博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『大唐双龍伝』その6

2009年10月31日 | 武侠ドラマ
『大唐双龍伝』第31~36話まで見ました。

旧知の李淵を頼って長安へと落ち延びた王世充と姪の董淑妮。淑妮は自分を捨てた寇仲への復讐のため、李淵に取り入って貴妃の座をゲット。

その寇仲はと言えば、宋玉致を連れ戻すために彼女の実家の嶺南へ。そこで玉致の父親の鎮南王宋欠に気に入られ、宋家の兵を借りて唐軍と戦うことに。宋欠は隋末四大勢力のうち宋閥の主ですが、李淵の李閥を「鮮卑の血が混じった奴ら」と忌み嫌ってます。こういうエンタメ系古装片で唐皇室鮮卑族説を持ち出してくるのはかなり珍しいですね。

寇仲は宇文化及と連合して唐軍の大将で恋敵の柴紹と戦うことになりますが、彼の目論見は柴紹と戦うと見せかけて宇文化及を襲撃し、義母傅君婥の仇を討つことにありました。しかしこういう悪だくみでは宇文化及の方が一段上手。流れ矢で柴紹を始末してそれを寇仲の仕業と見せかけ、寇仲と李閥の仲を割くことに成功(^^;)

夫柴紹の死を知った李秀寧ですが、寇仲が本当に夫を殺したとは信じられず、単騎彼を訪ねて真の仇は宇文化及であると知らされます。そこへ秀寧を追って来た李世民は2人が逢い引きしていると勘違いし、寇仲と無双モードで乱闘することに……

一方、徐子陵・師妃暄らはようやく和氏の璧をゲット。しかしこの和氏の璧、触れた者に未来の映像を見せるという困った機能があり、以前にゲットした一心大師と師妃暄の師匠梵清恵はいずれも自分の死に様を見せられてしまい、予言通りの最期を迎えるハメに。徐子陵と師妃暄は和氏の璧によって邪帝舎利の魔功を取り除くことに成功しますが、なぜか寇仲と李世民の乱闘の様子を見せられて現場に駆けつけ、2人を取りなします。

徐子陵は乗り気薄な寇仲にも和氏の璧で邪帝舎利の魔性を取り除こうとします。その説得の様子が「騙されたと思ってお前もやってみるんだ!」とか、何だか新興宗教の勧誘みたいです…… 

しかし寇仲の魔性はあまりに強く、除去に失敗。もっとも、寇仲のは魔性と言うより中二病をこじらせたと言った方が適切ではないかという気がします(^^;) あと、寇仲が和氏の璧を邪帝舎利と同じく邪悪なアイテムだと言ってますが、私も正直呪いのアイテムじゃないかと……

その頃、「邪王」石之軒は李建成・李元吉兄弟を利用して自ら帝位を簒奪することを決意。石之軒の弟子侯希白(これは仮の名で、本名は楊虚彦。)は隋室の末裔である自分を差し置いて皇帝となろうとする師匠を許せず……
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『考史遊記』

2009年10月30日 | 中国学書籍
桑原隲藏『考史遊記』(岩波文庫、2001年)

日本から持参した桑原隲藏の『考史遊記』をちょびちょび読み進めてましたが、ようやく読了。この手の本は自分が実際にその土地を旅行してみないと興味が湧かないもんですなあ。

本書は明治40年(光緒33年、1907年)から41年にかけて、著者が中国留学中に行った長安、山東・河南、東蒙古への3度の旅行についてまとめたもの。当時の写真も豊富に収録されています。以下、本書で印象に残った所を挙げていきます。

○西安で地元の偉人を祀る郷賢祠を見学した著者は、日本でも郷賢祠を建て、「その地の出身の人にして、軍国に殉ぜしもの、国家に尽しし者、徳行ある者、学識ある者等」を祀るよう提案。これって後の護国神社につながる発想ですよね……

○西安の薦福寺(小雁塔)を訪問した著者。「破損して登るべからず」ということですが、その後改修が施されたのでしょうか。現在は中に階段があって頂上まで登れます。

○名所古蹟捜索の困難を訴える著者。その原因を1.精確な地図が存在しない、2.地方志を参照しても方向や距離などの記載が曖昧で、かつ書物によって内容が食い違っている、3.現地人が古蹟を知らない、の3点にまとめていますが、このあたりの事情は現在でもあんまり変わってません(-_-;) 

○霍去病墓(現茂陵博物館)を訪れた著者は、その後方約1里の所に高さ1丈ばかりの小墳を発見。こちらも霍去病の墓であることを示す石碑があり、どちらが本当の霍去病墓なのか分からないと結論。……な、なんだってーーーー!!茂陵博物館に行った時の感動を返せと言いたい(^^;)

○著者が旅行した当時はまだ清朝が健在していましたが、皇室の避暑地である避暑山荘は外務部を通して熱河都統から許可を得られれば見学出来たとのこと。あと、北京の天壇も皇室に関係する祭祀施設のはずですが、当時既に観光地化されており、誰でも見学出来た模様。そう言えば宇野哲人の『清国文明記』でも頤和園を見学する場面がありましたなあ。

○行く先々で著者一行が現地在住の邦人と接触してますが、現在の内蒙古とかかなり辺鄙な所にも邦人が在住していたのには驚きです。(ちなみに内蒙古では人類学者として有名な鳥居龍蔵夫妻が在住していた。)

○清末でもモンゴル人は漢族のことを「蛮子」と呼んでいたらしい。

これを読んで、著者と一部旅をともにした宇野哲人の『清国文明記』も読み返したくなってきました。これも日本から持って来れば良かったと後悔中。実は近所の書店で中文版が売っているのですが、さすがに日本語版を持っているのを買って読むというのもムダな気がするしなあ……
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『大唐双龍伝』その5

2009年10月28日 | 武侠ドラマ
『大唐双龍伝』第25~30話まで見ました。

寇仲は洛陽の王世充のもとに身を寄せ、いずれは陣営ごと乗っ取ってやろうと悪だくみ。そこで敢えて義父の李密を討伐してみたり、(ただしギリギリの所で李密の命は助ける。)王軍の兵士を懐柔したり、王世充の姪董淑妮の歓心を買ったりして陣営内での信用を高めていきます。しかし王世充が皇帝を称しようとし、また好きでもない董淑妮と結婚させられそうになった段階で造反。一転王世充から追われる身となります。

そこを宇文化及に助けられ、義理の叔母傅君瑜を人質に取られことで、今度は宇文化及とタッグを組むことになり、あべこべに王世充を攻めて洛陽を制圧。しかし内心では一段落した後に宇文化及をも始末してしまおうと算段。なんつーか寇仲、すっかり呂布か隋唐物の李密みたいなキャラになってますなあ。(そしてこのドラマの李密は意外と好漢。)お陰様で今まで彼に付き従っていた宋玉致からも愛想を尽かされてしまいます。

一方、徐子陵は邪帝舎利の魔功を取り除こうと修行する師妃暄につきっきり。実は彼女、赤ん坊の頃に父親によって邪帝舎利の洗礼を受けており、例によって走火入魔しやすい体質になっていたのでありました。そして徐子陵と師妃暄は一門の長老一心大師のもとを訪ね、邪帝舎利の魔性を消すことに成功。

時を同じくして「邪王」石之軒は魔門の最終奥義「不死印法」の練功に成功。そして「不死印法」に対抗できる唯一のアイテム「和氏の璧」が再び江湖に出現。しかしこれをゲットした一心大師ごといきなり行方不明に。かくなるうえは長生訣で「不死印法」に対抗するほかないと徐子陵は寇仲のもとに向かいますが、久々に再会した寇仲は以前とは打って変わって争覇天下にしか興味のない野心家となってしまっており……

ということで武林の正邪の戦いに関わる徐子陵と、隋末唐初の動乱の中で野望の王国を築こうとする寇仲と、2人の道はすっかり分かれてしまいました。まあ、寇仲がこうなってしまったのは師妃暄につきっきりで寇仲をほったらかしにしていた徐子陵に問題があるのではないかと(^^;) 結局この2人、いつも一緒にいて互いにツッコミ合わないとダメなんでしょうなあ。
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『建国大業』

2009年10月25日 | 映画
『建国大業』

中華人民共和国建国60周年記念映画ということで先月から公開されている本作、見たい見たいと思いつつやっとこさDVDを入手しました。日中戦争終結直後から1949年10月1日の建国宣言までを描いてますが、全体としては大河ドラマのダイジェストを見ているような感じでしたね。

注目されるのは豪華キャスト陣。近年毛沢東専業役者として多くの近現代史物に出演している唐国強、蒋介石役の張国立をはじめとして、私が確認できただけで許晴・陳坤・李連杰・孫紅雷・陳凱歌・黄聖依・陳好・黄暁明・アンディさん・ドニーさん・胡軍・陳道明・劉・佟大為・章子怡といった錚々たるメンバーが出演してます。しかしその多くが兵士Aとか婦人代表Bみたいな端役で出演しているので、うっかりよそ見すると見逃してしまいそうです。

こんな具合に、北京五輪の時と同様、今回の国策映画に動員というか奉仕させられているメンバーを茶でも飲みながら逐一チェックしてニヤつくというのが本作の正しい鑑賞の仕方なのかもしれません(^^;)

これ以外に気がついたことをピックアップすると、中国民主同盟など共産党・国民党以外の第三勢力の動きにかなり間尺を割いていますね。まあ要するに「多様な勢力に支持される共産党」というのを強調したかったんだろうなあと。これに関連して、中国民主同盟のメンバーで国民党側に暗殺された聞一多先生も登場してます。専門柄古史研究者・詩人というイメージが強かったのですが、文人学者である前に政治運動家だったわけですね……

これも広い意味では第三勢力に入るのかもしれませんが、許晴演じる宋慶齡も別格の扱いですね。作中では毛沢東のことを字で「潤之」と呼んでいましたが、当時本当にこんな風に呼んでいたのでしょうか?ちなみに他の人は「主席」とか遠慮気味に「潤公」などと呼んでました。あと、台湾に引っ込む際に蒋介石が「南北朝の再現を望まない」という旨の発言をするのも気になったところ。

この辺の時代に詳しい人ならご飯3杯分ぐらいは軽くツッコめる作品ではないかと。
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『大唐双龍伝』その4

2009年10月23日 | 武侠ドラマ
『大唐双龍伝』第19~24話まで見ました。

本物の邪帝舎利が長安の楊公宝庫にあることを突き止めた寇仲・徐子陵は早速長安へ。自分の地盤でのこととあって李世民も邪帝舎利獲得へと動き出します。しかし寇仲・徐子陵らが墓に押し入った結果、封印されていた「邪王」石之軒が復活。邪帝舎利も彼の手に渡りますが、この時に邪帝舎利の功力の7割が寇仲・徐子陵に吸い取られてしまいます。李世民は邪帝舎利獲得は成らなかったものの、楊公(隋の重臣楊素)の残した莫大な財宝を接収し、「これでこれから軍資金には困らないぜ!」とホクホク顔。

江湖に舞い戻った石之軒はかつての弟子「多情公子」侯希白(実は煬帝の兄楊勇の遺児で、子供の頃煬帝に殺されるところを石之軒に助けられたらしい。)の世話になりながら邪派の最終奥義「不死印法」の練功に励みますが、「ダメだ!家族のことが気になって修行に集中できん!」とか困ったことを言い出す始末(^^;)

かつて石之軒は慈航静斎の先代の聖女碧秀心と相思相愛となり、彼女との間に娘まで儲けたのですが、2人の仲を嫉妬した「陰后」祝玉妍の陰謀で走火入魔させられ、碧秀心を自らの手で殺してしまったのでした。で、世の中に絶望した彼は魯妙子らに依頼して自分の身と邪帝舎利を楊公宝庫に封印させたという次第。

しかし自分の娘が生きているかもしれないと知り、居ても立ってもいられない石之軒。同じ頃、やはり碧秀心の死因について探っていた徐子陵・師妃暄によって婠婠が石之軒の娘ではないかと知らされます。婠婠の師で育ての親の祝玉妍もそれを認め、2人はともに暮らし始めますが、石之軒は「あんまり親子の感じがしないなあ」と一言。それ、たぶん婠婠が本当の娘とちゃうからやと思います(^^;) 案の定、後になって実は師妃暄が碧秀心との間に生まれた娘であることが判明……

一方、寇仲は李秀寧・柴紹との三角関係がこれ以上ないという所までこじれ、秀寧はヤケクソ気味に柴紹との結婚を強行。寇仲は走火入魔しながら(邪帝舎利の功力を吸い取った影響で走火入魔しやすい体質になった模様……)梁都に攻め入り、3日で陥落。約束通り梁都を秀寧の結婚祝いに差し出します。

今回笑ったのは柴紹の扱い。楊素の遺産をゲットした後、李世民が秀寧に「これでうちも柴家から資金を融通してもらう必要もなくなったし、柴紹との婚約を解消してもいいんだぞ?柴紹には別に補償してやればいいだろう。」とか言い出す始末(^^;) 結局李閥にとって柴紹は金づるにすぎなかったのかと。でもまあ、本文中で触れた通り、結局秀寧は柴紹と結婚してしまうわけですが。
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南少林寺の軽功?

2009年10月21日 | ニュース
南少林寺の僧:秘術披露 水上走行で新記録…福建(Yahoo!ニュース)

「うわっ、水の上を走ってるよ!少林寺僧、半端ねえ!」……と思ったら、3層のベニヤ板の上を走ったということで「なーんや」という感じです。これなら以前紹介したベトナムの軽身(キンタン)の方が凄いです。

それと南少林寺って今でもあるんですねえ。まあ、ここ2~30年で「再興」したもんなんでしょうけど。
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歯医者その後

2009年10月19日 | 留学
歯肉炎ですが、元々発症した所かボチボチ治まってきたと思ったら、別の箇所に発症するワナorz 基本的に丁寧に歯磨きするほか対処のしようがないようですが、その歯磨きが辛い……

で、先日神経を抜いた歯ですが、来週セラミックの差し歯を入れることになりました(^^;) 歯肉炎の発症については前後の事情を詳しく書いてなかったので、ここらで事の次第をまとめておきます。

1 集安で発熱したおり、腸炎の影響か嘔吐感があり、奥歯に歯ブラシを入れると吐きそうになったので、ついつい歯磨きを手抜き。
2 長春に戻ってからあんまり体調が回復してない段階で、とある筋から「来年の仕事が1件回せそうなので至急履歴書・業績書を書いて送信しろ」と言われる。
3 必死に書類を仕上げる。そしてこのあたりで何だか歯が浮いてくるような感じが……
4 歯茎が腫れて歯がズキズキ痛む。取り敢えず件の歯医者へ。
5 「前に虫歯を治して銀歯を詰めた歯の神経が炎症をおこしている。あと、その隣の以前に神経を抜いてかぶせものをした歯も少し問題がある。」と診断される。
6 取り敢えずこの2箇所のかぶせ物を取っ払い、神経を抜く。
7 ある程度炎症が治まるのを待って神経を抜いた所に土台を詰める。
8 「来週かぶせ物を取った所にセラミックの差し歯を入れるから」と言われる。

といった流れとなります。私としては普通にプラスチックか銀歯を詰めてくれれば良かったのですが、恐ろしいことにここの歯医者ではセラミックしか選択肢が無い模様…… 値段もかなり高くつくようです。ああ、高い歯医者に行ったツケがこんな所で回ってこようとは…… その代わり設備や技術が日本の下手な歯医者以上で、(注射針を打つんじゃなくて液体をかけるだけで痛みをなくす麻酔とか初めて見たよ)待ち時間が少なく、受け付け・会計のシステムが分かりやすいんですけどね。

結局歯肉炎の原因は発熱のせいなのか、歯磨きを適当にしたせいなのか、はたまた根を詰めて履歴書を書いたせいなのか、よく分からないままです。あと、来年の仕事の件ですが、それから数日後に「やっぱり前任者が引き続き担当できるようになったから、この話は無かったことに」と、訳の分からないまま立ち消えに。

取り敢えず今の心境。「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!『おれは来年の仕事が回ってきたと思ったら、即効で無かったことにされた』 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった… 頭がどうにかなりそうだった… ぬか喜びだとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……」
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『大唐双龍伝』その3

2009年10月18日 | 武侠ドラマ
『大唐双龍伝』第13~18話まで見ました。

徐子陵を助けるために「神医」魯妙子のもとに駆け込む寇仲。実はこの魯妙子、かつて「邪王」石之軒の封印に関わり、邪帝舎利の行方を知る唯一の人物。で、徐子陵は何とか一命を取り留めたものの、そこへ婠婠の師「陰后」祝玉妍が襲撃。彼女は20年来「邪王」石之軒のことを想い続けており、石之軒・邪帝舎利双方の行方を追い求めていたのでありました。

壮絶な攻防戦の末に魯妙子は死亡。石之軒と邪帝舎利は蝙蝠洞という所に隠されていることが発覚し、正邪各派、おまけに李世民や宇文化及まで乗り出してくる騒ぎに。邪帝舎利は結局「陰后」祝玉妍の手に渡りますが、これが魯妙子の造った偽物であることが判明。邪王墓捜索は振り出しに戻ったのでありました。

寇仲と徐子陵はその後独孤閥の独孤策の魔の手から巨幇を救うため、女幇主の沈落雁とともに瓦崗寨の李密を頼ります。(結局寇仲・徐子陵も李密のことを義父と認めているらしい……)瓦崗寨二当家の李密は独孤閥との戦いに乗り気ですが、大当家の翟譲は寇仲・徐子陵と沈落雁を騙し討ちして独孤閥に引き渡そうとする始末。翟譲に愛想を尽かした李密は翟譲を殺して自ら大当家となり、李閥の援軍を得て独孤閥を撃退。その後寇仲と徐子陵は宇文化及の手先となっていた海沙幇を降伏させ、いよいよ自分達の幇会「双龍幇」を結成したのでありました。

一方、李世民は長安を陥落させ、李閥の拠点とします。そして宇文化及は人質同然の扱いとなっていた煬帝と再び無双モードで対決し、煬帝を死に追いやり……

ということで、相変わらず1話1話の密度が濃いです。武林の世界の話と隋末の動乱の話をうまく融合させている……と言うよりは力業でムリヤリ1つにまとめている感じです(^^;)
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『大唐双龍伝』その2

2009年10月16日 | 武侠ドラマ
『大唐双龍伝』第7~12話まで見ました。

瓦崗寨の二当家李密に捉えられた宋玉致を救おうとする寇仲と徐子陵ですが、やはりカンフーマスターという設定の李密に敗北し、あべこべに捉えられるハメに。長生訣の功力を秘めた金絲甲が多情山荘にあると知った李密は2人に案内させますが、道中やたらこの2人を「爹」と呼ばせたがるのがおかしい(^^;) どうやら隋から造反する時に息子が隋側に付いてそのまま戦死したのがトラウマとなっているようなのですが……

ちなみにこのドラマでは瓦崗寨の大当家は程咬金……ではなく翟譲です。まあ、程咬金なんて登場させても話がややこしくなるだけですしね。あと、秦叔宝は既に李淵の配下となっていますが、出番がほとんど無い……

多情山荘で一悶着の末、李密と李秀寧との間で一応の和解が成立し、瓦崗寨と李閥(李淵の一党)との間で同盟が成立。この時に瓦崗寨の配下だった李靖が秀寧の侍女紅拂と意気投合し、そのまま李閥に加わることに。このあたりは唐代伝奇の『虬髯客伝』の設定を取り入れてますね。

寇仲と徐子陵は李秀寧らとともに李閥の本拠地である太原へ。李閥は来るべき時に備え、東瀛の商船東溟号から武器を仕入れていたのですが、この取り引きを記した帳簿が煬帝の手に渡りそうだという情報を入手。寇仲と徐子陵は今度は東溟号に忍び込んで李閥とついでに宇文化及の宇文閥の帳簿をゲット。これを煬帝に渡して宇文化及に謀反の嫌疑をかけようというハラです。

2人が太原に戻ってみると、李秀寧と大富豪柴氏の御曹司柴紹との婚約が取り交わされておりました。実はこれまで柴氏が李閥に資金援助をしていたり、更には李閥が謀反の嫌疑をかけられた時に柴紹が取りなしたといった事情があり、寇仲と相思相愛の秀寧も彼との結婚を承諾せざるを得なかったのでありました。

ショックを受けた寇仲は徐子陵・宋玉致とともに太原を離れ、王世充を頼って宇文閥の帳簿を煬帝に手渡すことに。宇文化及が密かに造反を企んでいたことに激怒する煬帝ですが、そこに当の宇文化及が現れて謀反を決行。で、煬帝VS宇文化及の無双モードに突入(^^;) しかしあえなく煬帝が敗れて宇文化及が洛陽を制圧。その後李淵や王世充ら他の群雄も決起して隋末の戦乱に突入していくのでありました。

洛陽から這々の体で逃れた寇仲・徐子陵・宋玉致ですが、徐子陵が陰暌派の魔女婠婠に致命傷を負わされてしまい……

ということでようやく寇仲と徐子陵の顔の見分けがつくようになりました。しかしいきなり傅君婥(寇仲・徐子陵の師匠で義母)の妹の傅君瑜なんてのが登場したりと、いきあたりばったりな展開だなあと……
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『大唐双龍伝』その1

2009年10月13日 | 武侠ドラマ
張紀中の『倚天屠龍記』も新版『三国演義』も放映は来年になるみたいだし、先日の一件でこれ以上DVDを買うのもためらわれるしということで、しばらくは手持ちのDVDを見ていくことにしました。取り敢えず今回は黄易原作、香港TVB制作の武侠ドラマ『大唐双龍伝』を鑑賞することに。第1~6話まで見ました。

時は隋末、各地の群雄は天下無双の武功「長生訣」をめぐって血みどろの闘争を繰り広げておりました。で、みなしごのコンビ寇仲と徐子陵がひょんなことからこの長生訣の功力が秘められた金絲甲を手に入れてしまい、金絲甲の元の持ち主で高麗の女剣客傅君婥や、隋の煬帝の命令で長生訣を捜索している宇文化及に追われることに。

しかし傅君婥は寇仲と徐子陵に武功の素質があるのを見て取ると、一転して2人を弟子に取り、長生訣を仕込むことに。2人も彼女を義母と慕うようになります。しかしその傅君婥も宇文化及によって瀕死の重傷を負わされ、寇仲と徐子陵に長生訣の修練を積み、煬帝による高麗征伐を阻むよう言い残して死んでしまいます。

2人は義母の仇宇文化及を討つべく李世民率いる李家軍に身を投じ、李世民の妹李秀寧、そしてその妹分宋玉致と旅をすることになりますが、途中立ち寄った多情山荘で「多情公子」侯希白との賭けに敗れ、金絲甲を巻き上げられてしまい……

ということでここまでスパスパと話が進んでいきます。毎回ワイヤーワークと火薬をムダに使ったアクションシーンがてんこ盛り。おまけに双龍(主人公コンビ)の義母傅君婥が女体盛りに扮して煬帝暗殺を謀ったり、その煬帝が武功高手だったり、(「真龍之気」といういかにも皇帝らしい名前の武功を使う。)主人公らが宇文化及の追っ手から逃れるために船で出航したら海底火山が噴火して無人島に流れ着いたりと、(普通は嵐に巻き込まれて遭難とかじゃ……)どこからツッコんでいいやら分からない展開が目白押しです(^^;) 

物語の鍵となる長生訣ですが、これを修練すると「邪王」石之軒と「邪王舎利」が封印された「邪王墓」の封印が解くことができるとのこと。この邪王舎利というのは手に入れた者は皇帝にも武林盟主にもなれるというアイテムのようです。この辺の設定がまだイマイチよく飲み込めないのですが、ドラマを見る支障には全くなりません(^^;)

ヒロインも李秀寧・宋玉致のほか、陰暌派の魔女婠婠とか慈航静斎の聖女師妃暄らが出て来ますが、それぞれキャラが分かれていてそれほど混乱することもないですね。それよりも主役の寇仲と徐子陵の見分けがつかん……
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