博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『トキメキ!弘文学院』その6

2015年01月31日 | 武侠ドラマ
『トキメキ!弘文学院』(原題『犀利仁師』)第24~28話まで見ました。

呉家の別邸の幽霊の正体は米価高騰により食糧が買えなくなった貧民たちでした。特別休暇終了後、柳傲天は学生たちに米価高騰の原因の調査を課題とします。そして呉天宝や范大同の父親も含め、旧勢力に属する政府高官や政商が自分たちの資金を捻出するため都中の米を買い占めて備蓄し、米価を吊り上げていたことが明らかに。ここで父親の裏帳簿を盗みだそうとした范大同が見つかって屋敷内に監禁され、救出のために学生たちが変装して父親の誕生会に潜入するのですが、妓女に扮した宋文文はどう見ても日本の花魁ですな(^^;)

そして柳傲天は路不凡に鏢局の仕事の報酬として得た米を売りに出させ、雍州刺史の慕容月の父や東方婉児の介入もあり、米を隠し持っていた高官たちが一斉に米を放出。米価は値崩れをおこし、事なきを得たのでした。しかし事件の黒幕公孫毅は報復のため、街中で貧民に米を給付する学生たちを襲撃させます。聶文星も覆面をかぶって襲撃に参加していますが、手を交えた柳傲天にあっさり正体を見破られてますw

しかしこの襲撃で慕容月が負傷してしまい、学生を巻き込んでしまったということで柳傲天が辞職することに。その正体を知りつつも学生たちの安全を聶文星に託して学院を去ります。その後学生たちは気が抜けたようになり、さぼりやいじめが横行。活気を取り戻すために学監は慕容月をヒロインに据え、「梁山伯と祝英台」の演目を上演することを決定。この演目の上演は学院の伝統ということですが、これまでは男子学生しかいなかったので、女性が男装しているという設定の祝英台を男性に演じさせて女装させていたとのこと……

で、男子学生から梁山伯役を公募することになりますが、台詞も碌に覚えられないのに練習相手の宋文文なら迫真の演技ができてしまう范大同。そしてここのところ慕容月との仲が進展しつつあった呉天宝が公募で慕容月に迫真の演技を披露し、彼が梁山伯役に選ばれますが……?

ということで色々ややこしい事態となってまいりました。そしてここにきて路不凡も過去に公孫毅と関わりがあったことが明らかに。全44話なんでまだ全体の半分を超えたあたりなんですが、はや山場的な雰囲気になってますね。
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『KANO 1931海の向こうの甲子園』

2015年01月30日 | 映画
『KANO 1931海の向こうの甲子園』

今まで他校との試合に勝ったことのない嘉義農林学校(嘉農)の弱小野球部。そんな中、同校の教員濱田の要請により近藤兵太郎が野球部顧問に就任。いきなり部員たちの前で「お前たちを甲子園に連れて行く」と宣言するのだった……

ということで見てきました。『海角七号』『セデック・バレ』と同じく魏徳聖氏の作品とのことですが、私は両作は未見。この作品を見るまで知らなかったのですが、戦前の甲子園には台湾・朝鮮・満洲と外地の出場枠があったんですね。その南方の外地である台湾代表の嘉農に対して、北方の内地の領土としては歴史の浅い北海道代表を対比させているのがミソでしょうか。

普通の野球物・感動スポ根物として見ようと思えば見られるような作りにはなっていますが、それでも時代と地域をひねったことにより、所々で(取り敢えず日本人にとっては)違和感が感じ取られるようになっていますね。(わかりやすい所ではパパイヤの例えとか……)このあたり、同時期に上映されている『バンクーバーの朝日』ではどんな感じになっているんでしょうかね。

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『トキメキ!弘文学院』その5 魔法の言葉1314520

2015年01月23日 | 武侠ドラマ
『トキメキ!弘文学院』第19~23話まで見ました。

三日以内の退学を勧告する柳傲天に対して、同安学院との蹴鞠の試合に勝ったら学校に残ることを認めて欲しいと訴える宋文文。そのやりとりを范大同も立ち聞きしてしまい、二人にとって絶対負けられない試合に。

そして試合当日。相手の強豪チームは反則しまくりで審判も相手チーム贔屓というお馴染みの展開に(^^;) その審判、最初の路雲霏の比武招親であっさり負けたおじさんであったことが判明しますが、雲霏も柳傲天もよく顔を覚えてましたねw しかしその審判も弘文学院側の奮戦を見て感動し、後半戦ではフェアな判定を行います。最後は范大同と宋文文が柳傲天から伝授された(その柳傲天は雲霏の父から伝授されたのですが……)「一飛衝天」を決めて逆転勝利。

試合の前後に試合の応援団長の呉天宝が范大同と慕容月との仲を賢明に取り持とうとしますが、そんな天宝に小月が「あなたっていつだって大同のために尽くしているけど、大同ってそんなに尽くし甲斐がある友人なの?」と問い掛けを。二人の仲が気になるとは、慕容月さんはひょっとして腐女子なのでは……?そして小月とよりを戻そうとする范大同を見て何だか苛立ちが隠せない宋文文。BL的にややこしい事態になってきました。

学院では試合の後10日間の特別休暇が与えられ、柳傲天は路雲霏とともに不凡鏢局の仕事に同行することに。柳傲天の誕生日ということで長安の夜市を練り歩き、いいムードになる二人を遠くから見つめ、複雑な表情を浮かべる聶文星…… このドラマの非リアさんはニッキー・ウーではなくて彼なんでしょうか。この場面で柳傲天が願い事の短冊に書いていた「1314520」は「一生一世我愛你」を示す語呂合わせですね。「1314」というフレーズはこのドラマのOPテーマの歌詞にも含まれています。

さて、途上で宿を確保できなかった柳傲天・路雲霏一行は、多人数で無料で泊まれるということで街外れの幽霊屋敷にやって来ますが、そこは呉天宝の家の別邸で、呉天宝・范大同・宋文文の三人が休暇を過ごしており……
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『トキメキ!弘文学院』その4

2015年01月16日 | 武侠ドラマ
『トキメキ!弘文学院』(原題『犀利仁師』)第14~18話まで見ました。

慕容月との外出権と賞金を掛けて行われることになった中間試験。呉天宝は親友の范大同のためにカンニングペーパーを作りますが、范大同は実力で首席を勝ち取ってみせるとカンペを投げ捨て、試験に臨みます。しかし試験後にどういうわけかそのカンペが教室で発見されたことから大騒ぎに。范大同が真っ先に疑われますが、同室の宋文文の証言によって無実となり、事件は犯人不明のままうやむやに……

実は范大同が投げ捨てたカンペを学監の娘瑶瑶が入手して試験中に使用し、調査に当たった聶文星もそのことに気付いていたのですが、今後彼女を自分の手駒として使うために敢えて事実を闇に葬ったという次第。柳傲天も瑶瑶の不正と聶文星の隠蔽工作を察知し、聶文星が敬師堂の放火などこれまでの事件の黒幕で、旧勢力側のスパイではないかと思い当たります。

そして学監劉一守は放火事件で焼失した厨房と敬師堂の再建費用捻出のため、同安学院との蹴鞠(というかサッカー)の試合を提案。監督として指導にあたることになった柳傲天ですが、早々に学生たちに蹴鞠ができないことがバレてしまいます(^^;) 監督の座を賭けて范大同と勝負をすることになり、夜な夜な一人特訓に励む柳傲天。

そんな彼を見かねて路雲霏が若い頃に蹴鞠の名手として知られていた父・路不凡をコーチとして招き、特訓させることに。髪があった頃の路不凡は「追風少年」の異名で女性達の憧れの的だったようです(^^;) その「追風少年」は主演ニッキー・ウーの代表曲名とのことですがw

范大同の指揮のもとメンバーが練習に励む中、宋文文が足を痛めて転倒し、治療に当たった柳傲天は宋文文が女性であることに気付きます。学院の規定で毎月の奨学金を受けられるのは男子学生のみということで、一文無しの彼女は奨学金のために男性と偽って受験し、入学していたのでした。このことが露見すると旧勢力側による格好の批判の的となるということで、柳傲天は彼女に三日以内に退学するよう宣告します。しかし聶文星も宋文文が怪しいと感づいてしまい……

ということでしかし宋文文が実は女性だったネタは終盤まで引っ張るのかと思ってましたが、案外早い段階で出してきましたね。
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『トキメキ!弘文学院』その3

2015年01月09日 | 武侠ドラマ
年末年始は放映がお休みの『トキメキ!弘文学院』(原題『犀利仁師』)でしたが、年明け5日から放映再開。第9~13話まで見ました。

茶摘み合宿が終わり、孫大山の妻子も学院で下働きすることになりますが、そんな最中に孔子の肖像や武則天の宸筆を納めた敬師堂が焼失するという事件が発生。敬師堂に隣接する厨房の火の始末をちゃんとしなかったということで、路雲霏が責任を問われて辞職することに。

しかしこの焼失、実は学院唯一の女教師である路雲霏を陥れるための、旧勢力側による陰謀なのでした。実際には先輩教師の聶文星が敬師堂に放火したという次第。この人、やはり旧勢力の首魁公孫毅の手下でしたか…… で、路雲霏を学院から追い出そうとしていた元芳が彼女の無実を知っているのですが、なかなかそれを言い出せません。事情を察した柳傲天があの手この手で彼に証言をさせようとし、元芳の良心に訴えかけたり、はたまた彼に学院の蔵書を1冊盗んだと濡れ衣を着せて路雲霏と同じ状況に追い込んだりと、かなり強引な手段を用います(^^;)

その頃、路雲霏は家族に促されてお金持ちのイケメン李大人とお見合いし、かなりいい雰囲気に。「四爺」こと李大人を演じるのは古装でお馴染み霍建華(ウォレス・フォ)。「四爺」の呼び名は清朝宮廷物の四阿哥(雍正帝・乾隆帝)を意識しているのでしょう。どうせなら性格の方も四阿哥らしくミッキー・ホーとかウォレス・チョンとか厨二病系イケメンをキャスティングして欲しかったところですがw

一度は李大人との結婚を決意した路雲霏ですが、自分の無実を知り、更には学院への復帰を求める元芳の要望を受け入れ、李大人と別れて復職することに。ここで折悪しく学監劉一守るが彼女の後任として呼び寄せた妹の劉二妹が学院に到着し、彼女が女子寮の世話係となります。この劉二妹ですが、『続・宮廷女官若曦』でのニッキー・ウーの秘書役の武莉が演じております。何か若曦続編とキャラが違いすぎる(^^;)

そして学院では男子学生が学院のヒロイン慕容月にかかりきりで勉強に身が入らないのが問題に。柳傲天は奨学金付きの試験を企画し、彼女に自分より成績が上の学生とデートすることを同意させますが……
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『ゲーム・オブ・スローンズ第三章 戦乱の嵐(前編)』その2(完)

2015年01月04日 | その他映像作品
その1からだいぶ間が空いてしまいましたが、『ゲーム・オブ・スローンズ第三章』第6~最終10話まで見ました。

ロバート・バラシオンの隠し子ジェンドリーがメリサンドルに引き取られ、それに失望したアリアが兄弟団から脱走したと思ったらハウンドに捕捉される羽目に。キングスランディングではサンサとティリオンの婚儀が進行。一方「七王国」の外側では、「壁の向こう」で野人の捕虜となったジョンはイグリットらとともに「壁」を越えて「黒の城」へと向かうことになり、逆にブランは「壁」の北側へと向かうことを決意。そしてデナーリスは穢れ無き軍団とセカンドサンズを配下とし、順調に支配都市を広げていく……

例によって原作の細かな筋は適当に忘れているので、どこまでが原作通りでどこからがオリジナルかはほとんど判別できず。ブランがサムと出会うシーンなんてありましたっけ?

で、今回のハイライトはウォルダー・フレイによる血の婚礼……のはずなんですが、個人的に目を奪われたのはやはりメリサンドルさん。第二章ほどではありませんが、ジェンドリーにいきなり裸を見せたかと思うと蛭に彼の血を蛭に吸わせて蠱毒的なことをやっていたりします(^^;) しかしそんな彼女もザオリクは使えないようで、同じく「光の王」を信仰するミアのソロスがベリック・ドンダリオンを6回蘇生させたと聞いて驚いておりますw

そしてもうひとつのポイントはラムジーに捕らえられたシオンさん。第5話までで正体を隠したラムジーによって牢内から脱出→監禁とぬか喜びさせられておりましたが、今回は指を折るなどの普通の拷問に加えて突然裸の美女2名が出現→警戒しつつも何だかいい雰囲気になったところでラムジーが登場して去勢を宣告したりと、無駄に凝った趣向になっています(^^;) 

しかもシオンを去勢させた後で本人の目の前で特大のソーセージを食べたり、父親のベイロンに切ったアレを送りつけたりしております。どうも原作より2割増しぐらいで酷い目に遭ってるような気がするのですが、原作通りにいくとするとシオンさんの受難はまだまだ続くんですよね。ラムジーの歪んだ愛情がどこまでエスカレートするのかガクブルしつつ第四章の日本語版リリースを待つことに……
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2014年12月に読んだ本

2015年01月01日 | 読書メーター
あけましておめでとうございます。新年一回目の更新です。

漢の武帝 (CenturyBooks―人と思想)漢の武帝 (CenturyBooks―人と思想)感想
漢代史研究の泰斗による漢の武帝の評伝。吉川幸次郎の同名書と比べると対匈奴戦、経済政策に関してやや詳しい。また武帝が始皇帝を範としていたことを強調。新しい研究成果は儒学の官学化に関する近年の議論を取り入れている程度か。文章は吉川書と同様に読みやすい。
読了日:12月3日 著者:永田英正

古典注釈入門――歴史と技法 (岩波現代全書)古典注釈入門――歴史と技法 (岩波現代全書)感想
古代から近現代までの注釈の歴史をメインに、古典を読むことと注釈の意義についてと注釈の技法の話で脇を固めるが、メインより脇の話の方に啓発される部分が多かった。現代の注釈に関する節で岩波や小学館など各社の古典文学全集の特色をまとめている部分は参考になりそう。
読了日:12月8日 著者:鈴木健一

天の血脈(4) (アフタヌーンKC)天の血脈(4) (アフタヌーンKC)感想
神功皇后の朝鮮遠征と日露戦争とを重ね合わせるように話が展開。今文庫版で読んでる『王道の狗』の14、5年後の話なんですよね。『狗』で出てきた孫文も(だいぶキャラ付けが変わってるようですが)今巻で登場。巻末に先頃亡くなられた松本健一氏との対談あり。
読了日:12月11日 著者:安彦良和

江戸時代の医師修業: 学問・学統・遊学 (歴史文化ライブラリー)江戸時代の医師修業: 学問・学統・遊学 (歴史文化ライブラリー)感想
現代のように国家試験なんて無いから、なろうと思えば誰でもなれたと言われることもある江戸時代の医師。しかし(当然ながら)実態はそんな簡単なものではなかったということで、京都への遊学を中心に江戸時代の医師教育についてまとめています。遊学の話は朝日選書の『剣術修行の旅日記』と合わせて読むと面白いかも。
読了日:12月15日 著者:海原亮

最終戦争論・戦争史大観 (中公文庫)最終戦争論・戦争史大観 (中公文庫)感想
青空文庫版で読む。(講演・著作の時点から見て)過去のことはともかく、未来のことになると途端に話が怪しくなる印象。当然ながら今となっては石原莞爾に関する史料として読むのが適切な態度だろう。原子力発電・原子爆弾に目を付けていたのはさすがだが、原発のもたらす災禍にまでは思い至らなかったのはやむを得ないか。『戦争史大観』の終盤の「柴大人」(柴五郎)の話はいずれソースを当たりたい。
読了日:12月17日 著者:石原莞爾

増補 八月十五日の神話: 終戦記念日のメディア学 (ちくま学芸文庫)増補 八月十五日の神話: 終戦記念日のメディア学 (ちくま学芸文庫)感想
日本がポツダム宣言の受諾を表明した8月14日でもなく、降伏文書の調印が行われた9月2日でもなく、玉音放送が行われた8月15日を終戦記念日とするのは、「降伏」の屈辱を忘れたい右派、「8月15日の革命」を強調したい左派、双方にとって都合の良い「記憶の55年体制」の産物であったとする。元来9月3日を終戦記念日としていた中国で、日本との「歴史問題」がおこると8月15日がクローズアップされるようになってきたとか、日本の小・中・高あるいは日本史・世界史の教科書で終戦記念日の扱いが異なるという指摘が面白い。
読了日:12月22日 著者:佐藤卓己

学問のかたち: -もう一つの中国思想史学問のかたち: -もう一つの中国思想史感想
先秦から近代の中央研究院歴史語言研究所創設に至るまで、中国の各時代の学問のありかたを取り上げた論文集。個人的には水上雅晴「清代学術と幕府」で取り上げる所の地方官と幕友の関係が現代中国の各研究機関のボスとポスドクとの関係に似ている所があり、面白く読んだ。小南一郎「中国古代の学と校」は、『周礼』など礼文献の使用には慎重であらねばならないと断りつつ、その扱いがやや中途半端か。
読了日:12月23日 著者:

王道の狗4 (中公文庫 コミック版 や 3-33)王道の狗4 (中公文庫 コミック版 や 3-33)感想
若き日の内田良平、そして革命家となった孫文と宮崎滔天が登場し、現在連載中の『天の血脈』と話が繋がった。風間と陸奥宗光の対話を見てると、本作が安彦流の『坂の上の雲』なのかなと思った次第。その安彦版『坂の上の雲』と安彦版『古事記』が結びついた『天の血脈』がどうなっていくのか、期待半分不安半分です…
読了日:12月24日 著者:安彦良和

織田信長 (ちくま新書)織田信長 (ちくま新書)感想
信長は本当に「革命児」なのか?将軍義昭や天皇との関係、「天下布武」の意味、そして一向宗やキリスト教といった宗教への態度の3点から信長の実像を検討。信長は歴史学そのものよりも史学史というか人物像変遷史の対象として扱う方が面白いのではないかという印象を抱いた。
読了日:12月24日 著者:神田千里

儒学殺人事件 堀田正俊と徳川綱吉儒学殺人事件 堀田正俊と徳川綱吉感想
綱吉の時代の大老堀田正俊(幕末の堀田正睦の祖先と言った方が通りがよいかも)殺害事件は、儒学殺人事件と呼ぶべき性質のものだった… これを取っ掛かりにして、有名な「生類憐れみの令」の背景となった綱吉の儒学観と堀田正俊ら当時の大名・儒学者の儒学観との対立について論じる。『颺言録』に描かれるところの綱吉像を見てると、今でも北朝鮮あたりで金正恩のために同じような書が作られているのではないかという気がするが…
読了日:12月26日 著者:小川和也

日本史の森をゆく - 史料が語るとっておきの42話 (中公新書)日本史の森をゆく - 史料が語るとっておきの42話 (中公新書)感想
東大史料編纂所の関係者による、各自が関心を持つ史料をネタにしたエッセー集。取り上げる史料は文字史料のほか、地図あり、トコトンヤレ節のような歌あり、大砲のような実物あり、洞窟寺院のような建築もありとバラエティに富んでいる。一通り目を通せば歴史学研究がどういう営みかわかるのではないかと思う。
読了日:12月29日 著者:東京大学史料編纂所

史料から考える 世界史二〇講史料から考える 世界史二〇講感想
中公新書『日本史の森をゆく』の世界史版みたいなのかと思ったら、こちらは同じく岩波から出ている『世界史史料』(全12巻)のガイドというか販促本的な位置づけ。『世界史史料』での配分を反映して近現代史ネタが多い。第12講の「文書からどれだけの情報が引き出せるかは、それを当時の時代状況のなかで位置づけられるかどうかにかかっている。」という文章は史料読解の基本を示している。
読了日:12月31日 著者:

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