野呂邦暢「愛についてのデッサン―佐古啓介の旅」読了
本書は平成18年にみすず書房より刊行されたものです。野呂邦暢が続いております。いつも行く安藤書店で見かけて、中身もろくに見ずに買ったのでした。
がしかし、これはどうなんですかね。面白いことは面白いんですが、前に読んだ「草のつるぎ/一滴の夏」や「白桃」とは、やや趣を異にしております。古本屋の若き主人、佐古啓介が主人公の連続物とでもいいましょうか、割と軽い小説です。
古本に秘められた謎、それに絡み合う人間模様、そしてそれを調べるため佐古啓介は、京都、長崎と、あちこち出かけていくわけですが、まぁさらりと読み流していいのでは、と思える作品でした。
いつも値段のことを言ってしまいますが、この内容で2600円は、ちと高いと言わざるを得ません。
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