泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

年末の自覚が足りないのだけど

2014-12-31 00:53:56 | 丹下一の泡盛日記
今年は年末の自覚がどうにもない。
そこそこ片付けたり掃除をしたりしつつも、「ハムレッツ」の作業をしたり、持続感から逃れられない。
階下のスーパーを歩いてみても、おせち料理を買う気になれない。
一人暮らしのつまらないところか。
テレビが「お正月」で盛り上がっているのに、淡々と仕事を続けている。
以前は、リチュアルとあまり縁のなかった子どもたちに「お正月」を味あわせようと色々としていたのだけど、今やその必要もない。

昨日、KISSのジーン・シモンズが「毎朝ちゃんと起きて働かないといけない」とピカソや岡本太郎のようなことを言っていて多いに励まされた。
例えば小さなお店にしても毎朝きちんと掃除をしている「場」はエネルギーが違う。
「アーティスト」だって同じだ。
ポップかどうかは別問題。
ジーン・シモンズも「有名になろうが金持ちになろうが関係ない。働くんだ」と。
もちろん「稼がないと」生きていけない。
「稼ぐ」と「働く」の微妙な違い。
そして今、3月の「ハムレッツ」に集中できる素晴らしい環境が与えられている。
ここでやらんでどうするの。
なので午前中に稽古用に第1段階の台本書いちゃいました♪
年明けの稽古が楽しみ。

大晦日は静かな時間を過ごし、地元の神社に詣で、1日は実家に。
皆様、今年一年をおつきあい下さいまして、本当にありがとうございました。
このささやかなブログを望外なたくさんの方たちがお読み下さっていることに感謝です。
今年のブログはこれにて幕。年明けから再開致します。
どうぞ皆様、よいお年をお迎え下さい。
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プレイバッカーズ忘年会、その後の大虎

2014-12-29 11:50:52 | 丹下一の泡盛日記

昨日はプレイバッカーズ忘年会。
手前の煮卵は、じん(松野仁)のお通し。旨い♪
*「差し入れ」ということばはこういう時に使いたくない。元々が刑務所のおりの隙間から「差し入れる」という意味だから。刑務所や拘置所に持って行く時に使うべきで、本来は「お通し」が正しい。


今年は前夜から仕込んだ。
イカスミソースやタコとオリーブのサラダ、ポテトのアンチョビソース、サーモンのムニエル、スモークサーモンのカルパッチョや手こねピザなどなど。
直前に2家族がメンバーの発熱でキャンセルに。
今年もぎりぎりまで走り続けたプレイバッカーズを象徴するようだった。
普段ブロッコリーを食べないという子どもがばくばく食べてくれて嬉しかった。
幸せな時間はさっさと終わる。
みんなが帰ってしまう寂しさから無理矢理にいのちゃん(猪瀬隆次)とさげちゃん(捧箸一男)を引き止めたのがいけなかった。
大虎でがんがんに絡んでしまった。
遅れて遊びにきたモモコが厳しく止めてくれなければ大変なことになっていた。
(もう既に大変なことになっているとは思うが)
本当に二人には申し訳ないことをした。
この自分の中の暴れるエネルギーを何度持て余したことだろう。
「還暦」すら見えてきているというのになんと情けない半端者であることか。
だからこそ「舞台」が必要、なのだけど。

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今年最後のホールのお仕事

2014-12-27 22:51:00 | 丹下一の泡盛日記

今日は今年最後のホールのお仕事。
偶然だけどなじみのスタッフが全員揃った。
今年の最後に嬉しい仕事日。
このホールにもう2年近くお世話になっている。
大事な人たちと一緒に過ごせてよかった。
お互いに仕事が続いているので「全く年末の気分じゃない」とぶつぶつ言い合う。
子どもの頃のあのわくわく感はどこへ行ってしまったのだろう。。。

帰宅して明日のプレイバッカーズ忘年会の買い出し、仕込み。
昨年、手伝い人の到着が遅れてせわしなくなってしまったので、前日に仕込めるメニューを考えた。
それに年々参加者が増えるので物理的な量も結構なことになっている。
なんせグルメな姉さんたちが集まってくるので、新宿時代のようにうどん大量に用意すればってわけにもいかないのだ。
もちろんそれをああだこうだと考えるのは本当に楽しい。
料理は、大抵の場合は人が喜んでくれて、そして、その場で食べてしまえば消えてしまう。
それがいい。

来年後半のスケジュールが詰まってきている。
すでに何カ所かバッティング。
ありがたいことだが、困ったことに「好きなことやります」の日程に「お仕事」がバッティングしてくる。
「お仕事」を断るなんて。。。うう。。。。
まあいつもぱつぱつのスケジュールで動いてきたのだもの。
逗子で子どものお弁当つくっていた頃は睡眠3~4時間は当たり前だった。
もうそんな無理はしたくない。

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「死者の書」の稽古

2014-12-26 19:32:41 | 丹下一の泡盛日記

先だってプレイバッカーズでうかがった石巻市雄勝のカキを茅根利安さんにご馳走になりました♪

昨夜、横浜に到達できる最終で帰宅。
とにかく風呂に入り、仙台での稽古内容などをスタッフに報告。
後は爆睡。
すかっと目が覚めたのは仙台の3日間が幸せだったからだろう。
11時から下北沢で「死者の書」の稽古。
ご自身でプロデュースした釜山公演を無事終えて帰国した渡部美保さんも稽古場に。
「どうだった?」の問いに見せた幸せそうな笑顔が全てを語っている。

本当のことを言えば、仙台で稽古したばかりの「ハムレッツ」で頭も心も一杯状態で「それでころじゃねーよ」みたいな状態だったのだけど、稽古場というのはありがたい。
もちろんこの「死者の書」チームのメンバーの懐の広さあってのこと。
「死者の書」の課題、次へのイメージも沸いたのだけど、同時に「ハムレッツ」のイメージがぐんぐんと沸いてくるのは面白い。
人間の脳は本当に不思議なもんだ。
午後は、なぜかポーランドの思い出をちょこっと話すことになったり。

明日はホールで今年最後のお仕事。
まだまだ「仕事」はたくさんあるのに役所の方が閉まっていく。
困るなあ。
もうこんな時代なんだから、31日までお役所は開けておいてくれないかなあ。
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仙台最終日

2014-12-26 19:12:50 | 丹下一の泡盛日記
25日(木)、絵永さんにご招待いただき金野むつえさんの一人芝居をみた。
初めて拝見。
野太いしたたかな、達者な舞台を楽しんだ。
仙台弁も全部ヒヤリングできたもんね♪
こういう人がきちんとしたパフォーマンスをしていることも仙台の素敵なところだろう。

ただ予想よりも終演時間が遅く、茅根さんが待つ稽古場に着いたのは15時半くらいになっていた。
こんなときこそ、「ハロー」から入る。
ストレッチも忘れずに。
そして、もちろん、ちゃんと濃い時間になった。
自分も役者として稽古させてもらった。
それにしても茅根さんも絵永さんもお願いすると即座にやってくれるんだもんなあ。
本当に素敵だ。

仕事に向かう茅根さんと別れ絵永さんと駅の居酒屋に。
OCT/PASSの今回の演出担当の長谷野勇希くんと役者の小川描雀くんが会いに来てくれる。
実は彼らとちゃんと話すのは初めてだ。
絵永さんが横でちゃんと「酒量管理」。
わしは小畑次郎ちゃんではないわい♪
素敵な若い演劇人と話すのは本当に楽しい。
そんな年になったのかなあ。
こちらも「絵永けい」をお借りするのだもの、背筋伸びるぜ。
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「ハムレッツ」仙台チーム稽古開始

2014-12-26 18:59:46 | 丹下一の泡盛日記

24日、前日のふがいなさをいましめとしつつ、絵永けいさんとランチ♪
こういう和食の一膳飯屋が大好きだ。
ついつい取りすぎてしまう。
なぜこういう店が東京(の中心)から消えてしまったのか。
自分が弁当を持ち歩く理由でもある。
そして、美味しいよお。
サバ焼きもお味噌汁も、すごい料亭の味とかじゃないけど、普通に美味しくいただきました。
こういう店が無くなった街には住みたくないね。

そして昨日酒を飲んだ10BOXの部屋が稽古場に。
「ノスタルギガンテス」で久しぶりにご一緒した茅根利安さんとも合流。
絵永さんは20年くらい前に共演させていただいているが、演出者としての自分とは初めて。
茅根さん率いる「ココロノキンセンアワー」の若い女優さんも加わって楽しい時間になった。
「楽しい」はとても大事だと思っている。
無理矢理自分を苦しめるような稽古はしたくない。
すでに現実が充分きついのだから。
「楽しい」を入り口に自分の奥底のエッセンスに出会いたいのだ。

無事終了後、にゃんこにご飯をあげるために戻る絵永さん。
彼女の宇宙は愛猫を中心に回っているのだ。。。。


仙台は光のページェント。
茅根さんがオイスターバーに招待してくれた。
旨い。
本当に旨い。カキも白子も。

こないだプレイバッカーズで行った雄勝のカキもいただきました。
がっつり飲んで食べて、絵永さんと合流。
打ち合わせ(もちろん飲み物付き)は深夜まで続きましたとさ。
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OCT/PASSの舞台に不意をつかれる

2014-12-26 18:49:46 | 丹下一の泡盛日記
23日(火)東京駅から新幹線で仙台に向かう。
仕事に一区切りがついて3日間は「ハムレッツ」に向かい合える幸せで、なんだかうつらうつら。
1985年に初めて仙台公演をしたアリゲーターキングはもうない。
毎年のように様々な会場で舞台を創り続けてきた。
仙台の演劇人ともたくさんの現場をご一緒してきた。
そして、2000年に東京を離れてから14年待っていたんだもんね。
そんなことを思いつつバス停に行ったら仙台演劇界のチラシデザイナーKさんが立っていた。
おかげで迷うことなく10BOXへまっしぐら。

いい舞台だった。
ぐいぐいと引き込まれるうちに「!」と気がついた。
メインのストーリーは自分に関わりのある人の話だった。
あの頃の様々な思い出が蘇って来る。
この戯曲を書いた石川裕人大兄が作家を紹介してほしいと電話をして来た時のこと。
棺の中のRさんの顔を見ながら、その作家のYさんが「笑ってるだろ。笑ってるんだよ」と泣きながら話しかけてきたこと。
もう一つのサイドストーリーと相まって不覚にも涙が止まらなくなった。
この芝居には「演劇論」が散りばめられている。
「その通りだ!」と声をかけたくなるような。
不意をつかれてしまった。
「ハムレッツ」の稽古の前に大兄が気合いを入れ直してくれたのか。

終演後の酒の席で飲み過ぎた。
自重しているつもりが、水のようにコップ酒が入ってしまう。
大量の涙を流して喉が渇いたのか!?

その状態で渡部ギュウさんの芝居に向かったのがいけなかった。
酔いどれで本当に申し訳ないことをした。
あ、いえ暴れたりしたわけじゃないんです。
きちんと見ることができなかった。
修行が足りない。


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プラターズコンサート無事終了

2014-12-23 08:33:41 | 丹下一の泡盛日記
日曜日の日中は、ひたすら事務仕事と翌日のコンサートの準備で過ごす。
一応終了したのをみて夜に静かに美味しいものを食べる。
魚介というのは本当に美味しいなあ。
月曜日、まあ怒濤のような日になるのは想像していたが、それにしても。。。(-_-;
とにもかくにもプラターズのコンサートは大盛況。
本人たちもノリに乗って終了。
ステージで彼らが歌うのは99%が(オリジナルの)プラターズのヒット曲を中心とする60年代ポップスだ。
だからといって彼らが60年代に生きているわけではない。
というのも楽屋に案内した後、しばらくして行ってみると、そこはもうすっかり「彼らの部屋」になっていた。
そして、「おお!」と心をぐいっとつかむような、がんがんにクールな曲がかかっていた。
ジャズをベースにしたクラブミュージックのようなかなりおしゃれな曲で、走り回っていなければ「これなんて曲?」と聞きたかったくらい。
ちなみに昨夜はノリのいいファンキーなブルースも1曲演奏したのだけど、60年代を期待して来た観客にはどうだったんだろう。

深夜帰宅。
風呂に入り髪を洗ってリフレッシュ。
5時間眠り、これから仙台へ。
「ハムレッツ」の仙台チームとの稽古♪
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なんちゃって「通訳」体験

2014-12-20 21:52:27 | 丹下一の泡盛日記

早起きしてしまったので、ゆっくりと風呂に入り身支度整えて出かける。
この4年間、この季節はプラターズのコンサート。
会場手前にある金比羅さまにお参りし、55年前に自分が生まれた病院の横を通り小屋入り。
この霞ヶ関ビル、小学校5年生の時に見たときは「ものすごくでかい」と思ったんだよなあ。


この日のコンサートは43年間プラターズを招聘し続けた人へのオマージュでもあった。
そのNさんに捧げる曲の前にスピーチがあり、なんと「通訳者」として舞台に立つことになった。
まあいつも「**時からリハーサルですよ~~」とか「これ忘れ物じゃないですか?」てな会話はしている。
昨日スピーチ原稿を訳した。
リーダーのカーティスに「この通りしゃべってね」。
「おう、わかった!」
もちろん本番は即興だもんなあ。
6行くらい話したところから「!?」。
もう好きにしゃべってるでないの(T.T)
まあ、通訳者たちからよく聞いていた現象なので覚悟はしていた。
なんとかやり終えて、コンサートも無事終了。
明後日もコンサートはあるので「んじゃ月曜日にね!」と別れた。
そして、なんとこれが今年最後の舞台出演なのだった♪
もちろん明後日は舞台監督で本番。
その翌日からは仙台で稽古。
まだまだ「今年」は終わらない。
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3時間で目が覚めちまったよ

2014-12-20 21:26:09 | 丹下一の泡盛日記
昨夜、ちゃんとお風呂に入って寝たのに、稽古のことでもんもんとして3時間で目が覚める。
この15年間、プレイバックシアターを学び、「否定」することでやせ細って行った自分のことを理解した。
プレイバックシアターは「肯定」する。
「受け入れる」と言ってもいい。
そして、この「肯定」のサイドに立つということを理解しない日本人がいかに多いことか。
「否定がないのだから、何をしてもいいんだよね~~」という幼稚な世界が叛乱する。
日本の演出家が「灰皿を投げる」というイメージが定着したのも、怒鳴って「否定」する人が多いからなのだろうか。
その結果、日本の演劇はやせ細ってしまった。
そして、「否定」がないと不安になってしまう演劇人のいかに多いことか。

「怒りは自分の本当の気持ちに気づかせてくれる」というナチスのプロパガンダそっくりの言葉が、現在の日本で流れるとは恐ろしいことだ。
「怒り」は自分を見失わせ、後に後悔するような行動をとってしまう感情だと思っている。
だから独裁者は国民の怒りをあおり、他に目がいかないようにする。
かつての日本人もなんだかわからない怒りに駆られて、あっという間に国を滅ぼしてしまった。
ヒトラーも「簡単だ。国民の怒りを向ける先をみつけてやればいい」てなことを言っている。
「怒り」を喜ぶ人はヒトラーの地平に生きる人なのだろう。

ピーターブルックのワークショップの映画「Tightrope」がとても素敵だ。
自分は同じような稽古を海外で何度も体験している。
全く同じエクササイズも出てくる。
シンプルなゲームのようだけど、実際にそれを体験するとその「深さ」がわかる。
ただし「技術」として舞台で「見せ物」になるかどうかは別。
「使える」ワークかどうか、などという地平の作業ではない。
今回の稽古はそこに挑戦する作業だ。
そしてそれは自分自身がより深いところに向かい合い、それをまず稽古場を共有する「同志」たちに理解/了解、してもらう日々になるのかもしれない。
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