博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

于正版『笑傲江湖』その6

2013年05月30日 | 武侠ドラマ
于正版『笑傲江湖』第31~36話まで見ました。

いよいよ東方不敗と刃を交えることにした任我行と盈盈ですが、日月神教のショッカー(平信徒)に扮し、令狐冲を引っ捕らえたので教主に差し出したいということにして黒木崖へ。

ここで令狐冲役の霍建華(ウォレス・フォ)が一人二役で演じている楊蓮亭が登場。



令狐冲と瓜二つという設定を生かして、二人が入れ替わったり、それで東方不敗が入れ替わっていることに気づかずに混乱したりとかそういう展開があるんだろなあと期待していたら、さして見せ場も無いままに任我行に殺害されてしまいます。一体何のための一人二役やったんや(´Д`;)

そして令狐冲と東方不敗が断崖絶壁で対峙。しかし東方不敗は任我行の奇襲を受けて崖から落下。令狐冲は彼女を助けようとしますが、「自分のことをどう思っているのか?」という問いかけに対し令狐冲が「東方姑娘 永遠在我心裏」と答えたのに満足し、手を振り切って奈落の底へと落下。これで死んだかと思われた東方不敗ですが……ここは当然、この手のドラマで崖から落ちて死んだ人なんていません!といういつものツッコミを入れるべきでしょうw

で、晴れて教主の座に復帰した任我行ですが、権勢を求める彼の姿に嫌悪感を抱いた令狐冲は、盈盈との婚約を拒絶して恒山へと戻ります。

一方、華山では岳不群と林平之がそれぞれ自宮して「辟邪剣譜」の修練に励み、また思過崖でかつて日月神教の使い手が描き残した各門派の武功の壁画を発見し、来たるべき決戦の日に備えます。

そして嵩山で五岳剣派統一の議が行われ、封禅台で五岳派掌門の座をめぐって比剣が行われますが、最終的に岳不群が偽の「辟邪剣譜」をつかまされた左冷禅を打ち破り、掌門の座をゲット。林平之は両親の仇の青城派ご一行様を追い詰め、余滄海や木高峰を倒すものの、木高峰の最後っ屁を喰らわされて失明してしまい……

ということで、嵩山以降の展開はおおむね原作通りです。しかし今回のドラマでは東方不敗が去勢した男性では無く女性という設定になっているので、辟邪剣法は実は女性でも使えるとか、設定に何かしらの修正が加えられるのかなと思っていたら、何のフォローもありませんでした\(^o^)/ 

辟邪剣法を使う岳不群や林平之の様子を見て、任盈盈が原作通り(あるいは于正が下敷きにしたとされる呂頌賢主演ドラマ版の通り)に「第二の東方不敗ね」「また一人東方不敗が現れたわ」などと令狐冲につぶやいたりしてますが、もうちょっと帳尻を合わせる努力をしろよと言いたくなりました(^^;)
コメント (4)
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于正版『笑傲江湖』その5

2013年05月23日 | 武侠ドラマ
于正版『笑傲江湖』第25~30話まで見ました。

任父娘と分かれた令狐冲は、軍人に変装して岳不群に接近しようとします。しかしその途上で嵩山派の手の者に襲われる恒山派の尼僧たちを助けたことから、しばらく護衛として彼女たちと行動をともにすることに。

その後福州で華山派一行を発見しますが、岳不群の陰謀により「辟邪剣譜」を写した袈裟の盗難、林平之殺害未遂、労徳諾殺害の濡れ衣を着せられてしまいます。「キーッ!私たちの令狐様がそんなことするはずないもん!」といきり立った恒山派の皆さんに引き取られていく令狐冲ですが、日月神教の聖姑が少林寺名前を出してはいけないあの寺廟に捕らえられているという情報をキャッチすると、居ても立ってもいられなくなり、藍鳳凰ら邪派の面々と霊鷲寺へと向かいます。しかし令狐冲にはその聖姑というのが任盈盈なのか東方不敗なのか判別がつきません。

実のところ霊鷲寺に監禁されていた聖姑とは、昏倒した令狐冲を霊鷲寺に運び込んで以来寺内に留められていた東方不敗のことでした。方証大師は東方不敗が心を改めたということで寺から解放しますが、東方不敗が捕らえられていると知った左冷禅・岳不群ら正派の人士が押しかけ、彼らの策謀で後からやって来た令狐冲らは境内に閉じ込められることに。

ここで密かに岳不群に襲撃され、瀕死の状態の定逸師太から令狐冲が恒山派掌門の地位を託されます。そして境内から外へと通じる地下道を発見し、何とか霊鷲寺から脱出。



この場面で霊鷲寺の入り口が出てくるのですが、何だかゲームに出てくる魔王の城みたいなノリなんですよねえ……

邪派の皆さんと別れた令狐冲は単身霊鷲寺へと舞い戻り、タイミングよく寺に押しかけてきた任父娘と再会。盈盈から日月神教の聖姑とは自分に他ならないこと、五覇崗で心ならずも東方不敗と入れ替わったこと、そして東方姑娘の正体が日月神教主東方不敗であることを知らされます。

一方、東方不敗も令狐冲を求めて近辺までやって来ていましたが、彼女が正派の人士を虐殺しているのに令狐冲がドン引きし、東方不敗と「恩断義絶」してしまいます。まあ要するに今までの交情は無かったことにして、次に会った時はお互い敵同士ということですね。このあたり、東方不敗が岳不群の「令狐冲は死んだ」という言葉を本気にしてヤケになっていたとか、令狐冲が定逸師太を殺したのは彼女ではないかという疑いを持っていたという事情が設定されているとはいえ、かなり無理矢理な展開だなという印象は否めません……

東方不敗や任父娘と別れた後、令狐冲は恒山で掌門人としての生活を開始します。で、岳不群は華山に戻るや意を決して自宮し、「辟邪剣譜」の修練を開始。そのことを察した林平之は自分の身を守るため、岳霊珊との婚約を急ぎます。黒木崖では、父任我行を救出したことが知れ渡っているはずなのに、なぜか任盈盈が東方不敗の前に姿を現し、令狐冲をめぐる女の戦いのスタートを宣告しますが、うっかり東方不敗に「三尸脳神丹」を飲まされてしまい…… 

というわけでだいぶオリジナルな展開が入ってきました。原作ファンの方から「こんな話ではなかったはず」という嘆息が聞こえてきそうですがw
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于正版『笑傲江湖』その4

2013年05月12日 | 武侠ドラマ
于正版『笑傲江湖』第19~24話まで見ました。

洛陽を後にして林家の旧宅のある福州へと向かうことにした華山派ご一行様ですが、緑竹巷の「婆婆」こと任盈盈のお知り合いということで、「殺人名医」平一指や祖千秋・老頭子ら邪派の皆さんにつきまとわれる令狐冲。その様子を見て令狐冲への猜疑がますます深まる岳不群。

で、令狐冲は五覇崗での宴会に出席することになり、「婆婆」と再会するわけですが、ここで任盈盈が黒木崖を離れたと聞き、捜索していた東方不敗も五覇崗に到来。令狐冲が内傷によって昏倒している隙に任盈盈を追い払い、入れ替わることになります。そしてまんまと「婆婆」の正体が東方不敗だと思い込む令狐冲。のみならず岳不群ら正派の面々も「婆婆」=魔教の聖姑=東方不敗だと思い込んでしまいます。

東方不敗は令狐冲の内傷がいよいよ生命に関わる所まで来たのを見て取り、昏倒した彼を霊鷲寺の方証大師に預けて易筋経で治療させることにし、かわりに自らは敢えて寺内で監禁される道を選択します。ここらへんは本来は任盈盈の役回りであるわけですが…… 

そして霊鷲寺というのは原作でいう少林寺ですね。どうも4~5年前からライセンスを得ないと映像作品で少林寺という名前が出せなくなったようで、2009年制作の『倚天屠龍記』でも、収録後に少林寺に関わる台詞が軒並み削除されたり吹き替え直されるということがありました。また同時期に『少林寺伝奇』シリーズなど、少林寺公認の映像作品が制作されるようになりました。(無論これらの作品は金庸小説のように少林寺にとって都合の悪い設定や展開は出てきません。)まあ、武侠ドラマ的には名前を出してはいけないあの寺廟という扱いになったというわけですね。

霊鷲寺で目覚めた令狐冲は自分が華山派から破門されていたという衝撃のニュースを知らされるも、霊鷲寺に再入門して易筋経を修行するのを潔しとせず、寺を後にします。そしてたまたま正派の皆さんに襲撃されていた任盈盈を助け出し、彼女と江南四友の暮らす梅荘に向かうことに。ここらへんは盈盈が向問天の役回りも兼ねております。かと言って向問天が登場しないわけでもないのがややこしい所ですが。ここらへんで盈盈があの手この手で「婆婆」の正体が自分であると悟らせようとしているのがなかなか涙ぐましい……

そして江南四友を打ち破った令狐冲は地下牢の住人の日月神教前教主任我行と手合わせをし、彼の身代わりとして地下牢に閉じ込められるも、「吸星大法」をマスターして脱出し、任父娘と再会します。そこで任我行より盈盈と婚約し、副教主となることを求められますが……
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于正版『笑傲江湖』その3

2013年05月06日 | 武侠ドラマ
前回の補足。東方不敗の師匠の謎の達人は独孤求敗という設定だそうです。

で、于正版『笑傲江湖』第12~18話まで見ました。

妹の儀琳が令狐冲に惚れていることを知った東方不敗は、田伯光に毒薬を飲ませて下僕とし、彼を華山に向かわせて令狐冲を下山させることに。このあたり、東方不敗が原作の不戒和尚の役割も兼ねているんですね。しかし華山派剣宗の隠士風清揚から剣術を伝授された令狐冲に太刀打ちできず、あえなく下山。次は東方不敗が直々に華山思過崖へと向かいます。ここで風清揚と東方不敗のバトルが勃発。冷静に考えたら物凄い夢の対決なんですが、見ていて全くワクワクしないのはどうしてなんでしょうかね?

令狐冲が下山に応じるまで思過崖でともに過ごすことにした東方不敗ですが、突然出現した温泉に放り込まれて女性であることがバレてしまいます。前回まで洞穴の中に温泉なんて影も形もありませんでしたよね?

そうこうしているうちに剣宗の封不平と成不憂が嵩山派の助勢を得て岳不群のもとに乗り込んで来ます。師父の助太刀に向かう令狐冲。しかしあっさり成不憂に返り討ちに遭ったところを、「私の令狐さんに何をする!」と激怒した東方不敗が成不憂のお腹に穴を開けて惨殺。……え?桃谷六仙?なんですかそれは?手ひどい内傷を負ってしまった令狐冲ですが、以前に曲洋に内功治療してもらった時のものに加えて東方不敗と岳不群の内功を注入され、六つの気が混ざり合って内功が使えない状態に追い込まれてしまいます。(三人から気を注いで貰ったら三つの気じゃないの?という疑問は取り敢えず置いといて下さい。)

令狐冲の看病のためにしばらく華山に逗留する東方不敗ですが、岳夫妻に魔教の関係者と見破られ、華山を追われてしまいます。そして華山派一同も魔教の難を避けるために、嵩山派を訪問するということにして下山することになります。ここで華山に残された令狐冲が何者かに「紫霞秘笈」を奪われ、仲の良かった陸大有を殺害されるという悲劇が発生。そして雨降る夜半の寺廟で嵩山派の刺客に襲われる岳不群らを渾身の独孤九剣で救出した令狐冲ですが、岳不群からは却って林家の「辟邪剣譜」を盗んだのではないかと疑われることに……

そして林平之の母親の実家の洛陽「金刀王家」に身を寄せることにした岳不群一行ですが、「笑傲江湖」の楽譜が「辟邪剣譜」ではないかと嫌疑を受ける令狐冲。ここで緑竹翁とその「姑姑」の出番となるわけですが、緑竹翁を演じるのは特別出演の張衛健(ディッキー・チョン)。そして令狐冲は緑竹翁の「姑姑」こと任盈盈がお婆さんであると勘違いしたまま彼女から琴の手ほどきを受けることに。



ということで正ヒロイン(のはず)の任盈盈が登場です。エンディングのスタッフロールでは主役の令狐冲と東方不敗に次ぐ三番目の扱いになっているのが気になるところですが……
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