無意識日記
宇多田光 word:i_
 



浸る曲だからイントロの僅かな音だけでその手触りに惹かれ得る。手触り、と書いたが日本ではどうにも音の感触そのものを愉しむ方向には行き難い。この曲のよさ味わうには、例えるならプールに出掛けて「さぁ泳ぐぞ!」と張り切るより水面にぷかぷか浮かんで時を過ごすような感じで、といえばいいかな。目標もなく、従って終りもない時間。曲だから取り敢えず終るのだがリスナーはまたリピートするだけである。ひたすら身を委ねて心地好い音楽。このダラダラした無責任さは光の音楽を作る時のスタンスから最も遠い。だから純粋にリスナーのスタンスになって好きと言えるんだろうかな。


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では私の感想はといえば「一発で気に入った」どころか「出だしの音だけでやられた」だ。これは別に千里眼があるわけではなく、そういう性質の曲だということ。好きな曲との接し方にも色々あり回数は聴かないがいざというときに耳を傾けたいものもあれば何度聴き返しても厭きないというタイプもある。この曲は完全に後者で、光も「繰り返し繰り返し聴いていつのまにか時間が経つ」と書いている。かくいう私も初聴終了時「あぁ終わっちゃった」と寂しく思い気が付いたら4回リピートしてた。ストーリーよりフィーリング主体だからずっとそこに浸っていたくなる曲なのだった。


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