泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

逗子に初雪

2011-01-30 21:18:20 | 丹下一の泡盛日記
てなわけで、昨日、小松空港でぎりぎりまで寒雲さんと打ち合わせ。
秋のツアー、あのFrankyがバンドメンバー全員つれてやってくる。
一緒に廻りたいがその時自分はドイツ。
最終日の大阪公演でなんとか合流できるかも。
フランクフルトから大阪に直で飛ぶかなあ。。。

ラウンジに入りデータ取り込み。重たいな。時間かかる。ああ、アナウンスが~。
飛び乗る前にちゃんと天狗の舞ワンカップ購入。

雪雲の中を突き抜けて上昇するのでものすごく揺れる。
10数年前の「じょふくさん」の時、冬場に15往復してるので懐かしいもんだ。
機内で笹寿司ぱくつきながらこぷこぷと♪

本日、かみさんは仕事。
自分は久しぶりに昨年亡くなった大ママ(かみさんの母)の家の片付けに参加。
このマンションにもたくさんの思い出がある。
自分が持っていた物で大ママに渡した物も。

金沢の雪景色をFace Bookにアップしたら喜ばれた。
関東は抜けるような青空だなあ、なんて思っていたら横横で突然あられが。
そのままばらばらと続く。
初雪だ。


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金沢ジュニアオペラスクールの稽古

2011-01-29 23:09:35 | 丹下一の泡盛日記


昨夜、茶房犀せいでの会議で自分がひそかに三美神と呼んでいる石川さん率いる歌唱指導チームがオープニングのスケッチを歌ってくれた。
譜面が読めない自分にとっては初めて渡された譜面を手にそのまま歌えるだけでもマジックのようだ。

ホテルに戻ってから頭の中をぐらぐらとイメージがまわり出す。
ぐずぐずしていたがやっぱりコートひっかけて出かける。
道が黒い。凍結しているのだ。かなり滑りやすくなっている。

初めての居酒屋に入り熱燗。
そして「ぶりのお刺身を三切れだけ引いてもらえませんか?」。
だって会議で出たお弁当でお腹は一杯。もう何も入りません状態。
大人になってよかったと思うのはこういう厚かましいことが飲み屋で言えるようになったこと♪
そしてこのわたなんぞ頼んで熱燗ちびちび。

例によって二つ仕掛けた目覚ましよりも30分以上早く目が覚める。
同宿の谷川賢作さんと芸術村へ。


久しぶりに来た。10年ぶりかなあ。
ここの開場記念公演のシリーズに出演している。それが「れんにょさん」につながった。
まあとにかくすごい雪。
金沢の人も驚いているのだから関東人の自分なんぞは、もう。






この池が凍ってるのはじめてみたよ、と村井幸子さん(プロデューサー/ジュニア・オペラ・スクール校長)


8月の中間発表の空間を下見して、ワークショップ会場へ。
谷川さん、ピアノを触り出す。


いい音だ♪
自分も身体を動かしてストレッチ。

ランチの後、講師陣やスタッフの為にワークショップ。
そして子どもたちと稽古。ホットな3時間。
いやあ子どもたちのエネルギーが素敵で♪

というわけで、
金沢ジュニア・オペラ・スクールの新作オペラ公演「ラジオスターレストラン 星の記憶」は、
2012年8月に金沢で上演されます。
原作・台本:寮美千子 作曲:谷川賢作 演出:丹下 一

まだまだ先は長いけどプログラムはがっちり組まれているので、あっという間に本番がやってきそうだ。
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念願の白山神社にお参り

2011-01-28 23:20:38 | 丹下一の泡盛日記
金沢・小松空港に着くと銀世界。
言われていたし冬の金沢はなれているつもりだが結構積ってる。

いつものホテルに。まだお昼でお掃除中だったけど入れてくれた。
と、寒雲さんから電話。
昨年のツアーで二胡奏者のフランキーたちとごはん食べた獅子吠山に。


雪! 雪! 雪!


ご飯の後、お願いして白山神社へ。
寒雲さんも「長いこと白山に住んでるけど初めてきたよ」。





いや~来月あたりに自分でレンタカーしてでも来たかったところ。
ちゃんと神様がアレンジして下さった。





その後、WiFiつながるファミレスで秋のツアーの打ち合わせ。パソ立ちあげて延々と。
フランキーがバンドメンバー全員連れてくるというので自分も参加したいし誘われてるのだが先約が入っていて動かせない。残念。大阪だけでも参加したいな。

夕方、市内まで送ってもらい今度は来年の夏に上演するオペラの制作会議。
作曲の谷川賢作さんが持ってきてくれた冒頭のイメージ(まだ出来上がっているわけではないスケッチ)が素晴らしくて全員感動♪

明日は、朝から下見、ワークショップ、稽古とメニューてんこ盛りだ。

このホテル、ネットに繋がらないのが難点だったがWiFiに繋がるので問題なし。
マックちゃんはお留守番。ブラックノートが出張用に活躍している。軽いので助かるな。
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羽田空港から

2011-01-28 09:56:18 | 丹下一の泡盛日記
昨日、夕方昼間の仕事を終え出張先に向かうかみさんと東京駅でちょっと立ち話。
仕事のメールの英訳を頼んだ。
演劇仲間とのメールと違い本当のビジネスメールはやはり不安。
やっぱり違うもんだねえ。まだまだ勉強することはたくさんある。

そのまま別れて自分は稽古場へ。
21時45分に終了。帰宅すると24時ちょっと前。

娘たちが独立してしまったので、(というか下の娘は無理やりさせたんだけど)家にはわんこたちしかいない。
「さみしかったです!」と飛びついてきてしばらく離れない。
一人でいるとこの家も広い。

電車の中で仕事するはずがずっとメールのやり取り。
もう相手は自分のカウンセラー状態。
もちろん人生は自分で切り開いていくもので、待ち受けているものではない。
そして、なのになぜこうなっていくのか、と。
得るためには捨てなければいけない。
自分も人に言ってきた。そして今何を捨てるべきかの選択に迷っている。

目覚まし3個かけて眠ったが、鳴るより早く目が覚める♪
風呂に入りランチをつくり、わんこたちを一度外に出し、家を出る。
そして、今羽田空港ラウンジ。
コーヒー飲みつつ持参のサンドイッチ♪
子供の頃、外食にあこがれた。
食べてみたかったのだ、あれこれと。
で、今はお弁当が一番。
その辺で売っているいいかげんな食べ物はなんだか工業製品、部品や機械って感じで体が嫌がる。

では、金沢へ行ってきます!
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豆乳大好き

2011-01-26 15:32:24 | 丹下一の泡盛日記
香港の一膳飯屋や麺粥屋には酒を置いていないところが多い。
日本ならラーメン屋でビール無いのは考えにくい。
台湾でも淡水名物の豆腐料理、と聞いて「入ろう!」と言ったものの「アルコール無いけどいい?」。
で「止めます」。
(自分の場合、たいてい酒が主体で食事は添え物なのだ。)
で、何があるかと言うと豆乳。

先日、とが湾の高山劇場の稽古場でリハーサルに立ち会った後、みんなでランチ。
自分の友人たちはほとんどがベジタリアン。なので焼き餃子の中身はにらだけ、とか。
「香港では何を食っても旨い」という発言は撤回させていただきます(-_-;;
ま、それだけ本当に庶民的な食事をご一緒させていただいているということだろう。
そんな小さな店に豆乳がおいてある。

ボタンを押すと一人分の豆乳が注がれるような小さな機械。
これが旨い。
すっかり豆乳好きになってしまった。

かみさんと2人だけの暮らしは結構やばい。
2人とも食事がいい加減になってしまう。
如実に野菜不足。
で、今朝はキャベツと油揚げとテンペの味噌煮浸し。
そして豆乳♪
豆ばっかりだな。
だが身体が喜んでいる。

そして稽古へ。
色々あるけど青空見上げる。


神武寺駅につくとなんか雲が変。


「ハムレット」の稽古から戻り晩ご飯。
ジャガイモと人参茹でてさらしタマネギをまぜてポテトサラダ風。
ブロッコリーの茹でたのとなりに。
中央に半熟ゆで卵。
ジャガイモにアラビックトマトソースに唐辛子がっつり混ぜ込んだソーズをかけて、半熟卵つぶしながら食べる。
旨い。横には日本酒。ワインが冷えてなかったんだもん。
アラビックのソースは「ぴりっと辛い」とあったが、今の自分には何も感じない。
多分、高田馬場のパキスタン料理屋「ラージプート」のムスリムホット(日本人が頼むと断られる)もいけるんじゃないかなあ♪
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冬の青空

2011-01-26 01:21:08 | 丹下一の泡盛日記
昨夜は久しぶりに余裕を持って寝た。明け方目が覚めたのだが、また寝直して♪
結果、久しぶりにぐっすりと眠った。
なのでなんだかエネルギーが違うぜ。

昨年12月にちょっと心が痛い思いをしたのだが意外に傷が深く、引きずっていたことも判明。
仕事にかまけて大丈夫かと思っていたのだ。
ようやくそのことに気がついた。
なんて反応が鈍いわし(-_-;

おかげで少しすっきりした。
青空が美しい。冬の青空もいいものだ。




いつもどこか遠くへ行くことばかり考えていた。今でも。




かばんの中に香港で買ったアーモンドと京都で買った京ばあむ。
中野の稽古場へ。
中野駅の南口からこの稽古場に向かう途中に「あくとれ」がある。
自分は大学生の時に早稲田銅鑼魔館という劇場を拠点とする劇集団流星舎という劇団にいて、解散後の1983年10月に土方で稼いだお金で旗揚げ公演をした。
それがこのあくとれで。

稽古を早めに失礼させてもらい高田馬場へ。
地下鉄東西線で中野から落合なんて懐かしい。
高田馬場も子どものころからの地元。
大好きなインド・パキスタン料理屋も健在だ。嬉しい。

上海料理屋で飲む。
23日に開店したばかりとか。
だされたおしぼりとお箸のならびが中華世界的で嬉しいな。正しい並べ方です♪


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プロジェクト科目成果発表会

2011-01-24 17:43:04 | 丹下一の泡盛日記
昨日、同志社大学のプロジェクト科目の成果発表会。
ちょっと寝過ごしたが、やはり最後の時間に立ち会わねばなるまいと京都へ向かう。
3年+1年やって、来年はお休み。

あの夏の合宿ワークショップが遥かかなたのことに思える。
毎年、合宿が終わる度に「今年のことは一生忘れないぞ」と思っている。
昨年の4回目の夏は、紫帆さんとんちゃんだけでなく香港からAMan(当時はArMan)を招いた。
彼女のワークショップは素晴らしかった。そして何よりもその人柄が学生たちには忘れられない思い出になったことだろう。
紫帆さんたちの即興の音楽で彼女と踊った(動いた)のもいい思い出だ。
それがもう何年か前のことのように感じられる。これって時間のすすみ方が早いってこと、それとも遅いってことなのかな。

学生たちの発表会は素晴らしかった。
写真も撮って香港にその場でメール。AManから即座にレス。学生たちに見せる。
便利な世の中になったもんだ。

夜は担当教授の長岡先生、OBOGも交えて10数名で駅前で鍋。
卒業を控えているのが3人。「大学院目指します」「もう1年残ります」。みんな色々。
もっと一緒にいたかったが、そうもいかんのよ。
階段駆け上がって新幹線。
車内でワイン飲みつつ、ちょっと思い出にふける。
なんせ4年間連続参加の学生も2名いる。天女神楽の出演者もたくさん。
横浜まで舞台を観に来てくれる学生も。
みんなありがとう。また会おうね。

今日は暗いうちから起き出して武蔵小金井集合。
小学校でプレイバック。今年初パフォーマンス。
いじめの話がばんばん飛び出す。自分は綱渡りだったが、まあなんとか終了。
さて明日からは「ハムレット」の稽古場に戻ります。
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中国茶の楽しみ

2011-01-22 09:12:08 | 丹下一の泡盛日記
軽井沢プロジェクトは大きく前進。
ただ稽古もあるし当分現場に行けないのが残念。
ま、めちゃくちゃ寒いだろうからもう少し暖かくなってからのがよろしい。

そして、なのにまた心がすかすか、というか一杯になっている。
かみさんの体調が主な原因だが、それだけではない。
今年一年も昨年同様、どろどろと苦しむのか。そんな予感がする。
どうにも余裕というものが無い。
もっとも昨年同様舞台は続く。ありがたい。

ただあまりに多くのことが周囲に起こり自分のキャパシティを越えている。
珍しく「休みが欲しい」と思う。
もちろん今休むことはできないし休んだらそこでオシマイになりそうな気もする。
身体と心を休めるために今一番したいことは? と聞かれたら即座に答えが出る。
それくらいは自分の体調をつかんでいる。ただ今その時間を取ることは99%どころか100%不可能なのがきついなあ。
いくつになっても不器用なやっちゃ。

香港で休養の時間もとれるはずが、「こんな時に行かせてもらえるのだから」と分刻みとは言わないが無理をして「時間」刻みにスケジュールを入れていった。
おかげで色々なことが進展したが、さすがに疲れた。
寒い宿で焼酎をあおり眠れない夜を震えながら過ごしたのも堪えた。
飛行機の座席に身を沈めても眠ることすらできず呆然としていた。
何かがおかしい。何かが限界値を超えている。
そしてこの出会いの連続は不思議でたまらない。何がおこってるんだろう!?
その思いで頭がしびれていく。

そのおかげで酒が欲しくない。
もちろん「ハムレット」の稽古の帰り道の駅前で「寒さしのぎに」なんて思うのだが、本当には欲しくない自分がいる。
一人で飲んでもつまらないしな。
で、香港で「これだけは」と思いゲットしてきた茶卓を使って毎晩20年物の雲南省製ポーレイ茶♪
ちゃんと急須と茶海、茶卓を買ってきた。作法通り最初に海に捨てたお湯を急須にじゃぶじゃぶかけたりしている。
幸せな時間。
予算とおらないかなあ。通れば夏にまた行ける。
そしたら次の茶器を買うのだ。もう欲しい物は決まっている。

弟がチョコレートをくれた。
「Dream comes true」とある。励まされる。


夢はたくさんある。本当に。
あんなこともこんなこともしたいといつも夢見ている。
20代の頃は「夢みたいなことばっかり言って」とあきれられ、「口先ばかり」なんて言われたこともある。
そしてその夢の多くは実現させたもん♪

たくさんの夢が現実になってきた自分は本当に幸せだ。
その代わりに、気がつけば、知らないことばかりでちょっとバランスが悪い自分がいる。
そして、今度の夢のひとつはとんでもないことだ。
長く辛い道が待っている。どう心のバランスを取ればいいのか、ずっと考えている。
ある人によれば、答は一生出ないらしい。

もっとも多くの人が「欲しいと切望した物の多くを手に入れることができなかった」と自分に語った。
そして、ある時から「それとは別の物を本当に欲しいと思うようになった」と。
自分の「夢」はどう転がっていくのだろうか。
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ベッドの中でぬくぬくの朝

2011-01-21 01:02:52 | 丹下一の泡盛日記
今朝、かみさんは早起き。
二日酔いの頭を抱えて起きて駅までおくる。
その後、再びベッドの中に。大きな声では言えないが、まだ暖かいベッドにもぐり込むことができる幸せ♪
先週の疲れがようやくどっとでて綿のようにくたくたしているときにゆっくりできてありがたい。
こういうことで自分を守ってるんだけど、かたぎの生活では考えられないだろうな。
それでも一応枕元にはiPhone。

もちろん昼前には起き出してお仕事と家事。
さくさく済ませていく。
ご飯を炊いて、干タラと貝柱でだしをとり、豆腐と白菜、わかめのみそ汁のようなものにどばっと唐辛子。
スンドゥブチゲ風に。
寒い時には辛い物が食べたくなる。

夕方「父の時代を調査する企画」というプロジェクトの話をメールでやりとり。
自分の子ども時代、1960年から1975年くらいまでを父が8ミリフィルムに撮影していて、それをDVDに落としてくれた。
50年前の映像の中にいる自分や父母、兄弟たち。
その映像は香港に持っていて何人かに見せた。
自分や香港の友人たちの父の世代は「戦争」の時代。
そしてたくさんの人が国共内戦で「大陸」から逃れてきた。
自分の父も戦場に行く寸前で終戦。
そんなお互いの父たちのストーリーをまず知ることから始めようとしている。
両親をテラーにしてプレイバックをやりたいな。

ご飯でおにぎりもつくり稽古場へ。
食べ過ぎて太った身体を絞りたくてがっちりウォームアップ。
お芝居の稽古場は久しぶりだ。しかも役者だけやってればいいのだからありがたいな。

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わかってるんだけどうらやましい気持ちに

2011-01-19 14:22:08 | 丹下一の泡盛日記
今回、香港でたくさんの新しい出会いがあった。
集まった名刺がトランプみたい。
そしてこの1年知り合ったダンサー、パフォーマーと一緒に舞台に立ったり、その現場に立ち会ってもらったことでより深い会話が交わせるようになった。
帰国してからもFace Bookなどでおしゃべり。

香港はもともと一つの都市だ。(今はニューテリトリーが開発されていてちょっと事情が違う)
フローティング・シティー、と皆よく言うがその通り、アジアの海を漂っている。
そして香港の空港から飛び立つ便はすべて国際線。
みな気軽に「海外」に飛んでいくし、それを助ける助成金やスポンサーも日本より充実しているように見える。
今は知らないが15年くらい前、メインランドと張り合っていた台湾も現代芸術を助成することが国益につながると政府が考えていた。
こんな前衛で小さな舞台にも助成するんだ、と驚くこともあった。
もちろんクォリティは素晴らしい。
日本では難しいだろうなあと思うような作品だった。

香港でも「これくらいなら昔の自分たちの方が」なんて思うような舞台にも結構助成がついている。
日本だと同時に複数の助成を受けられないことが多いが、助成団体が存在を誇示したいのか、5つも6つもマークがついている。
実にうらやましい。
そして彼らダンサーやパフォーマーは30歳前半なのに、ワークショップのファシリテーターや様々な講師や学校の教師、仕事の舞台、フェスティバルスタッフ、時にはヌードモデルなどで食いつないでいて、居酒屋でお運びさんをしている人にはまだ出会っていないし土方(ひじかた、ではありません。念のため♪)をしている男性にも会っていない。
(ひじかた、をやってる男性の写真はマカオで見たぞ♪)

AManやVinch,Saffronは月に1回以上のAction Artやダンスの本番をこなしている。
Vinchは先週自分がちょこっと出た本番に続けて来週はマカオで舞台。


オープニングで劇場の外(建物の中庭)で踊るVinch Mok

AManはプレイバックシアターの本番の他、ファシリテーターの仕事もしつつ演出もしている。
7月は若い(彼女も若いぞ)人たちを引率して交換プログラムでメインランドに滞在。9月は1ヶ月ドイツのアートフェスに参加。
共同演出のHofanは4月にポーランドの舞踏フェスティバルに招聘されている。
彼女は1年ポーランドに留学していたことがあってポーランド語も話す。それもかなりちゃんと。

Michele(ミッシェル)などは障がい者とアートを出会わせる大きな団体の職員として「毎週書類に埋もれてるわよ!」と嘆く。
そして1週間に8本から10本のワークショップとプレイバックの本番をこなしている。
彼女は2つのプレイバックグループを動かしている。
そして障がいを持つ人たちと劇団を作り上海のフェスティバルに参加したり。
それに加えて通訳や翻訳で稼ぎ、年末はイベントのMCで夜明かしした。
年に数回は周辺のアジア諸国でオフを取り、昨年はヨーロッパでアクティングのワークショップに参加。
それらはもちろん様々な助成金やスポンサーシップに支えられているのだ。

なんかすごいなあ、と思う。
日本で芸術文化振興基金が登場した時「自分たちアングラにはきっと関係ないんだよな」と思い込んでいて、そして向こうさんにもそんなニュアンスが確かにあった。
それを「いや、それはおかしい」と動いて下さった方がいて今がある。
そして、なんだか香港がうらやましい。もちろんマイナスの部分もかなり見えてきている。
Vinchは「日本のアーティストから学んだこと」を教えてくれた。ここには書けないが日本ではそう言う問題はみんな隠していてあまり外に出ないんだよな。

彼らから日本でこんな仕事ない? と尋ねられる。
無いんだよ,本当に。日本ではワークショップより先生が来てお話しする方を喜ぶらしい。
身体で学ぶって発想が未だに少数派なの。
お料理教室やマナー教室のように具体的なスキルのことだと思ってるの、身体で学ぶことを。
「小さな現場でも政府から助成金が出て日本に行けるんだけど」。
そうだよねえ。。。。

それとね、香港のおまわりさんにも言われたけど、香港でもよく知られているように日本人の教育レベルは高くてたくさんの人が大学出てる。なのに、ほとんどの人が英語わかんないの。
(何をもってして教育レベルというかわかんないけど)英語話すのはちゃんと留学した人だけ。
海外の語学学校に遊びにいって履歴書に「留学経験有り」って人もいるんだ。まだたくさんの人が「教養」の一部だと思ってる。
僕の英語だってかなりレベル低いけど。
(Vinchいわく「Your English is...ah...um....a..O.K!」だとさ。)
話そうともしないし聞こうともしないのよ。
大学卒業者で英語話さないのはありえない、のとは環境も違う。(あんなに高い授業料払って/払ってもらって/るのに)世界への視野も違う。
「ここは日本だ。日本語でしゃべれ!」って外国人に言う人が本当にいるんだ。プレイバックの本番でいたよ。
極端なこといったらその人は国内旅行もできないよねえ。中国だったら隣村にも行けないか。
香港で中学卒でも英語修得していくのとは世界が違う。
だから日本では通訳者が必要になり、そして演劇やダンスのワークショップを理解している通訳者は自分が知る限りではかなり少数だと思う。まして地方都市では皆無だろう。

一般的に労働ビザを個人で取得するのが不可能に近いと言われる香港で、ニューヨークで演劇学校出た日本人のHちゃんが小学校の演劇の先生で就職している。
(彼女は英語で授業している)
日本ではその逆はありえないだろう。大学とか専門学校になるんだろうな。
日本にはそもそも義務教育に「演劇」の授業が無いというとみんな驚く。

今日は終日パソの前でお仕事。
寒いのかわんこたちがやってきては「わんこ」まみれになる。
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