先日、HMVでポリーニのモーツァルト協奏曲の新譜を試聴してきた(2500円もする新譜をいきなり買ったりはしない)。曲目は12番と24番で、ウィーンフィルとのライブ。ジャケット写真をみると、ポリーニも良い感じに老けてきたので、そろそろ渋い演奏でも聴かせてくれるかもなどと、ちょっと(実はかなり)期待したのだが、あーあ、結局ポリーニはポリーニである。相変わらず、硬質で無機質なキンコンした音だ。この人には、ぬくもりやら奥行きやら、人間をしっとり、ほんのり、ほんわかさせる感情表現が存在しない。ポリーニは日本文化に興味があるとwikiに書いてあるが、それなら谷崎でも読めといいたい。まあ、もう手遅れだが。演奏内容では、モーツァルトの見せ場でもある駆け上りで、いつもなぜか微妙にもたついた上に、ペダルで音が濁ってジ・エンド。伴奏のウィーンフィルは音質もクリアで良いドライブをしている。ポリーニが弾き振りしたのだが、弾き振りの指揮なぞあってないようなもので、自分たちでアンサンブルをしたのだろう。
思うに、ポリーニ・三島由紀夫・ワーグナーは結構かぶるものがあると思う。この3つを同時に好きな人の例をいくつか知っている。
思うに、ポリーニ・三島由紀夫・ワーグナーは結構かぶるものがあると思う。この3つを同時に好きな人の例をいくつか知っている。