博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『大明王朝1566』その6(完)

2008年08月10日 | 中国歴史ドラマ
『大明王朝1566』第38~最終第46話まで見ました。

嘉靖44年年末、宮廷では西苑の宮殿修築に多額の金を費やす一方で、国庫欠乏のため官吏への俸禄支給が滞る有様。頭に来た官吏たちは戸部の役所に抗議に押し寄せますが、肝心の戸部尚書趙貞吉と内閣首輔の徐階は嘉靖帝のための青詞の作成に追われています(;´д⊂)  

一方、地方では年末から翌嘉靖45年正月にかけて厳冬と食糧不足から餓死者・凍死者が相次ぎ、海瑞も視察に出ますが、地方官のあまりにやる気のない対応に憤激し、下々の暮らしのことなど眼中にない嘉靖帝を諫めるために彼はいよいよ死を賭して上疏を決行。これを読んだ嘉靖帝は当然のごとく激怒し、海瑞や彼のシンパを投獄しますが……

というわけで終盤に至っていよいよ『海瑞罷官』のエピソードに突入です。しかしここに来るまでが長かったですね。全46話の大半が1561年(嘉靖40年)の話なので、『大明王朝1566』というタイトルは看板に偽りありだと思います(^^;)

ただ、内容は本格的な歴史劇に仕上がっており、久々に重厚な中国歴史ドラマを見たという満足感に浸ることが出来ました。(注:以前に見た『臥薪嘗胆』だの『王昭君』だのは本格的な歴史劇に含まれません(^^;) )

なかでも注目ポイントは主役の海瑞の熱さと嘉靖帝の異様さですね。特に嘉靖帝は作品中ではほとんど西苑の玉熙宮に引きこもって道術の修練に励んでおり、宮殿の外に出たのがたった一度だけという見事なまでのニートぶりを披露し、清朝物のドラマで清朝皇帝が水戸黄門よろしく宮廷を出てお忍び旅をしているのとはだいぶ違います。そのくせ国の経済状況だけはしっかりと把握していて、宮殿修築なんかの無駄遣いに励んだりするんですよね……

本作の最後でこの嘉靖帝が崩御してしまうわけですが、後を継いだ隆慶帝(本作の裕王)も在位わずか6年で崩御。そして更にその後を継ぐのが本作では裕王の世子として登場していた万暦帝。実は現在万暦15年を舞台にした続編『大明王朝1587』が制作中とのこと。1587年と言えば海瑞が亡くなった年ということですが、一般的に暗君と評価される万暦帝を軸にどんな政治ドラマが繰り広げられるのか今からガクガクプルプルであります……

コメント (4)
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