博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『後宮甄嬛伝』その1

2012年06月26日 | 中国歴史ドラマ
時は清朝雍正年間。即位したばかりの雍正帝は漢軍八旗の家から妃嬪を迎えるべく、選秀を行うことに。本作の主人公で孫儷演じる甄嬛も、友人で姉と慕う沈眉荘、地方官の家の出身の安陵容、家柄と美貌を鼻にかける夏冬春とともに選秀に応じ、雍正帝のお眼鏡にかなって入宮を許され、「莞常在」の封号を与えられます。しかし時に後宮では皇后と功臣年羮堯の妹の華妃とが暗闘を繰り広げており、甄嬛らも後宮での権勢争いに否応なく巻き込まれていくことになるのでした……

ということで、またもや清朝後宮物で、ネット小説が原作の『後宮甄嬛伝』を見始めました。今回は第1~4話まで鑑賞。熱狂的なファンが多い作品ですので、紹介の仕方を間違えると『歩歩驚心』のようなことになるかもしれませんが(^^;) しかしここまで見たところ、『宮』『歩歩驚心』と比べて後宮での生活やしきたりなどを丁寧に描けている感じです。(どの程度ちゃんと考証をしているのかは知りませんけど……)この調子で行ってくれれば全76話という長丁場も乗り切れそうです。

しかし原作小説の方では清王朝をモデルにした架空の王朝を舞台にしていたのを、ドラマでは舞台を雍正年間に置き換えたようなんですよね。細かい所で史実と合わない部分があるのはこれが原因でしたか。これが果たして吉と出るか凶と出るか…… 脚本自体は丁寧なので、余計に気になります。

で、今回のドラマで雍正帝を演じているのは、新版『三国』の曹操役の陳建斌。



これまでのイケメン俳優からおっさん俳優に切り替わるとともに、性格もこれまでの非リアの星から、政治も後宮生活もそつなくこなすリア充になってますw まあ、『宮』とか『歩歩驚心』での描写の方がおかしいんですけどね(^^;)
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張紀中版『西遊記』その10(完)

2012年06月20日 | 中国古典小説ドラマ
張紀中版『西遊記』第55~最終60話まで見ました。

鳳仙郡の一件が解決した後、一行は玉華国へ。そこで3人の王子に悟空・八戒・悟浄が師匠となって武芸を教えることになりますが、3人の武器が夜な夜な妖怪に盗まれるという事件が発生。妖怪の巣の豹頭山虎口洞に乗り込んで武器を取り戻す悟空らですが、今度はその妖怪の親分で九頭の獅子である九霊元聖に唐僧や玉華国の国王父子が攫われてしまいます。

九霊元聖の正体は太乙救苦天尊の乗騎でしたが、実は九霊元聖を下界に逃したのは、「最近あいつら調子に乗ってね?ここらでひとつヤツらをシメとこうぜ!」という玉帝の意を承けた太白金星だったのでしたorz

ついで一行は金平府へ。悟空は街の観灯会に現れた観音菩薩ら3人の菩薩が犀牛精の化けた偽物だと見破りますが、その犀牛精に唐僧を攫われてしまったうえ、自分達の信仰する菩薩が妖怪だと言われても信用せず、逆に悟空らを妖怪扱いする街の人に襲われたりと、散々な目に。悟浄も「よく考えたらヤツら、これと言って悪いことしてないんすよね。むしろ街の人のために旱魃の時に雨を降らせたりといいことをしているのでは……」と戸惑い始めます。

しかし悟空は犀牛精の天敵の四木禽星を天界から連れて来て彼らを追い詰め、最終的に自害まで追い込みます。街の人々は犀牛精の遺体を見せられて菩薩の正体が妖怪だと暴露されても彼らのために嘆き悲しみ、悟空らは苦い思いを噛みしめつつ街を後にするのでした。

で、いよいよ天竺に入った一行。天竺国の偽王女の正体を暴いたり(その正体は嫦娥に仕える月のウサギ)、寇員外の殺害容疑者にされてしまったり(どう見てもインド人の姿格好なのに寇員外とか言われても困ってしまいますが……)しつつ、仏祖の待つ大雷音寺へと到着。そして仏祖から経典を授けられ、唐の太宗のもとに持ち帰ったのでした。下の画像は唐僧が太宗とともに説法を行っている場面ですが……



3年前に見た西安の法門寺の参道を思い出させる構図です(^^;)



中国人のイメージする極楽浄土というのがそういう感じなのねと得心した次第です。

【総括】

ということで唐僧一行の長い旅もようやく終わったわけですが、取り敢えず原典通りに話を進めるという方針が悪い方向に出ちゃったなあと…… 『西遊記』は四大奇書の中でも一番原典通りにやってはいけない作品なのではないかという印象すら受けました。

なるべくアレンジを加えずに原典通りにやるという方針になったのは、おそらく数年前に日本の香取慎吾主演のドラマ『西遊記』が原典を尊重していないということで、大陸で猛烈なバッシングを受けたことが影響しているのではないかと思われます。しかし実際のところ、中華圏のいつもの『西遊記』、すなわち「大鬧天宮」の話が全体の半分近くを占めていたり、唐僧や八戒が決してメインキャラではないドラマの方が見ていて面白いですよね(´・ω・`)
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張紀中版『西遊記』その9

2012年06月13日 | 中国古典小説ドラマ
張紀中版『西遊記』第49~54話まで見ました。

比丘国の一件が解決した後、山林でいつものごとく妖怪の化けた美女が生き埋めにされているのを、これまたいつものごとく唐僧が悟空の忠告を無視して救出。付近の寺まで同行させます。彼女の正体は鼠の精の地湧夫人。小坊主が寺の鐘を撞くのが気に食わないらしく、寺では夜な夜な鐘撞き係の小坊主が相次いで殺害されるという事件が発生。

それを地湧夫人の仕業と察した孫悟空が彼女を追い詰めようとしますが、逆に出し抜かれて唐僧を攫われてしまいます。彼女はもともと仏祖のいる大雷音寺の鼠で、唐僧の前世の金蝉子(すなわち仏祖の二番弟子)から油を恵んでもらったことがあって彼に惚れてしまい、下界にくだって唐僧との結婚を機会を狙っていたのでした。彼女に「ねえ、前世のこと覚えてる?」と聞かれて「そう言えば……」と何となく思い出してしまう唐僧もさすがです(^^;)

しかし天上から彼女の義父にあたる托塔天王と義兄の哪が駆けつけ、泣く泣く唐僧を解放することに…… その後は国王が1万人の仏僧を殺害するという願掛けをしている滅法国へ。宿屋の女将が八戒を見て「キャー!和尚よっ」と叫んでますが、そこは「キャー!妖怪よっ」が正しい反応ではないでしょうか。今までだとみんなそういう反応でしたし……

ここで以前に滅法国王妃が仏僧と浮気していたのが国王にバレ、仏僧が処刑されたのに絶望した王妃が「国王はいずれ大唐からやって来る高僧によって和尚にされてしまうだろう」という呪いの言葉を吐いて自害するというオリジナルエピソードが挿入されてますが、元の話とあんまりうまく繋がっていない感じです。

その後は唐僧が南山大王に攫われるという話を差し挟みつつ、一行は3年もの間旱魃に見舞われているという鳳仙郡へ。「雨を降らせるなんてたやすいものよ!」とばかりに四海龍王や玉帝のもとに雨乞いに向かう悟空ですが、そこで3年前に鳳仙郡の太守が無礼をはたらいたことに激怒した玉帝の命により鳳仙郡への降雨が停止されているという驚愕の事実が発覚。玉帝の大人げのなさに泣ける(´;ω;`)
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張紀中版『西遊記』その8

2012年06月07日 | 中国古典小説ドラマ
張紀中版『西遊記』第43~48話まで見ました。

朱紫国の一件が無事(結局王妃の金聖宮娘娘が王宮を出て行ってしまったので無事というわけでもないのですが……)解決し、旅を続ける一行。珍しく唐僧が托鉢に出たところ、うっかり蜘蛛精が化けた美人7姉妹にとっつかまってしまいます。久々の女難ネタですが、美人と言いつつ末っ娘だけがスタイル的にも顔的にも残念……というのはツッコんではいけないことなのでしょうかw

姉妹が川で水浴びしている所を鳥に化けた悟空が服を奪い取って困らせますが、そこでここぞとばかりにセクハラ行為に励む八戒。八戒さんは今日も通常運行です(^^;) しかしその悟空も蜘蛛精姉妹が助っ人として頼った多目怪に太刀打ちできず、最終的に毘藍婆の協力を得て7人姉妹と多目怪を収服。毘藍婆は鶏の化身の昴日星官のおかんで、多目怪は蜈蚣の化身なので、蜈蚣が天敵の鶏にやられるという構図ですね。

その後一行は獅駝山にさしかかり、悟空が山の主の三魔王を痛めつけて山を通過することになりますが、降参したはずの三魔王が途中で掌を返して唐僧を拉致。唐僧が三魔王らに食べられてしまったと誤解した悟空が絶望して仏祖(お釈迦様)のもとに怒鳴り込みますが、そこで三魔王が例によってそれぞれ菩薩の騎乗であったことが判明。「またこのパターンかよ!てめえらはどんだけオレたちに試練を与えれば気が済むんだよっ!」と激怒。正直この場面は怒っていいと思います(´・ω・`)

仏祖・文殊菩薩・普賢菩薩が直々にお出ましになって三魔王を収服した後、一行は比丘国へ。ここでは国王が妖怪の化けた国師と寵姫に唆され、不老長生の薬を生成するために1111人の子供を捕らえて犠牲にしようとしておりました。妖怪たちは更に例によって「唐僧肉」をゲットしようと、唐僧を宮殿に召し出しますが……
コメント (6)
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