泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

破綻したGMの「国営化」

2009-06-03 13:47:34 | 丹下一の泡盛日記
 経営が破綻したGMが米政府によって「国営化」された。ついに来たか、と思う。
 共産主義が敗北し自由主義経済が世界を席巻する時代は末期を迎えている。爛熟した自由主義経済は腐敗し崩壊しつつある。
 例えば日本の銀行はサラ金と資本提携するだけでなく業務にも進出し、その境目がなくなってしまった。
 規制緩和とはこのように、何かが伸びやかに自由になる姿とは程遠いものに見える。
 企業の法務担当者は以前にもまして、どうしたら法律に触れずに(摘発されずに)ぎりぎりのところで商売ができるかに血道を上げているし、周囲が走り出してしまえば追随せざるを得ないと釈明する。

 効率を上げるため、またシェアを増やすための提携・合併が増えていき、複数のグループ企業を統括する「ホールディング」会社が増えている。
 この動きのゴールには国家による統制が待っていると思っている。
 政府が「ホールディング」会社そのものになっていく体制づくり。
 国家が巨大企業を自分でコントロールする時代。
 リーマンブラザースを破綻させた米政府がなぜGMを国営化したのかは専門家の分析を待ちたいが、米政府は強権的な中央集権体制を目指していると思っている。

 左翼的な全体社会を批判して自由主義を謳いあげてきた西側社会が右翼的な全体社会に向かって進んでいるようにみえて強い危惧を感じている。
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