博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

NHKスペシャル『激流中国』

2007年04月02日 | TVドキュメンタリー
昨晩と今晩との二部構成で、第一部が中国国内の経済格差、第二部が中国での報道の現状がテーマでした。

見応えがあったのは昨日の第一部ですね。奥地の農村から都会へと出稼ぎに出ている人々は日雇い労働で自分達の生活費を稼ぎ出すのがやっとで、田舎への仕送りもままなりません。身なりも顔つきも(失礼ながら)ショボくれております。で、田舎でお爺さん・お婆さんに預けられている子供達は学校で勉学に励んで将来の出世を目指しますが、両親からすればその学費をいつまで払えるか心許ない状況です。

一方都会育ちのいいとこのイケメンのお坊ちゃんは、親の財産とコネをフルに活用してベンチャー企業を立ち上げ、しかも地方の党幹部になった大学の同窓生から優良株の情報を得て投資で大儲けです。毎日外車を乗り回して高級マンションで暮らし、モデル出身の美人の奥さんをもらって、まだ幼い一人息子の将来の留学先を今から考えている始末です。この息子がまた(憎たらしいことに)両親に似て将来タレントにでもなれそうなカッコいい顔つきをしております。

要するに現在の中国は、建前上は誰にでも立身出世の糸口がつかめるということになっていますが、実際は社会的に成功できるのは党幹部の一族とか、それと結びついた大金持ちといった特権階級に限られてしまっているということです。何だか科挙が行われていた時代に逆戻りしてしまったようであります…… おまけにタレントになってブレイクて大儲けするという手段すら特権階級に独占されているような感じですし(-_-;)

もっともドキュメンタリーとはいえ多少の誇張があるかもしれませんが、いっそのことすべて誇張であって欲しいと思いつつ、最初から最後までドン引きしながら見てました……
コメント (2)
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