ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

子狸無残!

2016-07-10 08:47:42 | 暮らし

 瀕死の状態でたどり着きハウスで喘いでいた子狸、翌日はいなくなっていた子狸。

 親が連れ去ったのか、自力で帰って行ったのか、はたまた、キツネやイタチにくわれたのか?不安半分、期待半分で行先を想像していたのだが、自然は、やはり甘いものじゃなかった。

 野菜苗移植用土を作るため、燻炭を取りに入った旧鳥小屋、現倉庫、なにやら生臭い臭い?嫌な予感。そのまま知らんぷりしてしまおうか、とも思ったが、腐臭はかなり強烈!放っておけば、さらに酷い事態にもなりかねない。臭いものに蓋すれば、つけはきっと倍返しだ。奥に入り臭いの源を探す。

 ああ、やっぱり!まぎれもなく子狸の死骸。ハウスからいなくなって3日、腐敗が随所に進行している。特にひどいのは目の周囲、大きく腐り爛れたくさんのウジ虫がうごめいている。もちろん、目玉は跡形もない。毛皮がはがれ落ちていた尻の部分も別の虫たちが盛んに動き回っている。ハエも飛び交い、正視しに堪えぬ惨状だ。

 食いちぎられた様子は見られないから、自ら最後の力を振り絞って這いずり、うす暗い小屋の一隅で力尽きたのだろう。いささかでも心地よい藁の上で息絶えたのであろう。

 スコップを持ち出し、畑の片隅に穴を掘る。表土はもちろん、下の砂礫層まで達する深い穴だ。ここに葬ってやろう。

 動物の腐乱臭は強烈なので、浅い穴だと臭気が漂いでて、腐肉を好む動物に掘り返されてしまう。これまでも、鶏の遺骸など、ずいぶん手ひどい目にあってきた。

 遺骸をスコップに乗せて運び、そっと穴に置き、土をかけた。酷いようだが、簡単に掘り返せないように上からしっかり踏みつける。これでも、動物は嗅ぎ付けて来るて掘り返す。最後の防御策は、彼らが動かせないような重い石を乗せること。まるで墓石のようだが、けっこう墓石の起源って野生動物の墓あらしを防ぐ意味があったのかもしれない、などと思いつつ、手を合わせた。

 短く不本意な一生だったかも知れない。でも、突然の死、予期せぬ最期、これもまた生きるものすべてに通じることだ。また、いつか転生して、今度は化け狸になるほど長生きしろ。

コメント
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