博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

張紀中版『西遊記』その7

2012年05月30日 | 中国古典小説ドラマ
張紀中版『西遊記』第37~42話まで見ました。

牛魔王の一件が解決した後、一行は祭賽国金光寺に到着しますが、寺の僧たちは3年前に国の宝である仏舎利が盗まれてしまったことにより、国王から責めを追わされておりました。悟空は仏舎利を盗んだのが万聖龍王の婿の九頭駙馬であることを知り、九頭駙馬や万聖龍王に戦いを挑むことに。しかしこの九頭駙馬、ピンチになったら岳父の龍王を見殺しにしたりと、行動がいちいちDQN臭いw

そして窮地に追い詰められた九頭駙馬は正体を現し、キングギドラというかヒドラというか八岐大蛇のような怪獣となって逆に悟空らを追い詰めますが、たまたま近くまでやって来ていた二郎神らの協力によって退治し、仏舎利の奪還に成功。

その後は仏祖(お釈迦様)の雷音寺をまねた「小雷音寺」なる怪しげなお寺に到達し、悟空が止めるのも聞かずに寺を訪ねた唐僧は、仏祖に化けた妖怪黄眉大王に捕らえられてしまいます。……悟空の制止を振り切って妖怪の巣にむざむざ飛び込んで囚われの身になる……前にもこういう展開がありましたよね?(´・ω・`)

おまけに黄眉大王の持つ金鐃や人種袋に苦戦を強いられる悟空ですが、大王がもともと弥勒菩薩(中国の弥勒菩薩なので布袋さんです)に仕える童子であったことが明らかとなり、主人の弥勒菩薩によってお縄に。

ついで舞台となるのは朱紫国。ここでは王妃の金聖宮娘娘が賽太歳という妖怪に攫われてしまったことが原因で、国王が長い間病に伏せっていたのでした。国王の病を治療すると称して謁見した悟空はその事情を明かされ、王妃奪還を依頼されますが…… 悟空が国王に差し出す丸薬に小白龍(唐僧の騎乗の白馬)の尿を混ぜようとして、小白龍から「私の尿には色々ありがたい効能があるんですから、人間ごときには差し出せません!」と拒否されるのがおかしい(^^;)
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張紀中版『西遊記』その6

2012年05月23日 | 中国古典小説ドラマ
張紀中版『西遊記』第31~36まで見ました。

西梁女国を抜け出したはずが、また舒暢演じる女王が出て来たと思ったら、その正体は唐僧に一目惚れしてしまって彼を誘惑すべく女王に化けた蠍子精でした\(^o^)/ で、その蠍子精に攫われて「死にたくなかったら私と結婚しな!」と迫られてしまう唐僧。つくづく女難と縁が切れない坊主だなと(^^;) その蠍子精も何だか偉そうな鶏の化身の昴日星官に退治されてしまいますが、彼女は本当に唐僧を愛していたというオチに。このドラマでは妖怪の異性の人間に対する感情はみんな純愛ということになってるのか……

その後は俗人を打ち殺したということで、悟空が唐僧から二度目の破門を言い渡され、そのドサクサに紛れて悟空の偽物が登場。唐僧や八戒・悟浄はもちろん、こういう時に頼りになるはずの観音菩薩すらもどちらが偽物か見抜けないということで、いろんな神仏にたらい回しにされた挙げ句、最後にはお釈迦様が偽物の正体が六耳獼猴だと見破りますが、六耳獼猴の造型は何だか『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムのようです。

六耳獼猴の一件が片付いた後、一行は灼熱に包まれた火焔山に到来しますが、そもそも火焔山が出来たのは悟空が五百年前の「大閙天宮」の折りに太上老君の八卦炉を破壊したのが原因ということで、彼が責任を持って火消しをせざるを得ない状況に…… 

火焔山の火を消せるのは芭蕉扇のみということで、芭蕉扇の持ち主の鉄扇公主(羅刹女)とその夫の牛魔王が登場。と言っても牛魔王は若い女狐の玉面公主とよろしくやっており、鉄扇公主とはすっかりご無沙汰。その隙を突いて悟空が牛魔王に化けて鉄扇公主から芭蕉扇を騙し取ろうとしますが、彼女から甘えられてどう対応したものか戸惑う悟空が見ていておかしい(^^;)

で、最終的に悟空らと牛魔王・鉄扇公主との戦いとなるわけですが、天界から托塔天王らが援軍に駆けつけ、牛魔王夫婦が追い詰められていきます。一粒種の紅孩児を観音菩薩に拉致られ、夫が若い女に浮気するといった修羅場を経ても土壇場で互いをかばい合う牛魔王と鉄扇公主。こんな所で夫婦愛を見せつけられるとは(´;ω;`)
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張紀中版『西遊記』その5

2012年05月13日 | 中国古典小説ドラマ
張紀中版『西遊記』第25~30話まで見ました。

紅孩児の一件が片付いた後、一行は車遅国へ。この国では旱魃に苦しめられていたのを道士の羊力大仙・虎力大仙・鹿力大仙が雨乞いによって救い、雨乞いができなかった仏僧たちが国王の命によって奴隷の身分に落とされ、労役に駆り出されておりました。そこで唐僧が羊力大仙らとの雨乞い勝負に臨んで仏僧たちを救おうとしますが…… このエピソードでは悟空を演じている呉樾さんらが素顔で登場します。これでようやく呉樾が本当に悟空を演じているのだと確信が持てました(^^;)

で、悟空が四大龍王らを動員して雨乞い勝負を勝利に導き、羊力大仙らの正体を暴いた後は、霊感大王と呼ばれる魚の妖怪に子供たちを生け贄に捧げることを強要されているという村人たちと出会いますが、この霊感大王の着ぐるみ感が半端ないw



CG全盛の中国ドラマでここまで着ぐるみらしい着ぐるみを見たのはいつ以来でしょうか(^^;) この霊感大王が実は観音菩薩の飼育していた金魚が下界に逃亡したものだったというオチになるわけですが、観音菩薩のうっかりミスが原因で何年もの間子供を生け贄に捧げるハメになった村人の立場にもなってもらいたいものです(´・ω・`) そのことを悟空に指摘され、さすがの観音も弱り顔ですが……

霊感大王が観音菩薩に回収されていった後は、今度は唐僧が独角兕大王に攫われ、しかも大王の持つお宝「金剛鐲」によって金箍棒を奪われてしまって手も足も出ず、手助けを求めに天界へと向かう悟空でしたが、「えーマジで妖怪に武器を奪われたの!?」「そんなヘマが許されるのは小学生までだよね!」「キャハハハ」と、ここぞとばかりに玉帝をはじめとする天界の面々に嘲笑されてしまいます。しかし援軍に駆けつけた哪らも同様に武器を奪われてしまい、最後は独角兕大王の主人である太上老君がお出ましになって解決。

その後は女性だけの国である西梁女国に至り、唐僧と猪八戒が飲んではいけない川の水を飲んで赤子を孕んでしまったり、唐僧が西梁女国の女王の婿にされかかったりといった事件が発生。西梁女国の女王は金庸ドラマなどでお馴染みの舒暢が演じているということで、女王と唐僧との絡みはちょっといい話っぽいエピソードに仕上がってます(^^;)

このドラマ、全60話なので、ここまででようやく全体の半分です。まだまだ先は長い……
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張紀中版『西遊記』その4

2012年05月04日 | 中国古典小説ドラマ
張紀中版『西遊記』第19~24話まで見ました。

黄袍怪の一件が無事解決した後は、日本のドラマ版などでもお馴染み金角・銀角が登場。しかし2人の名前がなかなかセリフで出て来ないので、こいつらが本当に金角・銀角なのか途中まで確信が持てず…… このあたりテロップで登場人物(人じゃないのもたくさんいますが……)の名前を出すなり、もう少し工夫が欲しいところ。

悟空が金角・銀角に攫われた唐僧を救出した後は、今度は自分そっくりに変身した国師に井戸に突き落とされ、国王の位を乗っ取られてしまった烏鶏国王の霊に「偽国王の正体をあばいて欲しい」と嘆願されてしまう唐僧。唐僧から話を聞いて「そんなのほっときゃいいじゃないですか!オレたちに何の関わりもねーし」と面倒臭げに反応する悟空らにワロタw

しかしその悟空らも唐僧の命でイヤイヤながら烏鶏国王の遺体を探し当てて魂を甦らせ、偽物の正体あばきを手助けすることになるわけですが、偽国王の方は正体がバレると獅子吼で周りの人間を気絶させ、別の人間に変化→正体がバレると獅子吼で~を繰り返し、キリがないw そして最後は文殊菩薩が現れ、偽国王の正体が菩薩の乗り物の青毛獅子であったことが判明し、一件落着。

このドラマ、ここまで割と原典に忠実に話が展開しているわけですが、そろそろ本格的に、妖怪が出て来る→悟空らが苦戦→最後は観音とかが助けに出て来て解決というパターンに飽きてきました。今までのドラマ版はこのあたりワンパターンにならないようにそれなりに工夫していたんだなとしみじみ……

で、話に飽きてきた頃にいよいよ大物の紅孩児が登場。当然の如く部下の妖怪も子供です(^^;) この紅孩児が自分の兄弟分の牛魔王の息子ということで、最初は余裕綽々の悟空でしたが、紅孩児の三昧真火に苦戦を強いられ……
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