Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

黄金週間

2009-05-08 | Weblog
 黄金週間は殆ど子守りで終わりました。なんだかここ最近、指数関数的に成長しているような。乳児から幼児へと変貌しているのだろうか?最近のブームは「引きちぎり」のようです。
 一日だけ親の助けを借りて「ラフォルジュルネ」を2公演だけ聞いてきました。1つは「0歳からのクラシック」。ホールが大きかったせいか、それほど阿鼻叫喚の図ではなかった。前半は調子のよかった子供ですが、初めて体験するホールでの大拍手に驚いて後半からぐずぐずに。そして途中退場・・・。演奏はバッハのVn協奏曲とブランデン3だったのだけど、予想に反して演奏が素晴らしかった!指揮はあのカントロフで、Vnはドミトリ・マフチン。このマフチン、名前は知っていたのだけど演奏を聞くのは初めて。かなり正確に弾く。かといって端正過ぎず、どちらかというと情熱的で、好みの演奏でした。伴奏は「シンフォニア・ヴィルソヴィア」というポーランドの団体。初めて名前を聞くオケだったけど、調べてみるとメニューインが特別編成したオケだそうです。子供のための演奏に朝一番から出てくるのだから、それなりの団体なんだろと思っていたけど、予想外の高パフォーマンスに、妻と「上手いね!」を連発し合いました。(辛口の私は滅多に褒めません)。ブランデンは各パートを1人ずつに減らして立奏にし、この難曲をかなりの快速で熱演し、そのパフォーマンスの高さを魅せつけてくれました。公式HPを覗いてみると、共演者がトップクラスばかりなので、欧州での評価は高い団体なのでしょう。東欧オケ、侮れません。次はきちんとした演奏会で聞きたい。まずCDを手に入れてみよう。
 二つ目は、昔から一度聞いてみたかったイタリアンバロックの雄「エウロパ・ガランテ」。学生時代に「四季」のCDを聞いて以来、この団体の虜です。大量の録音が出ているのだけど、廃盤になっているものも多く、オークションや中古でゆっくりと揃えてます。今回、どうしても聞きたかったので、先行発売と同時にアタックして何とか席を押さえることができました(ラフォルジュルネは、もはや気軽に聞ける演奏会では無くなった。)範疇としては古楽演奏なんだけど、団体名の「エウロパ・ガランテ=栄光ある欧州」にあるように、過去における貴族社会での音楽の役割を意識して、音楽の華やかさとエネルギッシュさを前面に出し、色彩豊かでかつ切れ味のある演奏をします。率いるのは超絶技巧奏者としても有名なファビオ・ビオンディ。45分という短い公演時間なのに、ヴィヴァルディのシンフォニア、協奏曲など5曲を弾き、アンコールまでしてくれました。演奏は、とにかく機動性が柔軟でまとまっている。連続して聞いていると、心地よいつむじ風に巻き込まれて(意味不明)、空中遊覧をしているような気分になりました。売りでもある大音量のチェンバロにバロック弦楽器とリュートが絶妙のバランスで重なり、純正和音の美をこれでもかと聴かせてくれました。ブラボーが結構出てたな。奏者は全員が黒ずくめで、髪の薄い人はスキンヘッドに剃り上げていました。こういったスタイリッシュさも、学問的なカビ臭い古楽演奏と一線を画している一因なのだと思います。こういう古楽ならいつでも聞きたい。終演後、駅に向かう客集団の中に、早々に着替えてヴァイオリンを背負ったビオンディを発見しました。目つきの鋭さが印象的でした。

生演奏って本当にいいですね。

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