博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『延禧攻略』その12

2019年10月20日 | 中国歴史ドラマ
『延禧攻略』第56~60話まで見ました。

乾隆帝からの寵愛を望めなくなった瓔珞は、皇太后に接近して後宮での生き残りを図ります。しかし父親の死の一件から皇太后に遺恨のある皇后は、乾隆帝の乳母温淑夫人が残した密書を利用し、皇太后の地位を奪おうとします。その密書には、乾隆帝の生母は実は今の皇太后紐祜禄氏ではなく嘉興の銭氏であり、皇太后に我が子を奪われ、殺害されたとありました。

密書は孔昼を通じて乾隆帝に手渡され、彼は皇太后に不審感を抱くようになり、問い詰めます。それを苦にして皇太后は心労に倒れ…… ということで金庸の『書剣恩仇録』でも使われたネタがきました!ただ、本作では乾隆帝の父親は漢人ではなく雍正帝となっている模様。

しかし真相は、銭氏は雍親王(後の雍正帝)の寵愛を得たものの、彼の山西巡幸に随行し、土匪に襲われた際に身代わりとなって捉えられ、土匪に身を汚されたのではないかという嫌疑を掛けられ、雍親王から死を賜うこととなったというものでした。

真相を知った乾隆帝は皇太后に許しを請おうとしますが、彼女は乾隆帝と会おうとせず、瓔珞を伴って療養のためと称して円明園に隠居してしまいます。実は皇太后が心労で倒れたというのは、乾隆帝の気を引くための仮病で、銭氏の死の真相も別にあるようで…… 乾隆帝の生母ネタ、あっという間に終了してしまいましたw 日本よ、これが本当の「いろいろ問題が出るけどサクサク解決してしまうドラマ」だ!!( ・`ω・´)

で、瓔珞はそのまま円明園に留まり続け、乾隆20年。出征先から凱旋した傅恒が来訪し、紫禁城に今すぐ戻らないと乾隆帝の二度と寵愛を取り戻せなくなると、事態の急変を告げます。彼が出征先より連れ帰り、乾隆帝に引き渡した沈璧(順嬪)に対する寵愛が並大抵のものではなく、彼女はただ者ではないということなのですが……


ということで、特別出演の張嘉倪演じる沈璧です。香妃をモデルにしているような、していないようなという感じのキャラクターですね。

紫禁城に戻った瓔珞は、皇后による対沈璧包囲網に加わることになりますが、沈璧の方は瓔珞と友達になりたい様子。そして亡き愛娘和安公主の法事のために皇太后が紫禁城に帰還し、皇后はそこで沈璧を不祥事に巻き込んで破滅させようとしますが、瓔珞は沈璧を和安公主の生まれ変わりに仕立て上げ、難を逃れさせます。それを察知した皇后は瓔珞に「沈璧はそんなに簡単な人間ではない。情けを掛けたのをいずれ後悔するぞ?」と捨て台詞。

そして延禧宮では、かねてから相思相愛の仲の明玉と海蘭察の婚約話が進められますが、明玉の体内に残された純貴妃の銀針が着実に彼女の余命を縮めているらしく……と明玉に死亡フラグが立ってきたところで次回へ。沈璧の話はサクサクとはいかずもう少し引っ張りそうですw
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『延禧攻略』その11

2019年10月14日 | 中国歴史ドラマ
『延禧攻略』第51~55話まで見ました。

皇后の嘆願によりその父那爾布の死罪は免れたはずが、牢内で自殺と見せかけて皇太后の手の者が暗殺。どうやら皇太后の一族が事件に絡んでいたらしく、ここで皇后に皇太后に対する遺恨が生じます。

さて、瓔珞は円明園から「哥」と慕う袁春望を迎え入れ、自分の総管とします。そして関係が改善した愉妃から、彼女の所生の五阿哥を託されたかと思いきや、その五阿哥が延禧宮を探訪した直後に急病で倒れてしまいます。彼に食べさせた茶菓子の中に、彼が服用していた咳の薬と反応して毒となる成分を仕込んでいたのだろうと疑われる瓔珞。しかし彼女は逆に愉妃が五阿哥に適量以上の咳の薬を盛っていたことを暴き出します。愉妃は「誰が好きこのんで我が子を危険な目に遭わせるものか」と、これが純貴妃の強要によるものであることを暴露。

更に関係者への訊問から、かつて亡き先皇后が生んだ七阿哥が焼死した事件を指揮していたのも純貴妃であることが明らかとなり、純貴妃は一番下っ端の答応に落とされたうえに冷宮送りに。瓔珞の復讐はこれで終わったかと思いきや、何か不審感を拭えず、そのもやもやの正体が何かもわからないうちに、純貴妃改め蘇答応は現皇后の手によって不審死を遂げてしまいます…… 

直接五阿哥に手を掛けた愉妃も罪を免れないはずでしたが、五阿哥自身や皇太后の嘆願もあり、処罰が緩められて紫禁城を出て出家することになります。愉妃は紫禁城を出立する直前に、改めて瓔珞に五阿哥を託し、今まで純貴妃の手下として瓔珞と対立してきたのは、そう見せかけて純貴妃を倒す機会を狙うという彼女なりの戦略だったと告白します。


この↑五阿哥永琪といえば、『還珠格格』ではヒロインの恋人となり、ヒロインの庇護者として令妃も登場しますが、本作は『還珠格格』の登場人物の前史を描いていると思うと、なかなか感慨深くあります。

皇后は権威獲得のため、皇太后の反対を押し切って皇后就任以来初の親蚕礼を執り行うことになります。親蚕礼には皇室宗親のほか、一等公爵など重臣の夫人の参列も求められるため、傅恒の不興を買って仏堂に幽閉されていた爾晴は、自由を得る好機が到来したと張り切って紫禁城に乗り込みます。

その頃、瓔珞は長春宮の侍女時代の同僚琥珀から、爾晴が乾隆帝に迫ってその子を産んだこと、そしてそれを先皇后に告白したことがその自害を後押しする最後の一撃となったということを知らされます。で、のこのこ紫禁城にやって来た長春宮に爾晴を拉致し、自害を迫ります。長春宮には乾隆帝と現皇后もやってきますが、爾晴の遺体を目にした乾隆帝は、爾晴は謀殺ではなく自ら命を絶った、瓔珞は病気であるということでその場を収めてしまいます。

その後、更に瓔珞は避妊薬を常用していたことが明るみに出て乾隆帝からどういうことなのかと問い詰められ、入内は先皇后の復讐のためで、乾隆帝から寵愛を得たのはそのための手段にすぎなかったと告白します。乾隆帝からは今後一切寵愛しないと、事実上延禧宮を冷宮とすることを宣告されてしまいます。

瓔珞は自分が純貴妃を追い詰めたのも、琥珀から爾晴のことを知らされたのも、避妊薬のことが明るみに出たのも、すべて現皇后が裏で糸を引いていたことを察知します。そして避妊薬を服用していたことを現皇后に密告したのは袁春望であり、彼が実は現皇后のスパイとなっていたこと、更には当年の七阿哥と先皇后の死の真の黒幕が現皇后であったことも……
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『延禧攻略』その10

2019年10月08日 | 中国歴史ドラマ
『延禧攻略』第46~50話まで見ました。


前回に引き続き、純貴妃の発案で紫禁城内で催された蘇州街の話から。瓔珞は蘇州街で宦官たちが主人から盗んだ物品が売られているのを暴き立て、純貴妃の面子を潰します。

反瓔珞派も負けておらず、工作を仕掛けて瓔珞が亡き富察皇后の命日に長春宮で傅恒と密会するというシチュエーションを作り出します。で、純貴妃の子分の小嘉嬪が乾隆帝と連れだってそれを見咎めるという寸法。逆に瓔珞は小嘉嬪が自分を陥れようとしたと告発し、乾隆帝の逆鱗に触れて小嘉嬪は幽閉処分へ。姉と同じくあっけなく退場です。

純貴妃といえば、皇太后への贈り物にするから観音様の刺繍をしてほしいと瓔珞に依頼します。瓔珞は当年の辛者庫での雑役で痛めつけられた手指に鞭打って何とか刺繍を仕上げますが、純貴妃は当然の如く皇太后に刺繍を差し出す段となってもは瓔珞の「え」の字も出しません。しかし刺繍を目にした乾隆帝はさすがに感づいた様子。周りの嫌がらせで暖房も手に入らない状態で寒さに震えながら刺繍をしている瓔珞のために、自分の名前は出さずに自分が使っている暖房器具を延禧宮に運び込ませるツンデレな皇上……

一時は瓔珞が傅恒への思いを捨てきっていないのだろうと冷え切っていた乾隆帝の寵愛ですが、これ以後二人の関係が復活を通り越して以前より寵愛が増し、瓔珞はいよいよ令妃に昇格。純貴妃は危機感を隠せませんが、瓔珞を純貴妃への当て馬として扱っている皇后は高みの見物 (^_^;)

一方、爾晴は傅恒の福康安への対応が悪くないのを見て自分への態度が軟化したと思い込み、「私たちもう一度やり直しましょう!」と訴えかけて拒絶されたと思ったら、自分の勘違いから傅恒の侍女青蓮を屋敷から追い出したうえ、よそに嫁にやると偽って娼館へと売り飛ばといった所業を重ねます。青蓮の最期を看取った傅恒は爾晴に離縁状を叩き付けますが、母親の擁護などもあって離縁は撤回したものの、爾晴に出家を要求。これ、成長した福康安が母親のことで父を深く怨み、闇落ちするというフラグなんじゃ……

そして後宮では瓔珞が乾隆帝の囲猟に随行することになり、乗馬の練習をさせられますが、練習中に落馬して右腕の骨を折ってしまいます。これは純貴妃の意を承けた愉妃の陰謀でした。瓔珞は愉妃にとって恩人と言っていい人物ですが、愉妃が純貴妃派に属したため、心ならずも彼女を陥れる役回りをさせられることになったのでした。しかしさすがに良心が咎めたか、はたまた純貴妃のトカゲの尻尾切りを不安に思ったのか、瓔珞に「私も純貴妃にこれ以上好き勝手させないから、あなたも事件の追及はやめて欲しい」と手打ちを申し入れます。

そんな中、皇后は実父の那爾布が被災地での振恤の際に不正を行ったと告発されてしまいます。那爾布は無能なだけで実直な性格で、告発は彼を陥れようとする陰謀なのですが、乾隆帝は皇太后や侍衛の海蘭察から「無実の罪だろうと何だろうと、彼を処刑して事が収まるなら処刑してしまえばいいのではないか」と言われてしまい…… 皇后に昇格してからは善人モードに戻りつつあった彼女ですが、このままではまた闇落ちしてしまいそうですね……
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『延禧攻略』その9

2019年10月02日 | 中国歴史ドラマ
『延禧攻略』第41~45話まで見ました。


2年の時が経って乾隆15年、嫻貴妃は既に皇貴妃に昇格しておりましたが、更に皇后へと昇格。そして乾隆帝は后妃を引き連れて円明園に巡幸することに。瓔珞は2年ぶりに長春宮時代の同僚明玉と会えると楽しみにしておりましたが、純貴妃に仕えるようになっていた彼女は瓔珞に冷たい態度を取ります。

不審に思った瓔珞が探りを入れると、明玉と純貴妃との関係はこの2年間良好でありましたが、2年前の七阿哥の死の黒幕が純貴妃であるらしいと明玉が察知してしまったことにより、裏で虐待されるようになったことが判明。そして瓔珞が邪魔者と見るや、その日の晩のうちに刺客を放つ純貴妃。やっぱり後宮物というより『鹿鼎記』みたいなノリですね (^_^;) このまま明玉を純貴妃のもとに返したのでは彼女をむざむざと殺させるようなものと、瓔珞は一計を案じます。


円明園では皇太后・乾隆帝が臨席して放生会が行われることになっておりましたが、瓔珞はまず放たれる鳥や魚を使って祥瑞を演出して太后の歓心を買う→褒美に太后の侍女となることを請う→乾隆帝はどうせ良からぬ魂胆があるのだろうと、自分の答応(一番下っ端の妃嬪)にする→答応では不足と貴人になる→ついでに侍女として明玉を請う→明玉の命が助かった!!(GOAL!!)


これからも二人はズッ友だよ!!しかし乾隆帝に入内したことで、どういうわけか袁春望が闇落ちし、絶縁されてしまいます。どうやら彼の出生に関わる事情があるようですが……?


皇后の差配により、魏貴人こと瓔珞は本作のタイトルの由来となった延禧宮に住むことになります。瓔珞と明玉の最終目標は、亡き富察皇后の死の原因を作った純貴妃を打倒することです。そのためにはある程度の地位が必要となるというわけで、自分を引き立ててくれた皇太后の歓心を買って乾隆帝の興味を惹きつけ、その寵愛を得るようになり、またたくまに嬪に昇格し、「令嬪」の封号を得ます。

その頃、この2年金川に出征した傅恒が大勝利を収めて紫禁城に凱旋。彼は軍功と引き替えに瓔珞を妾として迎える算段だったようですが、彼女が後宮に入ったと知って衝撃を受けます。そして富察家では爾晴が乾隆帝の種となる福康安を出産……

後宮では瓔珞への寵愛に嫉妬した小嘉嬪(かつての高貴妃の軍師嘉嬪の妹)や、瓔珞を警戒する純貴妃が、彼女と傅恒がデキているという謡言を流し、乾隆帝の耳にもその噂が入り、寵愛が遠のきます。しかし瓔珞はその純貴妃が皇太后の誕生祝いとして企画した蘇州街(蘇州に憧れる太后のため、蘇州出身の純貴妃が紫禁城内で宮女や宦官を使って街並みを再現させた)に売り子として紛れ込み、またもや太后の歓心を買うことで危機を脱し…… 

ということでようやくタイトルの「延禧攻略」が生きてくる展開となってきました。


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2019年9月に読んだ本

2019年10月01日 | 読書メーター
ナチスの戦争1918-1949 - 民族と人種の戦い (中公新書)ナチスの戦争1918-1949 - 民族と人種の戦い (中公新書)感想
元首相・国防大臣が惨殺されてもナチへの協力を疑問視しなかった軍部、「戦争をすること」を目的としたナチの経済再生の成果を素直に享受した国民、敵は本物の兵士ではなくゲリラや殺し屋だと信じ込む前線の将兵、敗戦が見えた段階で逆に苛烈となる暴力行為、そして自らの苦難と被害者意識が強調された戦後。日本の状況をヒトラーやナチに例えることが揶揄される昨今だが、やはり例えることによって自省してみる価値はあると思わされる。
読了日:09月03日 著者:リチャード・ベッセル

はじめてのギリシア神話 (ちくまプリマー新書)はじめてのギリシア神話 (ちくまプリマー新書)感想
ギリシア神話の主要な神格・英雄やエピソードを紹介するだけでなく、関連の古典の紹介、そしてオリエントやインドの神話からの影響、ローマ神話への影響、日本の神話との比較などを随所に盛り込み、比較神話学初歩の初歩的な内容にもなっている。要点が手堅くまとまっている。
読了日:09月05日 著者:松村 一男

世界遺産: 理想と現実のはざまで (岩波新書)世界遺産: 理想と現実のはざまで (岩波新書)感想
世界遺産の概論というよりは、近年の申請・登録状況や関連の問題をめぐるルポといった感じ。遺産の保全と現地住民の居住環境とのバランス、実は観光集客に結びついてないという問題、「産業革命遺産」や「世界の記憶」をめぐる政治利用・政治判断の問題など、近年問題になったトピックは一通り触れられている。韓国絡みの話も、疑問点がないではないが、韓国特有の特殊な問題ではなく普遍的な問題として位置づけ出来ていると思う。水中遺産に関する話題に紙幅を割いているのも特徴。
読了日:09月07日 著者:中村 俊介

「豊臣政権の貴公子」宇喜多秀家 (角川新書)「豊臣政権の貴公子」宇喜多秀家 (角川新書)感想
五大老のひとり宇喜多秀家を、自身の功績ではなく、先代直家の功績と秀吉の養女にして利家の娘樹正院との婚姻によりその地位を得た「豊臣政権の貴公子」と位置づける。秀吉が没するまで若年による経験・力量不足を心配され、五大老への抜擢もその将来性を買ったもののようだが、秀頼政権が無事に存続すれば、吉川広家に嫁いだ姉が早逝しなければどうなったか想像したくなる。あるいは、樹正院の健在によって関ヶ原後も命脈をつなぎ、子孫代々加賀藩の支援を得られた現実そのものが奇跡的なのかもしれない。
読了日:09月09日 著者:大西 泰正

教育格差 (ちくま新書)教育格差 (ちくま新書)感想
公立小中学校でも学力は均質ではなく校区によって差が出てくること、高校のレベルや校風は学校・教員の能力を示すというよりは、それを維持できる生徒が集まることによるものであるといったことなど、従来保護者や教員、塾の経営者が経験知として得ていたようなことを、データを駆使して明示し、更にその社会的背景を議論している。またそのことを保護者や生徒(だけ)ではなく、学校教育を担う教員や教職志望の学生が第一に知悉すべきことであると訴えているのが特色。何となく中学・高校時代に通っていた学習塾の先生に読ませたくなった。
読了日:09月14日 著者:松岡 亮二

菅原道真-学者政治家の栄光と没落 (中公新書 (2559))菅原道真-学者政治家の栄光と没落 (中公新書 (2559))感想
道真のほか祖父清公、父是善、また都良香、橘広相らの活動を示すことで、平安時代に官僚として生きた学者たちの姿や思想を活写できている。阿衡の紛議、遣唐使の「停止」、道真の失脚といった関連の事項についても議論をしている。意外にも道真と藤原基経・時平との関係はギリギリの段階まで悪いものではなかったようだ。祖父・父・道真と着実に地位を積み上げ、没落していくさまは後の時期の平家の盛衰を連想させる。
読了日:09月17日 著者:滝川 幸司

キリスト教と死-最後の審判から無名戦士の墓まで (中公新書 2561)キリスト教と死-最後の審判から無名戦士の墓まで (中公新書 2561)感想
天国・地獄・煉獄とキリスト教の「あの世」の基礎知識から、プロテスタントでは煉獄と幽霊の存在が否定されたということ、遺体の処置と埋葬、墓と死者を記念するモニュメント、死をもたらすものとしての疫病や災害等々、話題は雑駁で、キリスト教の死生観にまつわる雑学集という趣がある。上田信『死体は誰のものか』と併せ読むと面白いかもしれない。
読了日:09月18日 著者:指 昭博

歴史学で卒業論文を書くために歴史学で卒業論文を書くために感想
章立ての重要性と考え方、注釈の付け方、研究史の整理、結論のまとめ方(シャーロック・ホームズをたとえに出しているのは面白くてわかりやすい)など、卒論執筆の必要事項が的確にまとめられている。主に日本史学での卒論執筆を念頭に置いているが、文学・哲学なども含めて人文系全般の手引き、更には一般読者のための論文執筆入門としても使えるようになっている。
読了日:09月20日 著者:村上 紀夫

古典は本当に必要なのか、否定論者と議論して本気で考えてみた。古典は本当に必要なのか、否定論者と議論して本気で考えてみた。感想
否定派のコメントを読んでいて言いたいことが山ほど浮かんできた(特に数学の行列の話などは逆恨み、八つ当たりの類ではないかと思う)が、それに対する反論は肯定派のコメントではなくアンケートの方で言い尽くされている。ビジネスに資するというなら、高校の古典教育と言わず、漢字表記の使用、あるいは日本語の使用そのものを「必修」から「選択」に格下げすればどうか、言い換えれば否定派の皆さんは漢字の非常用化や英語の公用語化を主張すべきではないかと、肯定派の立場から逆に否定派の皆さんに提案したい。
読了日:09月21日 著者:

『銀河英雄伝説』にまなぶ政治学『銀河英雄伝説』にまなぶ政治学感想
銀英伝ファンの国際政治学者が、銀英伝の描写を取っかかりに民主主義、テロリズム、正戦論等々政治学のトピックを取り上げる。(失礼ながら)思ったよりまともなアプローチになっていて安心したが、先日Twitterで話題になったような、自由惑星同盟は本当に三権分立が保証されているのかといった作品の設定へのツッコミも欲しかった気がする。
読了日:09月23日 著者:杉浦 功一,大庭 弘継

女性のいない民主主義 (岩波新書)女性のいない民主主義 (岩波新書)感想
女性の政治家が極端に少ない日本は果たして民主主義の国と言えるのだろうか?この問いを取っかかりに、日本がそうなってしまった背景を考察し、そして政治学の議論を「女性の政治参加」という観点から振り返る。サミュエル・ハンティントンの「民主化の三つの波」などお馴染みの議論も、視点を変えれば随分異なった評価になるのだなと感じた。本書はまた政治学そのものについても要を得た入門書となっている。
読了日:09月25日 著者:前田 健太郎

織田信忠―天下人の嫡男 (中公新書)織田信忠―天下人の嫡男 (中公新書)感想
信長の嫡男で、数え年26にして信長とともに本能寺の変で散った。言ってみればそれだけの人物でしかないはずが、兄弟やその他血縁との関係、軍事的功績、信長の後継者としての評価、そして本能寺の変と、語るべきこと、論ずるべきことが多々あるのだなと感じた。語るべきことがないとされてきた人物の評伝の模範となるかもしれない。
読了日:09月30日 著者:和田 裕弘

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