博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

今週の『続・宮廷女官若曦』その5

2014年11月28日 | 中国近現代ドラマ
『続・宮廷女官若曦 輪廻の恋』(原題『歩歩驚情』)第23~27話まで見ました。

これまで仕事でも恋愛でも優等生だった康司瀚ですが、孟心怡の妊娠を知った途端に動揺して彼女に中絶させようとするなど、クズな言動が目立つようになります。しかし一転責任を取って彼女との結婚を決意し、張暁も康司瀚との恋愛を隠したまま親友の結婚と出産を応援。バレンタインデーに合わせた結婚式でブライズメイドを務めることになります。

そして結婚式当日。なぜか黄棣が司会となり、新郎新婦の思い出の写真がモニターに映し出され、写真が切り替わっていくうちに康司瀚と張暁が前回の香港ディズニーランドクリスマスデートでイチャついている写真や動画が大写しに…… 実はこれ、殷正の叔父殷成貴が結婚式と、康司瀚が主導で進めていた孟心怡の会社との取引をぶち壊すために仕組んだことなのでした。凍り付く来賓一同、そしてクライマックスに達するメシウマ展開。

事の次第を悟ってショックのあまり会場を飛び出した孟心怡は、外で車に轢かれてそのままお亡くなりになってしまいます。前作で蒸し焼きにされたと思ったら今作でもこんな目に…… 本当に酷い目に遭うべきは玉檀(孟心怡)ではなくて二股野郎の康司瀚じゃないですかね。あんまりだ、あんまりだ……

その後親友の死のショックから立ち直れない張暁ですが、そんな彼女にさり気なく忍び寄る非リアの星殷正。そして張暁は外で雨に打たれてたまたま居合わせた殷正に庇われているうちに、電気ショック以来失われていた清代にタイムスリップした時の記憶を取り戻します。以来急接近する2人。

一方、これまた傷心の康司瀚は出張先の蘭州で前作の若蘭に瓜二つの女性馬伊諾と出会います。しかし土地の犯罪グループに目を付けられ、身代金目当てに誘拐されてしまい…… 北京で非リアの星さんが張暁宅で餃子パーティーをしたり、2人が初めて対面した博物館の前で愛の告白をしている間に、犯罪グループのアジトに監禁されて散々痛めつけられる康司瀚。仮が真となる時、真もまた仮となり、非リアの星がリア充となる時、リア充は爆発するといったところでしょうか。
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『西遊記 ~はじまりのはじまり~』

2014年11月23日 | 映画
周星馳の最新作『西遊記 ~はじまりのはじまり~』(原題『西遊 降魔篇』)を見てきました。最新作と言っても中華圏で上映されたのは随分前(2013年の旧正月映画ではなかったかと)なので、もう日本では公開されないのかと思っていましたが。

主人公は妖怪性善説に沿った妖怪ハンターをめざす若き日のイケメン陳玄奘。そんな彼にやり手の妖怪ハンター兼山賊の女親分段小姐が惚れてしまい…… ということでイケメン玄奘を文章、段小姐を舒淇(スー・チー)が演じ、(彼女がEDスタッフロールの出演者の部のトップにきてます……)監督・プロデュース・脚本の周星馳は今回は少なくともわかりやすい形では出演していないみたいですね。

作品自体は良くも悪くも癖が無い手堅い娯楽大作に仕上がっています。お笑い要素も随所に盛り込まれていますが、パロディは控えめです。しかし中華映像作品も随分CGがリアルになってますね。10年ほど前の張紀中版『天龍八部』では見るからに安いソフトで作った感じのCGの動物が出ていて「あちゃー」と思ったものですが(^^;) しかしこのイケメン玄奘が後年only youを熱唱したりするんでしょうか……
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今週の『続・宮廷女官若曦』その4

2014年11月21日 | 中国近現代ドラマ
『続・宮廷女官若曦 輪廻の恋』(原題『歩歩驚情』)第18~22話まで見ました。

殷正は藍蘭の事故と失踪を隠して張暁を身代わりに立て、短編映画の撮影を続行させようとしたことで康震天に叱責されて管理部部長に降格となり、かわって康司瀚が副会長に。2人は妙峰山で藍蘭らしき女性が出現したという情報を知り、ともに捜索に向かって山中の廟で一夜を明かしたりしております。(どうも2人とも職場を無断退社して山に行ってるっぽいのですが)そこで突然現れた謎のおばさんが2人を見て「若曦娘娘と雍正皇帝が甦った!」と叫んで逃げ出したりしておりますが……?

そして張暁の育ての父張沢江と康震天が旧知の仲であったことも判明。25年前に康や殷正の父らが甘粛の砂漠で宝探し(?)をした時の案内人が張沢江で、張暁・藍蘭姉妹の実父が康らの一党蕭樺であり、甘粛で蕭樺が死んだ後、彼の妻で姉妹の母親秦雨貞が夫の死を信じられず、双子の赤子を抱えて甘粛の砂漠にやって来たという事情も明らかにされます。張暁、康震天の子供じゃなかったのね……

その頃、殷成貴は藍蘭の遺体を偽装。仕事では降格され、恋人も死んだと信じ込まされ、失意のどん底の非リアの星殷正に対し、仕事が上り調子の康司瀚は張暁をクリスマスに香港ディズニーランド宿泊デートに誘い、リア充生活を謳歌。しかしそんな彼に思わぬワナが…… ロンドン留学中に別れたはずの元カノ孟心怡が帰国。彼女の方は別れたとは思っておらず、しかも孟は張暁と大学時代からの親友同士で、おまけに震天集団の取引先の経営者の娘でもありということで、非常に難しい立場に立たされます。……これって要するに二股ということですよね?なお、孟心怡は前作で四阿哥に蒸し焼きにされた侍女玉檀の転生であるらしく、同じ女優さんが演じてます。

事情を察知した傷心の張暁は康司瀚への愛よりも孟心怡との友情を選び、康司瀚と別れることを決意。なおも孟心怡と別れて張暁との仲を修復しようとする康司瀚ですが、孟心怡が妊娠していることが発覚。ということで他人の不幸で飯がうまい、略してメシウマの展開となってきました(^^;) そして傷心の張暁に忍び寄る我らが非リアの星…… ここからはずっと殷正さんのターンということになるのでしょうか?

話的には盛り上がってきましたが、本作にこういう展開を求めていたのかと言われると、……なんですが。
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今週の『続・宮廷女官若曦』その3

2014年11月14日 | 中国近現代ドラマ
『続・宮廷女官若曦 輪廻の恋』(原題『歩歩驚情』)第13~17話まで見ました。

康司瀚から実家での家族パーティーに招待された張暁。そこではじめて「黒猫巡査」(彼のハンドルネーム)が康震天の実子であること、ついでに殷正や「馬糞男」こと康司宇と兄弟に当たることを知らされて困惑。更に殷正に招待された藍蘭に嫌がらせされ、一時康司瀚と絶交状態に…… まあ、すぐに仲直りして朝から二人でイチャついたりし、殷正から「社内恋愛は双方とも解雇だ!」と言われたりするんですけどね。なお、そう言う殷正自身も社で雇ってるモデルの藍蘭とオフィスラブ状態の模様w

さて、震天集団の化粧品部門で新発売のコスメの販促のため、殷正が藍蘭を主演に据え、清朝宮廷を舞台とした短編映画の作成を提案。当の藍蘭は昔のボスだったらしい殷成貴との接触を断とうとしたため、彼の配下で彼女の昔の恋人だった韓青にストーキングされ、彼を撒くために張暁を適当に言いくるめて服を交換させ、身代わりに仕立てたりしております。彼女を藍蘭と勘違いした韓青に殴られたりして、張暁としてはたまったものではないのですが(^^;)

しかしこの身代わり作戦が仇となったのか、短編映画のクランクイン記念の記者会見当日に藍蘭は韓青に車で追い回されて定刻に会場に入れず、今度は殷正が張暁を藍蘭を身代わりに仕立て、更にマスコミの求めに応じて張暁とキスをしたところ、何とか会場に駆けつけた藍蘭がその現場を目撃するという波乱も……

その後張暁は藍蘭の付き人として短編映画のロケ現場に同行。やはり火事のシーンの撮影に不安を覚えた藍蘭に騙されて身代わりに仕立て上げられます。藍蘭はこれでひとまず災厄からは逃れたと思って乗用車に乗ろうとしたところ、車に爆弾が仕掛けられており、爆発に巻き込まれて重傷を負うことに。

そして突然北京にやって来た張暁の父親張沢江の告白により、張暁に双子の姉がいたこと、それがどうやら藍蘭であるらしいこと、そして張暁らは張成沢の実子ではなく、たまたま彼が双子の赤子を抱えた張暁らの母親と出会い、母親の死後張暁だけを引き取り、藍蘭は子供を欲しがっていた別の若い夫婦に引き渡したことなどが明らかにされます。しかしその頃、藍蘭は入院先から抜け出して行方を断ち……

ということでこの出生の秘密と清代にタイムスリップした話をどうリンクさせるつもりなのか段々不安になってきました…… 張暁の実の両親が何者なのかはまだ明らかになっていませんが、何となく殷正か康司瀚と兄妹だったというオチになるんじゃないかなあと。そんなベタな展開でないことを祈るばかりです。
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今週の『続・宮廷女官若曦』その2

2014年11月07日 | 中国近現代ドラマ
『続・宮廷女官若曦 輪廻の恋』(原題『歩歩驚情』)第8~12話まで見ました。

義父康震天に新興のライバル企業Z&Xを潰すように命じられた殷正。張暁らにZ&Xの見本市の偵察を命じたりしておりますが、張暁のメル友の「黒猫巡査」(ハンドルネーム)の正体こそがZ&Xの創業者で殷正の血の繋がらない兄弟康司瀚なのでした。(張暁は彼をZ&Xの一社員と思い込んでおり、彼自身が経営者であるとは知りません)しかし張暁と康司瀚が一緒に食事するのに使っている店がどう見ても文革レストランなのですが(^^;)

殷正は子供の頃から出木杉君のように出来がいい康司瀚を敵視する一方で、康司瀚は実父の康震天を憎んでおります。で、康司瀚は留学先のイギリスで立ち上げた化粧品ブランドZ&Xの本社を北京の胡同(幼少の頃に母親と住んだ家を改装したらしい)に移したところ、殷正にスタッフを引き抜かれたり、殷正の差し金で取引先との提携を断られたり、店舗が放火されたりと災難続き……

最後の店舗の放火は康家の没落を望む殷正の叔父殷成貴の仕業なのでした。殷成貴は30年前に康震天や彼の兄にあたる殷正の父らとともに西北地方の砂漠調査に赴いたメンバーの一人で、現地での殷正の父の死にも関わっている模様。更には張暁の父親もこの調査に関与していたようですが……? そして張暁と瓜二つのモデルで殷正の彼女となっている藍蘭、オーストラリア出身の華人と称しておりましたが、実は元々タイで殷成貴のもとで麻薬の売人などをやっていた模様。殷成貴になぜ甥に近づいたと咎められると「カッコよくてお金持ちだから」なんて答えてます。理由が直球すぎるんですがw

そしてトラブル続きでニッチもサッチもいかなくなった康司瀚は、震天集団の子会社によるZ&Xの買収に同意。震天本社で殷正の助手として働くことになります。康震天はこの義子と実子同士で後継者候補として切磋琢磨させたいようですが…… ということで辮髪乙女ゲードラマと呼ばれた前作に対し、ビジネス乙女ゲードラマ的な雰囲気になってます。現代物としてはテンポがいい作品なんですが、なかなか清代の話が絡んできませんね。
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2014年10月に読んだ本

2014年11月01日 | 読書メーター
知中論 理不尽な国の7つの論理 (星海社新書)知中論 理不尽な国の7つの論理 (星海社新書)感想
幕末以来日本人が中国に対して上から目線で勝手な幻想を抱き、その感情が裏切られると反中・嫌中にブレるということを何度か繰り返しており、その最悪の帰結が日中戦争時の汪兆銘政権の樹立だったのではないか、日中戦争に関して反省すべきは我々の中国への関心の持ち方ではないかという主張がなかなか突き刺さる。副題に「理不尽な国」とあるが、中国人から見れば我々も同程度に理不尽に見えるのではないかと感じた。
読了日:10月1日 著者:安田峰俊

二〇世紀の歴史 (岩波新書)二〇世紀の歴史 (岩波新書)感想
「帝国」が形成される1870年代から解体される1990年代初頭までの「長い20世紀」の展開をコンパクトにまとめる。第二次世界大戦以後の流れを追っていくと、最後の「帝国の中心としての支配を貫徹していく力を現在のアメリカはもっていない」という指摘はおそらく正しく、現在の世界は(我々にとって良い方向か悪い方向かはわからないが、)歴史的な展開として新しい段階に入っているのだろう。
読了日:10月8日 著者:木畑洋一

東アジア海域に漕ぎだす5 訓読から見なおす東アジア東アジア海域に漕ぎだす5 訓読から見なおす東アジア感想
『「訓読」論』『江戸の読書会』『漢文脈と近代日本』など近年出版の訓読論本と似通った議論になっているのが残念。(執筆者も重複してます)戦前の漢文教育が道徳教育となっていたという指摘については、これは過去の問題にとどまらず、現代の国語教育全体の問題でもあるだろう。
読了日:10月13日 著者:

ヴァロワ朝 フランス王朝史2 (講談社現代新書)ヴァロワ朝 フランス王朝史2 (講談社現代新書)感想
馴染みのある王様がシャルル7世・フランソワ1世と、おまけでアンリ2世の妃のカトリーヌ・ドゥ・メディシスぐらいだが、そこは前作『カペー朝』と同じくサトケン先生の文章力で難なく読ませてくれます。大予言で有名なノストラダムスもゲスト出演(?)しています。
読了日:10月17日 著者:佐藤賢一

江戸幕府と儒学者 - 林羅山・鵞峰・鳳岡三代の闘い (中公新書)江戸幕府と儒学者 - 林羅山・鵞峰・鳳岡三代の闘い (中公新書)感想
幕府お抱えの儒者として務めた林羅山・鵞峰・鳳岡の林家三代の事績と、この三人が関わった方広寺鐘銘事件・赤穂事件や『本朝通鑑』の編纂などについて。林家三代にまとわりつくのは「曲学阿世」という評価。方広寺鐘銘事件については幕府のもとでの王道政治の実現という大目的のために敢えて鐘銘の曲解も辞さなかったのだと羅山を擁護しているが、そういうのも含めて「曲学阿世」と言うのではないかと思った。鳳岡の時代に自らの政治的立場や学識の不足から林家が没落していくさまは他の概説書では見たことがない話で面白かった。
読了日:10月20日 著者:揖斐高

東アジア海域に漕ぎだす6 海がはぐくむ日本文化東アジア海域に漕ぎだす6 海がはぐくむ日本文化感想
シリーズ最終巻ということで前五巻分の話題を全部詰め込んだ感があります。本書で取り上げられている平泉について、にんぶろで世界遺産登録の推進なんてのもやってたんですね。明の遺民として日本にやってきた朱舜水が、進士にもなっていないのに日本の人々から明国では状元だっただの翰林学士だっただのと誤解され、もてはやされていたたまれなくなり、そうではないのだと訂正したという話や、彼自身は科挙制度に批判的だったという話が印象に残った。
読了日:10月24日 著者:

王道の狗2 (中公文庫 コミック版 や 3-31)王道の狗2 (中公文庫 コミック版 や 3-31)感想
ようやく加納(改めクワン、貫真人)と風間(改め財部数馬)のキャラが立ってきて話がまとまってきた。陸奥宗光が黒幕キャラのような扱いになっているのが気になるが…
読了日:10月25日 著者:安彦良和

スターリン - 「非道の独裁者」の実像 (中公新書)スターリン - 「非道の独裁者」の実像 (中公新書)感想
スターリンは党組織とともに民族問題に関して高い実務能力を示したとのことだが、やはり彼がグルジア出身ということが影響しているのだろうか。スターリンの評価も単にヒトラーのような残酷な独裁者だったということで片付けるわけにはいかないようだ。しかしレーニン没後の後継者候補たちがおおむねスターリンと似たり寄ったりの性格だったようなので、スターリンがどこかの時点で失脚したとしても結局以後のソ連の状況は大して変わらなかったのかもしれない。
読了日:10月27日 著者:横手慎二

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