博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

風邪

2009年11月29日 | 留学
実はここんところ微熱と咳が続いており、日本から持ってきた風邪薬で一時的に治まるものの、薬の効果が切れたらまた元に戻るという状態が続いておりました。(あと、いちいち毎日シャワーをしていたのも良くなかったのかもしれない。)仕方がないので今日薬局に行って漢方系の風邪薬と抗生物質を仕入れてきました。これで快方に向かうといいのですが…… というわけで今日はもう寝ます。

え、病院?ご冗談を(^^;) 先月連れてかれた病院は薬局並みでしたよ……
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『大宋提刑官』その7

2009年11月28日 | 中国歴史ドラマ
『大宋提刑官』第35~38話まで見ました。

嘉州で国庫から20万両もの銀が強奪されるという事件が発生。事態を重く見た皇帝は知州の范方、通判の袁捷のほか、重臣薛庭松の推薦で宋慈も捜査に当たらせることに。(薛庭松は他ならぬ宋慈の岳父です。)通判の袁捷とは同年に進士に登第した仲ということで、タッグを組んで捜査を進める宋慈。しかし国庫の管理にあたっていた公孫健が盗賊団と結託して銀を盗み出したという袁捷の報告に対して次第に疑問を抱くようになり……

ということで、このシリーズの見所は通判の袁捷。思い切りネタバレしてしまうと、彼こそが20万両の銀を盗み出した真犯人なのであります。清廉潔白で有能ではあるが高官とのコネクションが無いばかりに出世できず、なのに文句も言わず黙々と日々の仕事を誠実にこなす清貧の人……と見せかけて実は野心勃勃、目的のためには手段を選ばず、おまけに弾指神通までマスターしているというひねた悪役ぶりに惚れ惚れしてしまいます(^^;) 

彼の妻が夫を評して「あの人は欲しい物は必ず手に入れる了不起な(すごい)人よ」と言ってますが、これが袁捷の人となりを表しているでしょう。

しかし盗み出した銀を何に使うつもりだったのかと言うと、高官への賄賂に充てて出世の糸口にするという夢も希望もない用途なのが何とも…… ここは嘘でも「起義のための資金」とでも答えて欲しかったところです。それとも南宋人にはもう『水滸伝』バリの替天行道は現実味のない選択肢になっていたということでしょうか。ぶっちゃけ、奇跡的に国家転覆できたところで今度は金国とかを相手にしなくちゃいけないと考えるとウンザリしてくるしなあ……
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中国歴史ドラマの世界?

2009年11月26日 | 雑記
前から歴史ドラマで何か文章が書きたいなあと思ってましたが、突如として章立てが思い浮かんだので、忘れないうちに書き残しておきます。以下、構成と各章で取り上げる作品名です。

『中国歴史ドラマの世界』

序章 中国歴史ドラマとは
第1章 はじまりの物語 神話劇の世界
……『封神榜』『封神榜続集』
第2章 漢族の勃興と「中華民族」の形成
……『漢武大帝』『王昭君』
第3章 メロドラマ化する歴史ドラマ
……『大漢風』『問君能有幾多愁』
第4章 報われることなき忠誠
……『楊家将』『少年楊家将』『薛仁貴伝奇』
第5章 ネバーエンディングストーリー 貪官との果てしなき戦い
……『包青天』『大宋提刑官』『大明王朝1566』『雍正王朝』
第6章 どうしてこうなった? 明清王朝興亡記
……『江山風雨情』『大清風雲』『康熙王朝』
第7章 老百姓の見た紫禁城
……『還珠格格』『鹿鼎記』
第8章 歴史ドラマの中の日本人
……『少林僧兵』『浣花洗剣録』『仁者黄飛鴻』『精武陳真』
終章 ドラマの中で語られないもの
……『笑傲江湖』

文章どころか一冊の本やないか!こんなん書けるんか、オレ(^^;) 取り上げる作品もまだまだ少ないし…… 今まで見たことのある作品しか分配してないのでこういうことになったのですが、本気で書くつもりならもっと色々見ないといけませんね。

ちなみにここでの歴史ドラマとは日本で言うところの大河ドラマ、そして武侠ドラマ・神話劇などすべてを含めています。序章でそのあたりのジャンル分けについて解説したいなと。
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『大宋提刑官』その6

2009年11月25日 | 中国歴史ドラマ
『大宋提刑官』第31~34話まで見ました。

豆腐屋の杜松は妻の李玉児が母を邪険に扱うのにブチ切れて家から追い出してしまいますが、3ヶ月後、街には彼が妻を殺したという噂が広まります。そして李玉児の弟李丁が告訴したことにより、杜松は李玉児殺害容疑者として捉えられることに。更に事件発生から半年後に突然李玉児の白骨遺体が発見されますが、お忍び旅で現地に立ち寄った宋慈はこの事件に不審を抱き……

この事件を担当する知県の刁光斗はかつて五品の知府だったのを宋慈の弾劾によって降格させられたという過去を持つ貪官。杜松に「妻を殺していないと言い張るなら証拠を出せ!証拠を!」と怒鳴りつけたりとムチャぶりを発揮…… 思わず「その証拠を探すのがあんたらの仕事でんがな」とツッコんでしまいました(^^;) まあ、刁知県も分かってて無理難題を押しつけてるわけですが……って、余計あかんがな(-_-;)

この刁知県と宋慈との丁々発止のやりとりが本シリーズの見所です。しかし本シリーズのオチを見ると、中国で水戸黄門や遠山の金さん的な存在が使命を全うするのがのがどれほど難しいかを痛感してしまいます。包青天だって皇親や高官を相手に頑張ろうとすると毎回のように罷免されてるしな……
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『大宋提刑官』その5

2009年11月23日 | 中国歴史ドラマ
『大宋提刑官』第24~30話まで見ました。

青陽県で童四の妻何氏が殺害されるという事件が発生。老県令の白賢は現場に残されていた扇子を証拠に、街一番の金持ちでならず者の呂文周が犯人であると断定し、死刑を宣告。しかし宋慈はこの判決に疑問を抱き、青陽県に急行することに……

ということで、前半第24~27話までのテーマは名裁判官と謳われた人間の誤審。宋慈や助手の竹英姑(彼女は最初の梅城の事件が解決された後、宋慈の助手を務めています。)は父親の代から白賢と付き合いがあるのですが、それでも誤審追究の手を緩めようとしない宋慈。その1で触れた通り、名裁判官の誤審というのは宋慈の父を死に追いやった原因であり、宋慈自身のトラウマにもなっているのでありました。果たして事件の真犯人は?そして誤審の可能性に思い悩む白賢の選択は……

後半第27途中~30話では、舞台は元蒲県へ。街一番の富豪楼員外の屋敷では員外の娘の婚約の宴が開かれていましたが、あろうことかその晩に当の娘が屋敷内の庭園で殺害されてしまいます。家庭教師として雇われていた梁雨生が彼女と駆け落ちするべく誘い出し、抵抗されて殺したに違いないと劉知県は判決を下したものの、宋慈はこの判決に疑問を感じ、一路現地へ。

ということで前半部と対をなすシリーズ。この作品には珍しく連続殺人を許してしまうのも両シリーズの共通点です。ただ、こちらの劉知県は誤審を降しても恥じ入る様子もなく、特に処分も降されてはいない様子。これを見ると白賢の苦悩は何だったのかという気がするのですが(-_-;)
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音像品店と『近代日本人中国遊記』シリーズ

2009年11月22日 | 留学
今日気温が割と高めだったので、久し振りに街中に出てみました。で、いつも行ってる音像品店で『倚天屠龍記』のDVDでも物色しようと思ったら、店が丸ごときれいさっぱり無くなってたorz 割と古装の新作を取り揃えていて便利な店だったんですが。でもそう言えば、そこの店で自分以外の客が品物を買ってる所を見たことなかったよなあとしみじみ……

ついでに本屋を物色して中華書局の『近代日本人中国遊記』シリーズ、吉川幸次郎『我的留学記』と徳富蘇峰『中国漫遊記 七十八日遊記』を購入。

吉川幸次郎『我的留学記』には倒壊する直前の雷峰塔の写真が載ってます。1923年、著者が20歳の時に見物したそうですが、パッと見、西夏王陵を思わせるタケノコ型の遺跡という感じで、失われた古代王国の墳墓とか言われても信じちゃうと思います(^^;) 本文によるとこの時既に塔の表層は失われ、灰褐色のレンガがむき出しになっていたとのことですが。

徳富蘇峰の方は夏に行った山海関とか秦皇島の写真が載ってます。他ならぬ長春に関する記述もありますね。
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『大宋提刑官』その4

2009年11月19日 | 中国歴史ドラマ
『大宋提刑官』第17~23話まで見ました。このあたりは割と話数が短めのシリーズが続きます。

前半第17~20話は嘘が真になった話。書生の楊易は姉のもとから大金をくすね、鄒仁の酒場で「城南門外で商人を襲って金を奪い、古井戸に死体を捨てた」とホラを吹きながら酒をかっくらっていたところ、本当に城南門外の古井戸から死体が発見され、大騒ぎに。しかもその死体は楊易の姉の夫崔成であることが判明し、楊易は義兄の殺害容疑者として拘留されることに……

ということで我らが宋慈の出番となるわけですが、しょっぱなから「この事件はそう簡単なものではない」と断定。この言葉を裏づけるように、最初に死体を見つけて宋慈に告発した呉服商の童非、酒場の主人鄒仁、そして他ならぬ被害者の妻で容疑者の姉楊月児にも不審な点が。そして楊易も何かを隠しているようなのですが……

この作品には珍しく、いまひとつ後味がよろしくないシリーズ。それとこのシリーズの冒頭で1人の女性をめぐって3人の求婚者が結婚の権利を求めて争い合うエピソードが挿入されているのですが、これが今回の伏線になっているのかと思いきや、全く本編に絡んでこなかった(-_-;) 前々回のシリーズではこの手の短いエピソードが伏線として生かされていたのですが……

後半第21話~23話は毛竹塢で発見された男の死体をめぐる話。被害者はよそ者のようで、村内には彼の身元を知る人物は誰もおらず、近隣の村から遺体の身元確認にやって来た翠姑も後難を恐れてか遺体を見た後で逃亡する始末。やがて被害者は実は盗賊団の親玉であったことが明らかとなりますが……

舞台となる毛竹塢は竹林に囲まれた小さな村で、村人の衣装なんかを見ると少数民族の集落のようにも見えますが、五代十国の戦乱を逃れるために造られた村とのこと。ひょっとして当初は少数民族の村という設定だったのが、当局のご指導によって設定変更と相成ったのでしょうか……
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一休さん中国語版

2009年11月17日 | 留学
最近またこちらで『一休さん』の放映が始まりました。「また」と言うのは去年の今頃も放映していたからですね。字幕が付いていないのでヒアリングの材料として重宝しており、その回のとんちの答えを聞き取れたら合格ということにしてます(^^;)

しかし中国語版で「和尚様」を「師父」、「秀念さん」を「大師兄」、「さよちゃん」を「小夜子」、「将軍様」を「将軍大人」、「お侍様」を「官爺」などと言い換えられているのを聞くと、何だか武侠物を見ているような気分になってきます……
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『機器侠』

2009年11月15日 | 映画
『機器侠』

劉鎮偉(ジェフ・ラウ)監督作品。舞台は2046年の中国。片田舎で警察官を務める徐大春(胡軍)のもとに突然ロボット警官のK1(方力申)が配属されることに。自分以上に仕事が出来るうえ、部下で片思いの相手素梅(孫儷)の心をつかんだとあって、K1に対して冷静になれない徐大春。しかしK1は人間と恋愛関係になることを禁じられており……

中盤ではこの徐大春とK1がタッグを組み、人間に対して反旗を翻したロボット警官K88(呉京)と戦うことに。ラスボスとの戦いを中盤に持ってきてこの後どうするつもりなのかと思いきや、本当の戦いはここからなのでありました。

以下の展開はネタバレ防止につき省略。ごくごく大雑把にまとめると「強敵」と書いて「とも」と読むとか、要するにそういう展開です(^^;) しかし終盤の一連のバトルは人を笑い死にさせたいのかと…… お陰様で久々に壮大なスケールのバカ映画を見たなという満足感に浸ることができました。これは日本で公開されてもいいレベルだと思います。

あと、ロボット警官の研究所で梁山伯と祝英台の話をイメージしたと思われるステンドグラスが出て来るのですが、これが象徴しているのはK1の素梅に対する愛……ではなく、ひょっとしてK1の徐大春への愛?と思ってしまったのは、私の目が腐ってるからでしょうか(^^;)
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『大宋提刑官』その3

2009年11月14日 | 中国歴史ドラマ
『大宋提刑官』第12~16話まで見ました。

没落貴族の李唐は正妻の和氏と妾の柳氏を抱えながら生業にも就かず、先祖伝来の家具を切り売りして何とか生活しておりました。で、それを見かねた和氏の父和員外から酒館の開店資金として300両を貸し与えられますが、それを屋敷に持ち帰った晩に殺害されてしまいます。

我らが宋慈は舅の昇進祝いのため、妻とともに都への途上にありましたが、たまたま立ち寄った李府でめざとく李唐の遺体を発見し、そのまま捜査を開始することに。(そして宋慈の行状に呆れた妻は夫を見捨ててそのまま上京……)

李唐が殺害された晩は正妻の和氏は実家に泊まっており、李府で留守番をしていた妾の柳氏の犯行かと思われましたが、柳氏が李唐の子を懐妊していたことが判明。今度は柳氏の妊娠に嫉妬し、彼女を夫殺しに仕立て上げようとしたのではないかということで、和氏が容疑者に。しかし事件は更に意外な方向に転がりはじめ……

このシリーズ、終盤で話が別の方向に転んじゃって、この事件の被害者と第1容疑者が思い出せなくなる始末…… あと、親の骨に本当に子の血が染み通るもんなんでしょうか(^^;)(そういう場面が出て来る。)古典小説とかこの手の古装片ではよく出て来るシチュエーションなんですけどね。科学性を売りにしたこのドラマでこういうことをやられるとな……
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