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たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

ポスター発表で成功するコツ -知り合いの研究者を増やそう-

2014-04-25 00:06:43 | 自然科学の研究
 学会発表をするときに、学生がとりあえずよくやるのが「ポスター発表」。今日はポスター発表で知り合いを増やす方法を語ってみようと思う。
 ちなみに、ポスター賞や若手奨励賞をとる方法は知りませんが、一部参考になるかもしれません。

 学会で知り合いを増やす、ってのはその後のキャリアパスを考えるときにまぁまぁ必要な行為なわけだけど、なかなかいきなり話しかけたりするのは難しい。だけど、学会のポスター会場では発表していると自然と会話になるし、割とコスパーはイイのです。
 でも、何も対策をせずに発表すれば、発表時間に誰もまともに訊いてくれず終わり、ということもよくあります。確かにそれでも業績としては変わりませんが(これはこれで研究評価のやり方が大問題なのだけど)、せっかく発表させてもらってるんですから有意義な時間にした方がいいでしょう。

 これは経験的な感覚ですが、1時間で10人以上は捌かないと、その後の人脈として意味のある発表にはなりません
 手っ取り早く、たくさん(自分にとって価値のある)人が来て、人脈作りをするためにはどうしたらイイか?今日は考えてみましょう。ちなみに今回は国内学会に限ります。


 1.タイトルは短く

 要旨を見て重要な研究のポスターを訊こうとしてる人からすると、クソ長いタイトルは即座に対象外になってしまいます。あなたにとって価値ある研究者は、数百、時に数千のなかから、限られた時間のなかで、何を観るか?を考えています。なので、タイトルは出来る限り短くしましょう。

 タイトルのつけ方は「目的+キーワード」です。ディテールを書きゃいいってもんじゃないです、これは守って下さい。このブログでもそうですが、長いタイトルの記事は決してバズりません。
 「そんなこと言われても指導教員や上の人達からタイトルも修正が来てしまう」と思われるかもしれませんが、長いタイトルで修正されてきたら、またその修正を受けて、出来る限り短いタイトルで送り返しましょう。

 2.サイズはA0で仕上げる

 これは当然過ぎて言うまでもないことですが、たくさんの人に観て欲しかったら、ポスターは必ずA0で作りましょう。持っていくのがめんどくさいなら布で作れ。紙でも布でも、最近はあんまり質が変わらないですから。

 あなたはA4で口頭発表のスライドを貼り合わせただけのポスターに目を留めますか?
 PIの先生でもそれは同じことです。

 3.色は青を基調としない

 パワポで作るにしてもイラレで作るにしても、日本人は青を基調としすぎです。ポスター会場はいつも真っ青です。
 青を基調にしたポスターは目立ちません

 どうしても青がイイのであっても、デフォルトの色を使用するのではなく、色空間で座標指定した色を使いましょう。
 色のセンスに自信が無いなら、パワポなどに入ってる座標指定のやり方と同じ色の座標が組み込まれている色彩学の本を一冊持っておくといいかもしれません。[CMYK]というインクに合わせた座標指定の仕方がありますので、それが書いてある色彩の本は持っていて損はありません。

 4.ポスターにメールアドレスを書き、ポスターを小さくA4に印刷した用紙を15枚以上持っていく

 これをやってないヤツはバカです。だって、これをしなかったら、この先あなたとどう連絡を取ったらいいのでしょう?
 名刺だけではダメです。あなたの名前と顔なんて、あなたがよっぽどキモいか可愛くなければ、すぐに忘れちゃいますから。

 必ずメアドを載せたポスターを作成しそれのミニ版(A4)を持っていきましょう。展示しているだけのときは画鋲にまとめて刺しておき、発表が始まったら持っておきましょう。
 自分の研究に特に興味を持ってくれた人に対してだけ、ポスターのミニ版をどうぞと差し出して、「あなたは特別です!」感を出しましょう。

 これでほぼ間違いなく名刺交換、アドレスゲットです。名刺には日付と印象を(他人にみられない範囲で)すぐに書きこみましょう(ちなみに記憶力が恐ろしいほど卓越していて、他人が言った事を一字一句覚えている俺でも、日付だけは書き込む)。学会が終わって、相手が通常の研究業務に戻ったなっと思った頃(学会終了後2~3日以内)に、メールを出しましょう。
 別に何か特別なことをメールする必要はありません。「私の研究に興味を持っていただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いします」的なことを書けば良い。

 海外の学会や国際学会では、QRコードでポスターをいつでもダウンロードできるようにしている人も多くいます。日本でも奉仕の心を大切にしましょう。

 5.短く話す

 よく、一人をトラップしてだらだらだらだら15分以上も研究内容を話す人がいますが、はっきり言って迷惑です。
 ポスターは意外と文字をたくさん書いて問題ないですが、それをダラダラ喋らんで欲しいのです。

 説明時間は3~5分くらいがベスト。相手が訊きたそうにしていたら10分程度話しても良いけど、ある程度数打ちゃ当たる。
 一人の人にものすごく懇切丁寧に教えてあげる人がいますが、これもそれ以外の人をよりつかせなくなってしまいます。
 「私、忙しいんすよ。人気者で(テヘ)。あなたにかまってあげたいし、説明たくさんしたいんだけど、たくさん人が来ちゃってるから、ごめんね。またあとで詳しく話しますよ。なんやったら、ここにメールして」感がイイと思う。

 そのためには、途中から来た人が訊いても楽しめるようなストーリー作りが必要です。スキームを大きく真ん中に持ってきて、大事なことはスキームに戻って何回も言うとか、とっても大事ですよ。

 6.冗談を言う

 冗談を言うことも人をたくさん配置させるためには必要です。
 暗いのが通常の学会において、笑顔は一縷の光です。すべっても構いません、必ず意味がある行為になります。

 途中から来た人を上手く取り入れることができれば、必ず脚光を浴びることが出来ます。そのためには冗談を少しでも良いので取り入れましょう。

 7.服装と笑顔

 まず服装ですが、ポスターの色を意識して服を選びましょう。そんなに深刻に考えることはありませんが、例えば緑を基調としてるポスターの前で赤い服を着たりしたら完全にクリスマスですね(笑)。季節外れのクリスマスを平然とできてしまうセンスの持ち主の研究には興味を抱きません。
 それくらいの心持ちはしときましょう。

 笑顔はとっても大事です。ノリが良くて元気が良いことは重要です。
 たいして面白くも無い研究内容に人がたくさん集まってるなー、って思うときは、たいてい発表者がカワイイ子のときです。Cグループのキモい男や気持ち悪いオヤジが半方針円状に集まっているクラスターには近づきたくもありませんが(同族嫌悪です笑)、、それほど観た目は大事なのですよ。
 なので、笑顔。とにかく、ニコニコ笑ってましょう。

 ただ、人がまったく来てない時に、誰か訊きに来ないかなーってみんなを見つめても、誰も来ませんよ?誰も来てないときは、ポスターの前でぼけーっとケータイでも見ときましょう。
 そして、自分のポスターを30秒以上見つめてくれたら、「軽く説明しましょか?」って声をかけたらいいと思います。


 とりあえず7項目挙げてみました。
 これからまた夏に向けて学会の要旨を書いたりするシーズン。このページを読んでくれた皆さんの研究活動がさらに発展することを祈ってます。

 はぁ、っていうか、こういうのも立派な研究活動なわけだから、誰か評価して(マジで)。
 研究室の選び方 - 『このラボだっ!』と決めるその前に -(昨日一部更新しました!)なんて、「研究室 選び方」「研究室選び」なんかでググった人のほとんどが見てるわけだから、今度なんか申請するとき、マジで業績に書いてやろうかな(笑)

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-09-13 20:45:48
服装は普通スーツだろ
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Re:Unknown (KeiT)
2017-09-13 22:38:54
コメントありがとうございます。スーツか私服かは、学会に依ると思いますよ。それにスーツでもバリエーションがありますから
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