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ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

除草で構想!次回台本

2016-07-06 11:01:53 | 演劇

 寝てる時を除けば、今一番多く時間を割いているのは、田んぼの除草作業だ。毎日数時間、多い時には半日も田んぼの中をさすらっている。まったくきりがない。

 Qホーという田の草専用の草けずり鎌を手に、株間のしつこいオモダカやカヤツリグサを刈り取りつつ1歩、また1歩と牛歩よりものったりと田を行き来している。 迷うこと無き単純作業、雑草憎し!の思いもいつしか失せて、ただ、ただ、だらだらとQホーを振るい続ける。

 もったいない!これほどの長い時間、頭が空っぽ!とはなんとも無駄だ。作業が機械的なら、頭脳の方は体から独立して動いてもらいたい。と、願うのだが、脳には脳の事情があるらしく、こちらの思惑通りには働いてくれない。回るには回るが、へ巡るのは過去の失敗やら過ちやら、いつまでも居座る悔恨の周辺ばかり、なんとも罪作りな人生を送ってきたもんだ、なんて、田んぼに入ってまで懺悔している始末。いかん、作業以上にますます暗くなる。もっと、前向きに、もっと生産的に、もっと役立つことを!

 かなりのエネルギーを費やして、頭脳労働のスイッチを入れる。そうだ、次回作品の構想を練るんだ!いや、練るなんて力技は無理、せめてヒント、思いつき、アイディア、なんでもいいから天空から舞い降りてくれ。シニア5期生の11月公演でもいい。10月のコント台本だってOKだ。12月クリスマスの菜の花座も今から考えておかにゃならん。

 5期生のメンバーの顔を思い浮かべる。そうだ、あの人、金に不自由したことないって言ってたっけ、ほんじゃ身勝手な大金持ちなんかどうだ?死を前にして更なる欲望で周囲を振り回す。おお、なんか行けそうじゃないか!となると秘書とか執事が必要、それならあの人だ。介護士なんかもいるはずだから、誰だ?それっぽい人は?金目当てで転がり込んでくるなんて人もいていい、・・・などと、一度動き始めると、どうやら流れに乗って思考が転がり、始めたと思ったら、すぐにあらぬ方に飛び跳ねた。うーん、気まぐれ者め!しばし、夕飯のメニューなどにかかわった後、突如、12月菜の花座に舞い戻り、日舞と折り合う設定ならそうか、明治初めの江戸火消しなんてどうだ?女が年上の逆歳の差婚、なんてコントの題材にならないか?・・・

 何の脈絡もなく、ヒント、アイディア、思いつきが、ぽこっぽこっと浮かび上がり、消えていく。まあ、そのほとんどは没になるたわいないものなのだが、中には田んぼから上がった後も生き延びて、作品世界構築の礎石となる場合もないわけじゃない。例えば、高校演劇で全国大会に進んだ『どんがら山奇譚』なんかは、山奥の婆さんがふいと閃き、それが作品に整って行った。

 なんでもいいから点灯してくれ!きらっと光って降臨してくれ!と、願いつつ、さっ、これからまた田んぼの除草だぜぇ。

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