泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

ダッチロール受験生

2009-06-16 09:30:32 | 丹下一の泡盛日記
 土曜日のシェイクスピア朗読会「シンベリン」無事終了。
 いつもと違い18:30スタートなので終演後にゆっくり飲めるのがうれしい。
 
 今回、常連の高校の同級生Mの奥さんが着てくれた。15年ぶりの再会。
 エネルギーが高まっていて会った瞬間から盛り上がる。お年寄り介護のNPOを立ち上げたとか。「一人暮らしのお年寄りのおうちをまわったりしてるんですよ」。

 共演の牧野くみちゃんがメモを見せながら「この時間が終電ですからね。ちゃんと乗るんですよ」と念を押して先に帰っていく。何でみんなかみさんの味方になって行くんだろう?

 結局、JRが20分遅れダイヤ大乱れ。金沢文庫でタクシー1時間待ち。並ぶのが嫌でコンビニでワンカップラーメン・セット。バス停に座り、その後寝転んで娘1と電話で話す。気持ちのよい真夜中。

 受験生の娘2はダッチロールを繰り返し大荒れ。ふてくされても怒鳴り散らしてもぶちきれていても、こちらからみると「怖いよ~」「自分に自信がないよ~」と泣き叫んでいるようにしか見えない。
 今まで優遇されてきたツケも回ってきているし、自分が夢見ていた理想と現実のギャップに苦しんでいるのだ。
 ただ力量が無いわけではなく、むしろちゃんと勉強すれば問題ないとたくさんの先生たちが保障してくれている。なのに、塾だけ通ってろくに勉強もせず、そんな自分が不安で泣き叫んでいる。
 受験は一つの通過儀礼だと思っているので結果は問わない。ただ逃げて欲しくないので、首根っこをひっつかんででも現実を直視させなければならない。
 そんな事をした後は大きなフィードバックが来て実につらいもんだ。
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褒められたいから舞台に立ちます

2009-06-12 21:35:38 | 丹下一の泡盛日記
 昨日、銀座のキャノンギャラリーで荒谷良一さんの写真展オープニング・パーティー。関内のジャズクラブ「エアジン」15年間の演奏中のミュージシャンの写真。
 パーティーにエアジン常連のミュージシャンたちが楽器持ち込んでがんがんフリーセッション♪
 その最中にすぐ近くでぼや騒ぎ。消防車数台とパトカーがサイレンをがんがん鳴らして景気づけ。ぼやは大事には至らずよかった。

 今日は代々木でシェイクスピア朗読会のリハーサル。なんか口がまわらない。
 昨夜、娘2につきあって寝たのは1時半。睡眠不足はたまる一方。

 その娘2に聞いた話だが電車の中で女子高生が「結婚するなら子どもをちゃんと叱ってくれる人がいい」と話していたとか。
 自分の子どもを自分で叱らないでどうするのだろう。褒めるだけの親になりたいのだろうか。そんな親が「ちゃんと」褒めることができるとは思えないのだが。
 「ゆとり」や「ほめる」で軟弱な子どもばかりになってしまった。だからやっぱり叱らないと駄目なのだ、という声を聞く。

 香山リカさんが「この頃の若者が嫌いだ」という本を出した。
 ある人によれば「その方が若者に受けるから」だという。「みんな叱ってほしいんです。だからがんがん言ってやればいいんですよ」と。
 多分為政者サイドは全共闘で懲りたんだろう。30年かけて骨抜きを謀り一定の成功を収めていると思う。
 若い人たちも反抗しているつもりでいるのが、どう動いても搾取される側に追いやられ「それなりの」幸せを見つけるように落とし込まれているように見える。
 なんにしてもきょーびの若いもんは大変だ。

 自分は褒められたいし「ちゃんと」褒めるように努力しているつもりだ。
 明日の本番も褒めてもらえるように精一杯の舞台にしたい。
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Mくん来訪

2009-06-10 14:10:29 | 丹下一の泡盛日記
 昨夜、アメリカの大学院への留学を決めたMくんがやてきた。久しぶりに我が家でご飯。
 彼が高校生の頃、何度このテーブルで一緒にご飯を食べたことか。その彼が自分の出身中学の目の前の大学に推薦入学を決めたのがもう昔のことのように思えるし、昨日の事のようでもある。
 現在はその大学の院に籍を置きつつ出発準備の日々。

 こちらも気合を入れて食材用意。彼が育った小坪の魚屋でカツオ、メジマグロ、タイのアラを用意。
 かみさんは彼が先日学会で訪問したドイツ風のパンを焼いてカナッペ。
 何よりもいつになく経済状況や教育問題、世界情勢など突っ込んだ話ができるのが嬉しい。 
 あっという間に時間は25時を過ぎてしまった。引き止めすぎた。。。

 そして3時間寝て目が覚める。いい話をした後は気合も入っていて肉体が軽い。彼の未来が楽しみだ♪
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空腹はつらい

2009-06-08 16:06:39 | 丹下一の泡盛日記
 いくつもの企画が常に同時並行しているので、そのための資料も同時に読んでいくことになる。(これは自分のようにあきっぽい人間にはとてもよい方法だ)
 昨夜は「バスーラ」の四ノ宮浩監督の前作「神の子」をかみさんと観た後、デンマークの児童性愛者たちを告発したドキュメンタリーの記録を読んだ。
 もともとはここ数年参加しているエイズフォーラムでの出会いがきっかけだったように、このAIS/HIVと人身売買・幼児売春、臓器売買とドラッグの問題は密接につながっている。
 その大元の要因は富の偏在だと思っている。

 お金も食料もとりあえず地球上の全員が飢えなくてすむだけの量はある。問題はそれらが偏在していることだ。
 「神の子」に登場するごみ山で暮らす父親は、1日に1回食べるのがやっとだ。その1回も「コーヒー飲んだ」だったりする。
 それが改善される保障が何もなくて目の前で食い散らかす人々を見たらおかしくもなるだろう。

 一人暮らしを始めた23歳の頃、お金が無くて2日ほど食べられなかったことがある。
 2日目に目の前にした食べ物にむしゃぶりついた。たった2日の空腹でもこれだ。「1日~2日食べなくても死にはしない」とよく言うが、空腹に慣れていない自分の心はすでに壊れかけた。
 児童買春をさせる時に子どもたちをまず徹底的に空腹にさせるそうだが、よくわかる。

 またメキシコでのある調査では、貧困層ほど食事にお金をかけすぎるというデータも読んだ。
 調理法をよく知らなかったりテレビの影響でファストフードやスナック、カロリーの高い炭酸飲料を飲みたがるからだ。
 みんなが普通にご飯を食べられたら、地球上の問題はかなり解決するのではないかとも思う。
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大ママ来訪

2009-06-07 21:31:34 | 丹下一の泡盛日記
 昨日からかみさんの母・大ママが来ている。
 普段は、近くに娘(かみさんの妹)2人が住むマンションで暮らしているが10日に一度くらい3泊4日ほど我が家にやってくる。
 自分は大歓迎で腕によりをかけてご飯をつくる。(なんたって相手は料理研究家だ!)
 もう量がいけないので小さなものをたくさん。つまり自分にとって美味しいつまみをたくさん作ればいいということだ。(ただし塩分はものすごく控えめに)

 昨夜はナスやおくらを素揚げし、そばつゆを大根おろしで割ったものかけまわしたものをはじめ、和風の小皿もので。
 「大パパが生きてたらこんなので飲んでご機嫌だったでしょうねえ」とお褒めのことば♪
 今日のお昼は中華粥とズッキーニのジョン(韓国風つけ焼き)など。
 今夜はかみさんが焼いたパンに数種類のディップ、なすのグラタン、6種類の野菜のスープ、あとは数々の「つまみ系―アーモンドチーズの生ハム巻きとか」など。
 
 誰かのために料理するのは実に楽しい。

 大ママとは上海、ウイーン、台北、パリ、熊野、京都などを一緒に旅した。
 上海ではダフ屋から特急列車の指定券を購入した。ウイーンでは郊外の農村のクリスマス・マルクトや地元の客で賑わうレストラン、フォルクス・オーパの劇場食堂での楽団員のパーティー。
 パリでは安宿で一緒に泊まり地下鉄でパリ中を案内。かの山下農園にもお連れしてランチ。
 台湾では夜中、ジャズ・クラブにお連れした。24時を過ぎていたが「ジンフィズちょうだい」ととても珍しくアルコールをご注文♪
 
 そんなこんながとても印象深かったらしく「お友達からパリの有名ホテルに泊まって高級レストランで食事したという話を聞いてもうらやましいと思ったことはない」と言ってくれる。
 「わたしは自分の足でパリの市内をあちらこちら歩いて体験したから」と。
 自分の母親は東京にほったらかしで、海外はじめあちこち連れて行きたいのだが、なかなかそうもいかないのがとても残念だ。
 その分、かみさんの母親の方にエネルギーを注いでしまっているような気がする。

 娘2の元家庭教師・Mくんは無事奨学金をゲットしアメリカのUCLA大学院への留学を決めた。
 出国前に会いたいというので来週うちによんだ。彼にご飯つくるのは久しぶりだ。くう、何つくろうかな♪
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再会とつながりの2日間

2009-06-06 00:49:52 | 丹下一の泡盛日記
 木曜日の夜、メールを開いたら「おお!」という声を出してしまうくらい久しぶりの方からうれしいお誘い。 
 それをはじめ、なんだか久しぶりの声が聞こえてくるようなメールが次々と。
 ちょっと興奮したのはタイ映画「マッハ!!!!!!」のせいだけではなかった。
 
 今日はキッド・アイラック・アート・ホールでシェイクスピア朗読会のリハーサル。
 その後下北沢で神道寺こしおさんの舞台「押入れのちよ」をかみさんと観にいく。
 神道寺さんから「まあホラーみたいな話なんですけど」と聞いていただけだったが、(ネタバレしたくないのでうまく書けないが)今の自分たちのテーマに関わる話題になっていったので驚いた。
 つながってしまうというのはこういうことか。
 神道寺さん、舞台ははじめて拝見したがキレがよくて素敵だった。主役の一人、「ちよ」がまたかわいいもんでかみさんなどは彼女が昔を思い出して涙を流す(本当に涙ぐんでいた)シーンでうるうる。

 終演後会場で元ジァン・ジァンのスタッフだったOさんに声をかけられる。演出が後輩なのだそうだ。何年ぶりかの再開。ちょっと驚く。
 かみさんと軽く飲んでから電車に乗ったらUNHCRのスタッフの方と再会。
 なんなんだこの再会とつながりの2日間は!

 
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誰に対する配慮なのか?

2009-06-04 12:02:47 | 丹下一の泡盛日記
 京都の国立教育大学の学生が女子学生を集団でレイプした。そして被害者から訴えを聞いた大学当局者は「教育的配慮」から、事件を警察に通報しなかったという。
 誰に対する「配慮」なのだろう? もちろん被害者に対してではないと思う。訴え出ているのだから。とすると加害者の学生に対してということになる。まさか自分たちへの配慮ではあるまい。

 アメリカのハリウッド映画やドラマには、実は政府が国民に伝えたい「真実」を入れ込んでいるものがある。一見、荒唐無稽のSFにみえるが近未来の兵器などに「慣れて」もらったり、軍のプロパガンダが隠されていることがよくある。
 以前みたハリウッド映画で、全米でも有名になっているある高校のアメリカンフットボールチームのスタープレーヤーたち(高校生だ)が同じ高校の女子学生を集団でレイプするというストーリーがあった。
 虫酸が走るような場面でヨーロッパ系アメリカ人に対する偏見が増してしまった。
 そして訴えを聞いた学校側は、加害者たちがスターだったので一切お咎めなし。そして女子学生は転校した。
 もちろん映画のストーリーなのだが、これは作り話ではないかもしれないと思っていた。
 アメリカは「強い」者がルールを作っていく国なのだと改めて確認。

 カンボジアの元娼婦で今は売春宿から少女たちを救い出す活動に従事しているソマリー・マムさんはその著書の中で、以前自分をレイプした男をお金をためて買ったピストルで撃ったことがあると明らかにしている。
 男の命は助かったが小さいが一生消えない障害が残った。そして彼女は自分も一生消えない傷を負ったのだからイーブンだと思ったそうだ。
 
 京都の加害者の学生たちは「無期停学」だとか。放校とか退学より軽い処分だ。
 もしかして「前例」にのっとっていたりするのだろうか? 「酒の上」だから、などと思っているのだろうか?
 法律に詳しくないが「一生消えない障害」を負わせた場合の刑事罰ってどれくらいの量刑になるのだろうか?
 この大学の先生たちは「教育」が専門だから興味の無いテーマかもしれない。

 カンボジアでは30年にわたる戦乱で人の心が荒廃し僧侶が子どもをレイプしたりする事件がおこるそうだ。
 日本人の心も荒廃していると思う。そして学生たちを導く立場にある大学当局がその荒廃に手を貸すのだから情けない。
 そして今回の通報を見合わせていたという行為は刑事罰に問えないものかと思う。
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破綻したGMの「国営化」

2009-06-03 13:47:34 | 丹下一の泡盛日記
 経営が破綻したGMが米政府によって「国営化」された。ついに来たか、と思う。
 共産主義が敗北し自由主義経済が世界を席巻する時代は末期を迎えている。爛熟した自由主義経済は腐敗し崩壊しつつある。
 例えば日本の銀行はサラ金と資本提携するだけでなく業務にも進出し、その境目がなくなってしまった。
 規制緩和とはこのように、何かが伸びやかに自由になる姿とは程遠いものに見える。
 企業の法務担当者は以前にもまして、どうしたら法律に触れずに(摘発されずに)ぎりぎりのところで商売ができるかに血道を上げているし、周囲が走り出してしまえば追随せざるを得ないと釈明する。

 効率を上げるため、またシェアを増やすための提携・合併が増えていき、複数のグループ企業を統括する「ホールディング」会社が増えている。
 この動きのゴールには国家による統制が待っていると思っている。
 政府が「ホールディング」会社そのものになっていく体制づくり。
 国家が巨大企業を自分でコントロールする時代。
 リーマンブラザースを破綻させた米政府がなぜGMを国営化したのかは専門家の分析を待ちたいが、米政府は強権的な中央集権体制を目指していると思っている。

 左翼的な全体社会を批判して自由主義を謳いあげてきた西側社会が右翼的な全体社会に向かって進んでいるようにみえて強い危惧を感じている。
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9月に逗子で能を上演

2009-06-03 01:00:19 | 丹下一の泡盛日記
 ちょっと二日酔い気味で起床。午前中、医科歯科の授業があるかみさんをおくる。
 昨日午前中「お出かけ」だったみるくは「今日も行くんでしょ!」と大騒ぎ。二日酔いの頭に吠える声ががんがん響く(-_-;

 洗濯などを済ませてオーディションへ。その後、青山の銕仙会に。
 3年目になるのだが銕仙会のシテ方の柴田稔さんが逗子で能の会を持つ。銕之丞さんも仕舞いで参加する豪華な企画。
 だが集客に不安がるというので微力ながらお手伝いをすることに。
 80年代前半から、この銕仙会能楽研修所の地下室が稽古場だった。
 その頃柴田さんはまだ書生で夜中よく一人で稽古をしている声をきいた。
 今では立派な中堅どころ。先日も舞台を拝見し修行を積み重ねてきた人は違うと思った。

 逗子は鎌倉と葉山に挟まれて「文化的な企画」はその双方に持っていかれてしまうようなイメージがある。
 新しいホールができて能を上演してくれるなんて自分にはうれしい話。
 本番は9月13日(日)なぎさホール。
 それまでもいくつもの企画が積み重ねられていく。
 皆さまもぜひご参集くださいませ。
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YMCAでパフォーマンス

2009-06-02 01:40:13 | 丹下一の泡盛日記
 横浜YMCAでタイでのパフォーマンスのためのチャリティ公演第2弾。
 自分としてはアクター復活第2弾でもある。

 このシリーズはいつもとは少し異なり、テラーを招いている。
 人身売買の現場で闘っている人がこんなにいるんだと勇気づけられる。統計的にはわからないが、戦前よりもたくさんいるのではないだろうか?
 そして深いストーリー。
 しょっぱな。やっぱり来たぞヤクザ役。思う存分やらせていただく。
 その後も毒を吐き散らす。
 終演後、隣りの居酒屋で打ち上げ。観客だったかみさんと追いかけてきた娘2も合流。

 平和に解散。そして地下鉄に乗ったあたりから、心のどろどろがわきあがってくる。
 悪役を演じた後に時折あることなのだが、自分の奥の毒が沸きあがってきてしまいどうにもならなくなる。
 娘2は気がついて駅から家まで肩を組んでくれた。

 まあ、それくらい「入った」のだろう。帰宅してからも飲む。それを許してくれる家族でよかった。
 チャリテイ公演はこれで一応終了。プレイバッカーズのサイトで公表しているようにたくさんの志をいただいた。
 それぞれの人の思いを背負っていくのだという気持ちが背筋をしゃきっとさせる。
 皆さま、ありがとうございます。
 
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