ステージおきたま

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悩みの舞台衣装!菜の花プラザシニア団『クロスロード』

2016-07-09 09:15:39 | 演劇

 菜の花座には衣装さんがいない。一応割り当てはするけれど、仮のもの、幅広い知識も縫製技術もセンスも、持ってないんだよなぁ。プロの舞台や映画とかでたっぷり蓄積してないからだ。台本の行間からイメージするってのも、ほぼ全員が苦手だ。えっ、そりゃ台本での説明が悪いからでしょ?まっ、まぁ、そういうことでもある。突拍子もない世界書くし!それも当たってる。

 衣装のチェック、決定は僕の仕事になっている。衣装係や役者たちがあれこれと聞きただす。とっかえひっかえ候補を持ち寄っては僕の前に広げる。あるいは着て見せる。それを役どころ、シーンのイメージ、共演者とのバランス、照明での映えなど考慮しつつ、これダメ!それOK!即断していく。いいのか、僕なんかが決めて?戸惑いは常にある。

 劇団所有のものにも当人たちのストックにもふさわしいものがなければ、古着屋に買いに行ったり、新たに作ることを指示したりする。ハードオフやしまむらの婦人服売り場をうろつくのも全然苦にならない。生地屋さん覗くのなんか大好きだ。根が恥ずかしがり屋の人間、変われば変わるもんだよ。

 今回の『クロスロード』の衣装も難物だ。なんせ、女性はキャバレーのホステスだから。そんな、持ってるわけないよな、ホステスのドレスなんて。売ってもいない。全員が自分の衣装箪笥ひっかきまわして大量の服を持ち込み、それらしいものを組み合わせてやり繰りして行くしかない。はてさて、どこまでキャバレーを出現させることができるか。衣装や道具でカバーできない以上、役者の演技で頑張ってもらうしかないね。後は、照明か?

 明かりしだいで衣装はずいぶん変わる。日常空間で近くから見ているのと、客席から見るのとでは、まったく別物だ。細かい柄なんかほとんど飛んでしまう。色合いも変わる。稽古場で見て、ああ、その服いいね、センスある、なんてもんはほぼダメだ。えっ、それ、どぎつくない?なんか恥ずかしいんだけど、くらいが丁度いい。中でも、ダンス!オープニングダンスは思いっきりど派手にすることにした。

 ソロダンサーは真っ赤なスカートに黒のシャツ、2列目はグリーンに黄色、3列目は紫にオレンジ、膝丈のフレアスカートにぴっちりのTシャツ。上の写真は稽古中なので、スカートだけ舞台衣装だけどね。それでも昼日中にゃ瞬きしたくなる艶やかさだ。来ている当人たちもきっと恥ずかしがってることだろう。でも、ここが決断なんだ。押し切らなくちゃならない。舞台で、照明の下で踊る姿が観客にどう見えるか、それが勝負なんだから。

 若い娘たちじゃなく、シニアのお姉さま方が着るってとこも、なかなか微妙だなぁ。体形の問題だ。ウェストのくびれが気になる。ここは別色の布でコルセット様の幅広ベルトを巻いて誤魔化すことにした。完璧にカバーできるとは思わない。シニアであることをすべて隠す必要もないので、ところどころだぶつくお肉もご愛敬だ。ただ、極力かっこよく登場させてあげたいとは思うんだよ。

 そして、最後の超難問は、70歳、50歳、40歳、30歳、20歳、究極は15歳に若返っていくダンサーの衣装だ。髪型やメイクも含め、これから追い込みで解決しなくちゃならない。どう?この早変わりだけだって見ものだと思わないか?ダンスもあるし、キャバレーだし、生演奏あるし、いやぁ、サービス満点のステージだなぁ。こりゃ見なくちゃ損だ。

 

コメント
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