博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『実習女捕快』

2020年09月12日 | 中国古典小説ドラマ
タイムスリップ物の最新作『実習女捕快』全24話を見ました。

ヒロイン金虔は現代の女子大学生。試験に落第しそうなので、親友が研究しているタイムマシンで試験の前まで戻ろうとしたところ、タイムマシンの不具合で北宋の時代にタイムスリップ。そこで医仙&毒聖の老人二人組に無理やり弟子入りさせられて医術を仕込まれ……


あれやこれやで開封府の捕快(捕り手)にスカウトされるという、清々しいぐらいに出来心と思いつきで作ったような作品ですね (^_^;)


展昭はヒロインの憧れの人ですが、自分が女性であることを伝えていません。包大人こと包拯はこのドラマではイケおじですw そして本作では守銭奴という設定が付加され、中盤以降は美女とのロマンスもありと、包青天物には珍しく公孫策が存在感を主張しています。


そしてなぜかナルシストで、敵にすると厄介だが味方にすると頼りない白玉堂。

ストーリーは鍘美案から始まり、鍘龐昱、狸猫換太子、そして襄陽王の謀反とお馴染みのエピソードが続き、合間合間にパロディネタの応酬となります。意外と『三侠五義』のネタを拾ってるV5(威武)なドラマですw
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『封神演義』その9(未完)

2019年06月10日 | 中国古典小説ドラマ
『封神演義』第48~53話まで見ました。


雷震子の「金赤翎」を盗んだのは土遁の術に長けた盗賊土行孫と判明。楊戩と小娥は彼の手から「金赤翎」を取り戻し、雷震子を金将軍に迎えることに成功しますが、今度は予想通り土行孫が土将軍ということになります。


一方、西岐に逃れた姜子牙は龍鬚虎と名乗る木樵と出会い、彼が姫昌の兵士を誤殺すると、彼を弟子に迎え、術でもってごまかして難を逃れさせます。要するにこのドラマでは武吉=姫発という設定にしちゃったもんで、原典の武吉にまつわる話が使えない、なら姜子牙の弟子ということになってる龍鬚虎の名前を使ってやっちゃえばいいということなんでしょうけど、さすがにこれはないんじゃないでしょうか。

で、色々あって姫昌は磻渓に姜子牙を訪ね、彼を丞相に迎えます。以前に触れた通り、釣りの話は既に息子の姫発でやってますし、文王と姜子牙は朝歌で既に出会っているわけですが、結局このエピソードやるんですね…… ここで「文王拉車」のエピソードも盛り込まれます。面白いのは文王が1人で276歩、こっそり臣下が助けて515歩車を引いたので、西周の天下が276年、諸侯が覇者となる東周が515年、計791年周王朝が存続すると姜子牙が予言するわけですが、これ、どうも周王朝の創建を前1046年に置いた数字のようです。そして西岐の宮廷で姫発や蘭盈と再会。

朝歌では摘星楼が完成し、申公豹の陰謀で妲己に摘星楼で祈禱して多数の神仙を招くよう無理難題を押っつけられます。そこを子虚が狐妖の一族の子供たちを神仙に化けさせることで何とか誤魔化しますが、比干が目ざとく彼らに尻尾が付いているのを発見してしまい、狐妖の一族の根城である軒轅墳を焼き討ちにしてしまいます。ここで妲己と狐妖の少女との友情話が挿入され、原典より比干の悪者度がアップしております (^_^;)


その復讐のために子虚と妲己は比干から心臓を奪い……

【総括】
タイトルに「未完」と付けた通り、全65話予定のはずがTV版第53話、DVD版第52話をもって突如本作の放映・配信が停止されてしまい、これまで散々見てきたような中身の魔改造っぷりも相まって伝説の作品となってしまいました……(もっとも、今後修正版などとして残りの部分が配信される可能性もあると思います)

54・55話の予告編やらEDの画像などを見ると、この後は黄飛虎の造反を経て、本来描かれるべき間の諸々をすっ飛ばしつつ殷と周の戦いが描かれて終わりとなる予定だったようです。ここんところ出番がなくうっちゃられてる殷郊の運命とか、五行上将の残る2人は誰か?(1人はEDのスタッフロールから鄧嬋玉のようですが)、作中では名前が出てきているもののスタッフロールには名前が載っていない黄天化は果たして登場するのか?等々は謎のままとなりました……

中身自体は、原典では一番の見所となるはずの殷側と周側の神仙による合戦をリスペクトせず、制作側が「こっちの方が面白いやろ?」とドヤ顔で魔改造したものを押しつけてくるというあたりは、中盤以降忍術物と化した横山光輝の『殷周伝説』と通じるものがあるかなあと。
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『封神演義』その8

2019年06月04日 | 中国古典小説ドラマ
『封神演義』第42~47話まで見ました。

王宮からトンズラして西岐への逃亡を図る姜子牙ですが、馬氏は天上の掃把星(箒星)の生まれ変わりとしての宿命に目覚め、自分こそが姜子牙に災厄をもたらしていたとして、敢えて夫とともに逃亡することを拒否し、朝歌に留まって紂王に捕らえられ、炮烙で処刑される道を選びます……


肉体は消滅しましたが、形見の箒というか打神鞭は焼け残ります。馬氏は原典でも掃帚星に封神されたという設定になっています。こういう所だけ原典をリスペクトされても……とついついグチを言いたくなってしまいますが。

さて、木火土金水の五行上将を捜索する楊戩は、火将軍となることを賭けて哪吒と勝負することになれますが、武器がないと言うと、哪吒が「これを使え」と武成王府にあったはずの三叉戟(三尖刀)をかっぱらってきます。このドラマ、こういう武器やらアイテム類の扱い方がめっちゃ雑なんですよね…… で、楊戩が勝利すると哪吒は負けを認めずにキレて楊戩を後ろから刺してしまいます。さすがに良心が咎め、これを期に哪吒は火将軍となることを了承。

お次は哪吒の相棒雷震子が金将軍に違いないということになりますが、彼は頑なに自分の正体を認めません。どうやら「金赤翎」をなくしてしまって翼で飛べなくなってしまったことで、師匠の雲中子や父親の姫昌に申し訳が立たないと思い込んでいるようですが……?


一方、王宮では妲己の提案で姫昌を西岐に返してやるからということで、長子の伯邑考(画像参照)にたんまり貢ぎ物をさせて摘星楼の建設費用の足しにしようということに。伯邑考は群臣・兄弟、あるいは西岐にやって来た姜子牙、故郷に戻ってきた弟姫発が止めるのも聞かず朝歌に赴き、色々あって肉饅にされてしまいます……


姫昌は息子の肉と知らずに肉饅を食べたということで釈放され、黄飛虎が見送りとして同行しますが、そこへ反乱鎮圧から凱旋した聞仲(画像参照)が情報を聞きつけ、姫昌を逃してはならじと、黄飛虎の父黄滾の守る界牌関で追いつきます。黄滾と黄飛虎の話、ここでやるんですね。黄飛虎が二人を出し抜いて何とか姫昌を逃してやります。

西岐では伯邑考の命により姫発が君主代理の座についておりましたが、兄弟からは総スカン状態、愛息伯邑考の死にショックを受けた父親からも拒絶され……というあたりで次回へ。しかし伯邑考が子虚を心服させたり朝歌で「琴聖」と持て囃されたりと散々持ち上げておいて、今回姫昌の母太任が「あの子は一城の主ではあっても天下を得る器ではなかった」とか下げにかかるのは酷いと思います……

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『封神演義』その7

2019年05月29日 | 中国古典小説ドラマ
『封神演義』第36~41話まで見ました。

姜子牙は下界に戻されたものの、箒にされてしまった打神鞭で7×7=49回ぶたれないと身動きができないし口もきけないという状態でしたが、一体何をどうしたものかと困り果てる楊戩や馬氏らの前でアイコンタクトによって何とか復活を遂げます。

一方、姜王后の弔問のため西岐から朝歌へと向かう西伯侯姫昌ですが、百人目の子となる赤子、すなわち雷震子を拾って雲中子に預けたり、王宮では王后の父東伯侯や南伯侯が処刑されたりと、ここに来てようやく『封神演義』らしい展開となります。で、姫昌は「こやつこそが殷を倒す賢人」と妲己に見込まれたことにより一命を助けられ、朝歌にとどまって紂王を輔佐することに。

そしてこのあたりで武吉の正体が西伯侯姫昌の次子姫発(後の武王)であることが明らかに。正体に気付いていると思った姜子牙も気付いてなかったんですね…… 木樵になった理由は、かつて紂王の命により父親とともに鬼方を征伐した際に、父の指示を無視して鬼方の首領を討ち取り、それが原因で放逐されたとのこと。父姫昌の深謀遠慮によれば、暴君のもとでは王命に唯々諾々と従うことが自分の身を守ることにはつながらないということのようです。現在訪日中のトランプ大統領への対応を連想させるような、何やら示唆的な描写になっております。

姜子牙の差配により武吉と蘭盈は西岐に向かうこととなり、楊戩と小娥はいずれ周を助けて殷を倒すことになる「五行上将」の捜索のために旅立ちます。そこは梅山七怪じゃないんですね…… 楊戩と小娥は早速「火将軍」らしき、喧嘩すると炎と雷が炸裂して周囲が廃墟と化すコンビと出会います。


このコンビ、赤い服の方が哪吒で、青い服の方が雷震子の模様。作中では姫昌が雷震子を拾ってから1年ほどしか経ってないような感じですが、設定上は数年が経ってることになっているようです……

その姫昌ですが、自分の似顔絵がお尋ね者として貼られている殺人榜の前で麺を売っていた姜子牙とも出会いを果たします(別にここで文王に仕えたりはしません)。釣りをしているところで出会うというシチュエーションは息子の武王との出会いでやっちゃいましたからね……

姜子牙と言えば、馬氏が西岐への逃亡を承諾せずグズグズしているうちに、まだ国師の座に居座っていたらしい申公豹に陥れられ、夫婦ともども炮烙の刑にかけられるところを姫昌に助けられます。で、紂王が摘星楼の建設を命じ、費仲が完成まで30年、申公豹が7年を要すると難色を示しているところを、姜子牙は3年で建てますと宣言して上大夫に任じられますが、これは嘘っぱちのようで……というところで次回へ。何か色々と反応に困る展開が続きます……
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『封神演義』その6

2019年05月23日 | 中国古典小説ドラマ
『封神演義』第30~35話まで見ました。

王宮では妲己が費仲と結託し、姜王后を陥れる算段をしております。そして妲己が紂王とともに比干・黄飛虎らとお忍びで外出することとなりますが、酒の臭いに釣られて立ち寄った馬氏麺館で刺客が襲撃。この刺客姜環が取り調べによって姜王后の実家の東伯侯の手先で、彼女の命によって襲撃に及んだことが判明しますが、もちろん費仲の仕込みです。このドラマ、こういうところだけ律儀に原典の展開を持ってくるんですね……

で、激怒した紂王によって姜王后は両目をえぐられたうえに幽閉、怒りに駆られた殷郊が姜環を刺殺したことで彼の太子の地位も危うくなります。そしてこの機に今まで鬱憤をため込んでいたらしい黄妃が姜王后をいびりにかかります。このドラマやっぱり宮廷物なんでは (^_^;)

姜王后は最終的に東伯侯を破滅に追いやろうとする妲己の意思を阻むため、そして愛児殷郊の身を守るため、自ら殷の天下を保つためと称して祭祀を執り行い、天神に我が身を犠牲として捧げるべく火の中に身を投じます。


さて、玉虚宮の思過崖に幽閉された楊戩は「オレを元の所に戻せ!」と訴え続け、元始天尊は「なら戻るがよい」と、割とあっさり楊戩を王宮に戻します。そしてこれまたあっさり申公豹にとっ捕まり、上の画像のごとく「黒天眼」を開眼させられ、闇落ちします。既定路線とはいえ、前回の妲己に引き続きまーた闇落ちかという気持ちが拭えません……

王宮で投獄されていた姜子牙は、軒轅剣というか伝説の剣(もとは蘇護の家に代々伝えられたものだった)を元始天尊から授けられ、楊戩を始末せよと命じられます。しかし彼を殺すに忍びない姜子牙は軒轅剣の力で「黒天眼」の妖気を吸い取った後、自らの魂魄を犠牲にして楊戩の命を救います。


「老不死的」だったはずの夫の死をいつまで経っても受け入れられない馬氏…… 

元始天尊は元凶の申公豹の力を奪って破門とする一方で姜子牙の魂魄を集めて復活させ、弟子一同に「封神大計」の始動を宣言させます。元始天尊の力で下界に戻った姜子牙ですが、三魂七魄のうちまだ一魂一魄が足りないので、自分では喋ることも動くこともかないません。


一方、紂王は四大諸侯らを姜王后の弔問に招くことにし、後の文王こと西伯侯姫昌も留守を嫡子の伯邑考や散宜生らに託して西岐を出立というあたりで次回へ。序盤で顔見せ程度に登場していましたが、ようやく西伯侯が本格的に登場ということになるようです。ここまで長かった……
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『封神演義』その5

2019年05月17日 | 中国古典小説ドラマ
『封神演義』第24~29話まで見ました。

申公豹は姜子牙の陣法に包囲され、寿仙宮に閉じ込められた形の子虚を逃してやり、そして姜子牙の前に姿を現し、「下界のことに関与しおって師尊がお怒りであるぞ?」と適当に騙くらかして王宮より退去させてしまいます。姜子牙は申公豹に楊戩らを託しますが、申公豹の目的はその楊戩の「黒天眼」の力を我が物とすることなのでした。失意の姜子牙は馬氏麺館へと戻り、馬氏に「老不死的!」と罵られる日々が戻ってきます。

そして王宮では黄飛虎と仲良く酒盛りしていた紂王が昏倒し、待ってましたとばかりに申公豹が現れて治療し、紂王の信頼を取り付けます。実はこの病気は申公豹と結託した子虚が仕組んだものなのですが、これによって申公豹はまんまと国師の地位をゲットします。

一方、姜王后は楊戩と妲己との関係を知ると、この2人を駆け落ちさせてしまおうと計画。殷郊と小娥の仲介もあり、楊戩は無論のこと、不安を抱えていた妲己も最終的に駆け落ちを承諾。楊戩より相談を受けた姜子牙は「駆け落ちは大凶」と予言しますが、一同は駆け落ちを強行。しかし事はたやすく露見し、あと一歩で王宮を脱出というところでおとり役を買って出た小娥が捕らえられたと知った楊戩は、彼女を犠牲に出来ないと救出に向かいます。妲己は楊戩が本当に愛しているのは自分ではなく小娥ではないかと闇落ちしていきます(「またこういうパターンか」などと言わないで下さい)

で、小娥ともども囚われの身となり、紂王の審問を受けることとなった楊戩は、自らが蘇護の義子であり、父の仇である紂王の命を狙っていたと暴露。しかし紂王は逆にその思い切りのよさを気に入り、自分と決闘して勝ったら小娥を解放すると約束。日取りを改めいよいよ決闘となりますが、腕に覚えがありすぎる紂王に楊戩は太刀打ちできず、その剣であわやとどめを刺されるというタイミングで、事の次第を予知していた姜子牙が乱入。「五雷霊符」の力で楊戩を玉虚宮へと逃し、かわりに自らが捕らえられ……というところで次回へ。

正直、姜王后VS妲己を軸に宮廷物的な展開が延々と続いていい加減嫌気がさしていたのですが、ここにきてようやく話が動き出しましたね。


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『封神演義』その4

2019年05月11日 | 中国古典小説ドラマ
『封神演義』第18~23話まで見ました。

宮中にて野外で皇族等貴顕を招く「宗親宴」が開かれることになり、姜子牙らも出席することとなります。姜王后はこの機会に姜子牙の力で妲己の正体が妖怪であると公衆の面前で暴きたてたいようです。

紂王は姜子牙の力を試そうと自分の寿命を尋ねます。もちろん姜子牙は彼が殷の最後の王となる運命であることを察知しているわけですが、「江山在、大王在。大王与大商江山同寿」(この天下が続く限り大王もご健在です。大王と殷の天下は寿命はともにしております)と、うまい返しをしていますw ここで黄飛虎に絡まれた姜子牙が行方不明の息子の天化のことを占ってたりするので、このドラマ、どうやら黄天化を出すつもりはあるようです。どういう演出になるかとても不安ですが (^_^;)


暴君ではあるが、自分が王であるとは知らずタメ口をきく小娥に鷹揚な態度を見せたりもする紂王。

宴で王叔の比干が「炮烙」と呼ばれるバーベキュー器具のようなものでガチョウの焼き肉をふるまうと、妲己が案の定炮烙を罪人の処刑器具として利用しようと碌でもないことを言い出しますが、ここで楊戩が宴の場に登場。妲己は死んだものとばかり思い込んでいた楊戩が生きていたことに、楊戩は清らかだった妲己の変貌にお互いショックを隠せません。

紂王は楊戩の身元を姜子牙に問いますが、さすがに謀反人だった蘇護の子とは言えないので、「この者は性格がとても「二」なので、二郎と呼んでおります」と紹介。ここにきてまさかの二郎神の(呼称の)爆誕です (^_^;) 性格が「二」というのは、黄飛虎の説明によると、市井の言葉であり、「呆头呆脑,莫名其妙的家伙,就叫二」(ぼんやりしてとらえどころのない者を「二」と呼ぶ)のだそうですが、中国語で本当にそんな用法があるのかどうかは知りません……

そして姜子牙は白鶴童子に授けられた「五雷霊符」の力を頼りに宴の場で子虚の妖気を引き出すことに成功しますが、お互いに内傷を受けてしまい、子虚は逃亡に成功。姜子牙といえば打神鞭ですが、このドラマでは彼が下界に落とされる時に元始天尊に打神鞭を授けられたものの、我が家というか馬氏麺館で目覚めた時に馬氏の箒にされてしまってることが判明したままうっちゃられてます……

ともかく紂王の身を守ることに功績があったということで、姜子牙は杜元銑にかわる欽天監監正に任命され、殷郊のお気に入りということで、紂王の差配により小娥も王后付きの司祭に任命されます。宗親宴の後も姜王后は姜子牙を使って何としても妲己の正体を暴こうとし、楊戩は楊戩で妲己と密会を図り、彼女を宮外へと連れ出して逃亡しようとします。

そうした中、姜王后付きの女官の韓尚宮が、妲己が密かに男を匿っていると紂王に告発。それと同時進行で姜子牙たちも妲己の寿仙宮を取り囲んで陣法を敷き、中に潜んで「五雷霊符」によって受けた内傷が回復しきらない子虚を追い詰めます。


ここで元始天尊と姜子牙を逆恨みする申公豹が再登場。師と敵対すると決めたらしく、子虚の救出を図り……というあたりで次回へ。韓尚宮の告発は証人として連れてこられた妲己の侍女・瑞麗の反撃によって失敗に終わるわけですが、このあたりやっぱりノリがよくある宮廷物になってますね。宮廷のシーンの比重がかなり大きくなってますし……
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『封神演義』その3

2019年05月05日 | 中国古典小説ドラマ
『封神演義』第12~17話まで見ました。

小娥は楊戩や武吉と同様、姜子牙の弟子ということにして馬氏麺館(姜子牙の妻は麺屋を経営しています)に居候することに。


で、お忍びで街に出た太子殷郊が小娥に惹かれて馬氏麺館の常連客となり、姜子牙や楊戩らとも交友するようになります。


武吉はといえば、武成王黄飛虎に目を付けられてしばらく抑留されます。いつものように「ただの木樵です」と名乗るわけですが、ただ者ではない雰囲気と言動から「そんな草民がおるか!」と不審視され、あれこれ詮索され、伯邑考の身内ではないかというところまで突きとめられます。なお、黄飛虎・黄妃の黄氏は殷王武丁の后妃婦好の一族という設定になっている模様。実家に戻っていた黄妃と黄飛虎との会話で「婦好があれだけの武功を挙げながら王と別居して自領ですごしたのはなぜか?」とか、もっともらしく宮廷闘争に話を落とし込んでくるのは、脚本家が悪い意味で手慣れている感じがします。

宮中では子虚が夜な夜な宮女の魂を吸い取っておりましたが、それだけでは満足できずに街へと飛び出し、小娥にロックオン。しかし彼女の魂を吸い取れず、逆に自分が致命傷を受けて宮中へと逃げ帰ります。ここで小娥が鬼族の出身で、トーテムを示す霊犬の入れ墨があるのが判明しますが、どうやら彼女が哮天犬のポジションのようです…… 今回のドラマ版、ファンが求めてない要素を的確に盛り込んでくるあたり、脚本家の煽りスキルに年季を感じます。


姜王后は、妲己の正体を暴こうとして逆に自分が桃木剣に刺されて正体が妖怪であることを暴かれてしまった杜元銑にかわる欽天監太師を求めます。姜王后を演じるのは特別出演の胡静。『人民的名義』では「狐狸精」と呼ばれていましたが、今度は逆に狐狸精に追い詰められる立場です。

彼女が目を付けたのは、息子の殷郊が足繁く通っている麺館の姜子牙。彼女の招聘を受けて(その際に馬氏を議長とする家族会議が開かれています (^_^;;))、姜子牙は楊戩・小娥とともに宮中へ。楊戩が宮中で妲己を捜索したり、小娥が正体を隠した殷郊と再会し、また物怖じししない態度を紂王に面白がられたりする(相手が紂王と知らずに「紂王は昏君」なんて言ったりする……)一方で、姜子牙は王后より妲己排除の密命を受けるものの、子虚は自分の力の及ぶ相手ではないと躊躇し……というあたりで次回へ。
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『封神演義』その2

2019年04月28日 | 中国古典小説ドラマ
『封神演義』第6~11話まで見ました。

元始天尊によって下界に落とされてしまった姜子牙ですが、記憶改変というか歴史改変により、崑崙で修行していたはずの数十年がなかったことにされ、朝歌の街で麺屋を営む悪妻の馬小紅に毎日どやされながら暮らしていたことにされてしまいます……


姜子牙を演じるのは、新版『三国』の劉備役、『軍師連盟』の曹操役でお馴染みの于和偉。


そしてこちらは姜子牙と馬氏との間に生まれた娘の蘭盈ちゃん。また雑なオリジナルキャラクターを出しおって……と思ったら、武王の妻とされる邑姜がモデルとのこと(『封神演義』の原典には邑姜は登場しません)。

一方、朝歌に到着した妲己は紂王の命により処刑されることになりますが、妲己は父母の復讐のため、刑場で悪魔こと子虚に魂を売り渡し、その妖艶な姿に魅入られた紂王によって罪を許され、後宮に迎え入れられます。そして紂王の寵愛を得て瞬く間に貴妃の座に。ただ、妲己は完全に子虚に身体を乗っ取られたというわけではなく、ピンチの時などに任意で子虚が取り憑くようです。

そしてやはり朝歌にやって来た楊戩は妲己を救出しようとしますが、姜子牙に引き留められ、その占いの力に感じ入って弟子入りすることに。姜子牙も崑崙で学んだことがリセットされたわけではないようですが、占いの能力で金儲けしようとするのは元始天尊的にはズルということになる模様 (^_^;)(街で占い師商売を始めると急に雲行きが怪しくなってきたりする)

ついでに楊戩に武吉をおびき出させて彼も弟子に迎えますが、ここで文王ではなく武吉&楊戩相手にまっすぐの釣り針で釣りをする話が挿入されます。もっとも、武吉の正体は前回触れたように後の武王こと姫発であるようですが。


で、楊戩が街でお忍びの太子殷郊やら、やはりオリジナルキャラクターの女スリ師小娥と出会います。この小娥、姜子牙が自分の父親だと言って譲りませんが、果たして……?というあたりで次回へ。

妲己を中心とする宮廷パートは、姜王后が後宮のラスボス、楊妃&黄妃が意地悪な先輩ポジションということでまんま宮廷物のノリなんですが、下の記事にあるように先般中国でこの手の宮廷ドラマが槍玉に挙げられて放映が規制されたはずでは……などと詮索するのは時間の無駄なのでやめましょうw

ドロドロ宮廷ドラマは“社会悪”!?大手テレビ局が放送中止へ、「如懿伝」など話題作が姿消す―中国
https://www.recordchina.co.jp/b683092-s0-c70-d44.html

その後この規制は古装劇ジャンル全体に拡大し、「限古令」などと称されましたが、さすがに強い反発があったようで撤回。ただ、大本の宮廷物の規制自体は無効になっていないはずですが、そもそもその大本の規制がその程度のものだったということなんでしょう。
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『封神演義』その1

2019年04月21日 | 中国古典小説ドラマ
『倚天屠龍記』、このまま見ててもまあ原作通りの展開になるんだろうし、大体見所は押さえられた感があるので、新作の『封神演義』に移ることに(ただ、『倚天屠龍記』も結末は原作とは異なっているようですが……)。今回は全65話予定のうち第1~5話まで鑑賞。

楊戩は人間の将軍楊子成と仙女の瑶姫との間に生まれた半人半仙ですが、隕石の落下とともに生まれ落ち、殷王朝の占い師から「殷を滅ぼす男になる」と予言されたお陰で紂王から命を狙われることに…… そこを冀州侯蘇護に拾われ、蘇護夫妻の実子妲己とともに兄妹として育てられて20年。


腕っ節の強いのが自慢のドラ息子に成長した楊戩。「黒天眼」を生まれ持ち、三界を滅ぼす力を持つということで、紂王だけでなく天界の元始天尊からも命を狙われる難儀な身の上です。兄妹同様と言いながら妲己とは次第に恋愛感情を抱き合うようになり、それを気に掛けた蘇護夫人によって冀州を追われてしまいます。


そこを救ったのが流しの木樵の武吉。やっぱりやたら強い。毎回のEDで流れるキャスト一覧に「武吉(姫発)」とあるのは見なかったことにしましょう。


紂王の誕生祝いに朝歌に赴いた蘇護は、紂王より娘の妲己(上の画像)を後宮に差し出すよう命じられ、激怒して帰国。殷王朝に対して反乱をおこします。しかしあっさり紂王が差し向けた費仲と太子殷郊に敗北。危機を知った楊戩が城に戻るも時既に遅く、蘇護夫妻は自害し、妲己は朝歌に向かうことに。


その妲己につきまとうのが九尾狐妖の子虚。本作のオリジナルキャラですが、今のところ作中で最も印象の強いキャラになってます。彼は「私に魂を捧げれば父母の復讐でも何でも願いをかなえてやろう」と取り引きを持ちかけますが、妲己は悪魔の囁きを振り切って一路朝歌へ。しかし謁見した紂王から死罪を申し渡されてしまいます。

一方、楊戩は元始天尊から派遣された姜子牙や「黒天眼」を我が物にしようとする申公豹に命を狙われますが、武吉に助けられて危機を脱し、二人で朝歌に向かうことに。姜子牙は楊戩の「黒天眼」から将来彼が三界を滅ぼすどころか三界を救う大英雄に成長するというビジョンを受け取り、元始天尊に助命を嘆願しますが、兄弟子の申公豹ともども下界に落とされてしまい……

ということで「史上最も魔改造された封神」ということで非難囂々の本作。楊戩と妲己の関係を軸にストーリーが展開していくようですが、フジリューの漫画が有りならこれだって有りでしょ?と温かい目で見守っていきたいと思います (^_^;)

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