泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

サーシャと細野麻実子さんのパフォーマンス「SKIN」

2023-11-30 00:42:13 | 丹下一の泡盛日記
仙台に行く予定の日だったけど、お仕事が入る。
久しぶりにスーツなんか着て出かけて、神宮前から裏原宿あたりを、歩く。
20年近く前、あのビルのテラスでパーティーのワインを舐めながら、明治通りを見下ろしている自分がいた。
あちこち散歩したくなるのだけど、お仕事だもの、がまん。
「がまん」と言えば「タトゥー」を見せている若い人がたくさんいる。
あれは「彫物(がまん)」ではないのだなあ。
お仕事はサクッと終え、帰宅して、讃岐うどん。
美味い。ああ、これが食べたかったんだ、という味。
そして、初めての街へ。
サーシャ(・ぺレルギーニ)とは香港でAの親友Sの彼氏として紹介されて知り合った。
数年後、天女座に招いて震災と津波をテーマにパフォーマンスしたのだけど、台風で観客は神楽団員の2人だけで。
そんな彼が再び来日していくつもパフォーマンスをやるのだけど、ほとんどがバッティング。
なんとか観たいと思い、出かける。
地図を頼りに着いたのは築127年の農家のお家。
5人ほどの観客を前に座敷で始まったダンサーとのパフォーマンスが素敵だった。
タイトルは「SKIN」。
細野麻実子さんとサーシャのデュオ。
建物を傷つけることがないプラスティックのブラシスティックでの演奏も素敵で。
ダンサーの細川麻実子さん、モダンダンスの身体なのに、土(土間)に触れると体が喜んで遊び始める少女のようで、いきなり「舞踏」で素敵。
場所(客席も)移しての後半、そりゃあ庭に消えていくよなあ、と納得の最後。
惜しいのは、もっとやって欲しかったことで。
もっと観たかったなあ。
「翌日」がなければ、その辺でガッツリ飲みたいところだけど、しっかり帰宅。
(お二人と会場の許可を得て写真を掲載しています)
それにしても、ここ数年(コロナだけではない)東京の小劇場は壊滅状態になった、とさえ感じているのに、
こんなに素敵な空間があったなんて。
こうやって、続いていくのかなあ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

WS「平家物語」第六夜

2023-11-30 00:32:31 | 丹下一の泡盛日記
火曜日、午前中に整体に行き整えてもらう。
人生2度目のカップ。
先生が無口にグイグイとやってくださり、真っ直ぐな身体で呆然と帰宅。
頭も真っ白で、強烈な睡魔で昼寝。
ちゃんと目覚めてWS「平家物語」の稽古へ。
語りの稽古だけでなく、民俗学的な背景を「講義」しながらの稽古なんて、
あまりないと「自負」している。
この日は「いつも通り」の稽古の最終日。
終了後、受講生のうち4人を連れて飲みに出る。
うち2人は「小栗判官」を観に来てくれているので、そんな話も。
演出の吉岡さんの手柄だと思うのだけど、今回「凄かった」という感想を何度も聞いた。
彼らも同様で。
久しぶりにマジな話をたくさん。
ちょっと着地できたかも。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まだ着地していない

2023-11-27 22:09:38 | 丹下一の泡盛日記
どんよりで起きる。
溜まった事務仕事。
身体の「どんより」も、なんとかせねば、などとは思わない。
三回忌の後始末やら、ゴソゴソと。
夕方、外に出る。
空が美しい。
明日はWS「平家物語」第七夜。
それでも「小栗判官」があまりにも重たかったので、
今夜は、もう少しダラダラしないといかん。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

丹羽文夫さんを送る会

2023-11-27 15:03:06 | 丹下一の泡盛日記
小屋入りした翌日、22日の水曜日はなんだったのだろう。
訃報が続いた。
療養中だった丹羽文夫さんが旅立たれたと知らせが。
昨年亡くなられたタイニイ・アリスの西村博子先生は、自分の学生時代の”担任”の「先生」で。
その後、「劇場つくることになったの!」との知らせに驚いた。
1990年以降、タイニイ・アリスでの舞台には何度も参加して。
その季節の中で、アリスの支配人であり西村先生のパートナーでもあった丹羽文夫さんとは二人で韓国に出かけ、様々な演劇陣を紹介していただいたり、お世話になった思い出は尽きない。
本番終了後の日曜日に「送る会」があるという。
もちろん立ち合いに出かける。
雪になるかと思うような冷たい雨の中、ずいぶん早く着いてしまい、一番乗り。
おかげで喪主の姪御さんと色々とお話しすることができた。
3月の西村さんを送る会でお目にかかって、また励ましていただいたのが最後になった。あの時にお目にかかれて本当に良かった。
13時に終了したのだけど、このまま帰ることは許されない。
ストアハウスの木村夫妻と駅前まで移動して、飲み屋に。
ガッツリ飲みながら延々と芝居の話をした。
これが一番の供養、のはずだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「小栗判官・照手姫」無事終了

2023-11-27 14:46:05 | 丹下一の泡盛日記
喉が限界だった二日目、帰宅して、できるだけのケアはした。
8時間は横になることができるので、目が覚めても布団の中にいて。
ゆっくり風呂に入り身体を温めて、千穐楽の劇場へ。
空が高い。
身体も意識もすでに別の世界へ入っている。
演出の吉岡さんにお願いして、歌う場面で自分のキーを超えている部分は声を出さないお許しを得た。
2日目の夜、最後の歌の出ない部分を「頑張って」出してしまい、締めのセリフがボロボロになってしまった。
もちろん「甘え」は、そこまで。
準備を整えたら、あとは「突っ込む」だけ。
そして本番。
他の出演者たちの突っ込み方が素敵だ。
声が深くなっている。
「年長組」で以前の「小栗判官・照手姫」にも出演されていた増田美穂さん。
リハーサルの時の声は、ガサついている。
なのに本番になると素敵に深い声。
さすが海外ツアーなどの修羅場を経てきた方は違う。
舞台人には、増田さんのようにテレビで顔や名前を知られた有名人ではないかもしれないが、素晴らしい実力の持ち主がいる。
できることはやった、と達成感で終了。
大きな拍手で幸せに。
そして劇場は元の「何もない」空間に。
劇団のメンバーたちは、積み込みを終えたトラックを追って横浜の稽古場へ。
荷下ろしに立ち会うと終電を逃す可能性がある自分たちは、解散(リリース)。
打ち上げがないのが切ないところなんだけど、これもこのチームのリチュアル。
(引き継がれた遺産があるとはいえ)たった三人でここまで持ってきているのだもの。
照手姫のラーメン屋のお誘いも(とても残念だったけど)お断りして、直帰。
まずは風呂。
そして連れ合いが準備してくれていた刺身で久しぶりに沁みるビール。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マチネとソワレ、限界だった

2023-11-25 04:30:56 | 丹下一の泡盛日記
金曜日は、昼夜の2回公演。
この舞台で2回はかなり無謀なことと思われるのだけど。
お芝居だけど、いわゆるお芝居ではないところがこの作品の魅力。
全員がエネルギーを出し切ることが肝要で。
なので昼が終わると同時に各自が夜公演の体勢に。
ラクダさんが身体を整えてくださらなかったら持たなかっただろう。
本当に、もう少し若い時にやりたかった。
夜、舞台はかなりな集中で始まり、場面的には前進が続く。
そして、体力の限界を感じることもあった。
一線を超えた集中でそれを乗り越えてきたのだけど、
最後の最後、自分の声がもたなかったのがつくづく残念だった。
舞台で喉を痛めたのは40年ぶりか。
それも稽古ではなく本番が続くことで。
「れんにょさん」の時も最後まで持たせることができたのに。
悔しいなあ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初日

2023-11-24 08:07:10 | 丹下一の泡盛日記
というわけで木曜日は「小栗判官・照手姫」の初日。
お花までいただいて驚く、そして感謝。
18歳で参加した劇団の先輩俳優たちが出演していてもおかしくない、と感じることがある。
つまり、自分が最初に出会った演劇のエッセンスと通じ合うものがある、と。
長い時間をかけて大きな螺旋がぐるりと一周したような。
「ラクダ」さんが今日も本番前に身体をほぐしてくれる。
この感覚は26年前の「れんにょさん」で主役を担当した時と似ている。
自分の身体が、「捧げ物」になっていく、ただの器になっていく感覚。
この日のスタートも、おかげで今までにない新鮮な落ち着きで始めることができた。
お客様のお見送りが終われば、ロビーに座り込み、初日乾杯は「水」。
先に帰宅して風呂を沸かして待っていてくれた連れ合いが用意したアルコールも飲まず一緒に軽い晩ごはん。
食べ物が胃に入っていかない。
これもあの時と同じだ。
このまま最終公演まで走り切ることになるのだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小屋入り2日目

2023-11-23 07:20:09 | 丹下一の泡盛日記
水曜日、ゆっくり起きてお弁当作り、代官山シアターへ。
もちろんスタッフは朝から始動。
身体は、もちろん食べたいものをたくさん要求してくるのだけど、なかなかそうもいかず。
もちろんスナックやお茶などケイタリングは揃っているし、お弁当も用意されている。
制作のTさんはラ・フランスなんかを買ってきて、切り分けて食べさせてくれたり、至れり尽くせりなんだけど。
この日は集合が12時過ぎだったので早めに入ってお弁当食べて、なんて考えていた。
結局、夕方まで食べる機会なし。。。
夜はゲネプロ。
その前に2018年の「さらばアメリカ!」でラクダを演じた村上さんが
身体をほぐしてくれる。
野口体操、知ってはいたけど体験するのは初めて。
ガタガタの身体を周囲がつぎはぎしてくれて、なんとか保っている。
この夜のゲネプロで、初めての空間と少し仲良くなれたかも。
船の稽古場や寺の本堂とは真逆で、開放する方向が違うので入りの日はかなり戸惑った。
もっと声を抑えて集中を深めていかなければならない。
初日まで2日あって本当に助かった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小屋入り

2023-11-22 00:13:58 | 丹下一の泡盛日記
火曜日は「小栗判官・照手姫」東京公演の小屋入り。
代官山シアターへ。
以前、一度舞台を見にきたことがあるが伽藍の状態は初めて。
搬入が終わると手持ち無沙汰に。
役者だけやっていればいいのだった。
そして、この日の午後は12月のかながわ民俗芸能大会の台本打ち合わせ。
仕込みを抜け出して桜木町へ。
のつもりが横浜駅を寝過ごしてみなとみらい駅から歩く。
それでも30分前にはホール前のスタバでコーヒーとドーナツ。
脳に気合を入れて本番前の一番大事な会議へ。
無事終了。
代官山へ引き返す。
夜は、舞台で場当たり。
明日は午後から舞台稽古の後、ゲネプロ。
帰宅してからは芸能祭のタイムテーブルの修正。
もちろんサクッとあげて「今日中」に送った。
さあ、早く寝ようっと。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

後始末の日

2023-11-20 21:03:43 | 丹下一の泡盛日記
昨夜は当然の如く風呂に入って寝落ち。
想定内のことなので月曜日は「後始末」の日にしておいた。
明日は「小栗判官」の東京公演の小屋入り。
午前中は搬入のお手伝い。
午後は桜木町で「かながわ民俗芸能大会」の大事な会議。
小屋入り初日に抜け出して他の案件に参加するなんて、ほぼ初めてのこと。
夕方からはその資料作りに追われていた。
それでも連れ合いに手伝ってもらい「セリフ」をあたる。
間違えて覚えているところもあってまだまだ、だ。
このところ空気が乾燥しているためか夕焼けが美しい。
しみじみと酒が飲みたくなるが、今日は我慢。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする