ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

実り多きリハーサル

2010-09-10 21:43:41 | 教育

 今年のリハは、本番会場の米沢市民文化会館が借りられた。これが良かった!すべて本番と同じ条件で様々試すことができた。もちろん、照明の記憶もできたしね。ここでやらなかったら、かなり不安なところも多々あったと思う。

 なんたってまる1日だから、贅沢!午前中はたっぷり時間を掛けて照明の当たりをやった。係がカラーを入れ間違えたり、僕の指示ミスで一部立込をやり直したりなんてことも余裕でできた。シーンごとの色作りもじっくり時間を掛けて行うことができた。その割にすべて納得!にはほど遠いんだけれどもね。

 で、今回一番の難題、ラストシーンの場転練習!これがねぇ、なんとも大変だった。2尺1寸高5間ほどの台上に8人分のローイングマシーンを据え付け、それに一人ずつ乗って漕ぐ。これをほとんど真っ暗な暗転明かりの中ですまそうてんだから、これはきつい!何度やっても目標の40秒はおろか、1分を切ることもできない。ひどい時など2分近くかかって、しかも音はどしんずしんばたんごろごろがしゃん!もう目も当てられないって、もっともまっくらで見えないんだけど、状況が、何度繰り返しても続いた。

 途中、顧問Nのアイディアを入れて、台の奥から器具を上げることにになってどうにか目途がついてきたが、それでも部員たちは暗すぎる!見えない!怖い!の連発。たしかに暗い。なんたって、72の地明かりを10%に絞ってるんだから、暗転になった直後、目が慣れるまでは真っ暗闇だ。厳しい、間違いなく厳しい。それはわかっていた。僕もこの明かりで場転なんかやったことがない。7月に新国立で見た『エネミー』だって、はるかに明るい場転明かりで作業していた。だから、無理って言えば無理。でも、今回は断固押し切った。「やればできる!」「慣れれば見える!」「泣き言言うな!」ってかなり無茶な言い分だった。

 でも、やっぱり、できるんだよ!やればできるんだ。結局、目標の40秒には達しなかったけど、50秒までには短縮するとことができた。偉い!あんたら、立派!!なぜ、こんな暗い場転にこだわったか?もちろん演出効果からだ。真っ暗闇の数十秒が過ぎて舞台が明るくなったら、なんと8人もの男女がオール漕いでる!なんと凄い転換じゃないか!これがやりたかった。次のシーンがお客さんにうすうす感づかれるような場転はしたくなかったんだ。

 それと、毎回進歩しなくちゃ!技術が上積みされていかなくちゃ!だから、今回は暗い暗転明かりに執着した。これができれば、次回からはこの場転明かりが当たり前になる。暗くたってものの出しはけがスムーズにできるようになる。これは舞台効果の面でとても大きい。みんな、よく頑張った。

 でも、さすがに1時間こればっかやって、みんなくたくたのよれよれの不機嫌ぶすっ!って状態だった。このまま夜の部突入、果たしてゲネプロまともにできんのか?夕食後再開でまず照明の変化ごとに追って行く。この際演技のことは言わない。ひたすら舞台上の段取りや照明、音響のあわせを中心に行った。これが1時間半。そして、ゲネプロ。

 もっとつっかえたり立ちどっまたりするのかと思ったら、これが思いの外スムーズに行った。キャストの演技も今までになく生き生きしている。発声もしっかりと通って聞きやすい。スタッフワークもスムーズに進んだ。で、結局上演時間は1時間8分。8分のオーバーってことだけど、このくらい超過するくらいでないと、芝居はすかすかで面白くない。この時間で上演できればいいんだけど、大会は1時間59秒以内が制限時間。切って切って切りまくって、8分を稼がなくちゃなんない。今回の芝居はエピソードじたいが豊富なので、遊びやギャグを諦めるしかないだろう。残念!

 それにしても、やっぱりたくさんの舞台経験は無駄じゃないね。わずか一回の確認でさらっとゲネプロできてしまうんだから。それと、たいして稽古もしていないのに、せりふもほぼ入っているし、動きもほとんど身に付いているんだから。さらに、舞台スタッフさんも驚いていたことだけど、バラシのの早いこと。全員無駄なく動くこと。これは間違いなく、舞台踏んでる場数の勝利だった。というこで、9時半にゲネが終わって、退館できたのは10時ちょうど、わずか30分でバラシ、撤去、積み込み、舞台清掃、会場点検までやり終えた。

 全員、高揚!エキサイト!!実によいリハーサルだった。

コメント
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