博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『康熙王朝』その2

2006年05月31日 | 中国歴史ドラマ
(前回:その1

BSジャパンの『康熙王朝』をぼちぼちと見てます。同じ原作者の『雍正王朝』は以前にDVDで鑑賞しましたが、こちらも負けず劣らず面白いですなあ(^^;)

康熙帝役の俳優さんは皇帝に即位するまでを子役が演じ、そこから権臣の鰲拜を捕らえるまでを青年の役者さんが演じ、13話・14話あたりでやっとこさ陳道明に交替しました。陳道明は『HERO』で始皇帝の役をやっていた時にはさほどとも思わなかったのですが、今回の康熙帝役では恐ろしく貫禄に満ちあふれています。今まで色々と中華圏の歴史物を見てきましたが、皇帝としての貫禄ではトップクラスだと思います(^^;)

話の方は第17話・18話、もうすぐ三藩の乱が起こるというあたりまで進んでます。しかし個人的にこの時代にあまり詳しくないため、登場人物のうちどこまでが実在の人物で、どこまでが架空の人物なのかがよくわからないのがナンですね…… 崇禎帝の遺児と自称する朱三太子なんてのは架空の人物なんでしょうけど。また、『雍正王朝』で皇子時代の雍正帝の相談役として活躍した先生のように、架空の人物でもドラマや原作の創作ではなく、他に元ネタのある人物というのもかなり存在しそうですね。
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gooブログ

2006年05月30日 | 雑記
先日、あれこれと検索をかけているうちにこんなブログを見つけてしまいました。

【ブログの比較】gooブログってどうなのよ?(第3版)

本来ならブログを作る前にこういうサイトを見るべきだったのでしょうが、ブログなんてどこで作っても大差ないやろうと、たまたまRSSリーダーを利用する際にgooのIDを取得していたので、ついでにブログの方もgooで作ってしまったという次第です。

あんまりお薦めできないとか書いてあったらどうしよう……と、怖々と読んでいきましたが、「容量はバカでかく、サーバは比較的軽く、使い勝手も良好」と思いのほか評価がよく、適当に選んだ割には良い会社を引き当ててしまったようです(^^;)

gooブログの欠点としては、「有料版でもアフィリエイト向きとは言い難い」「自由度がとにかく低いのがいただけないです。無料版では記事以外のHTMLはまったく編集できないですし、サイドバーの表示項目の変更さえできないというのは、ちょっとひどい。」とのこと。

アフィリエイトに関しては、有料版でも不可の会社とか、某ポータルサイトのショップしか使えない会社もあるということなので、有料版ででもAmazonが使えれば御の字だと思います。ただ、自由度の低さに関しては…… 私も前々からおかしいと思ってましたが、やっぱり普通のブログだとサイドバーの並び順ぐらいは変えられるもんなんですね……(-_-;)
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金庸ML関西幇会

2006年05月28日 | 旅行・オフ会・展覧会
昨日は金庸MLのオフ会に行ってました。会場は関西幇会の本拠地となりつつある、京橋の上海酒楼です。

話題は主に8月に開催予定の大幇会についてです。今年は金庸キャラのコスプレ大会をを開き、その様子をビデオに収めて金庸先生にお贈りしよう!という計画が持ち上がっているのですが、女性キャラをすべて野郎に演じてもらって美少女好きという噂の金庸先生をドン引きさせようとか、話題はえらい方向に……

梁朝偉(トニー・レオン)主演のドラマ版『鹿鼎記』のラストで、北京におれなくなった天地会の面々が韋小宝の実家の娼館に押しかけ、みんなして女装して「これからは私たち、ここで働かせてもらうわ」と宣言するという場面があるのですが、思わずそのシーンを思い出してしまいました(^^;)
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『怒れるドラゴン 不死身の四天王』

2006年05月27日 | 映画
『怒れるドラゴン 不死身の四天王』(原題:四大天王、王羽(ジミー・ウォング)監督・出演、1973年、台湾)

5/23の深夜に読売系列で放映されていた映画で、例によって録画鑑賞です。

鏢局のリーダーであるサムは、顧客から預かった宝石箱を盗賊団に奪い取られ、部下を殺されたうえ、自らも重傷を負ったところを、金持ちの若旦那であるフンに助けられる。盗賊団の黒幕が街のボス・スーであることを突き止めた彼らは、サムの兄弟子でフンの親友のウー、ひょんなことから事件に関わった流れ者のシャオとともにスーに戦いを挑もうとする。一方、スーの方も用心棒として日本からチンを呼び寄せていた……

いつもの作品だとジミー・ウォングは冷静沈着な若旦那・フンの役を演じてそうなもんですが、この作品では三枚目の流れ者・シャオを演じております。このシャオ、腕は確かなんですが、戦闘の時に「おい、金が落ちてるぜ」と叫んで敵の目をそらしたスキに砂を投げつけて攻撃をしかけたり、敵の背後から籠をかぶせてボコしばきにしたり、街のボスのスーに「悪事をバラされたくなかったら金をよこしな!」と脅しをかけて金をせびろうとしたりと、やることがいちいち姑息で、「あんた、ホントにそんな役柄でいいのかよ」とツッコみたくなります(^^;)

用心棒のチンというのも変なキャラで、戦いの前に必ず「武」の一字が入った黒扇子を破り、戦いが終わったら懐から同じデザインの扇子を取り出すというパフォーマンスをやります。(このチンを鹿村泰祥という日本人が演じているとのことです)しかも彼はいつも虚無僧がしているような深編笠をかぶった四人の使い手を従えているのですが、この深編笠の四人組、川に潜る時も笠をかぶったまんまなんであります(笑)

このように色々と妙な所が目につく作品ですが、フン、シャオら四人組がスー、チンらに決戦を挑むラストバトルはなかなかの見物でした。
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『人物を読む日本中世史』

2006年05月24日 | 日本史書籍
吉梨さんのブログによると、『陸小鳳伝奇』1~2は昨日の晩にはAmazonで注文できる状態になっていた模様。お前は大学生協に注文するのを1日2日辛抱できなかったのかとツッコまれそうですが…… まあ、ブツが届くまでの1~2週間、他の本でも読みながら待つことにします。

で、今月の面白かった本第二弾。

本郷和人『人物を読む日本中世史』(講談社選書メチエ、2006年5月)

話は変わりますが、以前に中国の小学校で使われている歴史教科書を読んだ時に感心したことがひとつあります。それは前近代の歴史の部分では、秦の始皇帝や孔子などの人物の事績を中心にまとめられているということです。日本でも、特に小学校の歴史教科書は各時代の政治家や文化人などの人物の事績を中心としたものにすれば、随分と面白い物になるんじゃないかと思いました。(もちろんそこは中国の歴史教科書でありますから、イデオロギーの面では非常にアレな記述が目立つわけですが……)

で、今回紹介する『人物を読む日本中世史』はまさにそういった発想で書かれた日本史の入門書で、源頼朝や足利尊氏、織田信長といった人物の生涯や事績を読んでいくことで日本の中世史の流れを理解できるという仕組みになっています。

文章の方も非常にわかりやすく、戦国大名が上洛して天下統一を目指していたなんていうのは、ゲームの中だけの話だとか、鎌倉幕府というのは武士の、武士による、武士のための機構であって、民衆をどのように統治するかなんてことはあんまり深く考えていなかったが、長い時間をかけて積極的に民衆を統治しようという意思と、統治のための技術を獲得していったという指摘は面白かったです。
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『コメを選んだ日本の歴史』

2006年05月24日 | 日本史書籍
早稲田出版から発売になっている『陸小鳳伝奇』第1~2巻ですが、書店では見掛けず、Amazonでは品切れで注文できない状態が続いていたので、月曜日に大学生協の書店で注文してしまいました。ブツが届くまで1~2週間かる見込みですが、今月は『清国文明記』『ハリポタ』以外にも色々と面白そうな本が出てるので、それを読みながら届くのを待つ所存です。

というわけで、近日出た本の中で面白かったもの第一弾です。

原田信男『コメを選んだ日本の歴史』(文春新書、2006年5月)

農耕が始まった縄文晩期・弥生時代から現代に至るまでの食の歴史を振り返り、なぜ米が日本人の主食として特別な存在となったのかを考察した本です。

米を主食としている地域は日本の他にもあるとは言っても、他の地域では稲作と豚や鶏などの家畜の飼育がともに行われており、日本で魚肉以外の食肉が長らく忌避されてきたのは極めて特殊であるとか、日本人が思うままに米が食べられるようになったのは高度経済成長期のことで、日本人は米食民族ではなく、米食を悲願してきた民族であると言うべきだとか、面白い指摘が多いです。

結論としては、米が特別な食物となっていったのは、民衆の意思というよりは、古代以来の支配者の要請によるものである、言い換えれば、日本の歴史とは米を神聖視する人々が古代以来多数派を形成していき、狩猟や漁労、焼畑農耕を生業とする人々を服従させていった過程であるということになります。

この結論を受け入れるかどうかは別としても、稲の品種や起源地に関する議論、日本での稲作の受容といった基礎知識部分が要領よくまとめられているので、稲作に関する参考図書としても利用価値のある本だと思います。
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『神雕侠侶』その5

2006年05月21日 | 武侠ドラマ
(前回:その4

日本語版DVD版の発売日が決まったり、中国でサントラCDが発売になったりと色々と動きが出ているようですね。当初、中文版のVCDと日本語版DVD両方を買うつもりでいましたが、段々日本語版のDVDなんて買う金があったら他の作品の購入に回すか、それこそ『中日大辞典』搭載の電子辞書でも買った方がいいんじゃないかという気になってきました(^^;) 

要するに中文版VCDなんて手を出さずに半年後の日本語版DVDリリースまで待てば良かったわけですが、その半年が待てなかったんですよね。すんません……

で、VCD版第33~39話まで見ました。

全真教の本拠・重陽宮に乗り込んで夫婦の誓いを交わした楊過と小龍女。しかし楊過の体は情花の毒に蝕まれ、小龍女も郭芙の心ない行動により毒が体中にめぐり、明日をもしれない状態となる。そして舞台は再び絶情谷へ……

甄志丙(尹志平)の死に様が少し原作と違ってますね。原作では金輪法王の不意打ちから小龍女を身を挺して守り、更に小龍女の剣に刺されて瀕死の状態となり、その後、全真教の諸賢の目の前で小龍女の口から過去の悪行が暴露され、道士が構えていた長剣の山に身を躍らせて自害したというような描写になっていますが、ドラマの方では金輪法王の不意打ちと小龍女の剣によってそのまま死んでしまい、過去の悪行の暴露や自害のくだりが省略されてしまってます。この場面が甄志丙の最後の見せ場となるはずだったのに、すっ飛ばされてしまうとは哀れ……

ところで、今まで金庸小説中で一番のタチの悪い女は『天龍八部』の阿紫だと思ってましたが、郭芙が冰魄銀針を誤って小龍女に刺すシーンを見て考えが変わりました。自分のタチの悪さを自覚していない分、郭芙の方が数倍悪質です(^^;)

二度目の絶情谷では公孫止と裘千尺夫婦による激戦が繰り広げられます。夫は妻が自分の浮気相手を死に追いやったとなじり、妻はひたすら夫を攻撃するという地獄絵図が展開されますが、この辺りの因縁合戦はボーッと見てるだけでもお腹一杯になってきます。

次のパートではいよいよ成長した郭襄が登場し、襄陽大戦が繰り広げられるわけですが、どんなキャラクターになっているのか、あるいはどんな仕上がりになっているのか楽しみであります。
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『上海游記 江南游記』

2006年05月20日 | 中国学書籍
芥川龍之介『上海游記 江南游記』(講談社文芸文庫・2001年10月)

『清国文明記』を読んだついでに、今まで何となく読みそびれていたこの本も読んでみることにしました。こちらは大正10年(1921年)3月から7月にかけての旅行記で、『清国文明記』とは逆に上海、蘇州、南京など南方の様子に重点を置いて著述しています。 また、酒楼での宴会に芸者を侍らせたりといった多少いかがわしい話も出て来ます(^^;) 

京劇などの芝居については、『清国文明記』での記述は非常にそっけないものですが、こちらでは芝居小屋での様子とか演目、はたまた役者との会見などを克明に記しており、両者の関心の違いがモロに出ていて面白いです。ほか、やたらと乞食に関する記述が多いですね。どうも芥川は当時の中国の猥雑さに興味を持ったようであります。

著者が旅行した時期は五・四運動の興奮が冷めやらぬ頃で、反日スローガンの落書きが街中で見られたり、学校で生徒が日本製の鉛筆を使わずに筆と硯でノートをとっている様子などが随所に出て来ますが、著者の態度は一貫して「ああ、排日やってますなあ」という感じで視線がクールなのが印象的です。

以下、本書の中で一番印象に残った一段を引用しておきます。

「金瓶梅の陳敬済、品花宝鑑の谿十一、-これだけ人の多い中には、そう云う豪傑もいそうである。しかし杜甫だとか、岳飛だとか、王陽明だとか、諸葛亮だとかは、薬にしたくもいそうじゃない。言い換えれば現代の支那なるものは、詩文にあるような支那じゃない。猥褻な、残酷な、食い意地の張った、小説にあるような支那である。瀬戸物の亭だの、睡蓮だの、刺繍の鳥だのを有難がった、安物のモック・オリエンタリズムは、西洋でも追い追い流行らなくなった。文章規範や唐詩選の外に、支那あるを知らない漢学趣味は、日本でも好い加減に消滅するがよい。」

残念ながら(?)、芥川の希望に反してこの手の漢学趣味は現在でもきっちり生き残っているようですが(^^;)
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『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

2006年05月19日 | 小説
というわけで、『ハリポタ』第6巻を読了しました。

前作では作者が思春期の青少年の心の動きをリアルに描こうとしたためか、ハリー達が四六時中何かにムカついているような状態になっており、読んでいて不快感を感じることもありましたが、今回はその辺りの描写は(あくまでも前巻と比べての話ですが)抑えめとなっています。しかし誰が誰と付き合い始めただの、誰と誰が別れただのといった恋愛絡みのエピソードは前巻よりも更に増えております。限られた面子の中でそれぞれ彼氏彼女を取っ替え引っ替えしており、プチビバヒル状態であります(^^;) 

ハリーもある女の子のことが段々と気になり始めるのですが、このへんの描写にどうもリアリティを感じません…… 考えてみればハリーがチョウ・チャンを好きになった描写も不自然そのものでしたし、この作者は恋愛描写が不得意なのかもしれません。それならそれで恋愛絡みの話を抑えめにして、本筋にもっと頁を割いても良かったような気がしますが。

で、本筋についてですが、どこをどう語ってもネタバレにならざるを得ないので、敢えて語らないことにします。

今巻のサブタイトルについては、「謎のプリンス」というわかったようなわからんような訳じゃなくて、ストレートに「混血のプリンス」とか「ハーフのプリンス」とかにした方が良かったと思います。翻訳者的に「混血」だの「ハーフ」だのといった言葉は使いたくなかったということなんでしょうけど……
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『清国文明記』読了/『ハリポタ』最新巻

2006年05月17日 | 中国学書籍
『清国文明記』を読了しましたが、やっぱり最初の当時の北京の様子を描いたあたりが一番面白かったですね…… 後半の部分で印象に残ったのは、当時ドイツの勢力圏であった山東省で、中国服を着て髪型を辮髪にしたドイツ人に出会ったという話と、一行が華清池で入浴したという話です。楊貴妃の入浴した湯殿も、当時は官吏と外国人の入浴は黙認されていたのことです。

で、本日『ハリポタ』の最新巻を購入。『神雕侠侶』の方を中断して今週末はこちらにかかりきりになりそうです(^^;) 
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