ブラックファイブ

あのDr.ブラックジャックの半分以下なので、ファイブとします。命燃え尽きるまで、経験と知識からブログをやろう。

研修医試練

2010-10-20 22:58:16 | Weblog
 以前、鎖骨下静脈穿刺を行い、カテーテルの方向が上大静脈ではなく、内頚静脈から頭部方向に向かっていたのを、上大静脈方向に入れ替える手技処置を夕方実施。
 もちろん、研修医にやって貰う。
 裏小技を教えて行うもうまくいかず、この方法は失敗。
 その場合は、最初から再穿刺となる。
 研修医は麻酔針で探っていって、静脈を当てるが太めの本穿刺では入らない。
 そのうち、患者さんの指につけていた動脈血酸素飽和度が下がり始め、研修医告白「さっき、空気が引けた。」
 酸素吸入を始め、穿刺を少し急がせるが、そのプレッシャーかもがきからはい上がれない。
 「替わりますか?」と言って交代。
 研修医の穿刺部位はやや遠すぎの様。手早く入れて、胸部レントゲン写真を早めにと連絡。
 さっきの動脈血酸素飽和度低下は穿刺手技による“気胸”の疑い。
 呼吸音を聞くと、明らかに片方の呼吸音が弱く、そちら(穿刺した胸)の気胸が濃厚。
 胸部レントゲン写真で診断確定。
 再度、研修医登場。今度は気胸の胸に少し太めの管を入れて脱気処置をして貰う。
 直前講義で入れ知恵をし、皮膚と胸膜の麻酔だけは十分にするようにダメを押して開始。
 麻酔が効いて、痛みさえ感じなければ、患者さんは結構待ってくれる。
 今度は目標は大きく、出血さえ気をつければ、的は外れない。
 時々口出しをして完了。
 2時間余りの間に、鎖骨下静脈穿刺と胸腔穿刺と二つの手技を行って、まとめて知恵と技術を学習したハズ。
 もちろん、側でみてるとはがゆいけれど、この試練を経てうまくなる。
 失敗ほど学ぶモノは多いと格好付けすぎだった。

 今日の外来、再来予約でまあ順調だが、少しずつ悪くなる方・良くなってこない方もいて、現実は厳しく難しい。 

※ セ・リーグCSファイナル、巨人にはロッテが見せた勢いは感じられず、試練。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする