泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

石原吉郎「望郷と海」

2020-04-30 14:30:07 | 丹下一の泡盛日記

石原吉郎著「望郷と海」。
第二次世界大戦の末期に参戦したソ連により沢山の日本人が連れ去られた。
従軍看護婦が有無をいわさずにソ連兵の乗るトラックに引き摺り込まれた話も聞いたことがある。
そして、数十万人の元兵士たちが「抑留」され強制労働に従事させられた。
多くの人が亡くなったが、生き残り、夢にまで見た祖国に戻った人たちも
理由のない偏見にさらされて、二重の苦しみに耐えねばならなかった。
20代で石原吉郎の詩集に触れたのだけど、
本棚に置き去りにしていた。
20年くらい前から「ソ連抑留」の資料をボチボチ集め始めていて、
亡くなられた劇作・演出家の遠藤琢朗さんとの話の中にそんな話題も。
この本もその流れの中で購入した。

天気がいいので遠回りしてスーパーに行く途中、小さな黄色い花が満開だった。
柔らかな緑色との組み合わせが美しい。


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舞台で映像を使いたいと思った原点

2020-04-28 21:12:39 | 丹下一の泡盛日記

基本的に「おこもり」しているのだけど、野菜が食べたくなる。
シンプルに千切りのキャベツを載せて焼いたトーストに身体が喜ぶ。

荒木経惟の写真劇場「東京エレジー」。
写真集、なんだけど「写真劇場」で。
白黒写真の陰影、生々しさ、いきなり現れるカラー写真の「妖しさ」。
舞台で映像を使いたいと思った原点だ。
何度も一緒に仕事をした香港の仲間の家を訪ねたら、
本棚にこの写真集が置いてあり、彼女への理解が深まったように思えたこともあった。
書棚には、数十年を経て出された「東京人生」と並べておいてある。

晩ご飯がどんどん居酒屋化してくるなあ。

残り物の野菜で炒飯。
残ったエビを焼いて、レモンかけて、しなびたレタスと。
二人分だけど、食べ過ぎだ。
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岡本太郎著「美の呪力」

2020-04-27 13:24:38 | 丹下一の泡盛日記
1990年代、岡本太郎さんの美術で岡本かの子作品を上演する企画に参加した。
例によって不勉強だったので、この機会に岡本かの子を勉強したのだけど、
その過程で太郎さんのことも学び、
「芸術は爆発だ!」と全身を震わせて叫ぶ姿や、大好きだった「太陽の塔」だけでなく、
その著作の面白さに夢中になった。
出版されたものはずべて読んだのだけど、
養女の敏子さんに勧められた「美の呪力」は既に絶版で。
そしてお宅で借りて全部をコピーさせていただいた。

そんな言葉たちの中から、今度は「岡本太郎の言葉」展と言う舞台が生まれ、
2年続けて上演し、毎回超満員なのだった。
その後、太郎さんが亡くなられてから「岡本太郎」は随分とブームになり、
「美の呪力」も復活版が出された。

太郎さんには「赤」が似合う。
その他にも「言葉集」のような作品集が沢山。
敏子さんから頂いたものも沢山あり、今も手元にある。
と言うのも苦しくなった時に開くのは、岡本太郎の本だからで。
どんなに励まされてきたことか。
敏子さんから何度も聞かせてもらった「思い出話」もエネルギー源の一つ。
先日、川崎の美術館に20年ぶりに出かけ、以前舞台で叩いた鐘、梵鐘「歓喜」に再会。
こっそり叩いたら注意されちまった。。。
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吉田優子歌集「ヨコハマ・横浜」

2020-04-26 10:57:50 | 丹下一の泡盛日記

【7日間ブックカバーUPチャレンジ】第3日は、吉田優子歌集「ヨコハマ・横浜」。
彼女は、20年前、26歳のある日、ベッドで眠ったまま旅立ってしまった。
自分の舞台に立ち会ってくれた大事な観客の一人でもあった。
残された歌を舞台で使いたいと思いながら、なかなかできずにいた。
5年前、ふと手にして眺めているうちにその一つひとつが本当にしっくりと来る「自分の今」に気がついた。
遅れること20年、「Hamlets/ハムレッツ」の全てのバージョンは彼女の歌と共にある。
そして、個人的な手紙に添えてあった「全自動洗濯機が回っている」で始まる「めまい」と言う詩。
様々な思いを込めて、繰り返し「叫んで」きた。
先日の「Hamlets/ハムレッツ」では「封印」したのだけど、またいつか、と決めている。
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「和数考」

2020-04-25 15:55:46 | 丹下一の泡盛日記
冷蔵庫の食材をパズルのように組み合わせて凌いでいるのだけど。
やはり生野菜が欲しい。
豆苗を窓辺に置いておくとあっという間に「再生」。

ブックカバーチャレンジ2日目は、郡司正勝先生の「和数考」。
もちろん「かぶき」関係の著作が本業なのだけど、
あえてこちらを選んだのは、「かぶき」(歌舞伎ではない)を掘り下げていく中で、
民俗芸能やそのルーツにまで踏み込み、
独自の豊かな地平で「遊ぶ」郡司ワールドが大好きだから。
「遊ぶ」と括弧で括ったのは、いくつもの忘れられない先生の言葉の中で、
「学問は最高の遊びなんです。だから学問をやると食べていけません。いいんですか?」
と言う問いで。
「はい。構いません!」と若さ、と言うよりも無知の勢いで応えてしまった。
結局は「学問」からは外れてしまったのだけど、「演劇」でも食べてはいけないのだった。
もちろん、「食べるための演劇」をやらないからなんだけど。
本当に自分はグズで、この年になってようやく先生の偉大さをしみじみと得心。
今になってみれば訊いてみたいことが沢山ある。
そして、あの世でお目にかかることがあっても
恐れ多くて、ご挨拶するのが精一杯だろうなあ。
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7Days Books 1st Day「心より心に伝ふる花」

2020-04-24 22:19:43 | 丹下一の泡盛日記
Facebookでの「7DAYS BOOKS」という企画にお呼ばれした。
呼んでくださったのは、金沢拠点の村井幸子さん。
2012年に金沢で上演したオペラ「ラジオスターレストラン」の元締めで、
それ以前からの長いお付き合い。
FBではコメントしてはいけないと言うので、こちらでちょっと。
嬉しいお誘いで、最初にご紹介したのは、これ

観世寿夫さんの「心より心に伝ふる花」。
実は、演劇に触れる前、18歳(17歳だったかも)の時に父が購入「読め」と渡してくれたもの。
読んでみて、なんだかわからなかったけど、面白かった。
身体に響く、のだ。
自分が演劇に関わることになることも知らず。
後に主のいなくなったお宅に足繁く通うことになるとは夢にも思わず。
もちろん父は堅気な仕事につくことを願っていたに違いない。
なのになぜ、あの時にこの本を渡してくれたのか。
この本が、無意識に、自分を「演劇」に導いていったのだ。

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買い物に行くのが怖い

2020-04-24 15:07:13 | 丹下一の泡盛日記

別に誰に言われるまでもなく外出は買い物だけ。
それも3日に一度くらいに留めている。
というのも外の通りの混雑に驚き、スーパーが大混雑なのに困惑したからで。
マスクをしていない人も多く、自転車に乗ってはあはあ言う人とすれ違ったりするとちょっと怖い。
料理が好きでよかった。
台所に残っていた小麦粉に古いイーストを混ぜて膨らんだのをフライパンになすりつけて伸ばし、焼いた。

大量に購入してあるクミンシードを散らして、オリーブを埋め込んだのに
ツナマヨ載せて。

出来合いのトマトソースにチーズ、とオリーブ載せて。

これも冷蔵庫に残されていたナスとピーマンを豆板醤と味噌で。

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「産業テクノロジーは人類から尊厳と自治を奪う」

2020-04-23 13:20:53 | 丹下一の泡盛日記

ロシアのそば米が美味しい。
そして、なんか日本のものに比べて「軽い」感じがする。
なので大盛りになる。
豆苗は一度切り取った後、窓辺で再生してきたものを卵で閉じた。
コロナがなければ、今頃は「お仕事」も充実、間もなくツアーに出る予定、
なんて「過去」を振り返ることが、本当に意味のないことだと思われるほど、
世界は変わってしまった。
「産業テクノロジーは人類から尊厳と自治を奪う」というあるテロリストの言葉が思い出されます。
ペストがヨーロッパで教会中心の文明を大きく変化させたように、
コロナも資本主義社会を大きく変化させるのだろうけれど、
「神様の失敗作」である人類は、スーパーで先を争ってティッシュボックスをまとめ買いするように、「共存」よりも「生存」を選んでしまうのではないかと恐ろしい。
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「宝物」の本

2020-04-23 12:34:41 | 丹下一の泡盛日記

シンプルな朝/昼ごはん。
所用で役所に電話しているのだが、ずっと繋がらない。
まあ同じ要件で電話している人たくさんいるだろうなあ。
そして、出かけて行きたくないから電話しているんだが。。。
九州と仙台を繋いでZOOM。
スカイプの時代には海外の友人とはしばしば。
というか、国内でスカイプに対応してくれる人が周囲にいなかった。
有料だったこともあるだろう。

午後、本がたくさん届く。
偶然だけど翌日はスペインの「本の日」だ。
故・石川裕人大兄の「唐十郎コレクション」(一部)をお預かりすることになった。
今自分が所有している本も、以前自分でも持っていて古本屋に売った本もある。
こういう本は「宝物」。
パラパラとページをめくっていると時間があっという間に経ってしまう。
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「三湖伝説」

2020-04-21 22:24:17 | 丹下一の泡盛日記
嫌な夢を見て目が覚めたのはまだ夜明け前で。
トイレに立ったのだけど、結局風呂を沸かし洗濯機を回し、炊飯器のスイッチをオンに。
歯を磨くと歯茎からの出血。
体を動かしていないとこういうことになる。
秋田を調べていて「三湖伝説」を教わっていた。
色々と調べてみるとこりゃ簡単に済ませられるテーマではない。
ボートシアターの遠藤琢朗さんが以前「辰の子太郎」をやっているのだけど、
「三湖伝説」の話を聞いておけばよかった、と悔やんでも仕方がない。
夕方、連れ合いが突然帰宅。
2日前から仕込んでいた玄米小豆ご飯の匂いに惹かれてきたものと思われ。
菜の花やきんぴらごぼう、イワシのつみれのお汁、チーズのオムレツと。
平和な晩ご飯。
自分はオムレツをつつきながらワイン。

で、自分の晩ご飯は残り物のソースでマカロニ、だったのだけど。
横から手が出てくるのだった:)
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