石原吉郎著「望郷と海」。
第二次世界大戦の末期に参戦したソ連により沢山の日本人が連れ去られた。
従軍看護婦が有無をいわさずにソ連兵の乗るトラックに引き摺り込まれた話も聞いたことがある。
そして、数十万人の元兵士たちが「抑留」され強制労働に従事させられた。
多くの人が亡くなったが、生き残り、夢にまで見た祖国に戻った人たちも
理由のない偏見にさらされて、二重の苦しみに耐えねばならなかった。
20代で石原吉郎の詩集に触れたのだけど、
本棚に置き去りにしていた。
20年くらい前から「ソ連抑留」の資料をボチボチ集め始めていて、
亡くなられた劇作・演出家の遠藤琢朗さんとの話の中にそんな話題も。
この本もその流れの中で購入した。
天気がいいので遠回りしてスーパーに行く途中、小さな黄色い花が満開だった。
柔らかな緑色との組み合わせが美しい。