博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『大秦直道』その1

2011年08月29日 | 中国歴史ドラマ
大陸でお蔵入りした歴史ドラマシリーズ第二弾ということで、『大秦直道』(邦題:始皇帝 勇壮なる闘い)第1~6話まで鑑賞。内容は邦題の通り秦の始皇帝の時代を描いたものですが、始皇帝物のドラマは呉越物と同様に世にありふれているということで、差別化のために今回のドラマでは秦の直道、すなわち都の咸陽から匈奴との戦いの前線である九原までをつなぐ軍用高速道路の建設をメインテーマに据えています。

将軍蒙恬は前線で匈奴との戦いに励んでいましたが、毎度のように食糧不足に悩まされておりました。そんな中、蒙恬の副将魏青山が都からの食糧運搬隊の誘導に失敗して死罪を命じられるという事件が発生。しかし蒙恬は、魏青山が直道建設を見据えて密かに地図を作っていたことを知り、魏青山の赦免を画策。

始皇帝が直道建設に興味を示したということで、蒙恬は父親の蒙武・弟の蒙毅とともに直道建設を猛アピール。一方、丞相の王綰は直道建設に難色を示し、分封制(封建制)の復活のために国内の馳道の整備を主張し、蒙氏一族の台頭を快く思わない趙高も王綰側に肩入れします。王綰は李斯を味方に引き入れて分封制復活にはずみをつけようとしますが、肝心の李斯は始皇帝の意が郡県制の維持と直道建設にあると察知し、土壇場で直道建設賛成派に鞍替えし、朝議の場での論争に敗れた王綰は引退を迫られることに。

これで直道建設が始まるかと思いきや、趙高の画策で始皇帝は今度は驪山陵の建設に興味を示し始め、直道と驪山陵の図面を比較してどちらを着工するか決定すると言い出し……

ということで、匈奴との前線パートと咸陽の宮廷パートの二手に分かれてストーリーが展開していくのですが、宮廷パートのシナリオが『史記』を読み込んだうえで作られている形跡があり、一定のクオリティを維持しているのに対して、前線パートの方は蒙恬の副将で趙高と結託した韓騫とその甥韓成が魏青山を毒殺しようとするというどうでもいいエピソードを2回繰り返したりと、なかなかに展開がヘボく、両パートのシナリオの出来不出来の落差が酷いことになっています(^^;) 

今回も『春秋淹城』と同じく日本語版をレンタルしての鑑賞となるので、以後ダレ場が続くようなら鑑賞をやめるという方針で行きたいと思います。
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『剣雨 レイン・オブ・アサシン』

2011年08月28日 | 映画
昨日ジョン・ウー監督の武侠映画『剣雨』(邦題:レイン・オブ・アサシン)を見て来ました。

時は明代。謎の組織「黒石」は宰相張海端の屋敷を襲撃し、手に入れた者の望みを何でもかなえるという達磨大師の遺体を奪取しようとしますが、ミシェル・ヨー演じる「黒石」の女刺客細雨が達磨大師の遺体を持ち逃げしてしまいます。その後細雨は整形手術をして曽静と名を変え、市井に紛れて新しい人生を送っていたところ、チョン・ウソン演じる配達人江阿生に惚れられて結婚。しかし平凡で幸せな生活は長く続かず、転輪王率いる「黒石」の面々に行方を突き止められてしまい……

この映画のキーワードは「整形・宦官・生き埋め」だと事前に聞いていたのですが、ホントにその3つが主要要素になってました(^^;) アクションなど出来自体は悪くないと思うのですが、その3要素を含めて様々なツッコミ所が……

例えば、そう毎日夕立ばかり降らんやろうとか、(曽静が街角で布を売っていたところ、夕立に降られ、そこへ江阿生が駆けつけて布を片付けるのを手伝うというシーンが5回ぐらいある……)達磨大師の遺体の力で立たなくなった足が再び立つようになるというのはともかく、一旦切った×××をもう一度再生させるのはさすがにムリやろうとか、心臓の位置が普通とは逆なので左胸を指されても死なないって、聖帝サウザーかよ!とか……

もっとも、『天地英雄』(邦題:ヘブン・アンド・アース)では仏舎利の力で死んだはずの人間が一瞬生き返ったりしてましたので、お釈迦様の骨にそのぐらいの力があるなら、達磨大師の遺体に×××を再生させる力があったとしても何の不思議もないのかもしれません(^^;)
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『春秋淹城』その5(完)

2011年08月24日 | 中国歴史ドラマ
『春秋淹城』第25~最終30話まで見ました。

結局范蠡との父子の情にほだされ、越に米を融通した公孫宇ですが、この越との取り引きとこれまでの赤字経営が引き金になって米屋は閉店。阿約の茶店も借金のカタに人手に渡ってしまいます。

そこへ追い討ちをかけるように淹国でイナゴが大発生し、しかも子丹の命令で農家の男手が労役に取られていたことにより、対処ができないまま大凶作へ。仕方がないので子丹が米を融通してもらおうと公孫宇のもとを訪れたところ、越との米の取り引きが発覚し、越と結託して淹を窮地に陥れたということで公孫宇を捕らえてしまいます。イヤ、そもそも子丹が融通を利かさずに労役をゴリ押ししたのがあかんかったのとちゃうの?完全にとばっちりじゃないですか!おかしいですよこんなの(´・ω・`)

伯淹もこんなのおかしいと思ったのか、公孫宇は死罪になるところを罪一等を減じられて労役刑に就くことに。で、亡母の副葬品であった淹国累代の宝物の青銅盤と引き替えに楚の昭王に食糧援助を求めることにします。伯淹は子丹を監国に指名し、自ら楚国へと赴きますが、昭王に散々嘲弄され、お供の碧蓉とともに非業の死を遂げることになってしまいます。

その頃淹国では食糧不足の不満を抑えるべく、子丹が募兵に応じた若者に食糧を多めに支給するという無茶な政策を実施して周囲からドン引きされたり、(このあたり、伯淹の人を見る目もどうなんだろうという気が……)羅敷が子丹の反対を押し切って公孫宇を釈放したり、子丹が越から嫁いできた伯淹の後妻芙蓉に迷魂散(媚薬)を飲まされかけたりしています。このドラマは歴史ドラマなので、寸手のところで迷魂散を飲まずに済むのですが、これが武侠ドラマだと迷魂散を飲まされるという展開になるというわけですね(^^;)

で、楚国が食糧援助に来たと見せかけて淹国に侵攻。伯淹らの死を知り、決死で抵抗する淹軍ですが、そこへ更に漁夫の利を狙うべく呉軍・越軍も到来。三カ国ともいちいち君主が親征しているのがツッコミ所ですが、ここで三カ国の軍隊が睨み合いを始めて楚と淹との戦いは一時休戦。羅敷はそこで楚の昭王・呉王夫差・越王句践を招いて和議を開くことにしますが……

【総括】

ということでこの作品、全30話と古装片としては比較的短くまとまった作品でしたが、途中でダレ場もなく、(かといって展開が早いわけでもなく、ちょうどいい塩梅で話が進んでいきます)駄目な意味でのツッコミ所もそれほど目に就かず、淹というほとんど架空の国を舞台としながらもそれが春秋期の呉・越・楚の対立という史実とうまく融合しておりと、かなり良質の歴史ドラマに仕上がっております。それほど期待もせずに見始めたので、思わぬ拾い物といった感じです。

しかし聞くところによると、何が悪かったのかこのドラマは大陸ではテレビ・ネットでの放映やDVD販売がされず、お蔵入りになってしまっているとのこと。もともと中国国内の観光客を江蘇省の淹城遺址に誘致するためのドラマだったのでしょうし、これは制作スタッフやスポンサー的にかなり涙目な事態ではなかろうかと思います(^^;)
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『春秋淹城』その4

2011年08月19日 | 中国歴史ドラマ
『春秋淹城』第19~24話まで見ました。

越軍との戦いに敗れた呉王闔閭は、足を負傷して這々の体で淹城に逃げ込みますが、実はこれも越の策略のうち。呉王闔閭が淹の領内で死ねば淹と呉との関係悪化は避けられず、淹は越と同盟せざるを得なくなるという算段。ここで越の難民の振恤にあたっていた羅敷が、それと知らずにうっかり闔閭一行と接触し、食糧や薬を差し入れますが、越の刺客に襲撃された闔閭は淹から逃亡し、呉の領内に到達すると同時に絶命。その後、呉では太子波が夫差によって謀殺され、夫差が王位を継いで越への復讐を誓います。

一方、淹国では闔閭に刺客を放ったのが公孫宇ではないかと疑われ、公孫宇は心ならずも再び宮廷を追われることに。しかし老子の哲学を身に付けた彼は地位や身分に連綿とせず、商人として第二の人生を歩み始めます。ここでわざわざ義父范蠡の人生を先取りしなくてもいいじゃないかという気もしますが(^^;)

で、馴染みの茶屋の若女将阿約から資金を融通してもらい、米屋を開業しますが、阿約はそのために店を担保に借金までしたとのこと。やはり公孫宇が女を騙すタイプと見た私の目に狂いは無かった!(この時代に米屋という商売があったのかとか、店を担保に借金という制度があったのかというツッコミはこの際置いといてくださいw)

令尹の盧常は急に楚国と連絡がつかなくなったことで動揺し、(実はこれは楚の策略なのですが)今まで反対していた娘と軍人木墩との結婚を承諾し、木墩を鉄砲玉に仕立てて伯淹暗殺を目論見ますが、肝心の木墩が拒否。おまけに楚国では盧常の暗殺計画をリークして淹国を混乱させようと画策。きたないな、さすが(以下ry

越は淹との同盟を推進するため、伯淹に句践の義妹芙蓉(その正体は単なる越の宮女なのですが)との結婚を強要。伯淹はそのために相思相愛であった女将軍碧蓉との結婚を諦めざるを得なくなり、それが原因で芙蓉は輿入れ当初から淹国宮廷で微妙な立場に立たされることに…… 句践が謀略のために美女を外国に派遣するという展開も、西施の話を先取りしてますね(^^;)

越では更に呉との会戦後に凶作に見舞われ、淹に食糧調達に出向いた范蠡はたまたま公孫宇の米屋に立ち寄り、彼に米の取り引きを持ちかけますが……

ということで、この作品は前にも触れたように春秋時代のほとんど架空の国淹国を舞台としているわけですが、架空の存在を史実に落とし込むのが絶妙にうまい。このドラマの脚本家はネ申!! 
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『春秋淹城』その3

2011年08月14日 | 中国歴史ドラマ
『春秋淹城』第13~18話まで見ました。

何とか伯淹との面会に漕ぎ着けた公孫宇。越・楚の侵攻を防ぐため、越に対しては隠居している孫武を捜し出して総大将の石買を説得してもらうことにし、楚に対しては、周の天子に桑の実を献上して「聖果」に認定してもらい、楚王への無礼を帳消しにするという計略を提案。そんなのが計略になるのか?という疑問はひとまず置いといて下さい(^^;)

で、子丹が孫武の捜索にあたることになり、首尾良く山中で木こりとなっていた孫武と遭遇。ともに石買の陣へと向かい、孫武の説得によって石買は軍の撤退と隠居を承諾。しかし孫武が内功で兵士をぶっ飛ばしたりと武功高手ぶりを発揮していてワロタw

一方、周へは公孫宇が向かうことに。周の敬王は献上された桑の実の酒をお気に召し、公孫宇は桑の実を「聖果」、桑の実の酒を「聖酒」とするという勅書をゲットします。しかし周の宮廷が見る影もなくさびれているのですが、この時代周王朝はまだここまで落ちぶれてなかったと思うんだ…… そして周の書庫で公孫宇は蔵書係を務めていた老子と遭遇。……このドラマの脚本家、取り敢えずこの時代の有名人を出しときゃいいと思ってんな(^^;)

楚の宮廷では桑の実が無礼な贈り物ではなくなったということで、渋々盧常を釈放。この時に盧常が楚の昭王に自分の野心をぶっちゃけたところ、楚の昭王が盧常に自分の家来となるよう強要し、しかも盧常が淹の国君となった暁には淹を楚の属領にすると宣言し、盧常が国君となったところで何の旨みもないという状態に…… その頃、伯淹と羅敷はたまたま淹城を通りかかった孔子とその弟子御一行様と出会っていた。……イヤ、だからこの時代の有名人を出しときゃいいというものでは(以下ry

ともかく楚と越の侵攻を未然に防いだということで、公孫宇は伯淹より上大夫に任じられ、子丹とともに淹城の治水工事にあたることに。

そして1年後。淹城の「三城三河」が完成したということで、呉・楚・越など各国の人士を招いて式典が開かれます。伍子胥・范蠡・申包胥のほか、孫武・老子・孔子も祝いに駆けつけますが、フィクションとは言え、伍子胥と申包胥が談笑しているのを見ると胸が熱くなってきますね。この時に孫武が子丹とともにその兄嫁を訪ね、子丹の亡兄子凡がかつて孫武の部下で、当時の呉王僚の暗殺に関わって命を落としたことが明らかとなります。

で、式典の最中に越国では越王允常が薨去し、范蠡が急遽帰国。呉国ではその隙を突き、呉王闔閭が越への親征を謀りますが……
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『春秋淹城』その2

2011年08月09日 | 中国歴史ドラマ
『春秋淹城』第7~12話まで見ました。

公孫宇のもとに奉公することになった子丹ですが、その子丹に会うために羅敷が公孫宇の屋敷に通い詰め、2人がイチャつくのを見せられて「リア充爆発しろ!」と苛立ちが隠せない公孫宇(^^;) 

しかしその子丹の傘に鄭の子産が伯淹に送った手紙が縫い付けられているのを発見。その手紙を子丹が伯淹に献上したことから、公孫宇が越のスパイであることが明るみに出て淹国から追放されることになったのでした。実は公孫宇、鄭の子産の子孫というのもウソで、本名は范戌。義父の范蠡の命により子産の子孫になりすまして淹国にやって来たのでした。子産の手紙は子丹の兄嫁が行商人から買った靴の底に縫い付けてあったものを、更に傘を補強するのに流用していたものですが、子産の手紙がなぜそんな所に紛れこんでいたのかはこのドラマ最大の謎かもしれません(^^;)

伯淹は子産の手紙にあった治水図に従ってかねてからの懸案であった淹城の治水工事を進めることにし、子丹を工事の現場監督に抜擢。現場でめきめきと頭角を現した子丹は更に司空に任命されます。

一方、追放になったはずの公孫宇は出立間際に令尹(宰相)の盧常が接触してきたことに不審を覚え、密かに淹国に残留することにし、仲良くなったお茶屋の若女将阿約のもとで潜伏します。こいつ、女を騙すタイプだな……

時に楚の昭王が誕生日を迎えるということで、呉・越・淹の3カ国はそれぞれ使者を派遣して贈り物をしますが、淹の使者となった盧常は密かに贈り物を宝物から桑の実にすり替えて楚王に献上。中身を見て激怒した昭王は盧常を監禁します。実は淹国ではその昔魚族と奄族2つの部族に分かれて支配権を争い、結局周王朝の支持を得た奄族が淹国の支配者となり、国君の地位が今の伯淹の代まで受け継がれてきたわけですが、盧常は敗れた方の魚族の王の子孫で、淹国国君の地位を奪う機会を虎視眈々と狙っていたのです!……いや、そんな設定を語られても(´・ω・`)

そして越国では太子句践が王位継承を円滑に進めるべく、自分と仲のよろしくない大将軍石買を楚の使者として追いやった挙げ句、帰国する暇もなく淹国征伐を命じます。そして潜伏を続ける公孫宇は、范蠡から越国の侵略を伯淹に注進するよう命じられますが…… ということでこのドラマ、普通におもろいですね。

【おまけ】



世にも珍しい竹簡を虫干しするシーン。



そして子丹が公孫宇の竹書を雨に濡らした挙げ句バラバラにしてしまい、元通り紐で綴じるよう命じられて途方に暮れているシーン。錯簡というのはこうやって発生するわけですねw
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『春秋淹城』その1

2011年08月05日 | 中国歴史ドラマ
『逆水寒』をほっぽり出して『春秋淹城』を見始めました(^^;) 今回は日本語版DVDをレンタルしてきて見ているのですが、邦題が『三国争乱 春秋炎城』となかなか酷いネーミングなので、このブログでは原題の『春秋淹城』の方で通します。ということで今回は第1~6話まで鑑賞。

物語の舞台となる淹国は太湖のほとりにあり、呉・越・楚の南方三大国に囲まれた小国。要衝に位置するということで大国の脅威にさらされつつも、これまで城主の伯淹をはじめとして人々は慎ましやかな生活を送っておりました。そこへ鄭の子産の子孫と称する公孫宇が淹国に仕官にやって来ます。この公孫宇を演じるのが『神雕侠侶』の尹志平、『碧血剣』の李巌役などでお馴染みの程皓楓ですが、この人、ヒゲ面が似合いませんね(´・ω・`)

時に淹国の桑樹墩では、伯淹の一人娘羅敷(これまた武侠ドラマでお馴染みの舒暢が演じてます)が身分を隠して暮らしておりましたが、桑樹墩の桑の葉をめぐる紛争から、彼女が村の青年の賀子丹とともに呉国の軍隊に捕らえられるという事件が発生。公孫宇は5匹の鶏を手土産に呉軍と交渉して2人を解放させ、淹国で信望を得ることになりますが、実はこの公孫宇、越の范蠡の義子で、越国のために淹国を盛り立てて呉国と対抗させるという任務を授けられていたのでした。

その呉国で淹国討伐の動きが持ち上がり、太子波が大将として進軍して来ますが、公孫宇は淹国が折から大雨に見舞われているのに目を付け、洪水を利用して呉の進軍を阻む計略を提案。そのために敢えて桑樹墩の治水を行わず、村を犠牲にすることに。太子波が元々厭戦的だったのもあって和議には成功しますが、桑樹墩に羅敷と子丹が取り残されていることが明らかとなり、窮地に陥る公孫宇……

しかし羅敷と子丹は自力で鉄砲水から逃れ、見捨てられた形の桑樹墩の村人達も村の役人の阿毛の機転によって避難に成功。結果オーライということで公孫宇は大夫に取り立てられます。そして子丹は公孫宇もとで奉公することとなり……

ということで、大陸ではお馴染みの呉越物です。21世紀に入ってから一体このテーマで何本ドラマを撮ってるんやとツッコミたくなりますが、この作品では新機軸として、江蘇常州に実在する淹城遺址をストーリーに絡ませています。そう、物語の舞台となる淹国はこの淹城遺址から着想されたほとんど架空の国なんですね。本作には観光地ムービーとしての要素もあるわけです。

シナリオ面でも史書に見える話をうまく取り入れていて良い感じです。冒頭の羅敷と子丹が呉軍に捕らえられる話は、『史記』に見える呉楚の村の女が桑の葉をめぐって諍いをおこしたことから両国の戦争が始まったという話がアレンジされています。『逆水寒』と比べると段違いで安心のクオリティではないか!ということで、しばらくこっちを見続けることにします。
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