博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『大漢風』第28話

2007年04月15日 | ドラマ『大漢風』
三重の方で震度5の地震があったということですが、阪神間でも結構揺れました……

さて、今週放映の『大漢風』第28話では遂に義帝があぼーんされてしまいました…… 

一方、彭城では項羽と虞姫の結婚式が執り行われますが、義帝暗殺の事情を知った呂雉は「この私が夫と引き離されて寂しい思いをしているというのに、お前達だけいい思いはさせぬ!」とばかりに、新婚初夜を迎えた虞姫に義帝が暗殺されたことを知らせてしまいます。この結婚式が義帝を暗殺するのに利用されたと知り、項羽への怒りを隠せない虞姫。

新婚初夜だというのに寝室を追い出されてしまった項羽はなぜか呂雉とやけ酒を飲むハメになり、おまけに泥酔する項羽に呂雉が「実は男らしいあなたのことがずっと好きだった。初めて会った時、劉邦と結婚したことを後悔した」と衝撃の告白を…… な、なんだってーーーー!!?こういう展開にしてホントにどうするつもりなんですかっ!!(^^;) 

しかし項羽はやはり虞姫のことをあきらめきれない様子。今回のラストで呂雉は虞姫に「義帝は結局ここで死ぬ運命だったのよ。項羽が殺させてなきゃ他の誰かが殺させたに違いないわ」と、もの凄いことを言いながら項羽を許してやるよう諭しますが、これにはどういう魂胆があるんでしょうか。次回も目が離せません……
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ドラマ『北魏馮太后』

2007年04月13日 | 中国歴史ドラマ
二日ほど前から風邪気味です。喉がやられました……

さて、大陸では春秋戦国あたりから近現代まで各時代の歴史ドラマが制作されておりますが、北魏とか梁とか南北朝を舞台にした作品って見たこと無いよなあと思いつつ、2ちゃんの中国ドラマスレをつらつら眺めていましたら、現在まさにその南北朝期のドラマが制作中という情報が目に入りました。その名も『北魏馮太后』です。

主役の馮太后を演じるのは、『大漢風』の呂后役でおなじみ呉倩蓮です。この流れでいくとそのうち則天武后とか西太后の役に抜擢されそうですね。

時代的には太武帝から孝文帝の頃までを扱うということで、献文帝と馮太后の熾烈な権力争いがどのように描かれるのか(あるいはこのあたりがスルーされてしまうのか)楽しみであります(^^;) あと、なぜか花木蘭も登場するようで、見所が多そうな作品です。
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『少林寺木人拳』

2007年04月11日 | 映画
『少林寺木人拳』(原題:少林木人巷、羅維監督、ジャッキー・チェン主演、1977年、香港)

幼い頃、悪漢に父親を殺された青年は仇を討つべく少林寺で修行に励むが、一向に修行が進まない。そんなある日、青年は境内の洞窟に忍び込み、悪事をはたらいた武芸の達人が拘禁されているのを発見する。青年はこの達人から武芸を学び、少林寺の最終試練である木人の間に挑もうとするが……

というわけで久々に地上波深夜放映の香港映画を鑑賞。洞窟に拘禁されている達人が大声を発して相手を動けなくする「獅子吼」を修練していたり、幇会が話に絡んできたり、主人公が謎の尼僧に軽功の奥義を授けられたりと、カンフー映画というよりは武侠映画といった方がしっくりくる一片です。

ジャッキーはおなじみのコミカルな役柄ではなく、幼い頃に父親を殺害されてから誰とも口をきこうとしないという、どことなく悲壮感の漂うキャラクターを演じているのですが、この若い頃のジャッキーが実に初々しいです。

物語のハイライトとなる木人の間の修行というのは、機械仕掛けで技を繰り出す木製の人形が左右二列に分かれて何体も並んでいる通路を、その木人と戦いながら出口まで通り抜けていくというものなんですが、この木人が『クロマティ高校』に出て来るメカ沢君のような実に愛嬌のある造型をしており、思わず笑ってしまいました(^^;)
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『大漢風』第27話

2007年04月09日 | ドラマ『大漢風』
項羽は目障りになってきた義帝を彭城から郴県に移そうとしますが、義帝は仮病を使って遷都に応じません。そこで范増と項羽は寄りによって虞姫に義帝の見舞いに行かせます。義帝は虞姫が来たと知るや周りが止めるのも聞かずに寝室へと招き入れ、「あなたの顔を見て病気が軽くなったよ」とか調子のいいことを言い出してベッドから跳び起きる始末…… お陰で仮病であることが項羽側にバレバレです(^^;)

項羽は更に虞姫の兄である虞子期に命じて義帝に面会させ、「実は虞姫は殺伐とした項羽のことを嫌っており、陛下と添いとげたがっている」と耳打ちさせます。ちょっと考えればこれが項羽の仕掛けた罠であることぐらい分かりそうなもんですが、義帝はこれを信じ込んでしまい、更に「虞姫は陛下と郴県で暮らしたがっている」という虞子期の口車に乗って郴県への遷都を決意。哀れな子羊義帝の運命やいかに!?(^^;)

一方、漢中の劉邦のもとに韓信が仕官にやって来ますが、劉邦はまともに取り合わず、「こんな奥地に仕官に来るなんてバカな奴だ。しかしどんなバカな奴でも無駄足は踏ませないぜ!」と、取り敢えず彼を倉庫番に任命します。その後一騒動あって蕭何が韓信の才能を見出し、劉邦に彼を推薦しようとしますが、その時ちょうど曹姫と劉肥が劉邦を訪ねてきており、彼は「何、韓信?そんな奴のことなんてどうだっていいじゃないか。今家族団欒中なんだよ!」と邪魔くさそうに蕭何を追い返します。韓信、どこまでも間の悪い奴です……

曹姫はもう二度と生きて劉邦に会えないと思っていたので、ここで再登場するのは意外です。となると、またいずれ曹姫と呂雉との陰惨な戦いが見られることになるのでしょうか。ちなみに劉肥の方は相変わらず名前通り丸々太った子役のまんまです。
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『江山風雨情』その1

2007年04月08日 | 中国歴史ドラマ
正直、ライト感覚の古装片にはもういい加減飽きてきました(^^;) 武侠物より重厚な歴史劇が見たいぞと思っていたところ、とある筋からこの作品のVCDを借りられることになりました。明末清初の興亡を描いたドラマなのですが、陳道明が天啓帝役、唐国強がホンタイジ役、鮑国安が洪承疇役と、いわゆる皇帝役者が出まくりで配役がやたらに豪華です。

監督は陳家林氏で、以前に鑑賞した『康熙王朝』『大清風雲』の制作にも関わっています。この三本のドラマを見れば明末清初の流れを明側・清側の双方から概観できるようになっており、私はこの三本のドラマを勝手に陳家林明末清初三部作と呼んでおります。(ただし、『康熙王朝』は二月河の歴史小説を原作としたものですが)

取り敢えずVCD版全45話中第9話までを鑑賞。陳道明が出演すると言うことで楽しみにしていたら、彼が演じる天啓帝は初っぱなで重病に倒れてしまいます。これに焦ったのは天啓帝お気に入りの宦官の魏忠賢。天啓帝は謹厳実直な弟の信王を後継ぎに据えようとしますが、魏忠賢はこんな融通が利かなさそうなのが皇帝になった暁には自分が粛清されてしまうとばかりに信王の即位を邪魔します。

魏忠賢は宮中の女官が子を宿したことを知ると、これを天啓帝が孕ませた子と偽って後継ぎにしようとしますが、案に相違して産まれたのは女の子。結局信王が天啓帝の後を継ぎ即位します。これが明朝最後の皇帝・崇禎帝です。魏忠賢は宮廷を追われ、女官も産まれたばかりの女児とともに行方をくらまします。この女児は幼くして母親に死に別れると揚州の妓院に引き取られ、揚州一と評判の高い妓女となります。彼女こそが何を隠そう呉三桂との悲恋で知られる陳円円であります。

彼女は崇禎帝の側近の宦官・王承恩に見出され、何の因果か自分が産まれた皇宮へと舞い戻り、崇禎帝の侍女として仕えることになります。この揚州から北京への道中でたまたま青年将校の呉三桂と出会い、お互いを意識するようになるのですが……

このドラマは誰が主役ということもなく、崇禎帝・王承恩・呉三桂・陳円円・李自成・ホンタイジといった人物を中心とした群像劇となっています。その中で陳円円と呉三桂の恋愛が物語の軸のひとつとなっているようですが、呉三桂は『康熙王朝』『鹿鼎記』などに描かれている後年の姿とは違って颯爽とした青年武将として描かれております(^^;) 
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『連城訣』文庫版

2007年04月06日 | 小説
徳間書店から金庸『連城訣』の文庫版が刊行されました。

何で今頃文庫化されるのかと思いきや、ドラマ版が六月からチャンネルNECOで放映されるからなんですね。マクザムさんからDVD発売→チャンネルNECOで放映→文庫版の発売という流れが確立されたようで、心強い限りです。

今回の解説は『Gガンダム』などの監督として知られる今川泰宏氏です。氏と金庸小説の馴れ初めや、『Gガン』のキャラクター東方不敗の命名の裏話について語っております。
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『北京バイオリン』

2007年04月05日 | その他映像作品
NHK-BS2で放送のドラマ版『北京バイオリン』を見てました。

全24話ということでどんな具合に話を引き延ばすかと思いきや、主人公と父親の劉成が出会う前の話から始まりました。この劉成、しょっぱなから恋人に跳び蹴りを食らわせたりしてますが、何というか気が短いにも程があります(^^;)

主人公が実は捨て子だったというのは映画版ではラストで明かされるのですが、ドラマの方では早々に劉成が赤ん坊の主人公を拾う場面が扱われるようですね。

今日はまあ第一話だし一応見ておくかという感じでチャンネルを合わせましたが、展開がスピーディーでダレ場が無いドラマですね。次回も見てみることにします。
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『明治天皇』(一)

2007年04月04日 | 日本史書籍
本日でブログ開設一周年を迎えました。北京旅行からもう一年が経つとは、早いもんです……

ドナルド・キーン著、角地幸男訳『明治天皇』(一)(新潮文庫、2007年3月)

ドナルド・キーン氏による明治天皇の評伝で、元々は上下二巻だったものを四巻本にして文庫化したものです。この第一巻は明治天皇の誕生から明治元年の最初の東京行幸のあたりまでを扱っています。

ここらあたりは明治天皇よりもその父親の孝明天皇に関する記述が多いですね。孝明天皇といえば泉涌寺所蔵ののっぺり顔の肖像画が思い浮かばれますが、(写真は「幕末京都」というサイトの一番上の段の画像を参照。)著者によるとその肖像画から受けるイメージとは裏腹に孝明帝は「生涯怒り続けていた天皇」で、熱烈に幕府に攘夷を求めるものの、幕府側はその意に反して開国政策を進めるなど、とかく思い通りにならないことばかりで、晩年には投げやりになって酒色に耽っていたとのことです。本巻の口絵にある『太陽臨時増刊 明治聖天子』(1912年、博文館)掲載の肖像画を見ると、確かに何やら機嫌の悪そうな表情をしております(^^;)

一方の明治天皇はと言えば、遊び友達をぽかぽか殴りつけたり、守り役の公家にいたずらをしたりと、幼少の頃はかなりゴンタクレだったご様子…… また意外にも『源平盛衰記』『太平記』『太閤記』といった軍記物や『漢楚軍談』『三国志』といった中国の小説を愛読しており、遊び相手と秀吉や正成、関羽・張飛といった豪傑たちの事績を語り合っていたそうです。

しかし即位した後の天皇からはそのような個性を見出しにくくなっていますね。強いて言えば、明治天皇は極度の乗馬好きで酒飲みで、学究肌ではないが学問に対する姿勢は真摯ということになるでしょうか。天皇を聖天子として一方的に賛美することはせず、かといって戦後の学者がやってきたように天皇に無能・横暴といったレッテルを貼ることはせず、天皇の実像を明らかにすることが本書のねらいということですが……
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NHKスペシャル『激流中国』

2007年04月02日 | TVドキュメンタリー
昨晩と今晩との二部構成で、第一部が中国国内の経済格差、第二部が中国での報道の現状がテーマでした。

見応えがあったのは昨日の第一部ですね。奥地の農村から都会へと出稼ぎに出ている人々は日雇い労働で自分達の生活費を稼ぎ出すのがやっとで、田舎への仕送りもままなりません。身なりも顔つきも(失礼ながら)ショボくれております。で、田舎でお爺さん・お婆さんに預けられている子供達は学校で勉学に励んで将来の出世を目指しますが、両親からすればその学費をいつまで払えるか心許ない状況です。

一方都会育ちのいいとこのイケメンのお坊ちゃんは、親の財産とコネをフルに活用してベンチャー企業を立ち上げ、しかも地方の党幹部になった大学の同窓生から優良株の情報を得て投資で大儲けです。毎日外車を乗り回して高級マンションで暮らし、モデル出身の美人の奥さんをもらって、まだ幼い一人息子の将来の留学先を今から考えている始末です。この息子がまた(憎たらしいことに)両親に似て将来タレントにでもなれそうなカッコいい顔つきをしております。

要するに現在の中国は、建前上は誰にでも立身出世の糸口がつかめるということになっていますが、実際は社会的に成功できるのは党幹部の一族とか、それと結びついた大金持ちといった特権階級に限られてしまっているということです。何だか科挙が行われていた時代に逆戻りしてしまったようであります…… おまけにタレントになってブレイクて大儲けするという手段すら特権階級に独占されているような感じですし(-_-;)

もっともドキュメンタリーとはいえ多少の誇張があるかもしれませんが、いっそのことすべて誇張であって欲しいと思いつつ、最初から最後までドン引きしながら見てました……
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『大漢風』第26話

2007年04月01日 | ドラマ『大漢風』
劉邦一行は封地の漢中へと向かいますが、呂雉と劉邦の父親は人質として項羽らとともに彭城へと向かうことに。呂雉は虞姫と接触し、劉邦が彼女を襲おうとしたことを項羽には内緒にするという約束を取り付けます。虞姫は侍女の君児が妊娠したことを隠し通そうとしますが、こちらの方は早々に呂雉にバレてしまいます(^^;) 呂雉を恐れる君児に対して虞姫は「旦那様と離ればなれになって寂しい思いをしているに違いないわ。あの人も可哀想な人なのよ」なんて同情を寄せますが、どこまでお人好しなんでしょうか……

呂雉は妊娠した君児に対して「あとのことは任せておきなさい」とやさしい言葉をかけながら、裏では君児から産まれる子が自分の産んだ劉盈(後の恵帝)のライバルになるに違いない、今のうちに何とかしなければなどと審食其と相談しております。君児とその子供の運命やいかに!?

一方、劉邦はと言えば、怖い奥様から解放されて早速寝所で女性を侍らせております…… 今回の最後で韓信が登場したので、そろそろ韓信が劉邦の臣下となる話が来るはずですが、この韓信役の呉越、出世しそうなオーラがまるで感じられないんですが(^^;)
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