博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『新しい世界史へ』

2011年11月27日 | 世界史書籍
羽田正『新しい世界史へ 地球市民のための構想』(岩波新書、2011年11月)

これまでイスラーム史を専攻されてきた羽田正氏による世界史教育本です。これからの世界史教育のあり方として、「ヨーロッパ世界」や「中国」などの中心を敢えて据えない、時系列史にこだわらない、「世界はひとつ」というメッセージさえ込められていればどのような描き方でもよい、といった提案は面白いですし、頷くところも多いのですが、正直「私は具体的にこういう風にやりたいんです」と、指導要領案なり教科書なりを出して貰わないとピンと来ない部分もあるなあと。

著者は世界史教育に関して複数のプロジェクトを進めているということなので、将来的に何か具体的な形になって出て来るのでしょうけど。

本書を読んで、歴史教科書だけを対象にして学習指導要領を視野に入れなかった某会の活動は、(イデオロギー的な面はさておくにしても)根本的な所から間違っていたのだなあと思いました(^^;)

あと、小ネタで面白い指摘があったので、1つ2つ紹介しておきます。

○他国の歴史教科書を見た場合、日本の世界史の教科書みたいに全地域・全時代を網羅しようとしているのは実は少数派。

本書ではフランスと中国の例が挙げられてますが、フランスの高校の歴史教科書では自国史と世界史とが分けられておらず、教科書の内容も必然的にフランスが中心となっています。(他のヨーロッパ諸国でもだいたい同じ形式とのこと。)そして中国では日本と同様に自国史(中国史)と世界史との二本立てになっており、世界史の教科書の構成は日本のそれと近い部分もあります。(自国史と世界史とのリンクや「イスラーム世界」の扱いなど、異なる部分も当然あるのですが。)

○本書の記述より。「最近は、中国中心の歴史の見方を、中央ユーラシアから見直そうという主張が大きな力を持っている。」「しかし、逆に、中央ユーラシアを世界史の中心に置き、中央ユーラシアが世界史を作ったと唱えては、せっかくの提言が台無しである。」

これは一体誰のことを指して言っているのでしょうか(^^;)
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ドラマの中の阿哥たち

2011年11月23日 | 雑記
ここんところ『宮』『歩歩驚心』と、立て続けに清朝康熙年間の宮廷ドラマを見ているので、ついでにドラマに出て来る康熙帝の皇子たちを紹介してみることにしました。(注:史実ではなく、あくまでもドラマでの設定に基づいた紹介です。)

大阿哥胤
長男だが、母親の身分とか本人の能力とか諸々の事情により太子になれず、二阿哥をライバル視。

二阿哥胤礽(理親王)
皇后赫舎里氏が産んだ唯一の男児ということで皇太子となるが、地位に奢り、私党を組んで利権を貪ったりして二度にわたって廃嫡される。

三阿哥胤祉
学者肌。

四阿哥胤(雍親王)
言うまでもなく後の雍正帝で、非リアの星。康熙帝の皇子たちの中できたないなさすがを体現する存在。当初は二阿哥の子分だったが、父帝にきたないなさすがな所と、息子の乾隆帝の資質を見込まれ、後継者の座をゲット。即位後にコスプレ趣味が開花し、乾隆帝にその資質が受け継がれる。

八阿哥胤禩(廉親王)
有力な皇位継承者候補で、人呼んで八賢王。ドラマによって多才多芸の知性派だったりオラオラ系DQNだったりするが、爆発すべきリア充である点はおおむね一致している。父帝の没後は政敵である非リアの星雍正帝に妬まれ、アキナというありがたくない名前を賜ったりするなど色々と酷いいじめを受け、死に追いやられる。

九阿哥胤禟
八阿哥の子分その1。史実では西洋人の宣教師と交際してたりするが、ドラマでは大人の事情によりそのあたりのことは軽くスルーされる。更に某ドラマでは滅満興漢の秘密結社紅花会の黒幕にされちゃったりしている。やはり非リアの星雍正帝に睨まれ、サスヘというありがたくない名を賜る。

十阿哥胤[示我]
八阿哥の子分その2。

十三阿哥胤祥(怡親王)
非リアの星四阿哥唯一の心の友。ドラマではなぜかモンゴルの王女と恋仲になることも多い。当初はやはり二阿哥の子分だった。

十四阿哥胤禵
康熙帝の皇子たちの中では軍事担当で、有力な後継者候補の一人。非リアの星四阿哥の同母弟だが、兄とは違って幼い頃から父母に期待され、女の子にはモテとリア充人生を謳歌し、かつ八阿哥一派と交際したりしたので、父帝の没後はやはり兄から彼女をNTRれたり、父帝の墓守を命じられたりと、色々嫌がらせされることに。

……といったところですかw 大事なことなのでもう一度繰り返しますが、あくまでもドラマでの設定に基づいた紹介です(^^;)
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『はじめての漢籍』

2011年11月18日 | 中国学書籍
東京大学東洋文化研究所図書室編『はじめての漢籍』(汲古書院、2011年5月)

東大所属の研究者や漢籍に関わるスタッフの講演をまとめたものですが、やはり現場のスタッフの苦労話が読んでて一番面白いなと。『上海博物館蔵戦国楚竹書』や発掘報告の類を四部分類でどう分類したかとか(結論だけを言ってしまうと、それ専用の新しい項目を作ったとのことw)、OPACへのデータ入力にどのように対応したかという話とか。

あと当然のことかもしれませんが、東大所蔵の漢籍って、関東大震災でほとんど失われてしまって、今所蔵してる分はその後になって再び収拾したり、国内外から寄贈してもらったやつなんですね。現在の東大総合図書館の建物自体、震災直後にアメリカのロックフェラー財団の寄付によって建てられたものであるとのとこと。

しかしまあ本書の中で言われているように、書庫の中から目的の漢籍を捜し出すという行為自体がいい勉強というのは、ホントにその通りですよね。

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『宮』その7(完)

2011年11月08日 | 中国歴史ドラマ
『宮』第32~最終35話まで見ました。

四阿哥が献上した紫芋を食べて食中毒をおこした康熙帝。四阿哥は責任を問われて宗人府に監禁されることになりますが、ここで福晋(正妻)の金枝が側室の素言に夫を助けるよう嘆願し、そこで素言が「助けてもいいけど、そのかわり私が福晋になれるよう、あなた死んでよ。」と物凄いことを要求。そして言われるままに自害する金枝。そして素言が助けるまでもなく、あっさり釈放される四阿哥。金枝、思い切り無駄死になんですが(;´д⊂)

晴れて福晋の座に収まった素言ですが、宮廷で旧知の人と会うたびに四阿哥が「彼女は素言と瓜二つですけど、別人なんです。」と、かなり無理のある言い訳をし、言われた方も素直にそれを信じるのが何とも…… しかし彼女も晴川には正体を明かし、どちらの夫を皇位に即けるかで火花を散らすことに。

そして唐突に14年後。康熙帝は八阿哥が重臣たちと党派を組んでいるのを不快に思い、十四阿哥を後継に据えると見せかけ、実は意中の後継者は四阿哥なのでした。今際の際に四阿哥を呼び出して後継者に指名し、崩御する康熙帝。そして……



困惑する母の徳妃や八阿哥・十四阿哥をよそに、ドヤ顔で即位式に臨む四阿哥あらため雍正帝(^^;)

即位後、雍正帝は政務に励む一方で何かと自分に楯突く八阿哥あらため廉親王を監禁しますが、晴川が後宮に入ることと引き替えに彼を釈放。晴川は再び九星連珠の日が近づいていることを知ると、雍正帝と廉親王の兄弟の対立を収めるため、現代に戻ることを決意しますが……

【総括】

ということで詳細は略しますが、ラストシーンでは「こんな締め方アリか!」と思い切り噴きそうになりました(^^;) 『美人心計』と同じく于正制作ということで見始めたこの作品ですが、蓋を開けてみれば『美人心計』をはるかに超える面白さではありませんか!中華圏のタイムスリップ物に今の所ハズレ無しという感じですね。先頃中国で当局がタイムスリップ物の映像作品を規制するというニュースが出ていましたが、道理で当局が規制したがるわけですw
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『仏教、本当の教え』

2011年11月07日 | 世界史書籍
植木雅俊『仏教、本当の教え インド、中国、日本の理解と誤解』(中公新書、2011年10月)

インド・中国・日本3カ国での仏教の受容のされ方を比較してみよう!という主旨の本ですが、日本の仏教が仏教本来のあり方とはかなり違ったものというか、最早別物になってしまっている!ということで、日本仏教に対して手厳しい意見が多いです。この本の著者は文化比較を通して日本の伝統文化のダメな面を見過ぎちゃったんだろうなあという気が……

以下、本書で面白かったネタ。

○中国では漢訳仏典が成立すると、それが一人歩きするようになっていき、パーリ語やサンスクリット語の原典が顧みられなくなっていった。

……そういや汲冢竹書も古文字から隷定がなされた後は、元の竹簡は顧みられなくなったんですよね。

○中国でもチベットでもモンゴルでも仏典は自国の言葉に翻訳して読まれてきたのに、日本でだけ自前の翻訳を用意せずに漢訳のままで読まれてきたのって、おかしくね?

……言われてみればそうですね。そういや韓国でも日本と似たり寄ったりの状況なんでしょうか。前近代の朝鮮半島で朝鮮語訳の仏典が広く読まれていたなんて話は聞いたこともないですし。

○欧米の研究者の間では、観音菩薩はジェンダー・フリーを体現する存在として評価されている。

……マジですか(^^;) あと、「比丘」を"comparative hill"と訳した人がいるというネタにも笑ってしまいましたが。

○日本の僧侶の飲酒・妻帯を厳しく批判する東南アジアの僧侶だが、そんな彼らも喫煙はする。その理由は、仏典では喫煙は禁止されていないから。

……しかしお釈迦様の時代にはタバコなんて存在しないのだから、喫煙に関する戒律が無いのも当然だという作者のツッコミにワロタw
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『1911』

2011年11月06日 | 映画
『1911』(原題『辛亥革命』)

ウィンストン・チャオ演じる孫文とジャッキー・チェン演じる黄興の2人を主役に据えて辛亥革命の流れを追った映画ですが、予想してたより歴史劇っぽい映画でしたね。というか、普通に途中で寝そうになりました(^^;) 正直なところ、題材か出演している俳優のどちらかに強い思い入れが無いと、相当退屈な映画ではないかと思います。中盤で黄興がいつものジャッキーアクションを披露するシーンがありましたが、あれはそのあたりを見越したサービス・シーンということでいいんでしょうか……

俳優さんと言えば、主演の2人以外にも、冒頭で出て来る秋瑾(寧静)や黄興の妻となる徐宗漢(李氷氷)、その他林覚明(胡歌)・汪兆銘(余少群。『蒼穹の昴』の主演俳優ですね)・醇親王載灃(李東学)、おまけに主題歌を歌っているのが韓磊(『康熙王朝』などの主題歌でお馴染み)と、中国映画・ドラマのファンにとってはかなり豪華な配役になってますね。まあ題材が題材ですし、これも『建国大業』なんかと同じく半強制的オールスター総出演映画なのかもしれませんが。

で、個人的にツボだったのは孫淳演じる袁世凱。この映画自体「汚いなさすが袁世凱きたない」でまとめられそうな内容なんですが、袁世凱が隠居先の洹水のほとりで漁夫のコスプレをしながら釣りに興じるシーンに思わず見入ってしまいました(^^;)(これについては「中原逐鹿の旅7日間 安陽~北京」を参照。)
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『万里の長城は月から見えるの?』/『独裁者の教養』

2011年11月03日 | 中国学書籍
武田雅哉『万里の長城は月から見えるの?』(講談社、2011年10月)

「万里の長城は、月から(あるいは宇宙から)見える唯一の建築物である。」日本でもよく知られた言い回しですが、2003年に中国で最初に宇宙飛行を成し遂げた楊利偉が「宇宙から長城は見えましたか?」とインタビューされて「見えませんでした」と答えたばかりに、中国では「えっ、オレたち今まで騙されてたの!?」「いや、高度によっては見えるはず……」「そういや国語の教科書にもこの話が載ってるんだが、それは一体どうなる?」と、この「長城伝説」をめぐって大騒動がおこり…… 

ということで、「長城伝説」をめぐる言説を取り上げたのが本書。著者の武田氏は過去にも『楊貴妃になりたかった男たち』なんて本を書いてましたけど、今回も実に面白いテーマに目を付けたなあという思います。それにしても「長城伝説」が言われ出したのはアポロ11号が月面着陸に成功して以後のことだと思ってましたが、実は遅くとも19世紀末にはヨーロッパで「長城が月から見える」という言説が広まっていたんですなあ。

安田峰俊『独裁者の教養』(星海社新書、2011年10月)

世界の独裁者たちはどのような教養、すなわち思想・価値観や体験を得て成功者となったのか?そういう観点から彼らの生涯を追っていこうという本。取り上げられているのは今話題のカダフィをはじめ、毛沢東、ポル・ポト、スターリン、フセイン、ヒトラーといった「いかにも」な面々に加え、リー・クアン・ユーのような一般的には独裁者のイメージが無い人物、更にはトルクメニスタンのニヤゾフのように「誰それ?」な人物に及んでいます。

そして各人物の評伝の間に中国雲南省とミャンマーとの境界に位置し、鮑有祥なる人物が独裁体制を敷くワ州(佤邦)への潜入ルポが挿入されています。本書を読んでると、ついついこちらの「ワ州密航記」の方に目が奪われがちですが、評伝部分の方も、例えばヒトラーやナチスの唱えた民族主義・反ユダヤ主義・優生学思想などは彼らのオリジナルではなく、当時ヨーロッパで既に存在し、それなりに広く受け入れられていた価値観であったとか、割といいところを突いてるなと思うのです。

で、最終章では現代の日本が扱われていますが、この部分を読んで、半藤一利『昭和史 戦後篇1945-1989』に、ナチス・ドイツでは政・軍の幹部の責任の所在が明確であったので、ニュルンベルク裁判はスムーズに進んだが、日本の場合は責任の所在が極めて不明確で、東京裁判で誰にどの責任を押っつけるかで色々難儀したという話が載ってたのを思い出しました……
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『宮』その6

2011年11月02日 | 中国歴史ドラマ
『宮』第28~31話まで見ました。

お互い未来人であると告白しあったことにより、良妃は晴川に心を開き、晴れて八阿哥との結婚も認められます。幸せに浮かれる八阿哥と晴川ですが、ここで十三阿哥がまた良からぬ企みを…… 街中で晴川と瓜二つの花影(主演の楊冪が1人2役で演じてます)と出会った彼は、晴川を誘拐して花影とすり替わらせます。そしてこの花影をスパイに仕立て上げ、彼女を使って八阿哥に関する情報を仕入れ、八阿哥を陥れることに。八阿哥や周囲の人間もまさか晴川が偽物であると気付かず、滞りなく2人の結婚式が終了してしまいます。この手のドラマはネタに詰まるとそっくりさんネタを出してくるよなあ……

で、八阿哥が康熙帝と太廟での祭祀に出掛けると知り、この機会に父帝をも亡き者にして四阿哥を新帝に擁立しようとしますが、なぜか襲撃計画は筒抜けで、十三阿哥は謀反人として捕らえられることに。……実は花影が裏切って康熙帝に密告していたのでした(^^;) 彼女からしたら、十三阿哥のスパイとして人に使われ続けるよりも、このまま八阿哥の妻になりすました方がずっといいじゃんというわけです。

登場以来何をやっても裏目に出続ける十三阿哥ですが、(実際、晴川からも「あんたは何をやってもうまくいかないよ」と宣告される始末……)見てるこっちからしたらm9(^Д^)プギャーという感想しか出て来ないわけですが。

十三阿哥の計らいで釈放され、宮廷に戻った晴川ですが、当の花影は本物のはずの晴川を偽物扱い。しかし結婚以来新妻に違和感を抱き続けてきた八阿哥の尽力により花影の正体が暴かれ、晴川は晴れて八阿哥の福晋(正妻)として宮廷に復帰。

ここで一件落着かと思いきや、いきなり良妃が「あと3日で元の世界へのタイムスリップが可能になる九連星珠(天の9つ星が円形状に連なる)の日がやって来るよ!この機会を逃すと14年後まで現代に戻れないからね!」とか言い始めますw 21世紀の世界に戻る決意を固める良妃に対して、晴川は清代に残留して八阿哥が失脚して命を落とすその日まで彼と添い遂げることを決心。そして良妃が宮廷から姿を消し、悲嘆に暮れる八阿哥と康熙帝……

その後、良妃と入れ替わるように十四阿哥が都へと帰還。しかしうっかり街中で出会った素言に惚れてしまい、その素言が自らの願望をかなえて同母兄の四阿哥の側室となったのを知ると、登場した途端に涙目状態となり……

ということで、物語も終盤になってようやく十四阿哥が登場しましたが、今まで出て来たどの皇子よりも性格が良くて好感が持てます(^^;)
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大幇会と東洋文庫ミュージアムと

2011年11月01日 | 旅行・オフ会・展覧会
10/29・30と、先週末は東京に行ってました。新宿で開催の大幇会に出るのがメインだったはずですが、10/29に東大駒場キャンパスで北京大学哲学系の王中江氏による「中国出土文献と古代思想世界の新発見」という講演会があるらしい。時間的に行けないこともない。じゃ、行くか!東洋文庫ミュージアムというのが最近オープンしたらしい。じゃ、そっちは30日に寄ってみるか。神保町で古書祭りをやってるらしい。じゃ、それも…… ということで、最終的には何がメインなのかよく分からない状態になってました(^^;) 以下、イベント別にレポートを。

王中江氏の講演
王中江氏の講演の正式なタイトルは「簡明本 出土簡帛文献与古代思想世界的新発現」。郭店簡・上博簡など戦国・秦・漢期の出土資料の発見によって思想史のどの部分が書き替えられるかという話で、内容的には湯浅邦弘『諸子百家』(中公新書)と一部かぶってたような気もします(^^;) しかし始皇帝時代の秦が儒家的な「孝」を重視していたとか、面白い指摘もちょこちょことありましたね。こういうのを見ると、父親への孝より君主への忠を重んじさせるように説く『韓非子』って、始皇帝の時代にあってもかなり浮いた存在だったのではないかという気がしてくるわけですが。

大幇会
新宿から宿に行くのに迷ったorz 更に宿から大幇会会場に行くのに迷い、迎えに来てもらったorz 大幇会参加は3年ぶりぐらいということで、岡崎先生や関東の方々とも久闊を叙することになりました。頂いた景品のDVD『花木蘭』(ヴィッキー・チャオ主演映画)やドラマ『二郎神』はまたいずれ鑑賞するということで……

東洋文庫ミュージアム
2日目は10/20にオープンしたばかりの東洋文庫ミュージアムへ。東洋文庫所蔵の貴重書・絵画が展示されているというのがウリですが、確かに「円明園西洋楼版画」や「アヘン戦争図」など、教科書に載ってるレベルのものがチラホラと…… 個人的にツボだったのは、国宝の『史記』(1145年の写本)と殷代の甲骨卜辞でしたが(^^;) また企画展示コーナーもあり、私が行った時は辛亥革命百周年記念展示ということで、孫文や黄興・蔣介石・魯迅といった革命人士の筆跡が展示されてました。国宝展の展示コーナーなど定期的な入れ替えもあるようで、機会があればまた行ってみたいですね。

神田古本まつり
人多すぎワロタw しかし肝心の収穫はいまひとつ……

最後におまけ。東洋文庫の向かいの六義園にて。
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