博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『大決戦』その3

2021年08月19日 | 中国近現代ドラマ
『大決戦』第21~28話まで見ました。

国民党側が確保する長春で食糧不足が喫緊の問題となり、民衆が兵糧を略奪しようと暴動を起こします。そして長春を守る第60軍と新七軍が共産党側に降伏し、長春が陥落。


蔣介石のもとに長春の司令官鄭洞国が自殺して殉国したという情報が伝わった後、それは誤報で実は部下に促されて彼も投降していたとわかると模範的な軍人から裏切り者に評価が一変 (^_^;) 結局国民党側の公式発表では自殺して殉国したことにされてしまうのですが……


そしてこのあたりで唐突に登場する鄧小平。

その後も蔣介石が錦州奪回にこだわって現場に困惑と混乱をもたらしたこともあり、遼西での戦いも共産党側が勝利。更には東北の中心都市瀋陽が陥落し、三大戦役のひとつ遼沈戦役は共産党の勝利ということで決着。

総司令の衛立煌はいち早く飛行機で現地から脱出しようとしますが、その行動は南京の蔣介石にバレバレで、電話で叱責されるのでした。現地住民を置き去りにしてエライ人だけが飛行機で逃亡というのは、目下のアフガン情勢で見られる光景とも重なりますね。

そして蔣介石はアメリカ大統領選挙で自分たちとつながりの深いデューイが当選すれば、アメリカからの支援が存分に得られると皮算用をしていましたが、トルーマンが当選したとの報が届き…… 天はどこまでも総統に試練を与えます。

東北方面は共産党側に押さえられましたが、次なる戦いの舞台は華東。ということで三大戦役の二番目淮海戦役の火蓋が切って落とされます。


そして徐州でも国民党側の司令官何基灃と張克侠がともに語らって共産党側に降伏。兵士とともに橋を走って渡り、共産党側の陣地へ。画像では伝わりにくいですが、画面の奥から手前に走ってくる演出が無駄にカッコいいw
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『隠密的角落』

2021年08月12日 | 中国近現代ドラマ
『隠密的角落』全12話を見ました。『バッド・キッズ』の邦題で既にWOWOWで日本語版が放映済みなのですが、原作小説の日本語版(『悪童たち』というタイトルで全2冊、ハヤカワ文庫から出てます)を読んだので、ついでにということでドラマ版も見てみることに。


物語は中学生の少年朱朝陽(右端)のもとに、その幼馴染みで孤児となって故郷を離れていた厳良と孤児仲間の少女岳普が訪ねてきたところから始まります。3人は記念にということで地元の名所六峰山に遊びに行き、頂上でビデオカメラで記念撮影をしたりしてましたが……


そこで少年宮(日本にはない施設なのですが、取り敢えず青少年文化センターのようなものと考えてください)の数学講師張東昇が妻の両親を崖から突き落とす様子がバッチリ映像として収められておりました。

これを警察に突き出すかどうか逡巡する3人ですが、岳普の弟の手術費用を賄うための手段とすることにし、張東昇と接触して映像を記録したカードと引き換えに30万元の現金を要求します。

これだけで話が終わらず、張東昇は妻の殺害にも手を染め、朱朝陽らは偶発的事故とはいえ、少年宮で朝陽の異母妹(離婚した父親と後妻との間の子)を事故死させてしまいます。それぞれ泥沼にはまっていく彼ら。そして少年たちと張東昇との間には信頼関係のようなものが芽生えていきますが、あることをきっかけに関係が破綻し……


ということで原作の筋もある程度拾ってますが、オリジナル要素の強い作品となっています。厳良(これも原作では丁浩で、厳良は作中の別の人物の名前なのですが)の後見人を自認する老警官陳冠生など、オリジナルキャラも登場します。

原作小説は割と救いのないダークな締め方なのですが、ドラマの方は良くも悪くも日本の刑事物のような締め方となっています (^_^;)
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『大決戦』その2

2021年08月04日 | 中国近現代ドラマ
『大決戦』第11~20話まで見ました。


共産党側は山東省の首府済南を陥落させます。これが省都を奪われた最初の例ということで、蔣介石は衝撃を受けます。東北でも錦州郊外の白老戸頭で決死の攻防が繰り広げられます。こちらは国民党が攻める側となりますが、共産党側は戦車部隊の猛攻に耐えつつ防衛に成功。


危機感を覚えた蔣介石は軍幹部たちを集め、作戦会議をするのかと思いきや自著の『剿匪手本』の朗読を始めます。幹部たちは困惑しつつも朗読が終わると拍手をしますが、当の蔣介石は「拍手などいい」「お前ら真剣に聞いていなかっただろう?」と、ひとしきり説教を始めます。このドラマの蔣介石、割と「こんな蔣介石はイヤだ」という人物像を体現しております (^_^;)


白老戸頭の勝利を受けてハルビンから錦州へと列車で移動を開始する林彪。中の人は陳独秀の生まれ変わりです。腰が重く、自分の娘を叱りつけた時は周りから「子どもは打つくせに錦州は打たない」などと嫌味を言われたりしてました。しかし列車に乗り込んでも「状況が変わった」など言い出して列車を停止させ、遅々として進みません。


そして共産党側はやはり錦州近郊の義県を陥落させますが、東北民主聯軍(共産党側が元の満州国の地域で結成させた軍隊)の砲兵司令の朱瑞が地雷を踏みつけて爆死してしまいます。この情報を受けた林彪はようやく錦州への直進を決意。

一方、北平では国民党の人士がパーティーで朱瑞の死を祝ったりしておりますが、蔣介石が「お前たちには優れた敵将に対するリスペクトがないのか」「我々は朱瑞に学ぶべきだ」と静かに怒りを示し、お祝いムードに水を差し、朱瑞の冥福を祈る献杯を求めます。この面倒くささがたまらないw

その後も共産党側が塔山を攻め落とすなど、錦州戦役は共産党側優位に進み、双方多大な犠牲を出しつつも共産党側の勝利が確定。国民党側の司令官范漢傑も共産党側の捕虜となります。

当然蔣介石はお怒りですが、敗戦の責任を面詰された闕漢騫は「我が軍が敗北したのは、こちらは数を恃むばかりで敵軍の方が優れていたからです」とぶちまけて拘束されてしまい……
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『大決戦』その1

2021年07月21日 | 中国近現代ドラマ
国共内戦を描いた作品で、割と評判が良いらしいということで見てみることに。全49話(予定)中第1~10話まで見ました。

新版『三国』の高希希が監督を務め、国共内戦の三大会戦、遼沈・淮海・平津戦役が見所ということなんですが、90年代に三部作構成で上映された同名の映画のリメイクドラマ版という位置づけみたいですね。

物語は1945年の日中戦争終結直後、毛沢東と蔣介石の重慶会談から始まります。国民党と共産党との会談をアメリカが仲介し、1945年10月10日に「双十協定」が結ばれますが、その裏で国民党はアメリカの軍事的支援を受けて着々と共産党との戦いの準備を進め、国共内戦の戦端が開かれます。共産党は東北に活路を求めますが、国民党との戦力差はいかんともしがたく、革命の根拠地延安からも撤退を余儀なくされ……


ということで毛沢東は毛沢東役者としてお馴染みの唐国強。いつもの主席です。


蔣介石は『琅琊榜』の言侯などでお馴染みの王頸松。止まってる絵は実物そっくりですが、動いてる所は中の人のこれまでの役柄イメージとも相まってかなり枯れた雰囲気を醸し出し、異彩を放っています。このドラマの一番の注目ポイントかもしれません。


宋美齢はこれまたお馴染みの劉濤。蔣介石とお互いに「ダーリン」と呼び合ってます。(ダーリンって男→女にも使われるんですね)高慢さとチャーミングさ、語学力など才女としての資質がうまい具合に融合されたキャラ付けになっています。

この三人が一応主役という位置づけになっているようですが、


ついでに脇役として、とある方のお父上も登場 (^_^;)


架空の老百姓キャラもメインキャラとして登場します。ここまでで中心となっているのは、共産党の女性後方部隊員の王翠雲。共産党の下士官として出征した婚約者を追って山東から東北へとやって来ますが、婚約者は戦死。そのショックを乗り越え、東北の農村で土地改革運動(すなわち地主から土地を取り上げ、農民に返す)に従事します。

今回は蔣介石が延安を視察し、共産党が国民党の占拠する長春、錦州に狙いを定めるというあたりまで。考えてみれば周恩来やら朱徳やら林彪やら共産党の人士はそれなりに馴染みがありますが、杜聿明やら陳誠やら国民党の人士なんてさっぱりですね……
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『覚醒年代』その4(完)

2021年06月09日 | 中国近現代ドラマ
『覚醒年代』第34~最終43話まで見ました。

陳独秀、李大釗は学生たちだけでなく自分たちも茶館でのビラ配りと演説などで山東問題について訴えようとしますが、瞬く間に警察の手が入り、逃げ遅れたというか逃げるつもりすらなかった陳独秀が捕縛されて投獄。五四運動については結局中国側がヴェルサイユ条約調印を拒否するという形で決着するのですが……

しかし南方政府(広東政府)からの要求により、中華民国大総統徐世昌は陳独秀を釈放せざるを得なくなります。蔡元培の差配により、以前より南方政府は陳独秀を教育部の次長として招聘して西南大学の設立準備に当たらせようとしていたのでした。


釈放を記念して宴が開かれ、陳独秀は蔡元培や李大釗らと熱い抱擁を交わします。このドラマ、やたらとこういうおっさん同志の抱擁とか、絆を深め合うためにみんなで輪になって手を繋ぎ合うとか、そういう描写が目に付くんですよね……

そして陳独秀は北京大学教授の職を辞し、南方政府の招聘に応じることを決意。善後策のために上海に赴いたり北京に戻ったりしていますが、行動が逐一警察にマークされているということで、本格的に南方への移住をすることに。李大釗に伴われて密かに天津へと向かい、天津から上海へと入ることになります。


二人は北京から天津に向かう途中で難民たちの集落を目の当たりにします。そして老人から「こんな国家に救いようはあるのか?」と問われたことに衝撃を受け、マルクス主義による政党を設立し、世を救うことを決意。そこからそういう発想に持っていくのはかなり強引なような気がしますが、この台詞は却って我々日本人に突き刺さります。


そうこうしているうちに北京の李大釗、上海の陳独秀のもとにコミンテルンからの使者ヴォイチンスキー到来。ソヴィエト・ロシアの協力によるマルクス主義政党の設立を促されます。そして陳独秀に抱擁を求めるヴォイチンスキーですが、陳独秀は「抱擁は中国の伝統において合体の意味がある」抱擁に対するポリシーを披露し、抱擁は拒否して握手で済ませます。


で、党名が中国共産党と定められ、上海、北京、長沙など中国各地、そしてパリなど海外でも小組が結成され、上海で第1回全国代表大会が開催されるはこびとなり……というあたりで物語は幕を閉じます。

【総括】
新文化運動、五四運動、そして中国共産党結成と歴史的な事件を追いつつ、陳独秀、李大釗、胡適、魯迅、毛沢東といった多くの人々の動向を追う群像劇として成立しています。新文化運動がテーマということで、『新青年』の発行、文学革命、学生運動など文化的側面の描写に力を入れている点もポイントが高いでしょう。普通に近代史劇として優れた作品なんで、NHKかWOWOWあたりで日本語版を流す価値があると思います。

主役の陳独秀については抱擁に一家言のあるおじさんという間違ったイメージを植え付けられるというか、とにかく面倒くさい人間として描写されています (^_^;)
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『覚醒年代』その3

2021年05月30日 | 中国近現代ドラマ
『覚醒年代』第23~33話まで見ました。

蔡元培・陳独秀へのバッシングを続ける守旧派の面々ですが、陳独秀らも反撃を開始。


守旧派の旗頭林紓は新文化運動への攻撃のため、運動の関係者をモデルとする小説を発表していましたが、一旦発表を撤回したはずの小説『妖夢』が掲載されてしまったことに衝撃を受け、運動から手を引くことに。この前後に毛沢東が北京大学図書館員の職を辞し、湖南へと帰郷しています。


さて、パリ講和会議では山東問題で日本側の要求が通り、青島など旧独権益が日本に移管されることがほぼ確定的となります。中国代表団は最後の望みをかけてアメリカ大統領ウィルソンに直訴を行いますが、「早知今日、何必当初」とつれない返事。今になって取り返したいと言い出すぐらいなら21ヵ条の要求など受け入れるべきではなかったということのようですが……

また、このあたりで哲学者デューイの訪中が話題に上りますが、残念ながらデューイは登場しません……


現地での状況を知った中華民国大総統徐世昌は閣僚の意見を容れ、ヴェルサイユ条約の調印拒否を決定したかに見えましたが、その実代表団に調印を命じたことが明らかとなり、陳独秀らは決定を覆すべく行動を呼びかけます。ということで五・四運動が開始となります。

北京大学の学生を中心にデモ行進が行われ、後には日本製品のボイコットなども推進しますが、運動に関わった学生たちは警察によって次々と収監されていきます。そして学生たちは一旦釈放されたものの、後に裁判に掛けられることになり、蔡元培をそれを阻止するため、政府の求めに応じて北京大学校長の職を辞することを決意。

教員陣にも不協和音が生じ、運動に積極的な李大釗と消極的な胡適とが衝突。陳独秀は『新青年』『毎周評論』などで論陣を張り、運動の支援を図りますが、文章の印刷のために北京大学に足を踏み入れた所、大学が警察に占領されたような状況となり、運動に関わった学生たちの収監場所となっているのを目の当たりにしてショックを受け……
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『覚醒年代』その2

2021年05月18日 | 中国近現代ドラマ
『覚醒年代』第12~22話まで見ました。


北京大学紅楼が落成。ここには図書館が大学図書館が入り、李大釗が館長として勤務することになります。作中でもここで勉強会が開かれたりと、舞台となることが多くなります。紅楼は現在は博物館になっているとのこと。

さて、北京大学では不適格教員として外国人教員であるカートライトを解雇しようとしたことがイギリスとの外交問題に発展。自分も不適格教員として処分されそうになった辜鴻銘が軍師役となり、イギリス公使館に談判するという事件が発生しております。

『新青年』の方は、周樹人が気の触れてしまった従兄弟の様子から着想を得て執筆した「狂人日記」が最初の近代的白話小説として評判となります。その原稿を書き上げた際に原稿への署名を求められ、「魯迅」と記入。これが周樹人が魯迅となった瞬間となります。


時を移さず『新青年』の同人たちは北大で新文化運動の連続公開講座を催します。銭玄同はそこで漢字廃止とエスペラントの採用を主張し、物議を醸します。白話詩を推奨する胡適の講座では「文言文の方が電報で簡潔な表現ができる」と守旧派の黄侃が反論しますが、胡適は白話文でも政府の役職への就任を断る電報で「干不了、謝謝」(私には務まりません、ありがとう)ともっと簡潔な表現ができると反撃。胡適の頓智力が光りますw


ここらへんで北京大学の学生として登場する傅斯年。後に「夷夏東西説」など古史研究において重要な業績を残すことになります。このドラマでは李大釗や学生たちとともに学内での運動の担い手としての姿が描かれています。


そして湖南より毛沢東が上京。蔡元培の差配により北京大学図書館の図書館員として勤務する一方で講義の傍聴が許されます。このあたりで彼が作中の主要人物として活躍するようになっていきます。

一方、北京大学では林紓一派による陳独秀へのバッシング運動が過熱。外では第一次世界大戦終結を承けて、戦勝国の一員となった中国ではパリ講和会議で日本との間の山東問題の解決に期待が高まりますが……
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『覚醒年代』その1

2021年05月06日 | 中国近現代ドラマ
このドラマ、放映されていたということ自体知らなかったのですが、『大江大河2』『山海情』と並んで今年ナンバーワンの呼び声も高いということで見てみることに。今回は『覚醒年代』全43話中第1~11話まで鑑賞。

時は1915年、物語は袁世凱が21ヵ条の要求を飲むところから始まります。この報道は日本の中国人留学生にも伝わり……


ということで早稲田大学の留学生李大釗。主人公その1です。


主人公その2陳独秀。日本に亡命中のところ、早稲田大学で李大釗と出会います。ムサ苦しい格好ですが、ここからすぐに髭を剃って髪型をオールバックにし、こざっぱりしたナリになります (^_^;) 中の人は新版『三国』の劉備、『軍師連盟』の曹操、炎上版『封神演義』の姜子牙の于和偉です。

陳独秀は帰国後上海で『青年雑誌』、すなわち後の『新青年』を創刊。「科学と民主」を合い言葉とする同誌は当時の新文化運動の発信源となり、中国の行く末を憂う国内外の若者たちの心をつかみます。


青年毛沢東。処女論文「体育之研究」が陳独秀の同志易白沙に激賞され、『新青年』に掲載に至ります。


そしてこの人も…… ただ今のところ出番はここだけ。

陳独秀は北京大学校長蔡元培より同大学の文科学長として招聘され、『新青年』の編集部を北京に移すことを決意します。同じく北京で『甲寅日刊』を発行していた李大釗と再会し、協力体制を構築。


そして魯迅、アメリカのデューイのもとで学ぶ胡適らを北京大学の教員として招聘。ただ、胡適の招聘については学内の保守派辜鴻銘、劉師培らの反対も強く、またその間に張勲が北京に入城し、溥儀の復辟を図るなど、政治状況も不安定。


今回は辜鴻銘が張勲の復辟運動に関与していたことが取り沙汰され、学生たちが彼の解雇を求め……というあたりで次回へ。辜鴻銘先生、ガッツリ保皇派で王朝時代の辮髪や服装を崩さない一方で、専攻は英文学、エディンバラ大学に留学し、語学に堪能というキャラクターです。

ということで中国共産党建党100周年を記念した本作なのですが、創設者の陳独秀・李大釗が新文化運動の中心人物でもあるということで、非常によい新文化運動ドラマとなっています。


陳独秀が初対面の人と会ったり旧友と再会したりするたびに相手と熱い抱擁を交わしているのが印象的な作品ですw
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『鬢辺不是海棠紅』その8(完)

2021年04月25日 | 中国近現代ドラマ
『鬢辺不是海棠紅』第43~最終49話まで見ました。

日本軍によって京劇がどう変えられるかわからない、せめて今できることとして記録に残しておこうということで、京劇の映像撮影を思い立つ商細蕊。そして姜栄寿の秘技「仙人歩法」も映像として後世に残そうとしますが、姜自身はもう自分では再現できないということで、商細蕊を弟子に取るという形で彼に伝授することに。

そして日本軍は程鳳台に再びの満州国への物資運搬を依頼。しかも程鳳台が以前から修築していた留仙洞を経由しての運搬を指定し、程鳳台は曹貴修と連携して日本側を罠にかけることに。ミッションは成功し、トンネルの爆破と曹貴修&絡子嶺の山賊たちの攻撃により日本軍に大打撃を与えることに成功しますが、爆破に巻き込まれた程鳳台は意識不明の重態となって北平の程家に運び込まれます。

商細蕊は見舞いに駆けつけるますが、そもそも「戦金山」の一件がなければ程鳳台が日本軍の物資運搬を請け負わされることもなかったと怨む程家では、棺桶を見せて程鳳台が死んだと偽り、彼を追い返そうとします。いやいや、これはイカンでしょ (^_^;) しかし杜七ら関係各位の尽力により、商細蕊は程二爺につきっきりで看病できることになります。


この場面では程楓(程皓楓)演じる新聞社の総裁薛千山も珍しくいい所を見せますが、彼の日本人妻が怪しげな動きを……

商細蕊は、程鳳台がこんなことになったのはてめえのせいだとばかりに、程家に見舞いに訪れた日本軍人をハサミで刺殺しようとして投獄されてしまいます。この一件で北平の人々もようやく歌舞伎写真流出以来の彼の親日疑惑を解きます。そして商細蕊は雪之誠の尽力で釈放され、治療用のペニシリンを手に入れると一目散に程家へ。


そしていよいよ新作『鳳仙伝』の舞台が開幕。しかし目覚めた程鳳台は一家揃って香港に退避する決意を固めており、2人は別れを交わすことに……

【総括】
ということで途中で中断期間を挟みつつも全49話を完走。その間に日本語版の放映も決まりました。同じく于正プロデュース作品で現在日本語版が放映中の『コウラン伝』と比べると、映像の質から違っているので嫌な笑いがこみ上げてきます。脇役陣はいつもの于正班で固めているので『コウラン伝』で見た顔もちょいちょい出てくるのですが、同じ俳優さんでもこちらの方が輝いている気がしますね。是非于正の本気を堪能してください。
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『鬢辺不是海棠紅』その7

2021年04月18日 | 中国近現代ドラマ
『鬢辺不是海棠紅』第37~42話まで見ました。

日本の軍人が臨席する前で敢えて抗金劇の「戦金山」を上演し、日本側の不興を買う商細蕊。当時抗遼・抗金劇に抗日の意が込められたということのようですが、一方で上海探訪の折りに日本人女性と懇ろになったというデマを流されたりもしております。ここらへんで商細蕊の兄と称する商龍声が突然出てきたりしてますが、彼は先代の実子の模様。


日本人女性の件は事実無根ということで交わしましたが、上海で杜七&雪之誠と日本料理店で食事した折りに座興で和服を着て歌舞伎の真似事をしたのがバッチリ写真に撮られており、日本軍の日中友好プロパガンダに利用され、それが更に中国の雑誌でスキャンダルとして報道されてしまいます。

商細蕊は「親日派」のレッテルが貼られてしまい、公演中の観客による乱闘騒ぎで舞台から客席に落とされてしまったことで、片耳が聞こえなくなってしまいます。それで舞台にも立てなくなってしまう商細蕊ですが、程鳳台はこれを心理的なものと見てショック療法を試み、商細蕊も「舞台から落とされて耳が聞こえなくなったのだから、もう一度高い所から落ちれば聞こえるようになるかもしれない」ということで、屋根の上から飛び降りようしたりします (^_^;)


一方、商細蕊らの親日騒ぎは南京の劉漢雲の耳にも入ります。元水雲楼の男優で彼のもとに引き取られた臘月紅が刺客となり、商細蕊、姜登宝、薛千山ら京劇関係者が次々と狙撃されます。


日本側の親善団体「中日戯曲交流同好会」の会長に仕立て上げられた姜栄寿は、自分ではなく息子の姜登宝が犠牲に……

しかし雑誌編集長で日本人の妾を抱えたという薛千山が粛清の対象となったところで、臘月紅のかつての姉弟子で薛の妻となっていた六月紅によって射殺されてしまいます。ここで一命を取り留めた商細蕊が、薛千山と程鳳台に「劉漢雲は敵と戦うわけでもなく同胞ばかりを殺している」という親日狩りへの皮肉っぽい台詞をこぼします。後の時代のアメリカのマッカーシズムなどにもそういう所があるのかもしれません……
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