博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『楚漢伝奇』その5

2013年07月25日 | 中国歴史ドラマ
『楚漢伝奇』第27~33話まで見ました。

定陶へと出陣することにした項梁。それを章邯の罠だと見破った韓信は項梁に出陣の取りやめを進言するものの、項梁は「あーはいはい、わかったわかった」と適当にスルーして出陣し、あえなく戦死してしまいます。項梁の救援へと赴いていた劉邦は後々の項羽への言い訳のため、項梁が既に戦死していると察知しつつも定陶へと突撃しようとしますが、樊噲らが力尽くで阻止。案の定項羽が劉邦に「なぜ叔父を見殺しにした!」と詰め寄ってきますが、前後の事情を知って態度を変え、劉邦と義兄弟の契りを結びます。

ここらへんで劉邦が戚夫人と出会ってますが、ちょっと出番が早すぎるんじゃないかと…… 一方、劉邦の実家に残った呂雉は貧困の中兄嫁にいびられる日々を送っておりますが、強気の対応を崩さなかった結果、義父の劉太公から家長の地位を譲られることに(^^;) 健気な中にも後の呂后の片鱗が感じられますね。

また、行方不明になっていた虞子期(虞姫の兄)が突然項羽のもとへと帰還。項羽の一族の項狄が兄妹の父親の仇であると判明しますが、その項狄が趙国へと逃亡。項羽が虞兄妹とともに項狄を捜索し、自害させます。しかし虞子期がなぜ行方不明になったのか、これまでどこで何をしていたのかはよく分からないままです……

さて、范増と生前の項梁に見出されて羊飼いの身から楚王となった懐王ですが、項羽を掣肘するために劉邦を武安侯に封じます。そして秦の章邯に追い詰められた趙国への援軍派遣にも、宋義を上将軍として項羽を副将とする一方、秦の隙を突くためと称して劉邦に函谷関を経て咸陽を攻めさせることにし、更に先に関中に入った者をその地の王にすると宣言。朝議の場で劉邦に命令を受けないよう目配せする范増ですが、劉邦がそれを勘違いふりをして命令を受けるシーンはなかなかに愉快ですw

しかしいざ出陣してみると、劉邦は范増の意を受けた魏王豹の家臣に配下の兵士を密かに殺害されたりと妨害を受け、項羽の方も進軍速度を緩める宋義の牛歩戦術に悩まされ、結局その宋義を殺害することに……

その頃秦の宮廷では、いつの間にか気が触れたということで、胡亥が趙高によって宮中の奥深くに押し込められておりました。何かこのあたりワンシーン飛んでるような気がするのですが、中国ドラマではよくあることなので気にしないことにします。胡亥はそのまま気が触れたふりをする一方で、甥の子嬰を呼び戻そうとしますが……
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『楚漢伝奇』その4

2013年07月15日 | 中国歴史ドラマ
『楚漢伝奇』第20~26話まで見ました。

反乱軍討伐の総大将として順調に軍功を挙げる章邯ですが、案の定趙高から警戒され、咸陽での祝賀会は中止となり、補佐役という名の監視役として董翳と司馬欣が派遣されてきます。特に司馬欣は「水土不服」を理由に作戦会議を早退したりと、章邯に対してあからさまな態度を採り続けますが、章邯の妻晨曦公主の手配で彼の老母を治療してもらったことがきっかけで、董翳ともども章邯に心服。その晨曦公主は密かに趙高の追い落としを謀りますが……?

一方、劉邦は攻め寄せる秦軍から沛城を堅守。このドラマ、カタパルトで火球を飛ばしたりと、相変わらず無駄に戦争シーンが派手です。こういう序盤の割とどうでもいい戦争でこのレベルなら、最後の見せ場となるはずの垓下の戦いなんかかはどういうことになるんでしょうか(^^;) ちなみにこのあたりでこれまで「劉季」と名乗っていた劉邦が、蕭何の勧めでお馴染みの「劉邦」という名に改名しております。

しかし劉邦が出征した隙を突いて雍歯が沛城を乗っ取ってしまい、大ピンチに。本作で雍歯を演じているのは張紀中版『射英雄伝』の西毒欧陽鋒こと尤勇。あるいは『レッドクリフ』の劉備と言った方が通りがいいでしょうか。



沛を奪還すべく楚の名族の子孫景駒に兵を借りに行く劉邦ですが、当の景駒はこの時項羽によって攻め滅ぼされておりました。ここで張良が劉邦と出会い、配下に加わっております。ついでに項梁・項羽の軍師として范増も登場。本作で范増を演じているのは、これまた張紀中版『射英雄伝』で洪七公を演じていた孫海英。微妙にノリが軽いですw



さて、当てが外れた劉邦ですが、「自分も実は景駒を討伐に来たんだ!」と無理な口実をでっち上げ、今度は項羽から兵を借りようとします。ということで本作の主役2人が初対面と相成りますが……

項羽「援軍?いくらいるんだ?五千人でいいか?」
劉邦「充分ですとも!」
項羽「じゃあ後で八千人にして返せよ」
五千円貸すから、利子を付けて八千円にして返せみたいなことを言われましてもね。

まんまと援軍をせしめて沛城奪回に成功した劉邦。しかし張良は祖国の韓の復興のために劉邦のもとを去り、おまけに項羽&范増の命で自分の兵と引き離されて襄城の秦軍討伐に向かわされることに。1回目の出征ではわざと敗北して引き返し、「自分の配下でないからうまくいかなかった」と言い訳し、自分の兵とともに再度出征。「あとは襄城を陥とせばええだけやな」と気楽に構える劉邦ですが、そこへ1万人以上の秦の援軍が出現したとの情報が。もちろん范増はこのことを知ったうえで劉邦を送り込んだわけです。何で序盤から劉邦と范増がきたないなさすがの応酬をしているんでしょうか(´Д`;)

自分が死地に追い込まれたことを悟る劉邦ですが、気合いと根性でこのピンチを凌ぎ、何とか勝利へ。こういうのは気合いと根性で何とかなるもんなんでしょうかね?
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『楚漢伝奇』その3

2013年07月06日 | 中国歴史ドラマ
『楚漢伝奇』第13~19話まで見ました。

会稽郡郡守の殷通からともに謀反をおこすことを諮られた項梁ですが、項羽とともに殷通を倒し、自らが会稽郡を制圧。このあたりから項羽が軍人として頭角を現していきます。項羽絡みの場面ではとにかく派手な戦闘シーンが目に付きますね。



で、この間に潜伏生活時代にマブダチになった虞子期(虞姫の兄でもあります)を再訪したりしてますが、虞家は楚軍の略奪に遭ったようで、虞子期兄妹の父親は惨殺、虞子期本人は行方不明に。ということで取り敢えず1人残された虞姫を連れ帰ります。

一方、劉邦も群盗の首領の身から沛県を制圧し、沛公となります。祝宴の宴で因果を含めて別れたはずの曹氏が、劉邦との間の子である劉肥を連れてやって来て修羅場になりかけますが、呂雉が劉邦に劉肥を我が子と認知するよう促し、事なきを得ます。これが『大漢風』なら、呂雉が曹氏母子の抹殺をはかるとかそういう展開になってるはずですが(^^;)

ついで近隣の胡陵制圧をはかる劉邦ですが、ここで蕭何が胡陵遠征に反対。蕭何曰く「どうしても胡陵を攻めるの?」「くれぐれも慎重にな」「戦況が不利になったら無理をせずにすぐ引き返すんだよ?」 ……どう見ても敗戦のフラグです。本当にありがとうございました\(^o^)/ 案の定戦いは敗北に終わります。沛に引き返してから劉邦が「負けたうえに食糧も無くなってきたけど、ヤケになってパンピーから略奪なんてするなよ!軍規はちゃんと守るように(キリッ 」と、反省会というかミーティングをやってますけど、新版『三国』でも赤壁で破れた後の曹操がこういうミーティングをやってましたね。

で、これがやっぱりフラグとなり、雍歯が寡婦に暴行をはたらいていたことが発覚。危うく処刑されかかる雍歯ですが、実は寡婦とは合意のうえであったことが発覚し、一命を取り留めます。

秦では趙高が李斯を刑死に追い込み、権力を掌握。この間に博士の末席にいた叔孫通が胡亥に阿って首席博士に取り立てられたりしてますが、「オレを重用しようとするような国家が碌な国家であるはずがない」(大意)ということで官を捨てて逃亡。更に各地でおこった反乱に官軍が敗戦していきますが、章邯が晨曦公主(扶蘇の娘)を介して趙高に対し、反乱軍鎮圧の任務を授けられるよう自らの売り込みをはかります。

で、首尾良く反乱軍鎮圧の大将に任命され、晨曦公主と結婚することになった章邯。死刑囚を兵士として動員することにし、彼らの中から英布を抜擢しますが、今回英布を演じるのは新版『水滸傳』の林冲役や、先日まで見ていた于正版『笑傲江湖』の左冷禅役などでお馴染みの胡東さん。この英布ですが、章邯のもとで順調に軍功を挙げるものの、官爵は与えても報奨金は出し渋るという方針に愛想を尽かして逃亡→項梁軍へと帰順。いくら官軍でも社員にボーナスをケチるブラック国家はアカンということでしょうかw
コメント (2)
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