博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

【ネタバレ】『太王四神記』最終話【上等】

2008年05月20日 | 韓国歴史ドラマ
半年近く見てきた『太王四神記』もいよいよ最終回。タイトルにあるようにネタバレモードで進行しますので、総合テレビの吹き替え版を試聴されている方はご注意のほどを。

冒頭で秀芝妮(スジニ)と再会した談徳(タムドク)。ここでいきなり「俺はどこまでもお前を追いかけていく。お前がいる所が宮殿だ!」という名ゼリフを発しますが、何を言っても迷ゼリフとなる虎凱(ホゲ)とはやっぱり格が違いますね(^^;)

秀芝妮が戻って来て活気づく高句麗軍ですが、コムル村では火天会の襲撃によって白虎と玄武の神器が奪われ、宮廷でも8年間秀芝妮が庇護してきた談徳と荷(キハ)の子のアジクを火天会の手の者に攫われてしまいます。

談徳は火天会とのラストバトルを決意し、軍勢を率いて一路火天会の根拠阿弗蘭寺へと向かいますが、それを阻むのが虎凱率いる火天会の影の軍団もとい忍者軍団と後燕との連合軍。影の軍団は結局最初から最後まで大活躍でしたね(^^;) で、両軍が激戦を繰り広げている間、阿弗蘭寺では大長老が荷に乗り移って天孫の血をひくアジクの心臓を奪おうとし、荷の精神が何とかそれを阻もうとするという葛藤が続いていました。

談徳が阿弗蘭寺に駆けつけた時には、アジクの流す血を見た荷が逆上して黒朱雀になりかけていた所でした。今まで熊族の女賽澳(セオ)の転生である秀芝妮の方が黒朱雀ではないかと思われていましたが、現世では談徳の子を産んだ荷が黒朱雀になる運命だったようです。談徳は天弓の力で大長老を瞬殺しますが、荷に対しては天弓を使おうとせず、これまで荷を信じようとしなかった自らの過ちを悔い、天の意志に従わずに敢えて自らの身を犠牲にして彼女と運命をともにするのでありました。

最後に広開土王碑が画面に映って広開土王の事績が語られ、終わり。

ラストシーンはポカーンと口を開けて見るしかない状態でしたね。まあ、ファンタジックな世界観にしてしまった以上、こういうオチの付け方しか無かったのかもしれませんが。ともかくこれで歴史RPGドラマというジャンル(敢えて歴史ファンタジードラマとは呼ばないぜっ!)を確立してしまった感じです。

映像的にクオリティが高い割にツッコミ所がてんこもりな作品というころで、半年間十二分に楽しませていただきましたよ。強いて言えば最後まで高句麗と倭国との直接対決が描かれなかったのが心残りでしょうか。最終回でもフッケの「倭国と伽耶の連合軍を箒で掃き散らすように片付けて見せます」というセリフで片付けられてしまいましたし。倭国、その程度の扱いかよ…… そう言えば広開土王碑の倭国に関する部分は、韓国では今でも改竄説が有力なんでしょうか。
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『太王四神記』第23話

2008年05月13日 | 韓国歴史ドラマ
『鹿鼎記』のDVDですが、YesAsiaに注文していたものが本日手元に届きました。どういう具合に編集されているのか色々と不安なんですが、鑑賞は『王昭君』を全部見終わってからですね。

で、今週の『太王四神記』です。

秀芝妮(スジニ)が後燕にいることを察知した談徳(タムドク)は、玄高(ヒョンゴ)らとともに後燕へと赴き、皇位継承争いで劣勢に立たされた太子慕容宝を支援。秀芝妮はこの慕容宝の腹心で高句麗出身の高官の家で子供たちの家庭教師をしていたのですが、以前とは別人のようなおしとやかな性格になっています。

結局秀芝妮はまたもや行方をくらましてしまい、談徳は彼女に会えずじまいとなりますが、その高官から太子を支援した礼として談徳の祖母から託されたという天弓の書をゲット。それによると談徳の持つ天弓は四つの神器を破壊することができ、チュシンの王を殺す能力を持つということで、最終回のイベントアイテムになりそうな感じです。しかしこんなアイテム、いつの間に入手してましたっけ(^^;)

ここから数年にわたって百済の阿莘王との戦いが繰り返され、西暦396年にようやくこの阿莘王が降伏したと思いきや、今度はナリを潜めていた後燕が突如高句麗へと侵攻。そして南方では倭国が新羅へと侵攻し、新羅が高句麗へと救援を求めて来ます。この戦乱を裏で操っていたのは、火天会で厄介になっている虎凱(ホゲ)でありました。お前、まだ色々と諦めてなかったのかよ!とツッコみたくなりますが(^^;) 

で、今回は談徳が慕容宝の腹心と再会し、彼の情報で秀芝妮(スジニ)を発見するところで終わりです。何だかんだで倭国との戦いはスルーされてしまいそうな感じですね……
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『太王四神記』第22話

2008年05月06日 | 韓国歴史ドラマ
荷(キハ)は談徳(タムドク)の血を受け継ぐ男児を出産したものの、その男児の心臓を狙う大長老が出現。史亮(サリャン)は密かに秀芝妮(スジニ)に男児を託して逃亡させます。

その頃、契丹の虎凱(ホゲ)の陣では反乱が勃発し、虎凱はわずかな部下を引き連れて逃亡。まさに談徳の思うツボですね…… 談徳はその虎凱を追い詰めて一騎打ちに持ち込みます。この場面で談徳らが虎凱を追って来た契丹の兵を口封じのために皆殺しにしているんですが、こんなあまりにあまりな展開にしてしまっていいんでしょうか(^^;) 

一騎打ちに敗れ、談徳から追放処分を言い渡された虎凱。「そうまでして王になりたかったのか?」という談徳の問いに対し、「王になりたかったのではない。ただお前に復讐したかっただけだ」という迷台詞を吐露したうえ、談徳が背を見せてその場から立ち去ろうとする瞬間に剣を投げつけるという往生際の悪さを披露。ダメだ!こいつドンドンと小物になっていってるよ……(-_-;)

で、主武峙(チュムチ)が談徳を庇って剣が胸に刺さりますが、その時に虎凱の懐にあった白虎の神器が反応を示し、主武峙の傷を治癒。どうやら白虎の神器の守り主はコイツだったようです。何か、「今更新キャラ出すのもナンだし、もうこいつが白虎ということでええやん」という制作側の適当さが透けて見えてくるようなんですが……

契丹に放逐された虎凱は街の宿屋で荷と再会。二人で「我々は談徳に天の試練を与えるための道具にすぎないのか」などとしみじみと語り合ってますが、この「道具」の所をRPG的に「フラグ」と読み替えた人は私だけではありますまい(^^;) そして二人は火天会の大長老のもとへ……
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『太王四神記』第21話

2008年04月29日 | 韓国歴史ドラマ
談徳(タムドク)が国内城を留守にしている間、淵加黎(ヨン・ガリョ)はさりげなく宮殿の宝物庫に入って行って朱雀と青龍の神器をゲット。こんなにあっさりと神器を盗み出せてしまっていいんでしょうか(^^;) どんだけ警備がザルなのかと……

一方、契丹の部族長たちとの会談に臨んだ談徳は「我々は君達との仲を修復したい。そんでもって今後君達契丹を我が高句麗の弟分として扱わせてもらうけど、それでいいよね?」と無茶苦茶なことを言い出し、契丹側と刃傷沙汰に…… 結局契丹側は高句麗との和解と引き替えに淵虎凱(ヨン・ホゲ)の首を要求。

その虎凱の部隊は談徳側が仕掛けた謀略により、流言飛語が飛び交って脱走兵が相次ぎ、幹部クラスの内紛も勃発。虎凱はそういった動きに粛清で対処。器の小ささが露呈してきた虎凱が段々哀れになってきましたね(^^;) 

そこへ淵加黎から神器を託された荷(キハ)が到着。彼女の口から父親が服毒自殺したこと、また彼女が父親の死を手助けしたこと、談徳の子を宿していることを知らされ、更には「お腹の子はあんたの子じゃないけど父親になってね」だの、「あんたもう高句麗の王位をあきらめてさ、別の土地に行って一緒に新しい国を造らない?」とか言いたい放題言われてドン引き状態に……

結局荷は虎凱に陣中から追い出され、放浪しているうちに急に産気づいてしまいます。そこへ折悪しく大長老が登場というところで次回に続きます。
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『太王四神記』第20話

2008年04月22日 | 韓国歴史ドラマ
談徳(タムドク)によって高句麗から火天会の勢力を駆逐され、色々と必死な大長老。今度は百済の阿莘王を支援して意のままに操ろうとか言い出しましたが、どうやら虎凱(ホゲ)をチュシンの王に担ぎ上げるのは諦めた様子。落ち目で藁をも掴む思いの悪の帝王からも見限られてしまう虎凱って一体……

それにしても大長老はまたもや後燕や北魏なども我が火天会の手の内にあり、我々の都合のいいように操れるのだとか何とか言ってましたけど、よくよく話を聞いていると、高句麗の淵加黎(ヨン・ガリョ)みたいに各国に大長老の顔が利く有力者がいるというだけのようです。そういうのは手の内にあると言わないのでは(^^;) 

荷(キハ)も大長老のビッグマウスぶりに愛想を尽かしたのか、淵加黎と結託して火天会の兵力や情報網をそっくり頂き、大長老を排除して自分達だけで高句麗の政治を我が物にしようと画策する始末。

一方、契丹族の地では主武峙(チュムチ)が虎凱(ホゲ)の陣中に潜り込んで巴巽(パソン)と達妃(タルビ)を救出し、虎凱(ホゲ)の追っ手から逃れるために決死の逃避行を開始。

その頃、談徳は虎凱(ホゲ)の虐殺によって反高句麗感情が一気に高まった契丹諸部族と和解しようと、部族長らとの会談を提案。しかし契丹側から会談に出席する高句麗の代表者を7名に限定されてしまい、困っている所に折良く主武峙が帰還。こいつが面子に入ってくれれば安心だと思わず談徳の笑顔がこぼれる所で今回は終わりです。主武峙絡みのシーンでヨン様が笑顔を見せることが多いように感じるのは気のせいでしょうか(^^;)
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『太王四神記』第19話

2008年04月15日 | 韓国歴史ドラマ
気を取り直して昨日の『太王四神記』です。

幼い頃の記憶を取り戻した荷(キハ)は療養中の大長老を殺してすべての片をつけようとします。この大長老、実は2000年前からの虎族の生き残りで、火の力を盗んで不死身の体を手に入れたのでありました。そういうわけで同じ属性の荷(キハ)の火の力では大長老を倒すことが出来ません。同じ属性だとダメージを与えられないとか、またもやRPGっぽい設定が出て来ました(^^;)

しかしこの大長老、何でも知っているという顔をしておきながら荷に妹がいたことを知らなかったりと、やはりどこか抜けてますね。

一方、談徳の親征軍が迫る中、虎凱(ホゲ)は契丹の片田舎でやっとこさ白虎の神器の持ち主である巴巽(パソン)の兄を発見。しかし彼が白虎の転生というわけではなく、モタモタしている間に彼は自決してしまい……
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横店ドキュメンタリー/『黄真伊』

2008年04月09日 | 韓国歴史ドラマ
今月はNHK-BSで見たい番組が目白押しなんですが、なかなか鑑賞が追っつきません。

取り敢えず4/4 BS1で放映の『世界のドキュメンタリー 世界最大の映画村 誕生』と、4/5からBS2で放映が始まった韓国歴史ドラマ『黄真伊』(ファン・ジニ)を鑑賞。

『世界のドキュメンタリー』の方は、中国古装片のロケ地として知られる浙江省の横店を取材したもの。撮影現場であると同時に観光地でもある横店の舞台裏を追っており、何潤東(ピーター・ホー)主演のドラマ『精武飛鴻』の撮影風景なんかが取り上げられていました。

また創設者が人民解放軍と関わりがあり、その関係で近現代史や軍事に関わるアトラクションや展示もなされているというのが興味深いところ。このドキュメンタリー、欧米の制作かと思いましたが、公式サイトによると中国制作となってますね。海外向けの作品なんでしょうか。

『ファン・ジニ』の方は朝鮮王朝の時代の妓生が主人公のドラマで、貧困の生まれながら芸の才能に恵まれた主人公と恵まれた環境にあるライバルとの絡み合いあり、身分違いの恋愛ありと、設定を見てると妓生版チャングムというか、舞台を朝鮮王朝に置き換えたベタな少女漫画みたいな作品です(^^;)

しかし第1話を見る限りでは普通に面白いですね。同じ曜日にやっている『大敦煌』より出来は良さそうです。
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『太王四神記』第18話

2008年04月08日 | 韓国歴史ドラマ
今回の冒頭でようやく倭国の話題が出て来ましたね。高句麗の使者の弁によると、倭国は新羅で散々略奪をはたらき、更に百済と結託して伽耶に拠点を置こうと企んでいるとのこと。これが倭国との戦いの伏線になるのか、それとも倭国絡みの話はスルーされるのか注目されるところです。しかし「倭国の軍が新羅の海岸線のどこに出没するのかわからない」というのは、後代の倭寇のイメージが投影されてしまっているようですね。

談徳(タムドク)は主武峙(チュムチ)を契丹の地に送り込み、遠征というか各地で虐殺を繰り広げる淵虎凱(ヨン・ホゲ)に「国内城に帰還しなけりゃ貴様は謀反人だ!」と最後通牒を通告させ、更に密かに捕らえられた巴巽(パソン)と達妃(タルビ)を捜させます。

一方、自分が朱雀の神器の守り主の一族だと知った秀芝妮(スジニ)は悽露(チョロ)とともに荷(キハ)のもとに乗り込み、火天会の手先である荷が自分の両親の殺害に関わったと決めつけて仇討ちをはかります。秀芝妮と戦っているうちに荷は火天会に攫われる以前の記憶を取り戻し……という非常にいいところで次回に続きます。
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『太王四神記』第17話

2008年04月01日 | 韓国歴史ドラマ
今週の土曜日からいよいよ地上波での放映が始まりますが、あのファンタジーと言うよりはまんまRPGのノリに面食らう人も多いんでしょうなあ(^^;)

で、第17話ですが、秀芝妮(スジニ)、玄高(ヒョンゴ)、主武峙(チュムチ)らと都城に乗り込む談徳(タムドク)。重臣たちを人質に取る火天会の一団と激しいバトルを繰り広げます。前回、談徳が仕えるに値する人物かどうか見極めたいなんて生意気を言っていた悽露(チョロ)もこっそり談徳一行に加わっております。

火天会の忍者軍団は簡単に倒せても、さすがに大長老は簡単には倒せません。危うく談徳がやられるという所で悽露(チョロ)の力によって青龍の神器が目覚め、大長老を何処へかと消し去ってしまいます。

今回は取り敢えずイベントアイテムの力でラスボスとの1回目の戦いが終了といったところです。もっとも、ラスボスは大長老ではなく荷(キハ)の方かもしれませんが。
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『太王四神記』第16話

2008年03月25日 | 韓国歴史ドラマ
今までこのドラマの登場人物名やその他固有名詞の漢字表記がわからなかったのが不満だったのですが、先日台湾版の公式サイトなるものを見つけ、ようやく主要人物の漢字表記が判明しました。今後はこのブログでは漢字と韓国語音を並記する形で人名を表記していきたいと思います。なお、ドラマで頻出する「チュシン」とはこの台湾版サイトを参照すると「粛慎」のことのようです。

で、今週は女鍛冶屋の巴巽(パソン)の行方知れずの兄貴が白虎の神器の所有者であることが明らかとなり、淵虎凱(ヨン・ホゲ)の兵が巴巽と、あとなぜか一緒に居合わせた達妃(タルビ)を拉致。

しかし談徳(タムドク)は巴巽らの救出よりも荷(キハ)が大神官になったことの方が気になるようで、都への帰還を決定(^^;) その頃、火天会の大長老と淵加黎(ヨン・ガリョ)は談徳に率いられた騎馬隊を殲滅するため、北魏から軍隊を呼び寄せることを画策していた……

ここで火天会の大長老の口から衝撃的な事実が述べられます。すなわち朝鮮半島で高句麗・百済・新羅といった諸国が数百年に渡って小競り合いを繰り広げている間、中国では火天会が大きすぎる勢力を潰したり、各国の勢力均衡をはかったりして、大国が中国を統一することのないように腐心してきた、そして現在華北を支配している北魏にも援助を行っていると言うのです。つまりこのドラマの世界では、後漢末から三国、南北朝にかけての動乱はすべて火天会の陰謀によるものということになっているようなのです!

「な、なんだってーーーー!!」と叫びたいところですが、今まで何度か訳知り顔で談徳の破滅を予言しながらその度に外してきた(かつそれでいて堂々たる態度を崩さない)大長老のことですから、ドラマの世界の中でも大長老一流のホラ話というか見栄と捉えておくのが穏当かもしれません(^^;)
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