ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

なに教えるんだ?演劇学校

2016-07-12 08:59:39 | シニア演劇

 演劇学校で教えるべきこと、まあ、発声とか、身体トレーニング、声による表現、身体表現、こんなところは必須だろう。演劇論とか表現論、演劇の歴史や現状、なんてのは、かなり上のレベルの学校で教えること、シニア演劇学校にはお呼びでない。

 学校って言ったって、教養講座みたいなもんだから、朗読とか簡単な芝居に演者として出せば、それで十分、なんて考え方もある。1年間、それも週1のレッスンでどれだけのことができるんだ?ってわけだ。芝居作るにしても、お客様=講習生には舞台上で頑張ってもらって、裏は専門スタッフが支える、その方が手っ取り早い、まっ、大概はそんなところだろう。僕が教わった演劇学校もそんなもんだった。やるのは演技だけ。

 たしかに、初めて舞台に立つとなれば、セリフを覚え、振りを身に着け、舞台上で他の人とやりとりする、それでもう手一杯、裏方仕事なんてとてもとても!ご勘弁、お許しを!
てところだろう。でも、舞台てのは、役者だけで成り立つもんじゃない。照明、音響、装置、道具、衣装、・・・たくさんの裏仕事が支えにあって成立する。

 だとすれば、そんなスタッフ仕事も一応は見知っておいてもらいたい、それがプラザシニア演劇学校のやり方だ。初めて聞く照明の専門知識は難しくてよくわからないかも知れない。装置作りなんて大の苦手かも知れない。でも、そういった様々な仕事を寄せ集めて、本番の舞台が立ち上がる。役者たちは生き生きと躍動する。

 先週は照明について、粗方、説明をした。灯体の種類、色の入れ方、サスライト、フロント、シーリング、ピン、それぞれの用途、役割等、一通り話しした。残るは調光操作だが、これは生徒自ら、明かりを点けてフェーダーを上げ下げしてもらわないと実感できないから、次回菜の花プラザシニア団の公演の際に、時間を作ることにしようと思っている。

 今回は、すでに説明だけはしてあった、平台とか開き足、箱足、こういった舞台備品を実際にくみ上げる作業を体験してもらった。髙さ2尺8寸の台を5間の長さで仕込み、その中央に3寸、あるいは4寸上がりの階段を作ってみた。たった3種類の道具を組み合わせるだけで、階段とプラットフォームが完成、たったこれだけで舞台が立体的な変化を遂げる。大いに驚いてもらった。レッスンはその階段を使って、モノ運びマイム、床平面だけとは違って、階段の上り下りは、さらに体の使い方を意識させられたようだった。

 照明器具を見た時の興味津々、カラーの種類の多さへの驚き、簡単な舞台備品で階段が仕上がった時の喜び、こんな、ホホーッ!とか、へぇー!を体験してもらうことも、演劇にのめり込んでもらう大切なきっかけになるんじゃなかろうか。

 11月本番前には、装置もしっかり手作りしてもらおう。これも貴重な体験になること間違いなしだ。

コメント (2)
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