博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『趙氏孤児案』その7(完)

2016年09月26日 | 中国古典小説ドラマ
『趙氏孤児案』第36~最終41話まで見ました。

程嬰の尽力により記憶を取り戻しながら、屠岸賈を警戒してこれまで心の病が癒えていないふりをしていた宋香。しかし事情を察していた屠岸賈の計略に嵌められ、大業が実は趙武であることを告白してしまいます。で、湘霊に大業を毒殺するよう命じる屠岸賈。しかし大業も程嬰から手渡された竹簡を読み、自分が趙武であること、そして湘霊の正体を既に知っていたのでした。

湘霊も大業に惚れてしまっていて手が下せず。二人で屠岸府から逃亡する道を選択。そして秦の使者としてすっかりお馴染みとなった離楼と接触し、屠岸賈が秦国の後継者争いに関与し、公子石を支援するかわりに、息子の無姜を晋の君主に据えるよう秦側に支援を求めていたことが発覚。事の次第を知らされて激怒する国君景公でしたが、屠岸賈が先手を打ち、配下の兵を動かして都城を封鎖。そして大業の正体と父親の謀叛を知らされた無姜は、父親に加担すると見せかけて、大業・韓厥とともに国君を保護。かわりに父親の赦免を求めます。

無姜には屠岸賈の死罪を免じて追放処分とすると明言した国君でしたが、それを素直に履行するはずもなく、大業を趙氏の後継と認定して司寇に任じ、屠岸賈の処断を一任して暗に彼の処刑を求めます。韓厥や、母子の名乗りを挙げた荘姫は今こそ父親の仇討ちの時と、大業に屠岸賈殺害を求めますが、彼の選択は?そして逃亡を図る屠岸賈を待ち受けていた程嬰の意図は?

【総括】
ということで、評判と期待に違わぬ歴史文芸大作に仕上がっていました。かと思えば所々で挿入されている妙にクオリティの高いアクション・シーンとか、程嬰と屠岸賈、到満とのやりとりなど、いろんな角度から楽しめる作品に仕上がっています。『武神趙子龍』みたいな作品もあれば本作みたいなのもあるというのが、中国時代劇の懐の深さを示していると思います (^_^;)

実のところ中国でも春秋時代を舞台にしたものは、呉越の争いや孔子を描いたものぐらいしか存在しないのですが(そして呉越の争いも孔子もほぼ同時期の話……)、本作のような感じでもっとたくさん制作して欲しいところです。
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『趙氏孤児案』その6

2016年09月21日 | 中国古典小説ドラマ
『趙氏孤児案』第30~35話まで見ました。

石言の遺児湘霊ですが、実は屠岸賈のスパイというか工作員であったことが判明。


屠岸賈は彼女を石言のもとに送り込み、3年ほど仕えさせて彼に関する事情をすべて把握させたとのこと。実に手が込んでますw 程家に送り込まれた主目的は、大業が趙朔の遺児であるかどうかを調べあげることなのですが……

その大業ですが、湘霊から趙朔の死について吹き込まれ、屠岸賈のコネで宮廷の書庫で趙氏に関する資料を漁ったりしております。そして旧趙府で出会った荘姫から、程嬰が赤子の自分を助けるために趙武を犠牲にしたことを知らされ、父親に幻滅して湘霊を連れて家出を敢行。荘姫と大業は実の母子にあたるわけですが、お互いにまだそのことは知るよしもありません。

大業に興味を持った荘姫は、彼が程嬰の子だと知ると、程家を探訪して大業の部屋から、彼が宮廷の書庫より持ち出した趙氏関連の竹簡を持ち去ります。その中に趙氏の祖先神話の一節を記した「女脩織、玄鳥隕卵、女脩吞之、生子大業」という竹簡があり、最後の「子 大業を生む」の部分に注目し、大業が趙武なのではないかという疑いを持ち始めます。実はこの竹簡は程嬰が紛れ込ませたものなのですが…… なお、この一節は漢代の司馬遷の『史記』秦本紀に出てくるものなので、春秋時代を舞台にしたこのドラマで登場すると、何となく座りが悪いような気がしてくるのですが (^_^;)

そうこうしているうちに屠岸賈の子無姜が凱旋。大業の家出を知り、彼の定宿で家に戻るように諭します。その宿の酒場で、少女講釈師の草児と遭遇。


彼女の十八番は「換嬰計」という物語なのですが、これは「趙氏孤児」を題材としたもので、19年前に屠岸賈の子として生まれたのは女児であったが、男児を欲しがった彼は同じ日に生まれた趙朔の男児とすり替えたうえで趙氏を滅ぼしてしまい、男児を自分の子として養育したという内容。それでいくと趙朔の子ということになるはずの無姜は動揺し、父親に事実を問いただしたり、当時を知る、出産に当たった医師や産婆を訪問し、生まれたのが女児だったのか男児だったのかを確認しようとしますが、なぜか彼が訪問するタイミングで2人とも何者かによって殺害。(後に遺体は別人で、2人とも生きていたことが判明しますが)この一件により父親に不審を感じた無姜も屠岸府から家出してしまいます。

実はこの草児も程嬰の仕込みであるようですが、竹簡の件と合わせて、荘姫と大業が互いに母子であると認めさせるのが主目的の模様。自分の出生に疑問を持った無姜ですが、出生の秘密があるのは彼じゃないというのが面白いところ。

そして大業は屠岸賈の計らいにより「執訊令」に任命され、「趙氏孤児案」の捜査に当たることに。これで「換嬰計」が悪質なデマであることを明らかにさせ、無姜を連れ戻させようという腹なのですが、大業に捉えられた草児は屠岸賈の前で、自分こそが無姜とすり替えられた女児、すなわち屠岸賈の実の娘であると称し、なおかつ自害を敢行。これによって屠岸賈と無姜の父子を離間させようということなのですが……
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『周―理想化された古代王朝』

2016年09月14日 | 学術
このたび中公新書から、『周―理想化された古代王朝』という本を出版することになりました。


著者用の見本版の写真です。出版社の紹介サイトはこちらになります。↓
http://www.chuko.co.jp/shinsho/2016/09/102396.html

私の先輩落合淳思さんが昨年出版された『殷―中国史最古の王朝』のシリーズ的な書籍となります。9月20日頃から書店に並ぶ予定ですので、良かったら手に取ってみてください。

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『趙氏孤児案』その5

2016年09月13日 | 中国古典小説ドラマ
『趙氏孤児案』第24~29話まで見ました。

程嬰殺害を屠岸賈に進言して相談役の地位を追われ、炊事係から出直しとなった到満。その炊事係の立場を利用して程嬰に毒入りスープを飲ませて毒殺しようとするも、陰謀が露見。で、「こんなやつ危なっかしくて炊事係にはしておけん。ワシの目の届く所に置いておかねば」ということで、屠岸賈の相談役に復帰。なんやこの展開(´Д`;)


到満(左)と程嬰。仲良く喧嘩してます。

このドラマ、この程嬰と到満の絡みとか、おっさん同士の絡みの合間にアクションシーンをつなぎに入れてるようなドラマなんですが、そのおっさん同士の絡みが最高に面白いですw 程嬰・屠岸賈・到満の絡みは、2000年前後に中国で一世を風靡した張国立・張鉄林・王剛の「鉄三角」(黄金トリオ)を彷彿とさせるものがあります。

そして趙武は程嬰夫妻の子程大業として、屠岸賈の邸宅でその一人息子無姜の学友として成長することになります。で、間に大業の幼年時代の話を挟み、趙氏族滅から19年後の話へと移ります。


19歳になった大業(右)と無姜。大業の母がわりとなる宋香は、以前より精神の病が和らいだようですが、相変わらず程嬰に関する記憶は失われたままで、ともに暮らす程嬰が自分の夫とは認識できません。

ともに文武の道を鍛え合った二人は、韓厥を主将として秦との戦いが行われることを知り、従軍を志願。程嬰は戦死の危険性は無論のこと、彼を怨む韓厥がこの機会に大業に対して意趣返しを図るのではないかと気が気ではありません。「まあ子供には手を出すまい」と楽観的な屠岸賈に対して、程嬰の心配通り思い切り意趣返しを図る韓厥。韓厥の心狭すぎワロタw 結局国君景公の計らいにより、韓厥は出征する無姜に対しては手を出さないことを誓い、大業の方は程嬰の懇願により出征が認められないことになり、更にそれに納得できない大業が韓厥に突っかかって右腕を負傷させられ、嫌でも出征できない状態に。

親友無姜が出征してしまい、無聊を託つ大業ですが、そこへ楚の石言の遺女(屠岸賈の手の者によりひっそりと謀殺)湘霊が現れ、ともに晋国の記録抹殺刑的な扱いになってしまっている趙朔のことを探ることに。その過程で実母の荘姫とも知り合いになりますが、双方とも相手が肉親であることは知るよしもありません。一方、到満の進言により屠岸賈は大業が実は趙武ではないかと少しずつ疑いを持ち始めます。そんな中、程嬰の懸命な治療により、宋香が19年ぶりに記憶を取り戻し……
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『趙氏孤児案』その4

2016年09月06日 | 中国古典小説ドラマ
『半妖傾城』やら『ゲーム・オブ・スローンズ』やらに浮気して随分間が空いてしまいましたが、『趙氏孤児案』第18~23話まで鑑賞。

都中の赤子を救うため、我が子を趙武と偽って手に掛けた程嬰でしたが、その現場を見てしまった妻の宋香が精神を病んでしまい、実状を知らない(また、知らせるわけにもいかない)韓厥や荘姫からは、保身のために趙武を死に追いやったとして仇敵視され、割と詰んだ状態に。


応采児(チェリー・イン)演じる荘姫。このパートからは闇落ちし、次々と刺客を送り込んだりして程嬰を付け狙うことに。

かつて自分によくしてくれた人々が尽く敵に回ったかと思いきや、趙朔の対楚戦で絡んだ石言が程嬰のもとに駆けつけ、荘姫の送り込んだ刺客と死闘を繰り広げたりしております。結局刺客は程嬰の人柄に感服して去って行くのですが、そんなことで荘姫が諦めるはずもなく、弟である国君景公が亡き趙朔の悪夢に悩まされていることを利用し、趙朔の亡霊が夢に現れるのは、自分を裏切った程嬰を怨んでいるからだということで、悪夢を静めるために景公の命で趙朔への生け贄として釜ゆでされることに…… 

ここで助け船を出したのが屠岸賈。秦国の侵攻を利用し、程嬰が秦の主将と旧知でその兵法を熟知しているということで赦免を勝ち取ります。屠岸賈は謀臣の到満から、この機会に程嬰を見殺しにするよう提案され、「無理に赦免させようとすると国君の機嫌を損ねかねない。国君と程嬰のどちらが大事なのか」と詰問されますが、「国君は各国に1人ずついるが、程嬰はこの世にたった1人だけだ」と即答。やだ屠岸賈さんカッコイイ/// というか、どんだけ程嬰のことが好きなんでしょうか (^_^;)

危ないところを助けられた程嬰は、石言・宋香・趙武を引き連れ、楚へと亡命すると見せかけて秦へと迂回しますが、やはり秦の使者離楼と結託した荘姫により、刺客に追われ、更には宋香と趙武を攫われ、結局晋都に舞い戻ることに。程嬰は荘姫と対面し、赤子が趙武であるということを明かさずに、夫の遺志を裏切って趙武を見殺しにしたという糾弾を乗り切りつつ宋香らの解放を勝ち取るという無理ゲーを命懸けでこなします。で、結局一家の身の安全のために屠岸賈のもとに匿われることに……

ということで久しぶりに見てみたら、この作品毎回のようにアクション・シーンを盛り込んでいるうえにアクションのクオリティも高いことに今更ながら気付きました。
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2016年8月に読んだ本

2016年09月01日 | 読書メーター
北京大学版 中国の文明 第1巻 古代文明の誕生と展開<上>北京大学版 中国の文明 第1巻 古代文明の誕生と展開<上>感想
今巻は新石器時代から殷周時代、春秋・戦国時代までの文明の発展と青銅器文化の概説が中心。考古学による発掘の成果や、甲骨文・金文といった出土文献の内容を、伝世文献の記述を証明するための手段として用いる、王国維以来の二重証拠法をフル活用しており、良くも悪くも中国古史学の総まとめ的な仕上がりになっている。
読了日:8月3日 著者:

残夢の骸 満州国演義九 (新潮文庫)残夢の骸 満州国演義九 (新潮文庫)感想
全9巻の大作もいよいよ完結。終盤3巻は舞台が東南アジアに広がり、満州国演義というより大日本帝国演義のような感じになっていたが… 今巻の読みどころは、特攻隊に関して『永遠の0』の舞台裏というか「理想と現実」が描かれている部分。あの作品に関して著書も色々思う所があったのだろう。
読了日:8月7日 著者:船戸与一

ハーバードの人生が変わる東洋哲学──悩めるエリートを熱狂させた超人気講義 (ハヤカワ・ノンフィクション)ハーバードの人生が変わる東洋哲学──悩めるエリートを熱狂させた超人気講義 (ハヤカワ・ノンフィクション)感想
しょっぱなから「トロッコのジレンマ」の問い自体を否定したりして、同じハーバードのマイケル・サンデルに一発噛ませているが、サンデルの講義の方がまだ哲学らしいことをしている。良くも悪くもアメリカナイズされた先秦思想の概説。古典文献はやはり書かれた時代の文脈に合わせて読むべきものだと認識させられた。人文系の学問が過度に「役に立つ」ことを求められた結果がこれなのかなと思った次第。
読了日:8月8日 著者:マイケル・ピュエット,クリスティーン・グロス=ロー

中世倭人伝 (岩波新書)中世倭人伝 (岩波新書)感想
再版を機に再読。『朝鮮王朝実録』を主要な史料として、環シナ海域の「倭人」や「倭寇」たちを、日本にも朝鮮にも中国にも帰属せず(あるいはそのすべてに帰属しうる)、その境界に生きる「マージナル・マン」と位置づける。当時「中世」が陸の外にも飛び出していたことと、特に後期倭寇が俗説によく言われるような、「中国人が日本人を偽装した」などという単純な存在ではないことがわかる。
読了日:8月10日 著者:村井章介

「怪異」の政治社会学 室町人の思考をさぐる (講談社選書メチエ)「怪異」の政治社会学 室町人の思考をさぐる (講談社選書メチエ)感想
室町的な怪異のありようと、その衰退に至るまで。桜井英治の『贈与の歴史学』を読んだ時も思ったが、副題にもある「室町人の思考」というのは現在の我々とはどこかで断ち切れてしまった異世界の住人の思考だなと。本書の第六章と「むすびに」ではなぜ「異世界の住人の思考」のようになっていったのかを簡単にまとめているが、ここを膨らませていくことが今後の課題ではないかと思った次第。
読了日:8月13日 著者:高谷知佳

英語と日本軍―知られざる外国語教育史 (NHKブックス No.1238)英語と日本軍―知られざる外国語教育史 (NHKブックス No.1238)感想
士官学校など、戦前の軍関係の学校での英語教育について追っていく。戦前の士官学校などでの外国語教育のメソッドが戦後の英語教育にも強い影響を与える一方で、文法・長文読解重視か会話重視かという議論や、特定の言語の教育のみを重視する(陸軍ならロシア語・ドイツ語、海軍なら英語、戦後は英語一辺倒と言った具合に)といった問題点もそのまま引き継いでいるのが興味深い。
読了日:8月16日 著者:江利川春雄

日本陸軍と中国: 「支那通」にみる夢と蹉跌 (ちくま学芸文庫 ト 16-1)日本陸軍と中国: 「支那通」にみる夢と蹉跌 (ちくま学芸文庫 ト 16-1)感想
佐々木到一ら支那通軍人の活動を通して戦前の日中関係の推移を追う。彼らは三国志のシミュレーションゲームのような感覚で謀略にのめり込んだ。彼らの口にする「中国は近代国家ではない」とか「中国は法治国ではない」なんて理屈は今でもよく言われるものであり、国民政府や蔣介石の力の軽視や憎しみは、そのまま現在の中国共産党政権に対する見方にスライドできるだろう。江藤淳は著者に、彼らには中国が他者であるという認識が欠けていたと言ったとのことだが、それより寧ろ中国の近代化を日本が指導すべきという思い上がりが問題ではないか。
読了日:8月19日 著者:戸部良一

中国の論理 - 歴史から解き明かす (中公新書 2392)中国の論理 - 歴史から解き明かす (中公新書 2392)感想
古代から近現代まで中国の歴史を辿りながら、「士」と「庶」の乖離、「華」と「夷」の別、古典古代への附会という形でしか進められなかった近代化など、「中国の論理」を解説する。伝統的に「正史」の記述も含めて史学は経学から独立自立した学になりきっていないという点など、「正史」を過大に評価しがちな俗流中国論を覆すような内容も含まれているが、著者のこれまでの一般書『中国「反日」の源流』や『近代中国史』に比べて食い足りない印象を受けたのは残念。
読了日:8月20日 著者:岡本隆司

天下と天朝の中国史 (岩波新書)天下と天朝の中国史 (岩波新書)感想
「華夷秩序」から見る中国通史。「拓跋国家」「東部ユーラシア」「澶淵体制」、漢文史料以外の言語による史料から見る「イェケ・モンゴル・ウルス」など、近年の研究の成果も自在に取り込みながら、現代の中国の世界観・外交観がどのようにして形成されていったのかを追う。中国史学の成果を知るうえでも、現代の中国及び日本などの東アジア諸国のポジションを考えるでも、多くの人に読まれて欲しい概説書。
読了日:8月24日 著者:檀上寛

戦国の陣形 (講談社現代新書)戦国の陣形 (講談社現代新書)感想
本題は当然戦国時代の陣形の実像ということになるわけだが、それ以前の古代から中世前期の話を面白く読んだ。日本で中近世の陣形や戦術の研究が途絶えたのは、敗戦の影響というよりは、もともと分野として内容が空疎だったからではないか、今風に言えば「役に立たない」と見なされていたからではないかと思う。
読了日:8月25日 著者:乃至政彦

白川文字学の原点に還る 「甲骨金文学論叢」を読む白川文字学の原点に還る 「甲骨金文学論叢」を読む感想
白川静の学術書のうち、『甲骨金文学論叢』所収の主要な論考の導読。『字統』などの字書や一般書に記述されている結論だけを取り出して称揚・批判がなされがちな「白川文字学」だが、どういう手続きや論証によって漢字の字源が導き出されたのかをわかりやすく解説しており、「白川文字学」批判派にとっても意義のある書籍だと思う。
読了日:8月28日 著者:高島敏夫

「今」こそ見るべき海外ドラマ (星海社新書)「今」こそ見るべき海外ドラマ (星海社新書)感想
新旧のアメドラ作品の紹介のほか、業界事情やhuluなどの動画配信サービス登場のインパクトについても述べられており、アメドラは片手で数えるほどしか見ていない私でも楽しめた。私がよく見る中国ドラマの制作方式(テレビ局がドラマを制作するのではなく、制作会社が放映権をテレビ局に売るという形式をとる点など)がアメリカの方式を模していることが窺えたりと、韓国など欧米以外の地域のドラマファンにも参考になる点が多々あるだろう。
読了日:8月29日 著者:池田敏
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