村上春樹のエルサレム賞受賞スピーチ書面

を読み感銘を受けた。あの短い中にねじまきを読んだ時感じた彼の小説のエッセンスが凝縮されている。低い敷居から入り、深みと広がり、想像力の世界へと誘う。抽象度の微調整や得意の比喩も見事。私は中東情勢の詳細など知らないし、彼が言外にどんな政治的メッセージを込めたかも解らない。命懸けの選択だったのかもしれない。然しそんな背景に無頓着でもこのスピーチ(私は字で読んだだけだが)に魅力を感じる。メッセージや主張に敬意を払わずとも「今見えるもの触れれるもの」を通じてその文学的価値を味わう事はできるのだ。光の詞も同じ様に楽しむ事になるだろう。