を求める人々が、義勇兵として出征した者はその家族が農奴の身分から解放され、その後の徴兵や国税からも解放されるという噂を流し、これを信じた人々が一斉に村から離れて出征しようとしたとのこと。そのクリミア戦争終結後にいよいよ農奴解放令が発布されますが、これが何ら実質を伴わない内容なのが明らかになると、人々は今度のツァーリの勅令は役人と領主がすり替えた偽物で、本物の勅令は彼らが隠しているのだとして武装蜂起を起こしたそうです。

こういう噂が流れる段階では人々はまだツァーリの政治に少しでも希望を持っていたということなんでしょうけど、そのほんの少しの希望すら持てなくなったことによってロマノフ朝が崩壊に追いやられることになったのかもしれません……

あとは、レーニンの遺体の永久保存が、ツタンカーメン墓の発見とミイラの防腐処理から思いついた発想だというのが面白かったですね。
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『江山風雨情』その3

2007年04月27日 | 中国歴史ドラマ
『江山風雨情』第19~27話まで見ました。

袁崇煥は明に清を圧倒するだけの力はないと見切っており、清との和平の道を探りますが、都では清と講和して中原での流民による反乱の鎮圧に力を入れるべきと主張した重臣の周延儒が、清との徹底抗戦を決意した崇禎帝の怒りを買い、死に追いやられます。流民の反乱といえば、このあたりから李自成やその親分格で初代闖王の高迎祥が登場します。

一方、清との前線では清軍が袁崇煥の軍を陽動し、明の領内に侵入して一路北京へと迫ります。これは途中で清軍の意図に気付いた袁崇煥が軍を北京へと向けて清軍を追い返して事なきを得ましたが、この前後から崇禎帝は袁崇煥に猜疑の目を向けるようになります。清の側も袁崇煥が清と結託しているという噂を流して反間の計を仕掛け、崇禎帝は遂に袁崇煥の処断を決意。

呉三桂は崇禎帝の密命を受けて袁崇煥を捕らえ、北京へと護送します。その功績によっていよいよ陳円円との結婚が許可されることになりますが、陳円円は袁崇煥の捕縛と引き替えに結婚が認められたことに複雑な思いを抱きます。今まで袁崇煥をバックアップしてきた宦官の王承恩は何とか袁崇煥を助命しようとしますが、崇禎帝の怒りは収まらず、袁崇煥は凌遅刑に処せられることに。嗚呼、嗚呼……(ノД`)
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『朱蒙』

2007年04月25日 | 韓国歴史ドラマ
今日から韓国歴史ドラマ『朱蒙』(チュモン)の放映がBSフジで始まりました。取り敢えず第1話を見てみることに。

高句麗の始祖となる朱蒙が主人公ということですが、第1話では朱蒙の両親が出会ったばかりで、朱蒙自身はまだ産まれてすらいません。漢の武帝が古朝鮮を滅ぼし、楽浪郡など四郡を置いた後の時期が舞台になっていて、漢王朝がえらい悪者にされてますね(^^;) 鉄の甲冑に身を包んだ恐ろしげな漢の鉄騎兵なんて軍団が出て来まして、朱蒙の父となる解慕漱が漢の支配に反発し、義勇兵を率いてこの鉄騎兵と戦ったりしています。

何というか、色々と物議を醸しそうな作品であります(^^;)
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『明治天皇』(三)

2007年04月24日 | 日本史書籍
ドナルド・キーン『明治天皇』(三)(新潮文庫、2007年4月)

この巻では明治十五年(1882年)から明治三十三年(1900年)までの、壮年の明治天皇を扱っています。このあたりになると色々と面白いエピソードが出て来ますね。

○大人になっても病気がちな天皇にかわり、皇后の一条美子がしばしば名代として儀式に出席した。女性ながら軍隊の模擬戦闘も観覧したこともある。

○宮中の儀式や外国の要人との接見は退屈に感じられたようだが、実際の政治の方には熱心で、枢密院会議にもほぼ毎回出席して議論に耳を傾けた。

○少年時代を過ごした京都が忘れがたかったようで、京都に滞在した時には何だかんだと理由を付けて東京への帰還を引き延ばそうとした。

○明治天皇は写真嫌いだったが、外国の要人に贈与するための「御真影」を必要とした政府筋が天皇への断り無しに肖像画を作らせることにした。依頼を受けた画家のキョッソーネは部屋の襖の陰に隠れて密かに天皇の顔を写生した。

○健康上の理由で重職を辞任しようとした臣下を、国務より自分の身体の方が大事なのかと罵って裏切り者呼ばわり。

○乗馬をしなくなってから太り気味になり、側近からダイエットを勧める上奏を受け、激怒。……この上奏が内容の割には非常に物々しい語り口で、笑ってしまいました(^^;)

○天皇の体重が二十貫を越えたというデマを掲載したというえ理由で、新聞を読まなくなった。……当時の新聞は天皇に関するゴシップを割合自由に掲載できたとのことです。

こうやってエピソードを列挙してみますと、明治天皇の個性がだいぶ見えてきたような気がしますね(^^;) ついでに皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)に関する記述も拾い上げておきます。

○皇太子は気まぐれで気難しい性格に育ち、おまけにフランスかぶれで会話の中にフランス語をさしはさむことを好んだ。そしてやっぱり西洋かぶれが嫌いな明治天皇が激怒……
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『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート』

2007年04月22日 | 映画
というわけで劇場まで見に行ってきました。

個人的には海外の映像作品を見るのに吹き替えか字幕かはあんまりこだわらないんですが、今回ばかりは吹き替え版を見る気がしないので字幕版の方を見ようと思いきや、字幕版は夕方以降の回にしか放映していないんですな(-_-;) 結局吹き替え版を見るハメに……

しかし吹き替え版もそれほど悪くは無かったですね。アンガールズが吹き替えた龍虎門の門弟の出番は抑えめで、真鍋かをりの吹き替えも言われなきゃ誰が吹き替えかわからないぐらいのもので、違和感は感じませんでした。人名・技名の訳がデタラメなのは字幕版も一緒でしょうし。

アクションシーンはラスボスのシブミ(元の名称は火雲邪神。日本語版ではなぜこんなネーミングになったんでしょうか……)と元華演じるウォン・ホンロン(王降龍)とのバトルに目が奪われました。あと、ドニー・イェンはおいしい所を持って行きすぎです(^^;) ケイ仙人(奇侠)のもとで修業に励むニコラス・ツェーとショーン・ユーを尻目に鍼治療で傷が治るだけでなく武功もアップするというのはどうかと……

関連エントリ:
「龍虎門」
「かちこみって……」
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『連城訣』文庫版読了

2007年04月21日 | 小説
正直金庸小説の中ではあんまり好きな作品ではないのですが、今川泰宏氏の解説めあてに購入してしまいました。

昔ハードカバー版を読んで以来の再読でいい具合に話の筋を忘れていましたが、やっぱり主人公狄雲のあまりの救われなさに涙してしまいました…… ついでに金庸先生によるあとがきで紹介されているこの物語のモデルとなった作男の半生にも涙です(ノД`)

それにしても師匠が実は陰険な悪人、師妹を他の男に取られる、主人公が武芸者として廃人同様になる、獄中で奥義を修練とプロットが一致しているにも関わらず、この『連城訣』と『笑傲江湖』の読後感が全く違うのはなぜなんでしょうか……

関連エントリ:
「『連城訣』文庫版」
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『江山風雨情』その2

2007年04月19日 | 中国歴史ドラマ
『江山風雨情』第10~18話まで見ました。

崇禎帝は、今まで魏忠賢に与していたとして官職から退けられていた袁崇煥に清との戦いの指揮を執らせることを決意。袁崇煥は最初は仮病を使ったりして崇禎帝の招聘を拒み続けますが、結局は指揮官として前線に赴くことに。こちらはその後の袁崇煥の運命を知っているだけに、そのまま仮病を続ければいいものを思わずにおれません(ノД`)

袁崇煥が赴任するや、早速ホンタイジに率いられた清軍が攻め込んできます。父親の呉襄が清軍に包囲されたと聞いた呉三桂は少数の精鋭を率いて敵陣に突進し、親玉のホンタイジと一騎打ちを繰り広げます。こういうシーンを以前鑑賞した『大清風雲』に期待していたんですが、そちらではほとんど戦闘シーンらしいシーンがありませんでしたねえ。

ここらあたりからホンタイジ、ドルゴンら清朝側の要人が登場しますが、唐国強演じるホンタイジはともかく、ドルゴンに大物らしさのかけらも感じられません。ホンタイジが死んだ後にこの人が順治帝を擁立して摂政になるはずなのですが、何だか後の展開が不安になってきました……

この戦いが終わって盛京に引き返した後、ホンタイジは明側の様子を探るために寵姫の荘妃(後の順治帝の母后)と、漢人ながらホンタイジに引き立てられた范仁寛を伴い、漢人のふりをして明の領内に潜入することに。清朝皇帝は何はなくても微服して南行するという清朝物ドラマの法則がこの作品でも発動です(^^;)

一方、清との戦いで大功を立てた呉三桂は崇禎帝に申し出て恩賞として陳円円を貰い受けようとしますが、崇禎帝はまだその時期ではない、次に功績を立てた時にこそ陳円円を与えようと約束して呉三桂を引き下がらせます。この場面は崇禎帝に陳円円を下さいとなかなか言い出せずにうじうじしている呉三桂が何だかかわいいです(^^;) 呉三桂と陳円円の恋は果たしてどういう結末を迎えるのでしょうか……
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『明治天皇』(二)

2007年04月17日 | 日本史書籍
ドナルド・キーン『明治天皇』(二)(新潮文庫、2007年3月)

第二巻に入ると明治天皇の個性を窺わせるような記述がちらほら見られるようになります。頼りにしていた西郷隆盛が西南戦争をおこし、学問や熱中していた乗馬にさえ関心をなくしてふさぎ込む明治天皇。そして地方の学校を視察した際に、学生たちが英語や西洋の文学・歴史はよく勉強しているのに対して日本の伝統に無知であるのに激怒する明治天皇(^^;)

とりわけ外国の要人と接する時にその個性が垣間見られるような気がします。英国の王族であるエジンバラ公と会見した時は緊張のあまりガチガチだった天皇も、米国のグラント大統領夫妻が世界周遊旅行中に日本に立ち寄った際にはくつろいだ様子を見せるようになります。

グラントは南北戦争で北軍の総指揮官となった人物で、その名声によって大統領に当選しますが、この周遊旅行中に立ち寄ったドイツでは勝手にビスマルク首相の官邸の庭に入り込んで衛兵に驚かれたり、インドでの晩餐会では酔っぱらってご婦人方の尻を追いかけ回したりと、随分ざっくばらんな人物だったようです。

そして明治天皇はハワイのカラカウア王と会見した際には、自信に満ちた、それでいて丁重な態度で接することが出来るようになっていました。

若年で即位したせいか、この巻と前の第一巻とで岩倉具視・大久保利通・木戸孝允といった維新の元勲が天皇の教育方針に口を出すという記述がやたらと目に付きますね。それだけ天皇を新しい時代にふさわしい理想的な君主に育て上げようという意識が強かったということなんでしょうか。あるいはそれぞれが自分の脳内で理想の天皇像に萌えていただけなのかもしれませんが(^^;)
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『新シルクロード 激動の大地をゆく』第1集

2007年04月15日 | TVドキュメンタリー
今月から『新シルクロード』の新シリーズが開始されました。公式サイトによると今回のシリーズで取り上げられるのは中央アジア・南ロシア・中近東で、全7集とのこと。

今夜放映の第1集は国家間の紛争に見舞われた南コーカサスが舞台でした。2年前に放映された前回のシリーズでは舞台となる地域の発掘成果や歴史を紹介するのがメインなのか、それとも現代の状況を見せるのがメインなのか、どうにも焦点が定まらない嫌いがありましたが、今日の放映を見る限りは現代の状況を見せるのがメインになるようですね。
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