村上春樹の長編の中でも最も新しい作品ということ。古本屋で文庫版を発見して購入、300円。舞台は終電から始発までの間の深夜の歓楽街。朝が巡ってくるまでに、それぞれに悩みをもった登場人物たちが、小さな出会いと事件を通じて心のうちを披露しあい、傷を舐めあって自己修復して前進する話。世界からドロップアウトして眠り続ける主人公の姉も、少しだけ前進した妹によって次の段階へ進むことができた。時間は意味もなく無情に流れつづけるが、人は人との接触で連鎖反応的にその時間に意義を持たせられる・・・そんな話だろうと思った。ミステリーとか冒険とかを期待する人には肩すかしで終わってしまうと思うけど、散漫なようで、実は凝縮している一冊だと思う。ただ、どの登場人物も非常に雄弁でなのだが、作者が伝えたい内容を、登場人物に均等に割り振って会話させているだけのような感もうけた。その点、若干だが人物各の個性に欠けているようにも思えた。
各章の初めに時計が登場して、深夜の何時かを示すわけだが、その時間を追っているうちに一つのことに気づいた。実は、私は徹夜というものを、まともにしたことがない。しようにも、体力と精神力が共にないので出来ないのである。だから、夜更かしをしても、せいぜい2時過ぎが限度である。そして、当然のごとく早起きでもない。だから、人生このかた、3時ー5時の間を起きていた経験が殆ど無いのだ、ということに気づいた。自分が存在していない時間帯がこの世にあるのだということを認識して、身近なところに未知の世界があることに気づき、はっとした。
各章の初めに時計が登場して、深夜の何時かを示すわけだが、その時間を追っているうちに一つのことに気づいた。実は、私は徹夜というものを、まともにしたことがない。しようにも、体力と精神力が共にないので出来ないのである。だから、夜更かしをしても、せいぜい2時過ぎが限度である。そして、当然のごとく早起きでもない。だから、人生このかた、3時ー5時の間を起きていた経験が殆ど無いのだ、ということに気づいた。自分が存在していない時間帯がこの世にあるのだということを認識して、身近なところに未知の世界があることに気づき、はっとした。
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