ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

菜の花座次回公演は『イーハトーボの劇列車』

2010-09-05 22:58:00 | 地域文化

 決まりました!決断しました!やります!やっちゃいます!!『イーハトーボの劇列車』、言うまでもない井上さんの作品だ。菜の花座初の井上作品ってことになる。井上さんゆかりの劇団なんだから、とっくに数作品は手がけていていいはずなんだけど、なかなか難しいとこあってね、様々。でも、今回ばかりはそうも言ってられないわけだ。井上さんの追悼公演しなくちゃならないわけだから。

 宮沢賢治を描いた作品だ。これまたいつかはぶつからなくちゃならない人物なんだ。なんたって、大学の先輩だからね。岩手大学農学部農芸化学科。それも偶然てわけじゃない。宮沢賢治に惹かれて岩手に行ったわけなんだから。

 ただ、岩手で6年ほど暮らし、賢治の踏み後を汚していながらも、どうも、賢治と正面切って取り組むことがなかった。間違いなく逃げていたんだと思う。賢治のひたむきさとか、きまじめさとか、誠実さとか、狂信性とかに背を向けていたんだと思う。賢治の生きようは、どうにも人に内省を強いるものがある。これが辛い。

 田畑を耕し、演劇にのめり込み、僕の暮らし、ちょっと見には、賢治のエピゴーネンみたいに見えるだけに、賢治の言葉に向き合うのはきつい。だらけきった、妥協だらけの、欲得まみれの生活に否応なくナイフを突きつけられようで逃げたい。いや、ナイフはないな。突きつけるのは法華経かな?

 ともかく、逃げてきたんだ。遠ざけ続けてきたんだ。だから、この作品、やりたくなかった。なのに、やる!ここらでいっちょ、落とし前をつけちまわないとね。井上さんについても同じような感じがする。大袈裟だけど。

 人生すでに60数年、すり切れ垢にまみれたすれっからしが、何を今更って感もするけど、ここらで、懺悔するってこともやっておかなくちゃ!ってなんとも煮え切らない制作開始宣言だな。

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