敬老の日だもの、引っ張りだこは当たり前。午前中は米沢市山上地区の敬老会で演歌ショー『夢芝居』。
小学校の体育館に170人のお年寄り、それと接待役の地区の役員数十人。しかもアルコール有り!料理有りと来た。これは手強いぞ!文字通り余興だから。踊りは酒の肴、気が向いたら舞台に顔を向けるってこと。
料理つまんだり、お酌しあったり、おしゃべりしたり、マイクを通した司会者の声だって通らない。これでコント!!!!!むりむりむりぃぃぃぃぃ!!!!!
案の定、体育館の中程でも声はまったく聞こえない。司会者が気を利かせて、スタンドマイクを舞台に上げてくれたけど、これも焼け石に水!もう、披露宴のスピーチ状態になってしまった。つまり、聞く者はまるでなし。終わったときだけ拍手。
早く終われ、手抜きしろ!じゃっじゃか飛ばしちまえ!って心の中で叫べども、やってる部員たちに伝わるわけもなく、彼らは律儀にまじめに最後までやり通した。偉い!立派!お見事!
ようやくコントが終了し、今回のお客さんは高校生の舞台にさっぱり興味無いに違いない、って決めつけかかった途端、一気の盛り上がりだぜ!男たちの『柔』!いやぁぁぁぁぁ、もう、今までこれを待ってましたとばかり、瞬間的に沸点に達してしまった。手拍子はなる。一緒に歌う。今まで向かい合っておしゃべりに興じていた顔という顔がすべて舞台に向かって輝いているのだ。もう、だれも料理に見向きもしない。酒のコップにも手を出さない。ひたすら、流れる歌曲と舞台の踊りに夢中になっている。
次の曲『祝い酒』でさらにテンションは上がる。お婆さんたちが舞台の框に寄ってきてはおひねりを置いていく。踊っている部員たちはどうしていいのかわからない。もらうべきなのか?知らんぷりすべきなのか?会釈すべきなのか?
さらに拍手喝采とおひねりの嵐、ちょっと大袈裟、は続き、最後は『ひょっこりひょうたん島』で盛り上がりのうちにしめることができた。
終演後の客だしでも一人一人手を握って帰って行く。なかなか去りがたいおじいさんなんかもいて、部員たちも大感激!だった。こんなんだったら、最初から演歌舞踊で通してたら良かった。もっと喜んでもらえた。飲み会の席ではどうべきか、つくづく学んだ公演であった。この後、迎えのバスに詰め込まれて次なる会場飯豊町は椿劇場へ直行したのだが、それはまた、後日。