泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

「イマジン」は深い

2016-06-30 14:15:43 | 丹下一の泡盛日記

生きくらげ、美味しい!

ビートルズ来日50周年だとかで特集番組がいくつも流れている。
やはりついつい観てしまう。
ジョン・レノンの「イマジン」の歌詞の深さを思う。
ベトナム戦争の末期のある日、母親が新聞を見て声をあげた。
「どうしたの?」と小学生だった自分が聞くと「ベトナム戦争が終わるかもしれない」と真剣に記事を読んでいた。
そんな時代にシカゴは「殺したくない。死にたくない」と歌っていた。
ジョンデンバーは「カントリーロード」を歌ったが、その自分の街に向かうその道を歩いているのはベトナム帰還兵だとみんな知っていた。
数年前、ライブハウスで歌っていた若い子が「そんな直接的に歌うのは古い。メッセージは秘めた方が」と言っていた。
どこのライブハウスのおっさんがそんなことを吹き込んだんだろう。
それは「メッセージを隠さないと売れない」からか。
それとも人間の「想像力」を信じているからか。
だとすれば、現在ではそれは「過信」だろう。
プリンスの「ラズベリーベレー」のPVで歌い出す前に「こほんこほん」と咳をする。
その腹の座ったしゃれっけ、の領域は遠い。
日本ではそうやって「隠し」ているうちに「見て見ぬ振り」をするようになり、本気で避けるようになったのだろうか。
ロックは「うた」で「訴える」ものだと信じている。
ロックの振りをしたポップス歌手(ポップスはポップスで嫌いではない)を「アーティスト」と呼ぶのも悲しくなるが、ポップス歌手が参加するロックフェスティバルがあってもいい。
ただしあくまでも本道は「ロック」であるべきだ。
俳優をはじめ「演劇人は政治に首を突っ込むな」という声を聞いたことがある。
お座敷の芸者のような技芸者、猿楽をはじめとする芸能者は権力者に支えられているものだという認識だろうか。
たしかに「芸人」は政治と距離を置くべきだという声には、うなづける部分もある。
そして、明治維新を陰で支えた技芸の女性たちのことを思う。
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竹田の生きくらげが美味い

2016-06-29 21:58:59 | 丹下一の泡盛日記
プレイバッカーズのツアーはまだ続いている。
チームは明日から静岡へ。
自分はちょっと中休み。

ブータン料理が続いている。
こんなサラダをブータンの峠のレストランで食べた。
ブータンの主食は赤米(玄米)でおかずは唐辛子。
以前は、玄米と塩と唐辛子だったそうな。
ある日本人の農業研究員が献身的に農業改革にその半生を捧げたおかげでブータンでは大根やブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、インゲン豆、茄子、トマトなど様々な野菜を楽しめる。
どれも味が濃くて美味い。
また100年前にスイス人がチーズを伝えたそうな。
そんなわけで野菜と唐辛子をチーズで和えたサラダと、唐辛子か野菜をチーズで煮込んだ料理が主流に。
地方の街のレストランで地元の年配の人の食事を何度かみたが、いずれもご飯に唐辛子のチーズ煮(エダマツィ)とダル(豆のスープ)というシンプル組み合わせだった。
思い出しながらつくって食べる。
パクチーてんこ盛りにしてざくざく混ぜる。
こういう味好きだ♪

そして、竹田の道の駅で購入した生きくらげと人参、ニラで塩ラーメン。
生きくらげ、久しぶりに食べたぞ。
明日は湯通ししてわさび醤油だな♪
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ブータンで出会った水の女神

2016-06-29 21:15:21 | 丹下一の泡盛日記

竹田市から戻り食べたくてつくったのはブータン料理だった。
もちろん竹田のご飯は美味しかった。
道の駅でも新鮮な野菜購入♪
帰国してそのまま国内ツアーが続いているので、どこかまだブータンから「帰国」していないのかもしれない。
ブータンでの最大の出会いの一つは「水の女神」だった。
ここ数年、神社を巡りながら大学時代の先生の本などを読み直しリサーチを続けてきた。
たとえばブルガリアの泉のそばに立つ教会はかつてイスラムのモスクで、それ以前はキリスト教の「寺院」で、そしてその前は7角形の紋章をもつ「祈りの場所」であったことがわかっている。
人間はたいてい同じ場所を「聖地」と認識する。
神のありようが違うだけなのかもしれない。
または侵入した土地の神を封印して自分たちの神の聖地とすることがある。
ブータンの中心部のこのゾンは、今はもちろんチベット仏教の僧院も兼ねた県の役所。
かつて、二つの川の合流地点に城として建てられた。
もちろんチベット/ブータン仏教の寺院でもあるこの建物の内部に、仏教到来以前の「土地の神たち」が祀られている。
(チュチェも、法事であり、仏教に帰依した土地神たちとの「契約更新」のイベントだった)
そして建物の半地下のような場所に「水の女神」が祀られている。
土地神たちの中でも特別な存在なのでここに祀られているという。


日本でも同じストーリーはよく見られるが、このような形で正式に祀られているのは見たことがない。
この女神は7匹の蛇の髪の毛を持ち7つの玉のネックレスをしている。(しかもダブルに)
メデューサとは何だったのか、と夢想は広がる。
こんなリポートをどこかでちゃんと書かせてもらいたいもんだ。
というか旅立ってしまった先生方に今こそ膝突き詰めて質問したい。
だって本を読むと知っていたとしか思えないんだもん。
世間の事情で書かなかっただけに違いない。
自分は気楽だ。
学問的に向かい合うのではない。
勝手に演劇的妄想を膨らませているだけだから。
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竹田市荻小学校、無事終了

2016-06-28 19:37:27 | 丹下一の泡盛日記

大分県と熊本県の境界の大分側、竹田市に来ている。
学校の先生が「ほかに宿泊施設がない」とのことで温泉に。
周囲には建物がない。。。
そしてWi-Fiもない。部屋は金網の入ったガラスのサッシで、開けないと携帯電話も非常に繋がりにくい。
本を持って来るべきだったと後悔。
小学校での授業は無事終了。
子どもたち、かわいいなあ。
ここのような小さな町で生まれて育ったらどうだっただろう、と時折夢想する。
やっぱり飛び出して都会に行っちゃうタイプなんだろうなあ。
とにもかくにも2日間の予定を終了。
どこの教室も一つとして同じところはなく、その個性に満ちている。
そしてハードルはますます上がっていく。
それを順次クリアしていくことで自分たちのステップも上がっていく。
そのすべてを統括していくかよさん(宗像佳代)、本当にすごい。
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熊本空港から大分県竹田市へ

2016-06-26 20:10:30 | 丹下一の泡盛日記
昨日は朝からがしがしと動画の作業をしたのだけどとても終えられる分量ではない。
なんとかキリのいいところで中断。

羽田空港から熊本へ。

天気がよくて大パノラマを楽しみながら西へ。

お弁当を食べようとしたらCAさんが「美味しそうですね!」とお茶を持ってきてくれた。
「愛妻弁当ですか?」と聞いてくださるので「自分で」と応えたら驚いていた:)

久しぶりの熊本上空。
ブルーシートで覆われた屋根が沢山見える。
空港内も補修中の場所が随所に。
その中をバスに乗って大分県竹田市へ。
10代の頃の懐かしい思い出がたくさんの道。

阿蘇山もくじゅう連山も祖母山、傾山もみんな歩いた。
すぐにでも再訪するつもりが、40年もかかっちまった。
それでもまた、それも仕事で来ているのだから嬉しいことだ。
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驚かないけど、本当に悲しく思う

2016-06-25 10:07:00 | 丹下一の泡盛日記

昨日、津市駅で英国の国民投票の結果をみた。
イギリスはかつての「名誉ある孤立」に戻るのか。
それともグローバリゼーションの崩壊の始まり、と見るべきか。
または、どこかの勢力の「仕掛け」による自滅政策、ととるべきか。
どちらにせよ経済的な大混乱が始まり、離脱に投票した人たちはますます困窮する方向に向かうのだろう。
円が一時99円まで上がった。
しまった。投票後にブータンに行けば良かった。。。

ブータンで2003年の南部での紛争を祈念してその翌年に建てられたドチュラ峠の仏塔群。
南部に居座り続けた対インド非合法武装勢力を2日で一掃した闘いは前国王がブータン軍を率いてのものだったが、その内容は仏教国ブータンにふさわしいものだった。
インドからの最後通牒、そしてブータン国会の決議を受けての武力行使だったが、出陣前に高僧が「仏教徒として殺生が許されると思ってはならない」と訓示したのだそうな。
そういえば「日本は一夜にして核保有国となりえる」のだそうな。
誰がなんと言おうと、地震のリスクがあろうと、原発稼働させるのだから、核兵器開発研究は続けているものと思っていた。
だから驚かないが、本当に悲しく思う。
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最終日無事終了後は車内宴会

2016-06-25 09:59:53 | 丹下一の泡盛日記
昨日、今回の津市小学校の最終日。
ハードルの高い現場だったけど、増々冴えるかよさん(宗像佳代)のコンダクティングで無事終了。

給食をいただいて津駅から特急で名古屋へ。
車内で椅子にもたれかかった時から意識失い爆睡。。。。
名古屋駅でメンバーたちと別れてカフェへ。
Tama+ projectの写真を撮り続けて下さっている山口さんと会う。
ブータンの写真や動画を見せながら土産話を聞いてもらう。
ここからなにを始めて行くのか。
フィードバックを聞いているうちに時間に。
17時34分のひかり号に。

岡山から乗っているNYから一時帰国中の岸本さんと合流。
岸本さんからのご提案の車内宴会♪
奈良から出雲に出かけていた岸本さん。
三輪山や出雲大社の話を聞く。
楽しい時間♪
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津市3日目終了

2016-06-25 09:41:09 | 丹下一の泡盛日記
木曜日、津の別の小学校初日。
ハードルが高い。
そしてそれは大人たちの鏡、社会の鏡でもある。
かよさん(宗像佳代)、さすがのコンダクティングで初日は無事終了。
ホテルに戻って仕事しようかと思ったのだけど、地元スタッフのお誘いで温泉へ。

からすの行水で上がり、畳の部屋でコーヒー牛乳。
その後1時間眠る。
晩ご飯のアルコールも抜く。

この山の上の風力発電機が並ぶ景色が以前と違って見える。。。
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ニルマン寺院のツェチュ、道化アツァラに感動

2016-06-23 23:36:36 | 丹下一の泡盛日記
津市3日目。
今日から別の小学校へ。
ブータンから戻った身には、様々気になってしょうがない。
モノ多すぎだ、とか、道の表示、車内アナウンスなど「指示」が多いような気がしてならない。

ブータン旅行の目標の一つ、ニマルン寺のツェチュ(祭)。
仏教の伝来をテーマにした数日間の舞踊による「再現ドラマ」のうち2日を堪能。


基本的に僧侶たちによる踊りにアツァラという道化が絡む。
仏教伝来の時代が日本の空海が活躍した時代とほぼ同じなのだが、伝えた僧侶のストーリーも「持っていた杖で地面を突くと水がわき出した」とか、似たような話がいくつもあり非常に興味深い。
そして、道化が素晴らしい活躍をする。
粛々と進む儀式的な踊りの最中にわらわらとしゃべり続けたり観客に絡んだかと思うと、踊り手の面や衣装のゆるみを直してやったり。
ほとんど舞台上の演出家。
道化論の故・山口昌男さんが見たら大喜びだろうなあ。


そして、例によってカメラを持った傍若無人な白人観光客がいる。
欧米で試合中のバスケットやサッカーコートに入り込んで写真を撮ったらブーイングだけでは済まされないだろう。
この寺院の中庭には白線で演技エリアがきちんと描かれている。
その「花道」の登退場口に座り込んでいたり楽師の真ん前に寝転んで撮影するもの。
道化や演者はすべてこれを無視している。
さすが。相手にしないのだ。(日本人じゃなくて本当によかった)
そして、白線内に足を投げ出していた日本人観光客には絡みに行く。
別の白人観光客にも絡みに行き一緒にダンスをして笑いをとり、山口さん的に言うならば祝祭空間に取り込み、登場人物の一人にしてしまうのだった。
このアツァラの手腕に圧倒された。
アツァラの赤い面には男性器を象徴する棒が括りつけられていたりするので通訳のSさんによると、アツァラを演じることは親戚には言えなかったりするのだとか。
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京都、奈良と

2016-06-23 01:25:27 | 丹下一の泡盛日記
水曜日の今日は津市2日目。
本当に子どもたちよりも大人の責任が大きいと思いつつ、2クラスを無事終了。
近鉄で京都へ。

入院している天女神楽団の女優ぺこちゃんのお見舞いに。
会うのは久しぶりだたけどFBなどでしょっちゅうやり取りしていた。
ぺこちゃん、どっと話し出す。
自分もブータンで体験した「祈りの世界」の清々しい空気感などについて話す。
もちろん入院が必要な体調だから長い時間にならないように失礼する。
天女座で何本も舞台をご一緒した。
彼女に宛て書きした場面もたくさんある。
もう一度彼女と一緒に舞台をつくりたい。

病院は京都の十条で。
目の前が京都駅で、八坂さんにご挨拶もせずに引き返すなんて初めて。
奈良の寮美千子さんのお宅に向かう。

寮さん、ご自宅マンションの1階にアトリエを創った。
素敵な空間でお手料理をご馳走になる。

美味しい!
寮さんのお家には何度も泊めていただいていて、手料理も。
その度に本当に美味しいと思う。
寮さんの小説に登場するちょっとした食事の場面。
それはミルクティーにマフィンだったりするのだけど、その描写にお腹が鳴る。
夫の松永さんの鋭い批評も健在で楽しい時間になる。
「泊まっていけばあ?」のお誘いに心を鬼にして終電で津に戻る。
ホテルでPCにある天女神楽の台本を見直す。
ぺこちゃんに宛て書きした場面で過去の時間が蘇る。
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